二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter02 〜明日の登らない丘へ〜 非日常編 ( No.214 )
- 日時: 2014/06/25 22:57
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: QgoEX629)
何か情報を得られそうなところは……っと。まずは毒が隠されてあった購買部に行く必要になるな。
というわけで向かっていると、途中で何かを聞いて回っている様子の瀬川と、それに受け答えをしている様子の小鳥と鉢合った。…何を話しているんだろう?
「瀬川に小鳥。何を話しているんだ?」
「あぁ、片桐か…。ちょっと気になることがあってな」
「気になること?」
「うん。なんかさ、瀬川にーちゃんったら『死体発見アナウンス』を聞く前に浅峰にーちゃんの死体を見たかって聞いて回ってるらしいんだよ」
「……お前、そんな趣味あったんだな」
「違うよ馬鹿野郎。今回の死体発見順って、確か情報が確実なら『片桐が発見後、寺阪が発見して死体発見アナウンスが流れた』はずだよな?」
「……なぁ、そもそもその『死体発見アナウンス』ってのはなんだ?」
「そっか、にーちゃんはディムにーちゃんの事件の時は気絶してアナウンス聞いてなかったんだもんな。よーしそれじゃ俺が説明してあげようじゃないか!」
小鳥がやけに自慢げなのは気にしないでおこう。
「この中に閉じ込められている人間が『犯人以外の3人以上』死体を発見した場合、死体発見アナウンスが流れるんだって。モノクマが死体発見直後に説明してたぞ」
「……待ってくれ。何かおかしくないか?確かあの時死体を発見したのは『俺と寺阪』だけのはずだ。それなのに死体発見アナウンスは流れたんだよ」
「そこなんだよな…。もしかしたら、今回の第一発見者は『片桐ではない』可能性が高いぞ」
「はぁ?!だったらなんでみんなに言わないんだよ!!」
「『犯人とその第一発見者が共犯関係にある』ってことなのか…?」
「分からない。だけど、浅峰の死体を見ても誰にも言わなかったってことは…。何か裏があると考えたほうがいいかもな」
『死体発見アナウンス』死体を犯人以外の3人以上の人間が発見した時に流れるアナウンス。しかし、今回の場合は片桐と寺阪が見た時点で流れたため『彼らより前に死体を見た人間がいる』という可能性がある。
……自分の推測を言い終わった後、瀬川はこう付け足す。
「そういや、今回の事件は昼頃起きたんだよな。その頃あんた達が何をしていたのかはわかるか?」
「うーん……お昼頃なら、俺と月樹野ねーちゃんが食堂にいて、少しした後に片桐にーちゃん、七花にーちゃん、鷹取ねーちゃんが食堂に入ってきたな。
それで、月樹野ねーちゃんが厨房に入っていった直後に春白ねーちゃんが現れたんだったな」
「そうだったな。春白は『水を飲みに来た』って言ってただけらしいが…。その後、俺達が食堂を去る前に春白は厨房を出て、食堂を去って行ったな」
「……そうか……」
小鳥と俺の供述を聞いた瀬川が、ふと腕を組み何かを考え始める。…心当たりでもあるのだろうか?
数刻後、彼は何かの結果を導いたように表情を変え俺達にこう言う。
「……もしかしたら、今回のクロは『浅峰を殺すつもりじゃなかった』んじゃないか?」
「えっ?!だったら誰を殺そうとしてたんだよ!!」
「……そこまでは、まだ…。だけど……今回の事件、犯人にとっては相当想定外だろうな。だって…『殺そうとしていた人物』を殺し損ねているんだからな…」
———浅峰はターゲットじゃない?だったら、あいつは『不運にも』殺されてしまっただけ、だというのか…?!
こんなの、こんなのって…………!!
『小鳥の証言』昼食時間、食堂にいたのは『片桐、小鳥、七花、鷹取、月樹野』の5人。彼らが食堂にいる途中で春白が食堂にやって来て、彼らが食堂から出る前にそこを去って行った。
『瀬川の証言』今回のクロは浅峰を殺すつもりではなかった……?では一体誰を殺そうとしていたのだろう?
「片桐、あんたどこにいこうとしてたんだ?」
「購買部だよ。浅峰の犯行に使われた毒、もしかしたらそこにあったものかもしれない可能性が出てきてさ」
「片桐にーちゃん、毒ってなんだよ?ま、まさか……」
「俺は殺してないぞ。毒が移動されていたからさ、もしかしたら購買部の毒が移動されたんじゃないかって思って」
「ふぅん…。購買部なら今頃、鷹取と波希がいるはずだ」
「片桐にーちゃんあやしー…」
「だから殺してないって!!」
———鷹取、か。一応浅峰の行動について聞いてみたほうがいいと思うが…。彼女は浅峰と仲が良かったはずだ。
精神的に追い詰められていないといいけどな…。そんな不安を抱えながら、俺は2人と別れて購買部の中へと入っていった。