二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chapter02 〜明日の登らない丘へ〜 ( No.181 )
日時: 2014/06/19 18:15
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: QNd6qtAW)

……さて、どこに行こうかな…。しばらく考えた結果、気晴らしに購買部にでも行ってみることにした。
初めてあのガチャガチャをした以来だからなのか、不思議と心が躍っているような気がした。
———そして、購買部についたの…だが。俺を待っていたのは思いもよらない、会いたくもない『あいつ』だったのだ。


「いや〜ん、片桐クンのエッチ〜!!」
「なんでお前がここにいるんだよ!!!」


購買部ではモノクマがいそいそと棚の商品の並べ替えをしている。
俺に気付いて驚いたのか、あからさまに煽ってきた。…そもそもお前服着てないだろ。


「一体何しに来たのさ、ちゃんと立札立ててあったでしょ?」
「そんなものどこにもなかったんだが」
「え?……あーーーーっ、本当だよ!!ボクとしたことが立札立てるの忘れてた!今立ててくるから待っててね〜!」


そんなことをわざとらしく言うと、『整理中』という立札を持ってトテトテと購買部を出ていった。
…しばらくその場から動かずに待っていると、モノクマがふぅ、とため息をつきながら戻ってくる。


「それで片桐クン、キミは一体何をしに来たのさ」
「暇だからあのガチャガチャでもやりに来たんだよ。メダルも残り少ないし慎重に行かないとな。変なもの出たらたまらないし」
「…うぷぷ、本当にメダルが少ないと思ってる?」


そう言いながら、あいつは俺のメダルケースをいやらしく見つめる。…心底こいつが気持ち悪く思えてきたが、気にするようなことでもないのでメダルケースを取り出した…のだが。
俺はそこで普通では絶対にありえないことに気付く。


「…メダルが、増えてる…?」


そう、メダルが増えていたのだ。俺がメダルを入手したのは、ディムと瀬川から貰った2枚だけ。こんなに、具体的に言えば100枚近く増えた覚えがない。
わけの分からない出来事に頭を悩ませていると、その反応が面白かったのかモノクマは満足そうに俺を見てくる。


「うぷぷぷぷ、それも学級裁判のご褒美だよ。片桐クンよーく頑張ってくれたじゃない。だから、モノクマメダルを頑張りの数に応じて沢山差し上げちゃいま〜す!!」
「余計なお世話だよまったく」
「そんなこと言ってー、本当は『コレクター精神』とかいうの働いてうずうずしてるんじゃないの〜?」
「するか!他人が死んで手に入れたメダルなんて嬉しくないよ…」


———モノクマの奴、俺を落ち込ませるためにこんな話を持ち出したのか?だったら余計に腹が立つわ。
俺はモノクマにぶっきらぼうに返答をした後、彼を無視してガチャガチャにメダルを2枚入れた。もちろん、ディムから貰ったものと瀬川から貰ったものだ。
……裁判をして手に入れたメダルなんて、使えるかよ…。
そう思いながらガチャガチャを回す。……出てきたものが反応に困るものだったのが心底引いたんだが。




『某裸族姫のブロマイド』

『パイナップル』




…なんだこれ。パイナップルはまだしもどこかで見たことのあるような姫の裸のブロマイドなんて欲しくないぞ…。
モノクマはそれを見て滑稽に笑う。おかしいなら笑えよ。俺もう何とも思わないよ。


「……うっぷっぷ〜、片桐クン本当は『超高校級の不運』だったりしないの〜?」
「何とでも言え!……ん、モノクマ、お前の持ってるそれ……毒薬?!」
「うん。使ったものはちゃんと元に戻しましょうって先生に学ばなかった?」
「お前、そんなことがあったから黄瀬の事件が起きたんだぞ?!わざわざ同じところに戻すなよ!!」


ふと、モノクマが持っているものに目を向けると…。そこにあったのは毒薬だった。そう、黄瀬が犯行に使ったあの『トリカブトの毒薬』だ。
あいつはそんなことを言ってはぐらかしているが、絶対に犯行を助長するために置いているに違いない。というかそんな危険なものをこんな場所に野放しにして欲しくない。


「はぁ〜あ、元々は片桐クンがこんなところに置いたから事件が起きちゃったんでしょ〜?駄目だよ毒物の処理はちゃんとしなきゃ」
「そ、それは今でも悪いと思ってるよ…」
「うぷぷ、反省の色が見えているので今回は許してあげましょう。ま、片桐クンが隠したところと同じところに隠したから誰も見つけられないと思うけどね!
 『見てる人さえいなければ』ね!」
「不吉なこと言うなよ…」


上機嫌そうに鼻歌を歌いながら、あいつは毒薬を俺の隠した場所へと戻した。
…まぁ、あの場所ならそうそう目立たないし、持ち去る奴なんていないだろ…。
俺はモノクマに呆れつつ、用事も済んだので購買部を後にすることにした。



———だけど、それが間違いだったんだ。








『ふぅん……。なかなかやるね、あの白黒パンダ。次の事件も、面白くなりそうだ』





———俺達のやり取りを、見ていたやつが…。『毒薬の在り処を知ってしまった』奴がいたなんて…。