二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Chapter04 〜絶望に咲く一輪の花〜 非日常編 ( No.416 )
- 日時: 2015/02/23 20:52
- 名前: 灯焔 ◆/.5aaSlLPY (ID: mEh5rhZz)
鼎野に検死結果を聞く前に、自分で調べられるところを調べてみよう。
そう思い部屋全体を見渡す。なにか落ちているものがあるかもしれないしな…。
———しばらく見まわしていると、ふと床に何か落ちているのを発見する。近付いてよく見てみると、それは水の入ったペットボトル、そして中身が少し零れているビンだった。
ペットボトルに中身のあるビン、か…。ビンを拾って中身の確認をするためラベルを見る。
「『シロクマ睡眠薬』…?え、睡眠薬?」
睡眠薬、だって…?だとしたら、犯人は瀬川をここで眠らせたのか…?ペットボトルも見てみれば少し水の量が減っているし、無理やり飲ませたのかもしれない。
『水の入ったペットボトル』
ミネラルウォーターのラベルが貼ってあるペットボトル。
量が少し減っているため、瀬川に睡眠薬を飲ませるために利用したのだろう。
『睡眠薬』
『シロクマ睡眠薬』と書かれている薬の瓶。中身が少し零れている状態で発見。
犯人は首を絞める前に瀬川にこれを飲ませたのだろうか?
そういえば、俺達は鍵のかかったドアにぶつかって、瀬川を見つけたんだったよな。となると犯人は瀬川を殺した後部屋に鍵をして出ていったはずなんだけど…。あのドアノブに鍵穴なんてなかったよな。
一回調べてみたほうがいいかもしれない。そう思いドアノブに近付く。ふむ、中から鍵をかけることはできそうだな…。
一旦外に出て、美術室側のドアノブを見てみる。やっぱり、鍵がかかりそうなものはないよな…。
じゃあ、犯人は『どうやって内側から鍵をかけて』密室状態にしたんだろう?
『美術倉庫のドアノブ』
美術倉庫側からのみ鍵がかかる仕組みになっている。
だったら、瀬川を殺した後犯人はどうやって外に出たのだろうか…?
んー、自分で調べられるのはここまでかな…。
鼎野の検死結果を聞きにいこう。…きっと鼎野、苦しみながら検死をしていたに違いない。そんな彼に結果を聞くのは気が引ける…けど、やらないと捜査が進まない。
とにかく鼎野に話を聞いてみよう。
「なぁ鼎野。検死結果を教えてもらいたいんだけど…」
「あ、あぁなんだ、片桐の旦那か…。驚かせるなよ、びっくりしただろ」
「急に話しかけたのは悪かったよ…。お前には辛い役目を押し付けてしまったな、悪い」
「そんなかしこまらなくていいって。どうせ検死は俺しか出来ないし、俺の出来ることで事件解決へと導ければそれでいい。
瀬川も…きっとそれを望んでいるんだと思うしな」
「それで、どうだった?」
鼎野は急に話しけられたのにびっくりしたのか驚いた表情で俺を見る。そ、そんなに驚くことないだろ…。
一瞬の感情の変化は見せたものの、さすが忍者。すぐに元の表情へと戻る。心の奥底がどう思ってるかまでは———俺にも読み取れないけどな。
検死結果の内容を聞くと…あいつは、苦虫を噛み潰したような顔でこう呟いたのだった。
「瀬川の首の絞め痕…。あいつは確かに『絞殺』されたよ」
「…っ、だよな…」
「致命傷はそのロープで首を絞められたことによる窒息死じゃねえかな」
「……ん?ちょっと待て、今お前『窒息死』って言わなかったか?」
「それがどうしたんだい?片桐の旦那」
「いや、確かモノクマファイルには瀬川の死因は『圧迫死』って書かれてたはずだぞ。…お前、何か嘘ついてないか?」
「人の命がかかってるのに嘘を言うか?まぁ、今のはちょっと言葉選びを間違えたかもしれないな。だけど、瀬川は『首を絞められて』殺された。これは揺るぎない事実だ」
「………そ、そうか」
———妙に変だな。
今の事件を除いて3回、俺達は捜査をしてきた。それでもあいつは死因を間違えるなんてことはしなかったはずだ。
……まさか、瀬川を殺したのは鼎野……?!いや、大事な奴を信じていたあいつに瀬川を殺すことなんて出来やしない。
だったら———なんであいつは俺に嘘をつくんだろう?
『鼎野の検死結果』
瀬川の致命傷はロープによって首を絞められたことによるもの。
しかし、今回は妙に言い方が引っ掛かる。
『片桐の違和感』
鼎野は何かを隠している。もしかして嘘をついている…?
……でも、あいつは今日でも右肩を負傷している。鷹取曰く治るのは明日だったはず。
右肩が動かせないから、鼎野はどうあがいたって瀬川を殺害することは出来ないはず。あいつがとんでもない回復力を持っている、とかいう逸話がなければな。でも、昨日も鼎野は右肩を庇うように生活していたし、使えるわけがない。
———だったら、誰が瀬川を…?ますます訳が分からなくなってきたぞ…。
『鼎野の怪我』
鼎野は数日前、春白にナイフで右肩を刺されている。
鷹取曰く傷が完治するのは『明日』のはず。どうあがいても彼に殺人は不可能。
…あと、さっき寺阪が見つけてくれたロープ…。長いのもそうだけど、妙に変な結び方しているような気がする。
俺には到底無理な、複雑な結び方だ。相当手先が器用な奴じゃないとこんな太いロープを複雑に結ぶことは出来ないぞ。
どうしてこんなに妙な真似を……。なんなんだ、今回の事件。
『ロープの結び方』
かなり複雑に、変な結い方で結ばれている。
ロープ自体が太いため、相当手先が器用でないとこんな真似は出来ない。
———もしかして、俺は何かを『根本的に勘違いして』考えているのか…?あーーーー、もう分からねぇ……!!
とにかく、もう少し情報を集めてみよう。睡眠薬があったってことは化学室…と、念の為瀬川の自室も調べたほうが良さそうだな。
頭が混乱し始めて真相が分からなくなる前に動いたほうがいい。俺は2人に見張りを任せ、美術倉庫を後にしたのだった。