二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter3 望みのチェックメイト ( No.294 )
- 日時: 2014/07/15 20:54
- 名前: アルズ (ID: iRKX8kpQ)
『希望ヶ峰学園学園長がお知らせします。 オマエラ、朝ですよ!!
今日もはりきって過ごしましょう!』
・・・もう朝か・・・。
背伸びをして欠伸して目を覚ます。
とりあえずやることもないのでいつも通りに食堂へと向かった。
食堂に来て挨拶して・・・っていうのが本来あるべき・・・ここにいる時点でないけど・・・まぁあるべき姿。
俺が来たあと少し遅れてやってくる人達の一人が・・・なんか変だったのだ・・・。
「ふ・・・ふふ・・・」
「どうしたんだ藍川の姉御・・・」
「ひひ・・・いえ、何もない・・・ふふっ」
藍川がなんか変なのだ。 いつでも不気味に笑い、会話の所で特に笑える部分でもないのに怖い大笑いして・・・とにかく変だ。
いつも明るい彼女・・・一体どうしたのだ・・・?
「うぷぷ・・・やっとなりましたか・・・」
そう言ったのはキッチン側の誕生日席で一人ぷぷっと笑いながら鮭を頬張るモノクマだ。
「やっと・・・ってどういう事だ!?」
「まぁまぁ・・・彼女の熱はかってご覧よ。」
モノクマに言われるがままに俺は熱をはかってみる。
一人不気味に笑い続ける彼女の額に手を当てて・・・
「あ゛っっっっづい!!!」
思わずそんな声を出して後ずさる。
人肌ではなくなんか熱湯から吹き出る水蒸気に手をかざしたようなものだった・・・間違いなく39度はある・・・。
「ひひ・・・どうしたの昇クン・・・? ふふ・・・私何かしたかな・・・? はは・・・。」
みんなはあの明るい様子から打って変わってこの姿を見たせいか若干引いている。
どうやら彼女には熱があるという自覚はないらしく、瀬川からの寝ろという声にも「何で?」という返事が返ってきた。
「モノクマ・・・これは一体・・・」
「藍川さんはね・・・『絶望病』にかかっちゃったの。」
「ぜつ・・・?」
「そう!! 藍川さんの場合は−・・・『不安定病』ってところかな?
感情・・・特に笑いの感情が飛び抜けて不安定だから笑いのツボ与えちゃうと腹筋がやばいことになるから気をつけてね!!」
なんだそれは・・・というか笑いがどうのこうの言ってるけど・・・これどう考えても不気味に笑ってるだから本来の笑いとは違うよな・・・?
そう考えている間も藍川は一人不気味にクスクス笑っている・・・話聞いているのか?
「他にもね、かかっている人がいるはずなの。 藍川さん除いて後2人ね。
一人は怒りの感情が飛び抜けて不安定。 二人は絶望の感情が飛び抜けて不安定。 これ絶望病じゃないね・・・不安定病だね。
まぁ、いっか。
藍川さんの看病は皆さんご自由に。 見捨てようが看病しようがボクは止めません!! だってこれが動機だもんねー!!」
「これが・・・動機?」
「そうです!! この病気が動機に繋がるんです!!」
・・・これがどう動機に繋がるのだろうか・・・。
そう考えている間にモノクマは椅子から降りてどこかへ行こうとする。
「じゃあオマエラ頑張ってレッツコロシアイ・・・だよ!!」
と言ってモノクマは消えていった。
「どうするか・・・とりあえず保健室にでも・・・」
「そうするしかないか・・・。 点滴とかあったかな?」
「栄養はそれで・・・ですか。 でも医者でもない私達はできませんよね・・・おかゆだけ食べさせましょうか・・・。」
「そうだな。 とりあえず運ぶぞ。」
「ふふひ・・・あれ? 私の手を引っ張ってどこへ行くのー・・・あははは・・・。」
「ここは片桐さんと私に任せて・・・皆さんは残って食べちゃってください。」
俺と早緑は藍川を支えながら保健室へと向かった。
「ひひ・・・私どこも・・・ふふっ。 悪いところはないですよー本当だよー・・・あっはは・・・」
「いいから寝てください。 ご飯は食べれます?」
「食べれ・・・ひひっ・・・るよ。 ひひふ・・・」
ベットに横になり、一人笑っている藍川は・・・なんというか見てられない。
でも食欲はあるようで少しは安心した。
「じゃあおかゆと・・・片桐さんのご飯もって来ますね。」
「え・・・!? それぐらい自分で・・・」
「いいんです。 藍川さんを見ていてください。」
そう言ったのと同時に彼女は保健室から出て行った。
それとすれ違うようにモノクマが入ってきた。 すごいナチュラルに。
「・・・なんだよ。」
「藍川さんここで寝かすの?」
「・・・まぁ・・・。」
「はぁ・・・わかりました。 本来は駄目だけど特別に・・・。
ここで寝るのが可能なのは絶望病にかかっている人とそれを監視する人一人だけね。
無関係な人は即罰するから、注意してね!! じゃあこの事他の人にも知らせてくるよー。」
とてとてと走り去っていったモノクマを唖然と見つめる・・・。
まぁこれも殺し合いの為なんだろう・・・優しいとか思っては負けだ。
そう思ってると早緑が戻って来た。
「すみません・・・モノクマに刻々と個室以外の故意睡眠の例外について聞いていたら遅くなりました・・・。 これ片桐さんのです。」
「あ・・・ありがとう。」
「これ、どうぞ。」
「ふふ・・・ありがと・・・」
俺達・・・と言っても藍川と俺だけだけど・・・保健室で朝食を摂った。
藍川はおかゆを冷ましながら食べ進めていったのでとりあえず感情以外は大丈夫だと改めて安心できた。