二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.51 )
日時: 2014/04/01 12:39
名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)

家の中で調理していた永琳。

用意されたのは白子だ。

どうやら、妹紅とかけたらしい。

姫様らしいと永琳は考えながら屋根に掛けられたハシゴを器用に上った。



——あなたは私を殺せるかしら



永琳は上ろうとする手を止めた。

そのままのぼっていれば、これからの未来を避けられただろうか?

あるいはもう少し白子の準備に時間が掛かっていたら。

もしくは妹紅が酔い潰れていなかったら。

だが、そんなものはIFの世界でしかなく意味はない。



——言ってしまえば理論上可能だ



すでに時は動きだしている。

もう知ってしまった。

永琳は料理を届けるのを止め自分の部屋に戻った。





輝夜「永琳遅いわね」

暁 「む、見てこようか」

そういうと、屋根から飛び降り台所に向かう。

そこにはメモ書きと料理。

メモには持っていけなかった謝罪と急用が入ったということだけが書いてあった。

なんとなく不自然な気がしたが、幻想卿のお医者さんである永琳は急患が入ることもあるので、決しておかしいわけではない。

気にせずに暁は輝夜たちの下へ運ぶことにした。

輝夜 「どうだった?」

暁 「急用だそうだ。謝っておいてくれとの書き置きがあった」

輝夜 「ふ〜ん」

白子をぱくつきながら輝夜が言う。

輝夜も違和感を感じたが、言葉には出さなかった。

未だに妹紅は起きる様子はない。

すでに空は白み始め、いつもならばそろそろ鍛練も半ばに入る頃だ。

今日はこの辺りでお開きにするべきだろう。

暁 「うむ、では妹紅を送り届けてこよう。朝御飯の準備には間に合うように帰ってくる」

輝夜 「送り狼?」

暁 「ならん」

クスクスと笑う輝夜と呆れたように否定する暁。

輝夜 「あら、それはそれで失礼なんじゃないかしら?」

どうしようもないので、スルーすることに決めた。

妹紅をお姫様抱っこした暁に、

輝夜 「いってらっしゃい」

優しい笑顔で輝夜が告げた。









次の日は変な日だった。

いつもどおりの時間になっても永琳が来ないのだ。

呼びに行った兎も追い返されたらしい。

今日の朝ご飯は暁が作るようになってから初めて欠員を出すことになった。



昼御飯の時間になっても永琳は出てこない。

ただ、鈴仙が持っていったご飯は受け取ったようだから、動けない状態であるわけではないようだ。

心配ではあるが、今行っても邪魔だと追い払われてしまうらしい。

自ら出てくるのを待つしかないだろう。




午後を朝やらなかった鍛練にあてた暁。

夕食の席にもついに永琳は出てくることはなかったらしい。