二次創作小説(映像)※倉庫ログ

一日目 ( No.96 )
日時: 2015/03/01 18:07
名前: 葉月 (ID: eldbtQ7Y)
参照: 久々のバトロワ更新ですの

*Bー7*

海辺のところにて、剛田 武(ごうだ たけし)、野比(のび)のび太、花宮 真(はなみや まこと)、櫻田瑞樹(さくらだみずき)がテントを張って焚き火をしていた。正確に言うと、焚き火の周りに彼らが囲んで話し合っているということだ。
彼らの考えは首輪をはずす方法、殺し合いに乗っていない人を集めることだ。ゲスで悪童と呼ばれた花宮も同じ人間だし、普通の高校生だ。まともな思考も持っているのでゲスの時とは違った一面も見せる。
高校生二人が小学生二人を守り、周囲を警戒する。

「なぁ花宮、誰が怪しいと思うか? 名簿を見る限りアクラルやランスロットさん、リデルが危険やねんけど……」
「俺もリデルという女が厄介だと思う。アイツは武器を持たねぇ方が強いというぐらいだからな」

焚き火の火と月明かりを頼りに名簿に「リデル・フェイアード」という名前を指した。
ジャイアンはすっと立ち上がり、拡声器を手に持って息を吸って叫んだ。

『こちらジャイアン! お前らに報告がある! リデルという女は危険人物だから見かけたら逃げるんだ! リデルという女は武器なしでも強いんだ!』
「おい、違う奴が来たらどうするんだよ!」
「殺し合いに乗っとる奴もおるかもしれんのに何してくれとんねん!」

拡声器で叫ぶジャイアンを見た瑞樹と花宮は慌てて止めに入る。拡声器は他エリアにも声が響くようになっており、最悪な場合、マーダーが聞いている可能性も非常に高い。

「大丈夫ですよ! それぐらい! 『あと、みんなに言いたいことがあるんだ! 俺達は死神に騙されているんだよ! 無駄な殺し合いはやめるんだ! 何で仲間同士で殺し合わなきゃいけねぇのか分かんねぇよ! 無駄な殺し合いじゃなくて、みんなで協力して脱出した方がいいと思うんだ!』」
「あのバカ……! 殺し合いに乗ってる奴らまで来ちまっても知らねぇぞ……!」

チッ、と花宮は忌々しく舌打ちをして拡声器で呼びかけるジャイアンを見る。のび太も不安そうにして、瑞樹もやや呆れた感じだった。
メタ的に言うとこの拡声器は呪われた道具の一つになっている。とあるバトロワではこれを使ったマーダーの誰かに殺されるという決まりがある。ジャイアンはその犠牲者になるのか不安である。

しかしジャイアンの死亡フラグは一人の人物の登場によってへし折られる。
彼らの前に現れたのは青い着物に青い眼鏡をかけた少女だった。中性的な顔立ちで青いメッシュが入った髪の彼女はジャイアンの拡声器による呼びかけにやってきたのだ。

「あんたはランスロットさんだったか。こんなところで何をしに来た?」
「ちょうど通りかかっただけですよ。そういうキミ達こそ何をしているのですか?」
「あぁ、俺らは殺し合いに乗らん奴らを集めて、首輪をはずせんかっちゅう話をしたとこや。あんたは何しに来たん?」

ランスロットと呼ばれた少女は瑞樹の問いに答える。

「ちょっとこの中を探索しに来ただけです。もしかしたらどこかで殺し合いに乗ってるんじゃないか、血塗られているんじゃないかって思いまして。キミ達はそうじゃなかったから安心しました」

彼女の言葉を聞いて瑞樹、花宮、のび太、ジャイアンの四人は安堵した。険しい表情から優しい表情に変わる。彼らは彼女を危険視していたため、ランスロットは殺し合いに乗らず、各地で殺し合いをしているのかを探っているという行為を知って警戒を解いた。

「なぁ、あんたは何で単独で行動したん? 誰かに狙われるかもしれんのに」
「私は死にませんし、狙った人を返り討ちにします」
「何でそう言い切れるんだよ? 急所をやられたら終わりなんだぞ? あんたはそんなに死にたいのかよ?」

花宮や瑞樹に単独行動は死だということをランスロットに言うが、ランスロットは大丈夫だと自信を見せる。
何故彼女は殺し合いの舞台に立っても余裕を見せるのかというと、彼女には秘密があったからだ。

「私は『青龍』なんです。人の姿をしておりますが、『青龍』を受け継いでいます。ちなみに私とアクラルは“心臓”をやらない限りは死にませんので」
「……“心臓”って何やねん? 俺らの心臓とは何がちゃうん? それにアクラルって誰やねん?」
「アクラルは私の兄です。アイツは私を探しているに違いありません。“心臓”というのは私やアクラルなどがはめている石のことです。この石がバラバラに砕かれない限りはキミ達にとって急所がやられても平気なんですよ」
「頭を撃ち抜かれても首を斬られてもか?」
「平気です。痛いと感じるだけですので……」

灯焔さん、ランスロット時代になってますけどいいですか?