二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.79 )
日時: 2014/04/02 08:50
名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)

魔理沙「くそ、なんなんだあいつ」

地面寸前で制御を取り戻し、衝突を免れた魔理沙。

だが、この間鬼ごっこしたときのようにはいかないなにかに苛立ちを顕にする。

この間は一対一でも圧倒できた。

今は二対一なのに圧倒できない。

れ 「魔理沙! 一人ずつでやるわよ」

暁 「む、始めた途中でルールを変えるのか? それでもかまわんが、一つ質問だ」

霊夢 「なによ」

暁 「二人がかりで倒せなかった妖怪。これをどう思うか?」

霊夢 「それは強いとしか……」

暁 「そうだな。俺を知っている奴ならばあるいは当然だと思うかもしれん。だが、幻想卿全体で見るとどうだ?」

魔理沙 「どういう事だぜ」

暁 「天狗はおそらく殊更にこう書くだろうな『二人で襲って適わなかった』と。仮に今一人ずつ戦うことにするとしたら、な。この相手がレミリアならレミリアが強いで済むだろうな。だが、相手は俺だ。幻想郷全体としてはほとんど知られていない無名の妖怪。そんな妖怪に霊夢と魔理沙は二人で襲って負けたとすれば、こうは思わないだろうか? 『もしかして霊夢達弱くなった?』とな」

(利用されるのは面白くないですが……)

そういう記事を書くのも面白そうだと思う文。

霊夢 「ずいぶん卑怯なのね」

霊夢が思わず毒気づく。

これでうまくいかない二対一を続けるほかなくなった。

暁 「悪役は悪役らしくいくとしよう」

暁は気にせず永琳の方をちらりと見る。

永琳はその意図を受け取りコクリと頷いた。

(さて、ここまではなんとかうまくいったな)

何故霊夢と魔理沙の二人を相手したか。

これは単純、単に片方を倒したとしてもその時の消費でもう片方に負けることがほぼ確定であるからだ。

二人同時に相手にするほうがまだ勝算があった。

何故霊夢と魔理沙の二人を相手にして圧倒的に押しているのか。

これも見掛け上押しているように余裕を見せているだけである。

なんとか、と言っているのでわかるだろう。

後の後という戦い方がある。

相手に対してわざと隙を見せ自分の任意の場所に攻撃させ、それに対応する、という戦い方だ。

つまり、自爆させているだけなのだ。

隙にも満たない隙を隙っぽく見せて避ける。

先のマスタースパークの時もあらかじめスペルを弱めて打ち込み、本来ならば隙になる時間を隙にも満たない隙に変えてしまったのだ。

これまでやってきたのはそれだけ。

だが、おそらくここからは

霊夢「やめましょ魔理沙。連携なんてとろうと思うからダメなのよ」

魔理沙 「じゃあどうするんだ?」

霊夢 「三つ巴だと思えば良いわ。単純に敵だと思って二人注意してればいい。流れ弾が当たっても文句なしよ」



こうなるだろう。

ここからが本当の山場。

行うことに関して二人には全力を出してもらわなければ困る。

そこで、もう一つ嘘を吐くことにする。

暁 「本気で来られるように一つ教えておこうか」

霊夢 「なによ、まだ何かあるの?」

暁 「変だとは思わないか?」

霊夢 「何がだ?」

暁 「先程撃った夢想妙珠は草木の一本も殺さないようなものか? 魔理沙が撃ったマスタースパークにしてもそうだ。竹の一本や二本どころじゃ済まない威力だが」

「……」

その通りだ。

暁が放った鬼皮削はちゃんと跡がついているが、他はまったく跡がない。

暁 「これは三宝絵に納められている術式でな、人間が放った霊力を吸い取る役割をしている。因みに全部吸い取られれば、能力は霊力が元となっているものだからな」



——能力を失う