二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.87 )
日時: 2014/04/02 09:31
名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)

時刻は昼をまわった辺りだが、永遠亭は宴会の準備で大忙しだ。

兎達があっちへ走り、こっちへ走りたまに誰かが尻尾か何か踏んでしまったのか、世にも珍しい兎の悲鳴と謝る声が聞こえたり。

暁は茹でたキャベツを切ったり、ニンニクや生姜をすりおろしたり、宴会に出す料理のために忙殺されていた。

作る料理はビールに合うもの。

因みにビールは先ほど紫が藍と橙をつれて、大量に持ってきている。

冷やしておいたほうが良いと言うと、てゐがビールをしまった納屋に妖精を放り込んでいた。

てゐが言うにはチルノと言う妖精らしい。

チルドと似ていたことから、幻想卿ではそういう風に妖精を使うのかと暁は間違った認識を持ってしまった。

あまりそういうことは気にせず、作業を進めていく。

皮で包む段階はあまりの量であり、さすがに一人では無理なので、てゐや咲夜に手伝ってもらおうと声をかけた。

てゐ 「これなに?」

てゐが不思議なものを見るように尋ねた。

どうやら餃子を知らないようだ。

確かに暁自身餃子を知ったのはここ最近(とはいっても、五十年ぐらいだが)であり、知らなくても不思議はない。

暁 「餃子といってな。皮で具を包んで焼くんだ。揚げたり、スープに入れたりすることもあるが、今日は焼く。これをこうやって——」

と、実演しながら説明しあっという間に一つが出来上がる。

暁 「これを手伝ってほしいんだが」

そう言う前に見たことが無い物に興味が湧いたのか、咲夜とてゐは見よう見まねで始めていた。

なかなか上手くいかないが、それでも楽しそうだ。

永琳 「あら? 楽しそうね」

永琳を連れた輝夜が参戦し、

「うさうさ〜」

それにつられた兎達もやってきてしまい、宴会準備は一時中断、家族のように机を囲みみんなで餃子を包む作業となった。



暁 「てゐ」

暁の発したいつもより低い声にびくりと飛び上がったてゐ。

暁 「今入れようとしているのはなんだ?」

てゐ 「と、唐辛子です」

暁 「食物で遊ぶことはお天道様が許しても、俺が許さん」

てゐ 「はい、ごめんなさい……」

いつもはイタズラ仲間な暁に怒られてさすがに堪えたようだ。

咲夜 「暁、もう具が無いわよ」

皮を手に持ち咲夜が言った。

餃子の皮は大量に余っている。

暁 「ああ、他にも包むものがある」

そう言って暁が持ってきたのは、チーズにキムチだ。

また違う包み方を教え、みんなわいわい作業を再開した。

そんな永遠亭には笑顔が絶えない。

最近ではだんだんと兎達が言っていることもなんとなくではあるが、ある程度理解できるようになってきた。

改めて、俺はここは良い所だと実感した暁は頬が弛むのを押さえられなかった。