二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.48 )
日時: 2014/04/01 12:26
名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)

魔理沙「本は返してもらうぜ」

魔理沙は本を抱えている暁から奪い返しながら言う。

そうして全部持つと箒に乗って飛び去っていった。


暫くして、暁は周りをうかがった。

暁 「ふぅ。行ったか」

がさがさと草むらから出てくる暁。

その手には十二冊の本。

暁 「二度も引っ掛かってくれて助かったな」

ホッとしたように汗を拭うと図書館に向かって走りだした。

暁がやったことは二回とも同じ。

簡単に言えば、魔理沙は騙された。

本を持ちながら残像を出し、その上で質量や物理的な作用の『無』い残像を『有』ることにしたのだ。

本来は八人になる幻影将門を二人だけ出し、一人には魔理沙を騙す係、もう一人は本体を投げ飛ばしドラゴンメテオから離脱させ、のちにわざと被弾させて存在から吹き飛ばされる。

こうして、暁は魔理沙を騙したのだった。








暁 「約束の物、十二冊だ」

パチュリー 「あら、本当にとってきたのね」

暁 「正直、途中で二冊では割りに合わぬとも思ったがな」

本当に死ぬかと思った。と疲れた表情で言う。

パチュリー 「条件は変えないわよ?」

暁 「ああ、それについてはそれで良い。契約は当初の通り履行されるべきだ。今のは単なる愚痴だ。気にしなくていい」

暁は二冊の本を探すために棚に行く。

パチュリー 「そこは日本古書の棚よ? 暁なら見たことあるんじゃないかしら?」

暁 「いや、原書がほしくてな。探しに来たわけだ」

パチュリー 「何が読みたいのかしら?」

暁 「平家物語の原書と三宝絵の原書だ」

パチュリー 「それなら二段目の右から三冊目と六段目の左から八冊目よ」

その言葉に従い、遥か上にある二段目と六段目に向かい無い足場を上っていく。

暁 「さすがは図書館の主と言ったところか。ドンピシャリだ」

若干羨望の眼差しをむける暁。

パチュリー 「パチュリー。パチュリー・ノーレッジよ。パチェで良いわ。図書館の主なんてながったらしい名前で呼ばないでちょうだい。今のはサービスよ、対価はいらないわ」

暁 「では、パチェ。感謝する。それと約束どおりこの二冊を借りていく。写本が終わったら返却しよう」

パチュリー 「ええ、魔理沙より早く返ってくるのを祈ってるわ」

暁 「む、そのようなことはしないぞ」

だが、それきり興味を失ったのか再び本に目を戻しパラパラと捲っている。

釈然しないものを感じた暁だったが、よく見れば同じところばかりを読んでいる。

もしかしたら、パチェなりの気恥ずかしさのあらわれなのかもしれない。

そう思った暁は、図書館を静かに出ることにした。

図書館の主の邪魔にならないように。