二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.88 )
- 日時: 2014/04/02 09:37
- 名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)
そして、日も落ちきりレミリアが起き上がってきた頃。
宴会の開始だ。
襖を開け放ち、いくつもの部屋をつなげた大広間は様々な妖怪で大繁盛。
すでに輝夜による乾杯の音頭も済み、兎達は給仕に大忙しであちこち駆け回りお酌している。
ちゃんと教えた通り七対三を守っているようだ。
周りからあがるうまー! という声に暁も大満足である。
妹紅 「ゆうぎりぃ〜、かぐにゃがいじめりゅ〜」
半泣きになりながら絡んできたのは妹紅だった。
どうやらゆっくり飲めば大丈夫だが、一気に飲むと酔うのも物凄く早いらしい。
暁 「はいはい、大変だったな」
ぽんぽんと頭を軽く叩いてやると、喉をならし寄り掛かって寝てしまった。
慧音 「お前も大変だな。いや、役得か?」
暁 「うむ、役得と思っておくのが吉だろう」
声をかけてきた慧音に軽く答えながら、あぐらをかいている片方の膝を枕にする妹紅の髪を撫でる。
紫 「それは私でも役得と思ってもらえるのかしら?」
後ろから紫が声を出した。
スキマから出てきたのだろうか?
暁 「おお、ゆかりん♪か。どうだろう、報酬として適うぐらいには旨いか?」
紫 「それはまだ引きずるのね……。ええ、十分よ」
初対面を若干後悔した紫が答えた。
大広間の真ん中は大きな中庭になっていて、そこでは音楽が演奏されている。
曲はシンデレラゲージと言うらしく、てゐがその前で踊っていておひねりをもらっていた。
曲が終わったとき、てゐは中庭から戻り、輝夜の近くに座った。
次の志願者はいないようだ。
そう思ったとき、
輝夜「暁、一緒に舞でもどうかしら?」
満月をバックにかぐや姫は明らかに舞に誘うような笑みではなく、獰猛な笑みで暁を誘った。
つまりその意味は、
輝夜 「永琳、思い切りやっても?」
永琳 「問題ないわ。一切中には弾幕は入ってこないし」
暁 「では、ぜひ、とでも答えておくか」
そういうと、暁は眠っている妹紅を慧音に預けた。
慧音 「大丈夫なのか?」
との慧音の問いには、
暁 「永琳が止めなかったんだ、一戦程度なら問題あるまい。危なくなれば奥の手もあることだしな」
と答えておいた。
鈴仙 「えっ…え、師匠! いいんですか!」
永琳 「いいわよ。これは宴会よ? その辺りは姫様も暁もわきまえてるでしょ」
慌てる鈴仙を永琳がやんわりと止めた。
てゐ 「はいはーい、賭け符一口五百円からだよ〜」
早速商魂を出したてゐが賭けの胴元を開始、てゐが手に持っているザルには瞬く間にお金が集まっていく。
どうやら輝夜の勝ちに買いが集まっているようで、倍率が酷い。
ほぼ無名の暁と幻想郷最大勢力の中の一つの長、輝夜では知名度が違いすぎる。
そんな中大きい声ではなかったが、凛とした声が響いた。
レミリア 「てゐ」
てゐ「はい、あなたも買いますか?」
レミリア 「ええ、暁の五百口ね」
辺りが騒ついた。
知らない妖怪に紅魔館の主が大穴賭け。
様々な情報が行き交う。
異変を起こしたらしいという眉唾物だと思われているものから、料理を作ったらしいという関係ない情報まで。
鈴仙 「あってゐ、私も買う」
騒ぎの中可愛げなお財布から鈴仙がお金を入れた。
暁 「む、輝夜が賭けたか。これは負けられぬか?」
そんな時一際大きな声が響く。
レミリア 「咲夜、暁に千口よ」
再び騒つく。
輝夜の自信とレミリアの自信。
やるのは暁であるが、焦点はそこに移っていた。