二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter00 〜アリエナイ日常、ありえない新生活〜 ( No.33 )
- 日時: 2014/05/25 15:14
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: HK6OImIM)
「…今なんて?一生ここで暮らすって?」
「そうなのです、人の話をちゃんと最後まで聞けて偉いねー!!あぁ、この学園にはオマエラ以外誰もいないし、予算は豊富だからオマエラに不自由はさせないよ。そこは心配しないでね!」
「嘘だよね…?あいたん達が、ここで暮らすなんて…。信じられない…」
「ボクは嘘なんてつかないよー。純度100%本当のことしか言いません」
「…じゃあ聞くけどさ、変な重厚そうな扉や2階へ続くシャッターも君が?」
「うん。外の世界とオマエラを完全にシャットアウトさせるためにね!だから、汚れた外の世界のことなんて忘れて、ここで思う存分暮らしてください!」
「それじゃ助けなんて呼べるわけないじゃない…!!」
「だーかーらー、助けなんて呼ばずにここに住むことを受け入れればいいじゃん!!」
「そんな、急に言われて納得できません!!学園が用意したイベントにしても、おふざけも大概です!!」
「そうだ!!俺達を早くここから出しやがれ!!!」
「でもさ、オマエラはここの学生なんでしょ?それなのに、学校行事の途中で『帰りたい』なんてさぁ…。オマエラ単位落として留年したいの?」
「そもそも『異学年交流会』なんて単位見たことも聞いたこともないんだけど?!」
「そうだ!早く俺達をここから出せ!!」
寺阪がモノクマに向かって反抗的な言葉を投げつける。
それに続くように、続々と「帰せ」「ここから出せ」という言葉をモノクマにぶつけ始めた。
「あぁー、もう分かったよ。言えばいいんでしょ、ここから出られる方法」
「あるの?!」
「あるなら早く言ってくださいよ…」
「もっちろん。学園長であるボクは、学園から出たい人のために、ある『特別ルール』を設けました。それが、『卒業』というルール!では、この特別ルールについて説明していきましょう。
オマエラにはこの学園だけでの『秩序』を守った共同生活が義務付けられたわけですが、もし、その秩序を破った者が現れた場合、その人物だけは、学園から出ていくことになるのです。それが『卒業』のルールなのです!」
「…秩序を破る?どういう意味だ」
モノクマの説明が終わったと同時に瀬川がすかさず疑問を聞き返す。
するとモノクマは先程と変わらない明るい声で、こう言い放った。
『ヒトが、ヒトを、殺すことだよ』
人が、人を、殺す…?
モノクマの一言で空気が凍り付き、みなの表情が不安から恐怖へと変わっていった。
…しばらくの沈黙が続くが、そんな重苦しい雰囲気を打ち破ったのは…あろうことか春白だった。
「この中の誰かを殺せば、ここから出られるんだね?」
「はい!殴殺刺殺撲殺斬殺焼殺圧殺絞殺斬殺呪殺…殺し方は問いません。『誰かを殺した生徒だけがここを出られる』それだけの簡単なルールなのです。最悪の手段で最良の結果を導けるよう、せいぜい努力してください」
「…おかしいだろ…!!」
俺は思わず拳を握りしめ、胸の奥から湧き上がる混乱をモノクマにぶつけたかった。
だが、頭の中では分かっていた。
こいつの言っていることは『間違いなく本気だろう』、と。
もちろん嘘なら一番いいが。こんな状況で。こんな訳のわからない場所になってしまった学園で。こんな訳のわからない奴に。理解不能なことを言われた。
…嘘だとは到底思えなかった。
『誰かを殺した生徒がここから出られる』
そんな言葉を、学園長であろう者が使っていいはずがない。
「はにゃ?おかしい?」
「そうだ!!どうして自分達が殺しあわなきゃいけないんだ!!」
「おかしいってなんだよ!こんな脳汁ほとばしるドキドキ感は、鮭や人間を襲う程度じゃ得られませんなぁ。さっきも言った通り、オマエラはいわば『世界の希望』な訳だけど、そんな『希望』同士が殺しあう、『絶望的』シチュエーションなんて……ドキドキしてくる以外の何物もないよね〜?」
「ドキドキするかよ!!殺しあうって、なんなんだよ!!」
「殺し合いは殺し合いだよ。辞書ならここに…」
「意味は分かってる!そうじゃなくて、どうして私達が殺しあわなきゃいけないの?!」
次々に反抗的な言葉がモノクマに浴びせられている。
浅峰や鷹取、夜長や寺阪なんかは怒りの頂点を通り越して今にもモノクマに襲い掛かりかねなかった。
「そうよっ!!さっきから聞いてたらふざけたことばっかり言ってさ!!さっさとあたし達を家に帰しなさいよ!!!」
「…ばっかり?」
急にモノクマは夜長を睨み付ける。…その顔は、まるで精神が壊れた人形のようだった。
「ばっかりってなんだよ、ばっかりって…ばっかりなんて言い草ばっかりするなっての!ホントに物分かりの悪い連中だよ。何が帰してだ。同じ事を何度も何度も何度も何度も何度も…いいかい?これからは、この学園が、オマエラの家であり世界なんだよ?殺りたい放題、殺って殺らせるから、殺って殺って殺って殺って殺って殺りまくっちゃえっつーの!!」
そう言って俺達の周りを歩くモノクマは、もはやただの独裁者にしか見えなかった。
…俺達はとんでもないところに閉じ込められてしまった、それを痛感させられることになった。