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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 女武将、始めました〜戦国ノ夢〜 ( No.4 )
- 日時: 2014/05/04 16:57
- 名前: 梅 ◆9KV72UfMbo (ID: uLBjsRTH)
第4話「半兵衛さん」
「君ってさ、本当に異次元から来たの?」
今は、半兵衛さんにお風呂まで連れて行かれている。
「はい」
私は緊張して答える。
改めて思った。
「綺麗な顔・・・」
「ん?なんか言った?」
聞かれたか?
「いえ、何も。それより、ここの人たちはどうして私を信じたのでしょうか」
「まあ、優しいからね。秀吉様は」
あっさりと言った。
半兵衛いわく、ここの人たちは家族のようなものらしい。
「ゴホッ」
突然咳き込む半兵衛。
「大丈夫ですか?」
「ゴホッゴホッ」
口を抑えてうずくまる。
どうしたらいいのだろう?
誰かを呼ばなくては。
「誰か・・・」
言いかけた私の手を掴む半兵衛。
「まさか、芝居だよ」
何もなかったかのように笑って言う。
「え・・・」
「うふふっ面白ーい!」
無邪気な子供のようだ。
「本当ですか?」
「もちろん!」
この人は黒い。
私は直感した。
「はい、ここがお風呂だよ。ゆっくりどうぞ」
「ありがとうございます」
「着物、ここに置いておくからね」
「へ?」
脱衣所で、気がつけば半兵衛様。
ニコニコしている。
「あの、出てもらえますか?」
「だよね〜。あ、きていた服は、持ってきてね」
じゃあね〜、と当たり前のように手を振り、外に出て行く。
「優しいな」
体を流しながら呟く。
疑われながらも優しく接し、帰れるまでここにいていいと言ってくれた。
しかし、この世界でも半兵衛様が肺炎を患っていることは確かだった。
「芝居だよ、なんて・・・。知ってるんだから」
鏡を見ると、肩に黒い跡がついていた。
「何、これ?」
触ってみると、痛かった。
あざのようだ。
「いつ、着いたんだろ・・・」
しかし、痛みを感じまだ自分が生きていることを実感した。
風呂から出て、用意された着物を着た。
それは、いかにも今から食事というような服で、黒い生地に赤い牡丹というお洒落な柄だった。
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