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Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.66 )
日時: 2014/04/01 15:09
名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)

第十七章−久々の我が家、変わりは無かった。‐
 

暁が、守矢神社で御柱を斬っていた頃。

輝夜はマヨヒガにたどり着いた。

紫 「永遠亭の主が出歩くなんて珍しいわね。こんなところまで何の御用かしら?」

扇を口にあてながら、紫が輝夜に問うた。

輝夜 「単刀直入に言うわ。貴女達は今度の異変には不干渉でいてほしいの」

紫 「あら、異変?何のことかしら?」

紫は笑みを崩さず答えた。

輝夜 「白々しいわね。どうせどこかで聞いてたくせに。まぁいいわ、答えは何よ」

紫 「そうねぇ。今回は参加しても面白そうなんだけど、見てるのもそれはそれで面白そうだわ」

輝夜 「それじゃあ!」

紫 「でもだめね。頼みごとするときにはそれなりの誠意ってものが必要よ」

扇の後ろで笑みを深めながら言う。

輝夜は一瞬考えるような仕草をした後、合点がいったように行動に移した。

輝夜 「お願いします」

頭を下げたのだ。

紫 「永遠亭の主が随分簡単に頭を下げるのね」

輝夜 「ええ、家族のためだもの。私が頭を下げるだけで済むならいくらでも下げるわ」

紫 「そうね。でもまだ足りないわ」

輝夜 「あら、私が要求されるほうになるとは思わなかったわ」

袖を口に当て輝夜がクスクス笑う。

輝夜 「何をすれば良いのかしら?」

紫 「藍」

藍 「はい」

するといつ出てきたのか八雲藍が紫の一歩後ろに姿を現した。

紫 「藍を倒せたらいいわ、不干渉を約束する」

輝夜 「そう、じゃあさっさと終わらせるわ」

永夜の借りもあることだし、と輝夜は仕掛けた。



——神宝「ブリリアントドラゴンバレッタ」



突然の開始に焦りもせずに回避した藍。

だが、それが間違いだ。

全力を以て、対応すべきだった。

蓬莱ニートと呼ばれるに相応しくない動きの速さで藍の懐まで潜り込むと、そこからは一方的だった。



——永夜返し—待宵—

——永夜返し—子の四つ—

——永夜返し—丑の四つ—

——永夜返し—寅の四つ—



被弾して吹き飛んだ藍に輝夜は止めを刺そうと蓬莱の枝を取り出した。

が、



——境界「永夜四重結界」



それに紫が割り込んだ。

輝夜 「あら、それじゃあその子を倒せないじゃない」

紫 「もういいわ。マヨヒガの不干渉は受託するわ」

輝夜 「そう、ならいいわ。じゃあ私は暁が帰ってくるまでに帰らなきゃいけないから」

そういうと、輝夜は足早にマヨヒガを去っていった。

紫 「ねぇ藍、手抜いたからって簡単にやられすぎじゃないかしら?」

藍 「元々私のほうが実力ないのに手を抜いたらこんなもんですよ」

紫 「そうかしら? まぁ今回の異変は見て楽しむことにしましょ」

藍 「はぁ初めからそうつもりなら素直に答えれば良いのに……」

紫 「何か言ったかしら?」

藍 「いえ、何も」

藍が思わず呟いた一言を耳聡く聞き取った紫。

藍は誤魔化すことにしたのだった。