二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chapter02 〜明日の登らない丘へ〜 非日常編 ( No.211 )
日時: 2014/06/24 19:23
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: RfrjJukS)

……また、殺人が起こってしまった。
モノクマの死体アナウンスを聞きつけ、今生きているメンバーがぞろぞろと厨房へとやって来る。そして…変わり果てた浅峰の姿を見ては、それぞれの反応を見せていた。
———もう、こいつが目を覚ますことはない。運動を教えてもらうことも出来ない。


「また、起きてしまったんだね」
「犯人を……見つけないと……。浅峰の無念を……晴らさないと……」
「寺阪、自分を見失ったら駄目だ!!自分も…浅峰が死んだことにはびっくりしているが…」
「捜査、しよう。この事件を…解決するんだ」


俺は精一杯の声で、そう叫ぶ。
タイミングを見計らったように登場したモノクマに今回の事件のファイルを貰い、早速捜査を始めることにした。
今回の見張りは、前回と同じく検死役も兼任する鼎野、そして三神が担当することになった。







〜厨房 浅峰ノ死体 前〜


「とりあえず、モノクマファイルを見てみよう」


素早い手付きで手帳を取り出し、モノクマファイルを開く。
そこには、今回の事件の被害者の情報が簡単にまとめられていた。




被害者:「超高校級の体育委員」浅峰小太郎
死因:不明
死亡時刻:午後1時30分頃
死体発見場所:寄宿舎1F 食堂内 厨房
備考:顔に何かで殴られた打撲痕がある。




『モノクマファイル2』浅峰の被害状況がまとめられている。何故か死因の欄が『不明』になっている。

『浅峰の顔の打撲痕』顔全体に痛々しいほどに痕が残っている。浅峰は撲殺されたのだろうか…?

『浅峰の吐血痕』浅峰の口から出ている血液。浅峰は毒殺なのか…?




やはり、今回もちゃんと調べなくちゃダメってことか。
……覚悟はしていたが、やはり死人を前にして狼狽えるわけにはいかない。ここで頑張らないと…浅峰も報われない。
とりあえず、浅峰の死体の状況について調べてみるか…。気は、進まないけどな…。
———そう思って浅峰のジャージに触れてみたのだが…。何か違和感を感じた。


「ジャージが濡れている…?」


濡れている、ということは…。浅峰は死ぬ前に水を飲んでいた、ということなのか?だったら、口から吐いている血はなんなんだ…?




『浅峰のジャージ』濡れている箇所がある。浅峰は死ぬ前に水を飲んでいた可能性が高い。




それと、浅峰の周り、そして彼の手の周りにやけに飛び散った破片が気になるが…。もしかして、浅峰はこの破片の元になるもので殴られたのかな?
一応メモしておかなくては。




『透明な破片』浅峰の手の周りと顔の周りに飛び散っている固い破片。浅峰はこれの元になるもので殴られた可能性がある。




捜査を続けていると、不意に三神に呼ばれる。どうやら何か気になることがあるらしい。


「あいたん妙なことに気づいちゃったー」
「なんだ?」
「あのねー?あいたんは午前中にここにジュースを飲みに来たの。だけど、棚の中のコップはこんなに少なくなかったと思うんだー」
「……コップ?」
「うん。こっちの棚の中にコップが入ってるでしょ?あいたんの記憶だとー、あいたんがジュースを飲みに来た頃には18個あったんだ」


……待てよ?明らかにおかしいぞ?今棚の中に入っているコップの数は…せいぜい12、3個辺りだろう。
三神の話が本当なら…あの破片は『コップの破片』ということにならないのか…?!




『三神の証言』午前中に彼女がジュースを飲みに来た時と、今の棚に入っているコップの数に違いがある。明らかに5、6個少なくなっている。

【コトダマアップデート!】
『コップの破片』浅峰の手の周りと顔の周りに飛び散っている固い破片。浅峰はそのなくなった5、6個のコップで殴られたのだろう。




引き続き棚を調べてみると、またもや三神が変な声を出す。
何事かと聞いてみると、彼女は苦い顔をして一番端の棚の奥を指差した。そこに入っていたのは———

















「毒薬?!」
「これ、黄瀬さんの事件の時と同じ毒なんじゃないの?ご丁寧に『トリカブト』って書いてあるし、量も超少なくなってるしさ」
「ってことは、あの場所から毒薬をだれか持って行ったのか…?!」


あの毒の隠し場所を知っているのは俺とモノクマしかいないはずだ。モノクマは変なことで口外するような奴じゃないし、そうなると……。
俺の他に『毒の隠し場所を知っている人間』がいるということになる。迂闊だった、あの会話聞かれてたのか…!!




『棚の中の毒』黄瀬が犯行に使ったものと同じもの。1回目の事件の時よりも量が減っているため、使用された形跡がある。

『片桐とモノクマの会話』毒の隠し場所を知っているのは片桐とモノクマのみ。彼らの会話を盗み聞きして持って行った人がいる。




毒について考えていると、鼎野がこちらを呼んでいる声がした。
……どうやら、検死が終わったようだ。


「片桐の旦那、検死で凄いことがわかったぞ…」
「なんだよじらさないで早く言えよ」
「聞いて驚くなよ。浅峰の顔についていた傷なんだが…。『死後につけられた可能性が高いんだ』」
「……はぁ?ってことは…コップで殴ったのは浅峰が死んでから…?!」
「そういうことになるな」




『鼎野の検死結果』浅峰の打撲痕は死後につけられたものの可能性が高い。死因を偽装するためのカモフラージュなのかもしれない。

【コトダマアップデート!】
『浅峰の顔の打撲痕』顔全体に痛々しいほどに痕が残っている。鼎野の検死結果で、これは死因を偽装するためのものの可能性が高くなった。

『浅峰の吐血痕』浅峰の口から出ている血液。浅峰は毒殺された可能性が高い。




「死因が狭まったのは、かなりの情報かもな。浅峰は撲殺されたわけじゃなさそうだ」
「だったら、毒殺の可能性が高いのかな…。他の場所も調べてみたほうがいいかもしれないな」
「あいたん達もここをもうちょっと調べてみるから、片桐くんも頑張ってねー!」


うん、ほかの場所も調べてみたほうがよさそうだな。
俺は2人に挨拶をし、厨房を出ていき食堂を後にした。