二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Chapter04 〜絶望に咲く一輪の花〜 (非)日常編 ( No.403 )
日時: 2014/09/22 22:39
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: ZneQN.ef)

『希望ヶ峰学園 学園長がお知らせします。オマエラ、おはようございます。朝です。朝ですよー!今日もはりきっていきましょー!』


———また、一日の幕が上がる。機能は散々なことがあった。何も起こっていないことを信じたい。
……だが、予感はしていた。俺の心の奥底で渦巻く、大きく強い『嫌な予感』。それは日を追うごとに大きくなっていき、俺の脳内を支配し始めていた。
ない。人が死んでいるなんて絶対にない。そう思いたかった。信じたかった。俺は自分の考えていることを必死に信じて食堂に向かうことしか、今は出来なかった。


「おはようございます、片桐さん」
「……あれ?早緑だけなのか?」
「そう…みたいですね。皆さんまだ起きてこなくて…」


食堂には、珍しく早緑のみがその場にいた。みんなどうしたんだろう?寝落ちなのか?それとも、裏切り者を恐れて……?いやいやいや、そんなわけない。
———そう思ったのが、間違いだったのかもしれない。食堂の向こうから、俺を必死に呼ぶ声が聞こえてくる。


「片桐ーーー!!片桐、ちょっと協力してくれ!!!大変なんだ!!!」
「どうした?!何かあったのか?!」
「とにかく来てくれ!!人が死んでいるかもしれない!!!」
「はぁ?!」
「人が……?」
「早緑はここで待っていてくれ。行ってくる」


寺坂と鷹取がこちらを呼んでいる。『人が死んでいるかもしれない』って…どういうことだ……?!
嫌な予感を脳裏にはっきりとこらしながらも、彼らと合流し案内で3階に向かう。


「……あっ、片桐の旦那!!大変なんだ、大変」
「とにかく落ち着け。何があったんだ?」
「美術倉庫のカギが閉まったままなんだ!!」
「え、でもこれって確か…」


美術倉庫のカギがかかっている、という報告を受け、俺は扉のノブを回してみる。彼の言った通り、それはカギがかかっているようでびくりともしなかった。
ガチャガチャ、ガチャガチャとドアノブの音だけがする。もしかして———この中に誰か———?!


「誰かピッキング使えそうな奴はいないのか?!」
「うーーん……それなら波希あたりが使えそうじゃないか?」
「鷹取!!お前は波希を連れてきてくれ。それまで俺達でなんとかこじ開けてみる!!」
「わかった、すぐ戻ってくる!」


鷹取は持ち前の素早さで波希を呼びに行った。
よし…俺も力はないほうだけど、寺坂が一緒なんだ、ドアを緩めるくらいできるだろ…。
鼎野には後ろに下がってもらって、俺達は美術倉庫の扉を破ってみる。


「せーのっ」








ドンっ!!! ドンッ!!!







———ドアは面白いほどにビクともしなかった。
そんなやり取りを続けている間に、鷹取が波希を連れて戻ってくる。さすがは『超高校級のサバイバー』、体力は一級品だ。


「うーん…針金使えば鍵までは開けられないけど…緩くは出来そうだね…」
「それでいい、頼む!」


波希は俺達が必死になっているのを察したのか、動かす手を早め針金を鍵穴へと通していく。
………しばらくして、ドアノブから「カチャリ」という音が聞こえてきた。


「———あとは、みんなでドアにぶつかれば開けられると思う。僕も手伝うよ」
「ありがとう波希。よーーし、みんな行くぞ!!!」
「「おりゃあああああああああ!!!!!」」


俺、鷹取、波希、寺坂が力いっぱいドアにぶつかる。すると、ドアは先程とは違い簡単に開いた。





開いた。ひらいた。ひら—————————

















































「………え………?」


目の前に入ってきた光景に、思わず立ち止まる。
すぐに入ってきた仲間もすぐに同じ表情を残す。


「ちょっと……待ってくれ……整理を……させてくれ……」
「……また……また、起きてしまったんだね」
「嘘だろ……なんで……!!!」


死人が出るなんて信じられなかった。これは夢だと思いたかった。
———だけど、目の前の光景を『偽物』と断定することは出来なかった。
俺達がドアを突き破って見たものは——————


















まるで生気を失った人形のように、長い長い縄で首を吊って項垂れている——————





















『超高校級の人形師』瀬川夏樹の亡骸だった。






















「せ、がわ…………?」


俺達が立ち止ったのを不思議に思い、後ろから鼎野がやってくる。彼は瀬川の変わり果てた姿を見た後、俺達より酷い表情を見せた。


「瀬川?せがわ!!せがわ!!!せがわあああああああああああああああああああああああ!!!!!」


『死体が発見されました!死体が発見されました!一定時間の自由時間の後、学級裁判を行います!
 もう一度、お伝えします!死体が発見されました!死体が発見されました!』


死体発見アナウンスと、鼎野の悲痛な叫びは——————。
ただただ、彼の死の人形劇を盛り上げる演出にしかならなかったのかもしれない…。











<死亡者>

「超高校級の人形師」瀬川夏樹
3F 美術倉庫で発見。
首を吊っており、天井からぶら下げられている。






<生き残りメンバー> 残り:9人

「超高校級の幸運」片桐昇
「超高校級のご当地アイドル」三神愛
「超高校級のサバイバー」鷹取つばめ
「超高校級のパズルゲーマー」波希千奈
「超高校級のファッションデザイナー」春白鈴花
「超高校級の応援団」寺阪龍之介
「超高校級の霊媒師」瑞哉霊
「超高校級の忍者」鼎野一郎太
「超高校級のショコラティエ」早緑詠




Chapter04 〜絶望に咲く一輪の花〜 (非)日常編 END.