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Re: 『DAIVA』 ディーヴァ・アニヒレイトファンタズマ ( No.5 )
日時: 2014/04/27 22:17
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: ol9itQdY)

 
 一閃。

 
 迸る極大の閃光が薙ぎ払われる。

 数百隻を超す艦体が一瞬にして焼き尽くされ、宇宙の藻屑となる。

 数多の戦艦が本来の役割を全うする事無く残骸と化し、虚しく虚空を漂う中、巨大かつ醜悪な八つ首の龍がその鋭い顎から覗く炎を燻らせながら飛翔する。

 その傍ら、厳つい武装を施した軍用艦がたった今眼前を埋め尽くしていた艦体郡を殲滅させた暴竜を見守る。



 圧倒的すぎる破壊力。

 恐るべき、その力。

 惑星すらも消滅させる星間侵略最終兵器。

 その名は『ヴリトラ』。

 


 「くっくっくっ、はっはっはっはっはっ!!!! 素晴らしい、素晴らしいぞ、我が破壊の落とし児よっ!!!! スートラの辺境惑星を消し飛ばした時よりも、遥かに性能が向上しているぞ」


 豪奢な冠と煌びやかな外套を纏った面長の男がブリッジルームのモニター映像の暴竜を見ながら、ワインを煽る。

 男、元帝国宇宙軍総司令官、現インドゥーラ帝国及び新生アルジェナ新国王シヴァ・ルドラが飼い犬を褒める主のように振る舞う。

 そこには、何万、何億と人々の命を奪った罪悪感など微塵も感じさせず、寧ろ愉悦の表情で事の成り行きを堪能していた悪魔の如き姿があった。

 いや、本当に悪魔の化身ではないかと錯覚するほど、シヴァ・ルドラの暴虐ぶりは目に有り余るものだった。

 
 彼は忠義に厚く、厳しくも清廉潔白の人間だった。


 だが、ある日突然豹変してしまったのだ。


 残虐に。

 残酷に。

 冷徹に。

 冷酷に。

 本当に人が変わってしまったのだ。

 進言する者、逆らうもの、意に削ぐわぬ者。

 すべて皆殺し。

 そして、ついにクーデターを起こし、黄金帝と謳われた国王マヌを手にかけてしまう。

 それだけでは止まらず、極秘裏に研究中であった戦略兵器を強制起動させ、自らの祖国でもある母星アルジェナを起動実験のために消滅させたのだ。

 なんの躊躇も、戸惑いも無く、嬉々として。
















 囁くのだ。






 殺せ、と。







 聞こえるのだ。








 根絶やしにしろ、と。











 『デーヴァ』の血に連なる者どもを。










 己の中の吠え猛る慟哭が。










 煮え滾る墳流となり、猛火となり自身の躰を舐め尽くす。









 「・・・さあ、次はどの星を喰らってやろうか・・・」













 『アスラ』の魂が導くままに・・・。