二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 新選組夢絵巻【薄桜鬼】 ( No.5 )
- 日時: 2014/05/15 14:52
- 名前: 梅 ◆9KV72UfMbo (ID: 7I10YEue)
土方さんか。
正直、心配だった。
先ほどの雰囲気を見るに1番頭が固そうだ。
しかし、羅刹について教えるわけにはいかない。
そして、この胸の紋様についても。
「失礼いたします」
「入れ」
そう言って襖を開ける。
部屋の奥の机に向かって土方さんは座っていた。
「聞きてぇことがあるんだが」
「申し訳ありませんが、羅刹については教えるわけには行きません」
私は土方さんの心を読み言った。
「おい、斎藤、お前少し出てくれるか?」
土方さんは斎藤さんを外に出させる。
もちろん斎藤さんは出て行く。
何をするのかと相手の目を見て意識を集中させた。
・・・・わからない。
こんなことは初めてだ。
相手の感情が渦のようで、どれが本当かわからない。
土方さんが口の端を少し上げたように見えた。
「何のようですか?」
仕方なく聞く。
「今、お前は動揺しているな」
表情を変えないように意識を集中させたが、隠せていないようだ。
「俺も、お前と同じだ。ここのみんなは全員な」
「・・・・」
私は言葉を失った。
私たちの他にも、それも沢山いるだなんて。
ならば、羅刹について知っている理由も・・・・
「読めたぜ。大方親が持ってたってことだな。 まあ、許してやる」
「・・・・」
頭はパンク寸前だ。
読めるとわかっていながら頭の中で変若水について考えてしまった。
土方さんの心をもう一度読もうとする。
「無駄だ。技術は俺たちの方が上。その分、相手に読まれないようにする方法も知っている」
・・・・想定外だ。
「ならば斎藤さんを外に出す必要はないのでは?」
土方さんはさっき『全員』と言った。
「ああ。お前がどれほど思慮深いか試させてもらった。まあ、普通だな。お前は能力に頼りすぎだ」
確かにそうかもしれない。今までこんなことはなかったから。
「まあ、本題に入ろう。斎藤、入っていいぞ」
まだ本題じゃなかったのか。
心なしか、入ってきた斎藤さんの顔が赤い。
・・・・笑ってたの?
「お前をここに呼んだのはお前の配置についてだ。本来なら、女は入れない。だが、お前は特例だ。強いからな。だがお前は配置は決めない。そして基本的に男装。その時の状況に合わせて動いてもらう」
「・・・・はい」
「まあ、これだけだ。
斎藤、部屋に案内してやれ」
「わかりました」
そして部屋を出る。
「・・・・盗み聞きとは趣味が悪いんじゃないのか」
部屋からでて斎藤さんが言った。
すると柱の影から沖田さん、永倉さん、原田さん、藤堂くん、が出て来る。
「ばれてたか」
そう言って笑う沖田さん。
・・・・やはり、心が読めない。
「無駄だよ。俺たちは」
原田さん達の笑いがイラっとする。
「ま、よろしくな!白奈!」
藤堂くんが笑いながら言う。
「みなさん、よろしくお願いします」
なんだかんだ言って1番年下だ。
そしてそれなりの礼儀もわきまえている私はそういった。