二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.89 )
日時: 2014/04/02 09:41
名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)

結局買いが先に走っていた輝夜の方が断然多く、暁が勝てば暁に賭けたものは七から八倍の配当だ。

妖怪たちはよりいい席で見ようと我先に前に進む。

もちろんビールとつまみは忘れない。

輝夜の賭け札の者は北に、逆は南に移動している。

故に北はぎゅうぎゅう、南は比較的ゆったりだ。

暁の応援には咲夜やパチュリー、紫、霊夢、レミリアなどが陣取り、輝夜の応援には永遠亭の者たちや兎、そして魔理沙がいた。

霊夢「暁、あんたのお賽銭入れてるんだから勝ちなさいよ!」

と霊夢が野次を飛ばす。

その声にむっとした顔を見せる輝夜。

輝夜 「そういえば、あなた私に霊夢の能力がなくなる可能性は話してないわよね」

暁 「ああ、知っていたらあの時点で止めていただろう?」

輝夜 「当然ね。私はまだ霊夢に借りを返しきっていないのだから」

暁 「後に永琳の治療によって戻せるもの、でもあったわけだが」

輝夜 「じゃあ」

暁 「頼んだらやってくれたかもしれぬ。だが、それが同情なのか別のことなのか俺にはわからんが、禍根を残すには間違いない。俺は対外上輝夜の下にある者で、姫は何もしなくても貢がれるものであり、施しを受けるものではない。だからこその異変と弾幕」

曰くスペルカードルールは後に禍根を残さぬ。

そんなことを話していれば周りから野次が飛ぶ。

暁 「む、これ以上話していては興が覚めるか」

輝夜 「ええ、今回は私の運動に付き合ってもらうわ」

正面に見える位置には魔理沙がいて野次を飛ばしている。

本の恨みだのなんだの。

暁 「務める自信はない。俺が勝つからな」

騒ついていた場内がピタリと静まり返る。

冷水を浴びせられたような、そんな輝夜から発された威圧の所為だ。

だが、暁はひどく凪いでいた。

呟くように鬼切丸と言った暁の声が静かに響く。

緊張に耐えられなかったのか何者かの皿が落ちる。

その音が合図になった。