二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.47 )
- 日時: 2014/04/01 12:20
- 名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)
着いたのは魔法の森、魔理沙邸のすぐ傍だ。
パチュリーに道を聞いていたので迷うことはなかった。
だが、
魔理沙「よう、暁。こんなところになんのようだ?」
魔理沙にばったり出くわしてしまっていた。
存在に気付いたときには既に隠れられるような距離ではなかった。
なので、正直に話すことにする。
暁 「図書館の主の頼みで、魔理沙が盗んだ本の回収に来た」
魔理沙 「借りただけだぜ」
暁 「向こうはそうは思ってないようだ。返す意志はあるのか?」
魔理沙 「私が死んだら返すよ」
暁 「それでは長すぎるな。期間も明確ではない。主の許可もなしだ。ゆえに回収に来た。できれば手荒な真似はしたくない」
魔理沙 「お断わりだぜ」
——恋符「マスタースパーク」
突然放たれたマスタースパークによって暁は存在から吹き飛ばされた。
妙な話だ。
霊夢と互角程度の戦いをしていたやつがこんなにあっさり消えてなくなる。
釈然としないまま、家を振り返った。
「!?」
本を両手いっぱいに持った暁が空に駆け上がっていた。
魔理沙 「待て!」
暁 「むっ、予想以上に早いな。できればもう少し距離を離したかったが」
——恋符「マスt——
暁「おっと、そいつを撃つと本が燃えるな」
一冊を片手に持ち、盾のように構える暁。
確かにマスタースパークでは暁だけ狙うなんて、器用な真似は出来ない。
魔理沙 「くっ! なら、星符『ミルキーウェイ』」
暁の行く手を阻むように配置される弾幕。
暁は持ち前の機動力をもって、避けるがその間にも距離は縮んでいく。
これは完全に計算外の展開だった。
既に暁は鬼切丸までの解放を行っているが、本の重量に加え元より魔理沙のほうがスピードがあるのだ。
縮地法は相手の動きや自らの間接の捻りや伸びを利用した歩法であり、連続使用できるものでもない。
故に、はじめはこっそり盗みだす計画であったし、見つかった後もデコイを使って時間を稼ごうとした。
だが、思った以上の我が道を行くっぷりに完全に狂わされた。
結果がこの鬼ごっこだ。
しかも、この本を返すには完全に振り切らなきゃいけない。
目的地が知られてる以上それは物凄く難度が高い。
暁 「やるしかない、か」
魔理沙 「逃がさないぜ、魔符『スターダストレヴァリエ』」
高速で突っ込んでくる魔理沙。
暁は壁を蹴るような仕草で勢いをつけ紙一重で避ける。
速度で負けている以上機動力でどうにかするしかない。
しかし魔理沙の猛攻は続く。
——光符「アースライトレイ」
地面から放たれる光の束をなんとかやり過ごすが、そのせいで魔理沙の姿を見失う。
「星符『エスケープベロシティ』」
下から突き上げるように箒に片手で掴まりとんでくる魔理沙を避けようとするが、見えないところからの攻撃に反応が遅れ、右肩に被弾した。
暁 「チッ!」
その反動で一冊が吹っ飛び慌てて手を伸ばし掴むことに成功。
だが、それは完全に避けられない隙を作った。
魔理沙 「此処からなら本は燃えないぜ」
暁の背後に回った魔理沙はスペルを発動した。
——邪恋「実りやすいマスタースパーク」
まずい、暁は思った。
これは死ねる、と。
小細工なしで飛んでくる大火力の攻撃と自らより速いスピード。
純粋な強さの象徴を兼ね備えた魔理沙。
片手が辛うじて使えるような状態で勝てる相手じゃない。
とにかく先ずはこの危機を乗り切らなければ。
「咆符『鬼神破咆哮』!」
空いている左手を突き出しスペルカードを発動した。
瞬間、満月のような青白い光を放つ大玉が、夕霧の周りに展開。なんとか受け切ることに成功した。
魔理沙「これで終わりだぜ。星符『ドラゴンメテオ』」
だが、暁を待っていたのは絶対なる対空砲。
暁は鬼切丸を前に出し、抵抗する構えを取る。
それを本が燃えぬように前に差し出す。
縮地法によって魔理沙との距離を詰めた。
それは自殺行為にしか見えない。
——喪符「幻影将門」
暁はそのままドラゴンメテオに突っ込んだ。