二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter02 〜明日の登らない丘へ〜 学級裁判編 ( No.252 )
- 日時: 2014/07/04 18:20
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: lqhOUyMm)
———学級裁判が終わって、学校へと戻った俺達。
食事の時の花形ともいえた月樹野を失ったことにより、夕食の会話も覇気がない言葉ばかりが食堂を飛び交っていた。
『人間』とはいとも簡単にマイナスな感情に陥りこうも変わってしまうものなのか。彼女の最期に発した言葉を思い出し、ひたすらそう思う。
ただ———いなくなった『仲間』の影を、俺は追いかけていた。
その後の、もう少しで夜時間が訪れようとしている時の話である。
自室で思い詰めていた俺の耳に、ノック音が鳴り響く。……誰だろう?
「片桐。ちょっといいか?」
「……レイも入らなくちゃダメなの」
「あぁ、あんたも入らなきゃダメ」
声からして、瀬川と瑞哉のようだ。瀬川が瑞哉と一緒に行動しているなんて珍しいな…。
てっきり鼎野あたりを連れてくるんだと思っていたから、びっくりだ。
俺は扉を開け、2人を自室の中へと招き入れる。
「悪いな、こんな夜遅くに。だけど、他の奴らが寝静まった頃じゃないと話ができなかったんだ」
「無理やり連れてこられた」
「そうあからさまに不機嫌そうにするなよ…。この学園にまつわる重要な話なんだからさ」
「鼎野は連れてこなかったのか?」
「あいつも一応読んだんだけど、返事がなかったから恐らく寝てるんだろう。逆立ちで」
「相変わらず逆立ち?!」
瑞哉がむすっとした表情で頬を膨らませている。どうやら瀬川に無理やり連れてこられたのが嫌だったのだろう。当然だ、彼女は『人嫌い』なのだから。
それにしても、瀬川がいう『重要な話』ってなんだろう?
「瀬川、重要な話って何だ?」
「……今までに1週間弱しか経っていないのに、5人もコロシアイに巻き込まれて死んでしまった。ディムから始まり、黄瀬、夜長、浅峰、月樹野が死んでいった」
「それは分かってるよ。飯の時に空いた席を見るたびに心が痛くなる」
「…これからも続くんだろうか。こんな残酷なことが…」
「……メガネ、怯えてるの」
「いや?俺も片桐と同じく『コロシアイなんて起きちゃいけない』って考えてるけどさ。春白の言葉も一理あるから、どう気持ちを切り替えていけばいいか分からなくなって…」
そう言って、彼は俺から目を逸らす。———本当にどうしたんだろう?
思わず俺は瀬川にそれをつっこむ。すると、彼はこう答えてきた。
「……なぁ。『コロシアイを止めたい』と思うか」
「メガネ、何を言っているの?」
「当たり前だろ!止めなきゃ、死んででも這ってでも止めなきゃ、あいつの思う壺になっちゃうし…。悲しむ人がもっと増えるだけだ」
「そっか。その思いがあるなら話してもいいかな」
瑞哉が不思議そうに瀬川を見ている。瀬川はしばらく黙ったかと思うと、こんなことを口にしたのだった。
「今閉じ込められている生き残りの中に
『黒幕との内通者』…。『絶望』と繋がっている奴がいる」
「「?!」」
何を言い出すかと思えば……え?『黒幕との内通者』?絶望と繋がりを持つ奴?あまりに急すぎる情報で、俺の脳はショート寸前だった。
つまりだ。瀬川の言葉をわかりやすい言葉で解釈すると…『あの中にモノクマと繋がっている奴がいる』……ってことになるのか?
———コロシアイを、助長する奴が?あの中に?今まで頑張ってきた中に?い、る、?
「……アンテナ。アンテナ」
「!!!」
思考停止仕掛けたが、瑞哉によって現実へと引き戻される。だけど…瀬川はなんでそんなことを言ったんだ?
まさか…瀬川が『内通者』?いやいや、だったら自分から言わないだろ。だったらなんでそんなことを知っているんだ?
「なぁ、瀬川」
「今は質問タイムなし。……『来るべき時が来れば、全部教える』から、今はそれだけ覚えておいてほしい」
「ちょっと待てよ……!!」
それだけ言うと、瀬川は「邪魔したな」とだけ言って俺の部屋を後にしてしまった。
あいつ……去り際に悲しそうな表情をしていた気がするんだが、気のせいか……?
瀬川の表情に気を取られていたとき、瑞哉が俺のジャケットの裾を引っ張る。……そして、こう言ったのだった。
「アンテナ」
「どうした?」
「……メガネ、怖い」
「どういうことだ?」
「レイにも詳しくはわからない。だけど…あのメガネ、いつか絶対に何かしでかす。レイにはそう…思える」
「?」
瑞哉の言っていることが———今の俺には、全く理解できなかった。
あの時に気づけばよかったのかもしれない。
「……………………」
『あいつ』が、こちらの会話を完璧に聞いていたなんて、今は気付いてなかったんだ…………。
<死亡者>
「超高校級の体育委員」浅峰小太郎
月樹野ゆうによって殺害される。
彼女が用意した毒入りコップで水を飲んだことによる毒殺。
「超高校級の女将」月樹野ゆう
2回目の学級裁判のおしおきによる処刑。
モノクマお面に温泉に沈められて死亡。
<生き残りメンバー> 残り:13人
「超高校級の幸運」片桐昇
「超高校級の演奏家」藍川夢光
「超高校級の人形師」瀬川夏樹
「超高校級のご当地アイドル」三神愛
「超高校級のバックダンサー」小鳥日那
「超高校級のサバイバー」鷹取つばめ
「超高校級のパズルゲーマー」波希千奈
「超高校級のファッションデザイナー」春白鈴花
「超高校級の応援団」寺阪龍之介
「超高校級の霊媒師」瑞哉霊
「超高校級の花火師」七花火蛍
「超高校級の忍者」鼎野一郎太
「超高校級のショコラティエ」早緑詠
chapter02 〜明日の登らない丘へ〜 非日常編/学級裁判編 END.