二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Chapter04 〜絶望に咲く一輪の花〜 (非)日常編 ( No.359 )
- 日時: 2014/08/28 20:02
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: 5BfKe2TC)
モノクマの一方的なご教授を受けた後、俺は早緑、波希と別れ次の部屋の探索へと向かった。
本当に仲いいんだなぁ、早緑と波希。学校に入る前も知り合いだったのかな。それなら…あの2人はきっと大丈夫だろうな。
そんな思いを胸に、俺は歩いて行ったのだった。
———次に目に見えてきたのは、『職員室』とラベルがある扉。まぁその通り職員室なんだろうな。扉も「いかにも」という感じだし。
中に入ってみると、キョロキョロと辺りを見回している寺坂を発見した。どうやらここを徹底的に調べているようだ。
「寺坂。なにか目ぼしいものは見つけたか?」
「おお、片桐。さっきから職員室をくまなく探しているんだがな、どのデスクにも何も入っていないんだ…」
「え?全部調べたのか?」
「うむ!俺は体力には自信があるからな、一部屋調べるなど御茶の子さいさいなんだ!」
そう言って寺坂は豪快に笑う。ま、まぁその体格だし、『超高校級の応援団』なんて肩書持っているから根性も凄くあるんだと思うん、だけど。一部屋をたった1、2時間で調べつくすなんて余程の体力がなければ出来ないことだと思うぞ…?
俺は寺坂のことがちょっと怖くなった。こいつが味方で本当よかった。
まぁそのことはおいといて。寺坂曰く、デスクの中にもなにも見つけられず、中身も空っぽだったらしい。———それはちょっとおかしいぞ?ここは見るからに『職員室』のはず。人がいないとしても、教師の私物が1つくらい残っていてもおかしくないはずだ。
……黒幕が、持ち物を全部隠してしまったのか……?
「一つも残っていないなんておかしいな。モノクマが全部隠してしまったのだろうか…」
「その線が濃いだろうが、だとしたら何故モノクマはデスクの中に入ってたものを『全て』隠したんだ?その中にはどうでもいいものも入っていただろうに」
「俺達に悟られたくないんだよ。『教師の中に、重要な情報を持っている奴がいる』ってこと…とかさ」
「うむ…俺には全然わからないな…」
そう言いながら、寺坂は首を傾げつつデスクの中を開ける。
……中には何も入っていないだろうと思ったが、そこには1枚の写真が入っていた。
写真?前にも同じようなものを見つけた、ような…。嫌な予感を感じながら、俺は恐る恐る写真を拾ってみる。
そこには——————
平和な学園生活を過ごす、『藍川、七花、浅峰』の姿が写っていた——————
「……これって……」
「あぁ、前に見つけた写真と同じだよ!前の写真には『ディム、黄瀬、月樹野』が写っていた。
でもこれには『藍川、七花、浅峰』の姿が写っている。どういうことなんだ…?」
「これも、前と同じように『平和な学園生活』の写真ということ、なのか…?俺達は確かに1週間前、初めて顔合わせをしたはずだが?」
「わからないな…」
———状況証拠として持っておいたほうがいいかもしれないな。そう思い、ふと写真の方を見てみると……。
ない。ないのだ。確かに持っていたあの写真が、跡形もなく消えてしまったのだ。粗方モノクマの仕業だろうが、いつの間にもっていったんだ…?
前回の写真といい、あいつのこの写真に関する動きにはなにか裏がある。俺はそう解釈していた。
「…悪い、油断している隙にモノクマに盗られたみたいだ」
「なっ…?!モノクマの姿など見えなかったぞ?!あのクマはスピードにも優れていたのか…?!」
「感心するところそこか?」
心で突っ込むつもりが思わず声に出た。
「片桐。そろそろほかの場所も調べてきたらどうだ?まだ一通り見てきていないんだろう」
「え?でも…」
「いいからいいから。俺は既に全てのところを回り終えたし、まだあの写真のような情報が見つかるかもしれないからな。しばらくここで探索を続ける」
「そ、そうか。悪いな」
そう言って寺坂は俺を教室から追い出してしまう。
……まぁ、これも寺坂の俺に対する心遣いなんだろうな……。あいつの気遣いに感謝しながら、次の目的地へと進んでいくことに決めたのだった。