二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter3 望みのチェックメイト ( No.266 )
- 日時: 2014/07/06 20:46
- 名前: アルズ (ID: gZSttT.g)
『希望ヶ峰学園学園長がお知らせします。 オマエラ、朝ですよ!!
今日もはりきって過ごしましょう!』
忌々しい声が聞こえ、自然に目が覚めた。
昨日の夜・・・瀬川のあの言葉がまだ脳に残っている。
今まで頑張ってきた仲間に内通者とか絶望の手下とか・・・いるはず無いと考えたい。
考えたいけど・・・あんな真剣な顔で言われたらいると考えていいだろう。
「・・・はぁ。」
ため息をつきながら、ドアを開けた。
ドアを開けると呼び鈴を押そうとしていた波希がいた。
「・・・あ、ちょうどよかった。 こっち来て。」
「え!?」
言われるがままに手を引かれ、俺は脱衣場へと向かわされた。
「みんな、連れてきたよ。」
「・・・え?」
脱衣場には春白を除くみんながいた。
・・・瑞哉がここにいるなんて珍しいな。
「ど、どうしたんだ・・・?」
「昇クン聞いてよ!! 昨日ここで幽霊見たんだよ!!」
・・・は? 幽霊・・・?
「・・・いないって言ってるのにベレー帽聞かないの・・・。」
「だってあれ絶対幽霊だよ!! なんか・・・緑色の光がポワァって・・・。」
「まてまて・・・話が読めないんだが・・・」
「あ・・・ごめんね・・・。」
藍川はしょぼんとへこみ、深呼吸をした。
「あのね・・・昨日の夜・・・眠れなくて・・・その時10時前だったから水でも飲もうかなって思って食堂に行ったの・・・。
そしたら・・・ここから緑色の光が漏れてて・・・」
「しかし、瑞哉の姉御の言うとおり幽霊はいないんじゃないか・・・?」
「・・・だって気配感じないし・・・いないよ・・・帰っていい?」
「というかどうしたんだ瀬川・・・さっきからロッカー開けて・・・」
鷹取の言うとおり、そんな話を余所に瀬川はせっせとロッカーを開けている。
・・・何か探しているみたいな・・・。
「何かあるのか?」
「幽霊じゃなきゃ物かと思ってさ・・・。」
そう言った瞬間、ロッカーを開けるとそこには・・・・ノートパソコンがあった。
「・・・なんだこれ・・・。」
「パソコンだよ・・・。」
「すごいな! 科学はそこまで進歩しているのか!!」
「いつも思ってたけど鷹取ねーちゃんの時代っていつなの?」
・・・まぁノートパソコンなんていつでも手に入れられるよな・・・。
「とりあえず起動してみるか。」
瀬川はそう言って電源ボタンを押した・・・。
画面には「DOWNLOAD」と書かれた文字とバーが現れ、何かをインストールをしている。
「おいおい!? なんかヤバイ物インストールしてないか!?」
「早くキャンセルした方がいいよこれ!?」
しかし時既に遅し・・・ダウンロードは完了してしまった。
すると青い画面は緑の画面に変わり、人型のノイズが現れた。
徐々にノイズは人になっていき・・・気づけば青い髪で・・・前髪で目が隠れている男性がそこに写っていた。
「・・・なんだこれ・・・。」
『なんだこれって失礼だな。』
「喋った!!??」
『音声認識プログラムが入っているし、音声も入れてあるからな。』
なんだこいつ。プログラムがどうのこうの言ってるけど・・・もしかして、外の人か・・・!?
「・・・なにこれ。」
『だからなにこれって失礼だろ。
・・・まぁ一応言っておくよ・・・おれはアルターエゴ。 よろしく。』
アルターエゴという奴はそう言うと腕を組み、俺達を眺めた。
「・・・ある・・・何?」
「アルターエゴ。 本来の意味は一人の人が持つ別の人格って感じだね。」
波希はそう言ってアルターエゴに近づく。
「すごいや・・・ここまでの完璧なプログラムみたことない・・・!」
『何だお前・・・。』
なんかアルターエゴ・・・引いてないか・・・?
「あ、そう言えば・・・アルターエゴってなんか長いからさ・・・他になんて呼べばいいか教えてくれるか?」
『オルターエゴ。』
「そうじゃなくて!!名字とか名前とか!!」
『雨唄。オルターエゴとかアルターエゴとか好きに呼べ。』
あま・・・うた? それって名字だよな?
「あの・・・名前ってあります・・・? 雨唄って名字ですよね・・・?」
『・・・忘れたよそんなの。』
早緑がそう言うと雨唄はバッサリと切り捨てた。
「・・・つまり、あの幽霊の正体は雨唄クンなんだね!
私やっと納得したよ・・・霊ちゃんごめんね・・・って既にいない!?」
藍川のその叫びで俺達は瑞哉を探した・・・案の定いつの間にか消えていた。
まぁ、耐えられなくて当然だよな・・・そもそもよく耐えられたな。
「じゃあ私達はそろそろ出ましょうか・・・。」
「・・・どうするんですかこれ。 モノクマに見つかると思うけど。」
キョロキョロと周りを見渡すと、カメラは一つもなかった。
「大丈夫だと思うぞ・・・カメラないからあいつに見つかることはない。」
「そうだ。 雨唄、外の様子とか有意義になる情報あれば集めてくれるか?」
『ああ。わかった。』
「というかあいたんお腹すいた−。 ご飯食べよ−。」
「うん。そうだな。」
俺達はぞろぞろと外へ出て食堂に向かおうとした・・・が。
「ねぇねぇ、何やってたの? ねぇねぇ。」
「わっ・・・!?」
モノクマが入り口で待ち伏せをしていた。
座っていたから踏むところだった・・・。
「なんでもない!」
「なんでもなくない? ボクに隠れて何してたの〜?」
うわ・・・どうしようこれ・・・雨唄のこと話すわけにもいかないし、話したら見つかって終わりだし・・・。
「あのねモノクマ。僕達お風呂に入ってたの。」
「はぁ!? 風呂!? じゃあなんでオマエラの髪とか濡れてないんだよ!?」
「女子達が完璧に髪を乾かしていたら乾いたの。」
「・・・ふぅん。 なんだつまんないの。」
そう言ってとぼとぼとどこかへ行こうとしたが・・・くるりと振り向いてこういった。
「あ、そうそう言い忘れてたけど・・・3階への道・・・開けといたから。
好きに探索していってね。」
そう言って某猫に勝つネズミの様にすたこらと速いスピードでどこかへ行ってしまった。
「・・・ご飯食べてから行こうか。」
「・・・そうだな。」
俺達は気を取り直して食堂へ行き、朝ご飯を食べた。
- chapter3 望みのチェックメイト ( No.267 )
- 日時: 2014/07/07 20:24
- 名前: アルズ (ID: gZSttT.g)
朝ご飯を食べた後、俺達は食堂に滞在している。
というのも、今回はチーム分けをするか否かというものと大食らいである鷹取が食べ終わるのを待っていたといものであり・・・。
「ま・・・待たせた・・・」
「鷹取・・・よく食べるのは良いことだが・・・」
「すまない・・・。」
「とりあえず早く会議しようか。」
その一言で鷹取は椅子に座り、全員と向き合う。
「前と同じようにしようか・・・チーム組むのは良いが・・・」
「ごめん、ゲーム今電池切れてて・・・」
「よし、個別でいくぞ。」
なんか冷めた目で瀬川がそう言うとみんな少しずつ、でもぞろぞろと食堂を出て3階へと足を運んでいった。
「むぅ・・・やり過ぎただけなのに・・・。」
「ほら行きますよ。 やり過ぎては駄目です。」
「はぁーい・・・。」
「片桐さんも行きます?」
「・・・あ、じゃあ一緒に行こうかな。」
俺は早緑と波希と共に3階へと向かう。
「ここが3階か・・・。」
「ねぇ・・・眠い・・・。」
「せめて探索した後で寝てください!!」
「はぁい・・・。」
なんだろ・・・波希って早緑の言う事はちゃんと聞くんだな・・・。
いや、他の人から命令とか言う事とか受け取ってるのは見たことないけど・・・。
「とりあえず近い所から探索しましょうか・・・。」
「教室行くか?」
そう言った瞬間、ガラリと近くの教室が開いた。
出てきたのは瀬川と鼎野だった。
「あ、片桐の旦那に波希の旦那・・・と、早緑の姉御か。意外に多いな。」
「よぉ・・・長くないかその呼び方・・・。」
「まぁ・・・癖だし・・・。」
「うーん・・・そこ何かあった・・・?」
「いや・・・別に何もなかったな。」
瀬川がそう答えると波希はふらふらと教室の中に入り、数分後また戻って来た。
「・・・なにしてたんだお前・・・。」
「落書きないか調べてたらなかったから・・・描いてきた・・・。」
「なんでだよ!?」
「いつも落書き見てて思ったんだよ・・・描きたいって。」
「描かなくていいです。」
「・・・うん・・・。」
早緑にそう言われ、波希はしょぼんとしている。
「しかし・・・波希っていつも早緑の言う事とか聞いているよな。」
「夜長さんが死ぬ前は彼女の言う事聞いていましたけどね。」
「・・・。」
波希は何か言いたそうにしていたが早緑の方を向くとすぐにまたしょぼんとなった。
確かに・・・夜長が死ぬ前は彼女とタッグ組んでるイメージがあったんだけどな・・・今はその彼女はいないし・・・。
「あ・・・じゃあ俺達は違う所に行くな。 瀬川、行こうぜ。」
「わかった。 また後でな。」
鼎野は瀬川に呼びかけ違う場所へと向かって行った。
俺達は少し他愛もない会話をしながら娯楽室と書かれた場所へと入る。
「あ、昇クン達だー! やっほー!」
「やっほー! 楽しいよここー!」
そこにいたのは藍川と三神だった。
娯楽室にはビリヤードとかダーツとか・・・ここ本当に学校か?というぐらいのアナログゲームがあった。
「・・・すごい・・・!! 僕ここ調べてる!!」
「あ・・・おい・・・。」
「大丈夫ですよ。二人が見てくれますよ。 すみませんが波希さん寝ていたら起こしてあげてください・・・。」
「わかったよー!」
「はいはいー寝てたら起こしてあげるよー。」
そう早緑は言うと俺に行こうと呼びかけここを出ていった。
俺もその後を追い、娯楽室を出た。
次に入ったのは美術室だった。
そこには石膏でできた石像とか・・・なんか描いた絵が色々貼り出されていた。
「お、片桐達か!」
「寺阪・・・珍しいなこういうところにいるなんて・・・。」
「いや・・・なんとなく調べた場所がここってだけだ。」
「あれ?寺阪さん一人ですか?」
「いや・・・倉庫に鷹取がいるが・・・。」
「寺阪!!寺阪!!こんな物を見つけたぞ!!」
なんかイノシシが突進するような勢いで鷹取がこちらに来た。
イノシシって例えて失礼だけど・・・もうこれしか例えがない。
「あ・・・片桐達も来てるのか・・・とりあえずこれを見てくれ。」
そう言って鷹取が俺達に突きだしたのは一枚の写真だった。
「・・・・は!!??」
「ど・・・どうして・・・!?」
写真には、今利用している食堂で食事を摂っている月樹野、黄瀬・・・そして食事を持って二人に語りかけているディムの姿がそこにあった。
「・・・どういうことでしょうか・・・確かに私達は学園にいたという記憶はありますが出会ったのは初めてですよね?」
「そうなんだ・・・だから自分も不思議で・・・。」
「あああぁぁぁぁぁ!! そんな所にあったんだ!!?」
そんなうるさい声を発しながら出てきたのはモノクマだった。
モノクマは素早い動きで写真をひったくり、すぐに美術室から出て行った。
「・・・なんなんだあいつ・・・。」
「すぐ来てすぐひったくってすぐ出ていったな・・・。」
「・・・なにがなんなんだ・・・? あの写真だけでも頭がこんがらがっているのに・・・。」
「とりあえず落ち着きましょう・・・。」
俺達はゆっくり深呼吸をし、気分を落ち着かせた。
まず、あの写真。 俺達はあの時初めて出会った筈なのに何故写真の中の彼らは面識があるのだろう。
見る限りかなり仲は良さそうだった。
そしてあのモノクマの必死の探しよう。
何故あいつはそんなに急いで探していたのだろう・・・それはアイツにしかわからないが気になる。
「自分ちょっと水飲んでくる・・・。」
「俺も行かせてくれ・・・頭が混乱してきたぞ・・・」
そう言って二人は水を飲むために食堂へと向かっていった。
「私達は・・・どうします? 降りますか?」
「いやいいよ・・・他の所を調べよう・・・。」
「・・・わかりました。何かあったら言ってくださいね?」
そう言って彼女は美術室を出た。
それに続くように俺も出て、違う場所へと向かって行った。
- chapter3 望みのチェックメイト ( No.268 )
- 日時: 2014/07/08 19:56
- 名前: アルズ (ID: gZSttT.g)
頭を整理させながら来たのはなにやら変な機械がある物理室。
巨大な機械は俺の何倍もあるほど大きかった。
「・・・これなんですかね?」
「機械・・・のようだけど・・・。」
「・・・ん? 貴方たちも来てたんですか・・・?」
機械の後ろからひょこっと声を発しながら七花が出てきた。
コードに足を絡めないようにこちらに歩いてきていた。
「よお。 何か見つかったか?」
「この機械以外は特に何も・・・。 準備室に瑞哉さんがいたけど・・・追い返されたよ。」
「な・・・何故です?」
「気が散るんだってさ。 なんか霊呼んでいるんじゃない?
貴方たちも彼女の邪魔したら怒られますよ。じゃあまた後で。」
そう言って七花はここから立ち去っていった。
準備室・・・と言っていたが・・・情報が掴めそうな瑞哉はまだ会話中だそうだし・・・どうしよう・・・。
「まぁ、後で教えて貰うとして・・・そうです!
あれそろそろオーケーじゃないですか?」
後半から早緑は俺にしか聞こえないような声量でボソッと言った。
「・・・あれ?」
「アルターエゴ・・・雨唄さんです。 今ここで言ってしまったらモノクマに感づかれてしまいます・・・。」
「・・・あぁ。」
成る程。 だから早緑はボソッと言っていたのか。
「・・・何してるの。」
と、違う扉から鏡等を持っている瑞哉が現れた。
と言うことはもう会話は終了したのか?
「あの、瑞哉さん・・・何か・・・」
「あったとしても話す事はない・・・。 特にあなたには・・・。」
「だ・・・だから瑞哉・・・。」
「アンテナ・・・まだおさげといたの・・・?」
その目隠しの裏にある目(?)からもの凄い目力が発せられていて、思わず怯んだ。 多分「忠告した筈だよね?」と目で訴えているんだと思う・・・。 多分。
「うーん・・・私、廊下で待ってますね・・・。 片桐さん、また後で・・・。」
そう言って早緑は部屋から出て行った。
瑞哉ははぁ、とため息をつき早緑と同じように俺にしか聞こえないぐらいの声量で言ってきた。
「アンテナ・・・まだ他に注意した方がいい人がいる・・・。」
「・・・え?」
「パーカー。 あいつ気配がない・・・。」
「ちょっ・・・どういう・・・」
「・・・。」
その後は何も言わずにどこかへ行ってしまった。
ここで立ち止まっても仕方ないため、とりあえず廊下へ出て早緑と合流し、脱衣場へと向かった。
脱衣場に着き、雨唄のパソコンを開き彼に問いかけた。
「なぁ、雨唄。 情報何か掴めたか?」
『ノイズとか多くて所々おかしいとは思うけど・・・一応。』
「ほ・・・本当ですか!?」
『・・・ただ、おれにもわからないものが結構ある。
それでもいいなら教える。無理だったらまた集めに行ってくるさ。』
俺は早緑と顔を合わせこくりと頷く。
雨唄はホッとした様な動作をしてうすく笑った。
『ありがと。 手に入れられた情報は・・・なんて言えばいいかな・・・。
ゾンビってあんたら信じる?』
「ぞ・・・!!??」
『うん。ゾンビ。
なんか死体がどーのこーので・・・もうこれ以上はわからない・・・資料のプログラムが頑丈だし外の声聞こうにもノイズが激しいし・・・。』
「それでもいいです! ありがとうございます。」
『また集めておくから。 また来いよ。』
そう言われると俺は頷き、パソコンの蓋を閉じた。
・・・というか大丈夫かな。この後モノクマに色々言われたりしないよな?
「さて、食堂に帰りましょうか。」
「ああ。」
のれんをくぐり、食堂に向かおうとすると案の定・・・
「ねえねえ、男女二人でカメラ無しのところでなにしてたの?」
「・・・。」
「・・・。」
モノクマがいたのだが無視しよう。
「ってちょっと!? おーい!!無視するの!?虫が無視す・・・」
「うるさいよちょっと!!」
そう言うとモノクマはニッコリと笑って(るように見えた)こちらの顔を伺ってきた。
「早緑さんにヒロインフラグが立ったと思ったらこの前瑞哉さんにも立ったよねー? なに?一級フラグ建設者なの?」
「・・・何言ってるんですか?」
「もーう。早緑さん照れなくてもおーけーだよ?
まぁこれ広めておくね。二股っていう関係が片桐君に・・・」
「ないよ!! 広めるな!!」
「・・・つれないなぁ。 まぁ特に何も無いし帰るね。じゃーね。」
そう言ってトタトタとモノクマはどこかへ行った。
俺は深く深くため息をつきながら
「・・・行こうか・・・。」
「・・・ですね。」
早緑と共に食堂へと向かった。