二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Chapter04 〜絶望に咲く一輪の花〜 非日常編 ( No.419 )
日時: 2015/02/25 00:29
名前: 灯焔 ◆/.5aaSlLPY (ID: 8sjNuoVL)

〜4F 化学室〜


まずは睡眠薬がどこのものなのかをはっきりさせなくてはならない。まぁ考えても該当する場所といえば化学室か保健室だろうけど…保健室には睡眠薬は置いてなかったはずだ。
となると、目的地は一つ。化学室。犯人はここから睡眠薬をあの部屋にもっていったに違いない。
4階に向かい、化学室の扉を開く。そこでは棚と一生懸命向き合っている鷹取と相変わらず一人で捜査を続けている瑞哉がいた。鷹取、棚となににらめっこしてんだ…?


「おーい鷹取、何やってるんだ?」
「おお片桐!丁度いいところに!自分は今棚の中にあるものを思い出していたんだ!」
「…思い出すのになんでそんなにしかめっ面しなきゃならないんだ?」
「なんでも本気でぶつかっていかないと分からないものもあるだろう!!」
「関係ねえよそれ!!!…で、何か思い出せたのか?」


理由を聞くんじゃなかった。思わずツッコミをする。当の本人は思い出すためににらめっこをやめることはしなかったのだが。
…っと違う違う、俺がここに来たのは睡眠薬の棚になにか変化がないかだろ?鷹取のにらめっこを見ている場合ではない。
なにか思い出せたことはないかと鷹取に問う。すると彼女はしばらく腕を組み考えたのちにこう答えた。


「…うーん、自分は昨日ここにプロテインを取りに行ったのだが…。その時は、Bの棚は満杯だったぞ」
「でも今は変にビンの空きがあるな。やっぱり睡眠薬はここから…?」
「睡眠薬はそうだろうが…もう一つ見てほしい。床になにか散乱しているだろ?」
「本当だ!棚のほうに集中してて気付かなかった。…足跡?」
「あぁ。自分の推測だと、あの足跡は…『革靴』でついたものに違いないぞ」
「革靴?革靴をはいてる奴なんていたか?俺は革靴だけど、ここに来てないし…」


睡眠薬がこのBの棚から持ち出されたのは確実だけど、下に落ちた粉についている足跡が『革靴のもの』…。
革靴の奴って…俺以外に誰がいたっけ?





『化学室の棚』
Bの棚に不自然な空きがあるのを見つけた。
瀬川に使用された睡眠薬はここから持って行ったもので間違いない。

【コトダマアップデート!】『睡眠薬』
『シロクマ睡眠薬』と書かれている薬の瓶。中身が少し零れている状態で発見。化学室から持ってきたもの。
犯人は首を絞める前に瀬川にこれを飲ませたのだろうか?

『棚の下の足跡』
粉状の薬がこぼれ、一面に散乱している。
ぽつぽつと足跡が残っている。鷹取曰くそれは『革靴』の足跡らしい。
生き残っているメンバーで革靴を履いているのは、わかる範囲では片桐のみ。





足跡について考えていると、ふと瑞哉に声をかけられそちらを向く。
瑞哉は鷹取に気付かれないように耳打ちする。いや、あいつ今瞑想みたいなことしてるから瑞哉の声なら気付かれないと思うぞ…。
そう思いながらも耳を傾ける。すると、彼女はぼそりとこんなことを言った。


「……忍者に気を付けたほうがいい」
「鼎野に気を付ける?どういうことだよ」
「忍者、何か隠してる。……放っておけば危険。レイ達死ぬかも」
「死ぬかもって、」
「……警告はした。どうするかはアンテナに任せる。けど……絶対に死なせちゃダメ。アンテナも、忍者も」
「瑞哉…」


自分の言いたいことだけ言ってそのままスタスタ化学室から出て行ってしまった。鼎野に気を付けろって……確かに、今のあいつは完璧に信用しちゃダメな気がするけど。
———まさか、瑞哉この事件の真相に気付いているのか?





『瑞哉の証言』
忍者を信じてはいけない。彼女はそう言っていた。
片桐の違和感と合わせ、彼には警戒をしたほうがいいのかもしれない。

【コトダマアップデート!】『片桐の違和感』
鼎野は何かを隠している。瑞哉もそれを感じているという。
もしかして彼は嘘をついている…?





———ここで調べられることはこんなもんか。
あとは、念の為瀬川の部屋に行ってなにか手がかりになるものはないか調べてみよう。と、その前に…。
一応瀬川が死ぬ前に持っていたあの手紙についてもメモしておかないとな。





『瀬川の手紙』
図書室に置いてあった手紙。中身は絶望から瀬川への通達だった。
恐らく、今回の事件の動機に深く関わっていると思われる。





…簡単にメモを終えた後、俺は瀬川の部屋へと向かっていった。

Chapter04 〜絶望に咲く一輪の花〜 非日常編 ( No.420 )
日時: 2015/02/27 23:31
名前: 灯焔 ◆/.5aaSlLPY (ID: ltRlmf2I)

〜1F 瀬川ノ部屋 前〜


時間もないため素早く瀬川の部屋までやってきた俺は、覚悟を決め彼の部屋のドアを開ける。ドアの鍵は入る前にモノクマに解除してもらった。というか、「被害者の部屋なんていかにも事件にかかわってそうなところをロックするなんて不公平だよ!キミの発言は正しい、ほめてあげましょう!」なんて変なことをあいつに言われてしまったのだが。まぁ、開けてもらったことには変わりない。
部屋に入ってみる。瀬川らしく机の上には裁縫道具、そして沢山の傀儡人形が床に並んでいた。まるで人形が座ったまま俺を見ているような…そんな恐怖を持った。というかどれも生きてる人間なんじゃないのか。いや違うよな、それを作ることができるのがあいつなんだし…。

っと違う違う、俺は感想を言いに来たんじゃない。瀬川の事件につながりそうな情報を調べに来たんだった。
失礼しまーす、と小さな声で呟き、俺は部屋の中を歩いてみることにした。
……んー、特に怪しいものはないかな…。歩き回っていると、ふと空の写真立てが目に入る。写真?そういえば…


「瀬川のポケットにもそんな写真が入ってたな。くしゃくしゃになってたけど…」


関係ないとは思うけど、一応メモしておこう。





『空の写真立て』
瀬川の部屋にぽつんと置いてあった写真立て。
ポケットの中に入っていた写真が入っていたのだろうか?





ほかに目ぼしいものはないか…。
瀬川の部屋を後にし、一旦事件現場へ戻ろうとしていたところを早緑とすれ違った。どうやら彼女は俺を探していたらしい。


「片桐さん!探しましたよ、どこ行ったのかって心配してたんですから」
「ごめんごめん、瀬川の部屋の中に何かないかと思ってさ。調べにいってたんだよ」
「それなら良かったですけど…。一人で行動するのは危険です、次からは私も一緒に連れて行ってください!
 あなたが急にいなくなって……どれだけ不安に思ったか…」
「何か言ったか?」
「い、いえ、何も!」


早緑、最後らへんなんて言ってたんだ?…でも、俺のこと心配してくれてたんだよな。心配かけて悪い、と一言謝る。
すると彼女は照れつつも「片桐さんが無事ならそれでいいです」と言ってきた。…それにしてもなんで照れてるんだ?


「そういえば…早緑、鼎野の証言についてお前はどう思う?」
「証言…といえば、検死結果のことですよね。彼は絞殺されたのだと言ってました。つらい役目を押し付けてしまいましたよね…」
「そう、それなんだけど…。俺には妙に引っかかっててさ」
「引っかかる?」


首を傾げる早緑。俺が鼎野に抱いている違和感を伝えると、彼女は腕を組んで考えたのちこう言った。


「———片桐さんは考えすぎですよ!きっと、鼎野さんも大切な人の死に直面してショックだったんだと思います。だからあんな言い間違いをしてしまったのですよ」
「そうだといいんだけど…。瑞哉にも相談したら、あいつは『鼎野に気を付けろ』って言ってたんだ。でも鼎野は仲間だし、状況からしてもあいつが瀬川を殺したとは考えにくい。だから、ますます訳が分からなくなってきて」
「片桐さん。一回、深呼吸しましょう。鼎野さんだってこの事件を解決したいはず。そんな彼が嘘をつくだなんて私には到底信じられません。彼は…嘘をついていないと私は思いますよ」
「早緑…」
「うふふ、まぁこれカンなんですけどね」


そう言って早緑は笑う。早緑はあいつを信じていいって言ってたけど…。俺はどっちの言葉を信じればいいんだ…?
そう思っていたその時だった。あの『恐怖の時間』が今回もやってくる。










ピーンポーンパーンポーン…









『えー、えー、業務連絡業務連絡。お待ちかねの学級裁判のお時間でーす!!とっとと赤い扉の前に集まってくださーい!!
 ボク達は血液だ!!滞りなく流れろ、酸素を回せ!!脳が正常に働くために!!行くぞオマエラ!!血みどろたっぷりの裁判場へ!!』





ぷつり。





「捜査はここまでか…。あとは学級裁判で解明していくしかないな」
「私達の力を合わせれば造作もないことです!頑張りましょう、片桐さん!」
「あ、あぁ。それにしても、今回の余興はなんだったんだ…?厨二病すぎるにもほどがあるだろ」
「モノクマって実はミステリアスなものが好きなのでしょうか?」
「あれをミステリアスだと思ったのか?」
「私はなかなかかっこよかったと思いますよ、あのセリフ」
「早緑?」


早緑の趣味がますます分からなくなってきた。
事件も全然まとまってないし、犯人のイメージも掴めてないし…。今回の裁判、本当に大丈夫なのだろうか。
そして———鼎野の言葉を信じるか否か。食い違った瑞哉と早緑の意見。俺は…どっちを信じればいいんだろうか…。


そんな思いを胸に、4回目の裁判を行いに赤い扉へと足を運ぶのだった。