二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.60 )
日時: 2014/04/01 13:19
名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)

結果を言おう。

「うっ……」

パチ

「……」

パチ

椛「うぅ、参りました」

暁 「ありがとうございました」

椛 「ありがとうございました」

椛は負けた。

ふぅ、と疲れを吐き出すように息をついた暁。

暁 「何故三手前に投了しなかった?お前なら詰みだということがわかったはずだが?」

椛 「うぅ、文様の期待に応えたくて……」


文 「なんで……? 将棋を知らないんじゃないんですか?」

暁 「うむ、知らないとは俺は一言も言ってないな」

椛 「でも、周りのものに取材した情報では将棋をしている姿を見たものはいません」

暁 「む、いつのまにか取材されていたか」

早めに来ておいて正解だったなと、暁は思った。

ただ、異変のことがばれたところで遣り辛くなるだけ、ではあるのだが。

暁 「極端なことを言えば、駒が無くともできないことはない。加えて元々武家の人間の模擬戦のようなものだったのだ。棋符は数えきれないほどに見てきた」

そうだ。

元々武家の持ち物であった暁は弱いはずはなかった。

文は情報を読み間違えたのだった。

将棋をしている姿を見たものがいない=将棋ができないではなく、相手がいなかっただけの話なのだ。

暁 「さて、約束だ。妖怪山の不干渉を実現してもらうぞ」

文 「もし破ったらどうなりますかね?」

暁 「さぁな、もしかしたら永琳あたりにえげつない薬を飲まされるかもしれん」

文はそのえげつないを想像して身震いした。

一緒に想像して椛も震えた。

そんなに怖いのか永琳。

文 「わかりました。大天狗様には話を通しておきます」

暁 「ダメだ。確約させろ」

文が心の中で舌打ちする。

通すだけ通して確約はしてないことにしようと思ったのだが、暁にはばれてしまった。

暁 「これ以上、小細工するようなら本気で排除する」

文 「あやや、暁さんにそれができますか?」

暁 「可能だな。こちらも本気なのだ、約束を破るならば相応の報いを受けてもらう」

文 「天狗をあまりなめないことです」

暁 「そちらもな。小娘」

しばし睨み合う二人。

その間では椛が急に変わってしまった雰囲気にオロオロしている。

どうしたら良いかわからないようだ。

文 「ふぅ、仕方ありません。こちらから出した条件を守らないのは大人ではないですね。確約しましょう」

ただし、と付け加える。

文 「守矢神社は別です。あそこは妖怪山勢力ではありませんから」

暁 「守矢神社?」

文 「ええ、妖怪山の中にある神社です。あそこには二柱の神様と巫女がいます」

暁 「む、それは知らなかったな。そちらも手を打っておくべきか」

スケジュール的には予想より早く文に会えたので、若干余裕がある。

巫女がいるということは話を通しておかなければ、出てくることは可能性としてはありえる。

一度会っておくべきだろう。

暁 「世話になった。これを持っておけ」

文 「なんですかこれは」

差し出された小刀を受け取りながら、文は疑問を投げる。

暁 「そうだな、約束の印、と言った所だ。それさえ持っていれば、今度の異変時誰にも邪魔されること無く取材が可能だ」

文 「?? なんでそんなこちらに有利なものを?」

暁 「情報の礼だ」

ではまたな、と言って暁は去っていった。