二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter3 望みのチェックメイト ( No.279 )
- 日時: 2014/07/10 20:40
- 名前: アルズ (ID: iRKX8kpQ)
『希望ヶ峰学園学園長がお知らせします。 オマエラ、朝ですよ!!
今日もはりきって過ごしましょう!』
もう日常化してしまったあいつの声で目が覚めた。
そういえば、今現在コインは増えているのだろうか。
そう思いコインを入れてある袋を開き見てみた。
「・・・やっぱり増えてる・・・。」
持ってみてもやっぱり重みはあるし、以前より確然とコインは増えていた。
やはりこれも裁判を乗り越えたご褒美だというのだろうか・・・。
「・・・。」
食堂に行こうと立ち上がりそのついでにごみ箱へその袋を捨てる。
もう既に貰った二枚のコインは使ってるし・・・人を失って手に入るコインなんてもっていられないからな・・・。
扉を開け、俺は食堂へと向かう。
「・・・あれ、瑞哉?」
「・・・何アンテナ。」
食堂に入ろうとしたとき瑞哉とすれ違った。
珍しいな。これから人が集まるって時に来るなんて。
「・・・水飲みに来ただけ。」
「あ・・・口に出してたか?」
「ううん・・・なんとなく・・・。」
そう言うと個室部屋がある場所へと行ってしまった。
・・・多分あとで食事を摂るだろうから気にしないでおこうかな・・・。
気を改めて食堂へと入ると数人いた。 というか早起き組がいた。
俺はいつもの席に座り、無言の空間をボーッと過ごしていた。
「・・・もう、朝食用意してくれた月樹野ねーちゃんいないんだな・・・。」
はぁ、と小鳥は月樹野がいた席を見つめる。
昨日の幽霊騒動と探検で忘れていた訳ではないが・・・改めて思うと胸が重くなる。
彼女は自身のトラウマを抉られた怒りで春白を殺害しようとした・・・が不幸なことに浅峰が殺されてしまった・・・。
もう月樹野のご飯も食べれないし、あいつの元気な姿ももう見れない。
二回もやったあの悲劇を・・・もう二度と起こしたくはない・・・。 多分みんなそう思っているだろう。
「これからは自炊・・・なの?」
「作れる人が作る・・・というのは?」
「んじゃボクが腕をふるっちゃいます?」
じゃじゃーんと効果音が付きそうな形で登場したのはモノクマだった。
「いやだよ・・・モノクマの作る料理毒入ってそうだ・・・。」
「それひどくない瀬川クン!!? 安心してください。ボクは生徒に一切危害は加えないから!!たいにトリカブト入れたりしないから!!」
「嘘くさい・・・」
「純粋100%本当の事言ってるから! んじゃもう作ったから食べて食べて−。」
いつの間に・・・と言うぐらいに作られていた朝食。
見た目は至って普通なのだが・・・どうも毒が入っていそうで食べる気は全然しない。
「・・・じゃあ僕が毒味・・・。」
「あ、おいばか!!」
制止も虚しく、波希は一口頬張った。
「・・・ん、おいしい。」
「おぉ!! やはり素直な生徒を持つとボクは嬉しいです!!」
・・・波希が倒れない限り毒入ってなさそうだ。
だがどうも食べる気がしない。モノクマが用意したなら尚更。
「な・・・なんだ・・・これ。」
後々から来た人はその様子に驚愕している。というか固まっている。
みんな入らずに扉の所で唖然とその様子を見つめていた。
「・・・私、少し程度ならできますが・・・。」
「あ・・・よろしく・・・。」
このままじゃ駄目だと思ったのか。早緑はそう言うといそいそとキッチンへと入っていった。
あいつお菓子以外でも料理できるんだな・・・。
「もう! ボクが用意したのに!! なんだよみんなして!」
モノクマはぷんすかと怒り、まだ手を付けていないご飯を持ってどっかへ行ってしまった。
「・・・なにがあったのあれ・・・。」
「・・・なんか色々あったんだよ・・・。」
・・・俺達は戸惑いながらも早緑が作ってくれた料理を食べた。
モノクマがいるとちょっとのことで混沌と化してしまう・・・そう確信した。 ちなみに波希は朝の食欲のなさのせいで残していた。
朝食を食べた後自室に戻り、少し一息を付いた。
「・・・さて何をしようかな・・・。」
ベットで寝っ転がりながらそうぼそりと言った。
みんなと交流でもしようか・・・それとも・・・。
ベットから立ち上がり、俺は脱衣所に行った。 もしもモノクマにどうのこうの言われたらサウナに入ってたって言っておこう・・・チラッと見たときあったし・・・。
ロッカーの扉を開け、俺はパソコンを取り出した。
『・・・ん、お前か。』
「・・・どうだ? あれから・・・」
『気になる情報はいくつかあったな。 聞くか?』
「・・・あぁ。」
どうやら情報を掴んできたらしい。 今度は何だろうか。
『そこにさ・・・教師っているか?』
「教師・・・自称学園長ならいるけど・・・」
『・・・なんかさ、何期生かしらないけど・・・行方不明っていう教師がいるんだってさ。』
「・・・はぁ!!?」
『どんなのかは知らないけどな。』
教師が行方不明・・・? 俺達がここに入っている間に何が起きたというのだろうか・・・。
『あと・・・昨日ゾンビについて話しただろ?』
「・・・あぁ。」
『ゾンビのことなんだが・・・『死人を何とかで生き変えさせることはできるか』っていうのがあったんだ・・・。』
「・・・何とか?」
『これでもロックは解除しまくったんだ! 何とかの部分は文字化けして・・・』
「・・・。」
雨唄は頭を抱え唸っていた。
プログラムでもロックは時間が掛かるんだな・・・・。
「いい。ありがとう。それだけでもいい情報だ。」
『・・・そ・・・そうか?』
「あぁ。」
『はぁ・・・よかった。 ひとまずこれしかないからまたやっておくから・・・』
「わかった。」
ありがとうと言ってロッカーに入れようとしたとき、雨唄は口を開いた。
『昨日一緒にいたおさげの女・・・警戒したほうが良いと思う。』
「・・・?」
『・・・プログラムが何言うんだって話なんだけど・・・勘がな・・・。』
「・・・わかった。」
そう言って扉を閉めた。
脱衣所から出てふと考える。
行方不明の教師、ゾンビの謎。 そして早緑の警戒・・・。
なんか色々あるな・・・。
「・・・しばらく考えるか。」
そう言って自室に戻り、しばらく、混乱する頭を整理させていた。