二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.42 )
- 日時: 2014/04/01 11:51
- 名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)
第十一章-朝-
暁の朝は早い。
まだ日も上らぬ頃、同じ部屋で寝る咲夜を起こさないようにそっと外に向かう。
森のなかの少し拓けた場所で刀を振る。
まだ暗い世界に赤い刀身が幾筋も閃を残し、怪しく幻想的に光を放つ。
そうしてしばらく続けていると、空が白みはじめる。
朝食の準備をはじめる合図だ。
紅魔館の台所に立つと、まずは大鍋に昆布を入れ、湯を沸かす。
沸くまでの間に味噌汁に入れる具を用意する。
今日は美味しそうな大根があるので、それを使おうと決めた。
短冊切りにし、他の具もそれに揃える。
暁 「あとは何にするか?」
呟きながら、今ある食材を頭に浮かべていけば、それだけで残りのメニューは決定した。
味噌汁に味噌を入れる段階になれば、
咲夜「おはよう、暁」
暁 「おはよう、咲夜」
匂いに釣られた咲夜が起きてくる。
咲夜 「卵焼きかしら?」
暁 「おう、作ってあるぞ」
全ての調理を終えて、料理をよそい始めた。
その頃になれば、段々と他の妖精メイドも起きてきて、手伝いを頼む迄もなく手伝ってくれる。
配膳がちょうど終わった頃に、図ったようにパチュリーとレミリアが登場し、いただきますと共に食事が始まるのだ。
食べ終われば、洗い物は妖精メイドたちに任せ、先ずは掃除だ。
本来ならば洗濯が先だが、あいにく暁はさせてもらえない。
結果、次にやる掃除が先にくるのだ。
掃除とはいえ各部屋をまわって掃除するわけではない。
みんなの共同空間(居間や廊下など)の掃除だ。
己の部屋の掃除は己がするのが紅魔館らしい。
レミリアの部屋に限っては咲夜がやっているらしいが。
紅魔館の廊下は長い。
ものすごい長い。
本当に長い。
バケツに水を汲み、雑巾を二、三枚用意し端っこから拭いていく。
だが、小学校の掃除のように雑巾を前に置き、押していくのではない。
端の壁と向かい合い、腰を下げ後ろに下がりながら目に沿って拭いていく。
大雑把なように見えて、案外几帳面なところも有ったりする。
たっぷり三時間以上かけて、廊下を全て拭き終えた。
薪割りはそんなに大変ではない。
ここに来ればちょうど美鈴も手伝いに来てくれるからだ。
美鈴 「刀で斬ったほうが早くないですか?」
暁 「刀は薪を作るためのものではないぞ」
無駄話をしながらも、体は動かしておく。
そうしていれば、日も上りきった辺りには終わってしまうのだった。