二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chapter1 イキノコレ ( No.74 )
日時: 2014/06/03 20:03
名前: アルズ (ID: NaOjLZBc)

部屋に戻り、ぼんやりして少し時間を潰そうと思った。 が・・・



ピーンポーンパーンポーン・・・
『オマエラ! 至急体育館までお集まりください! 春白さんも瑞哉さんもちゃんと来いよ!? というか無理矢理引っ張っていくからね!?』

プツン・・・



「・・・至急・・・?」

この辺りから怪しいと思った。
しかし行かなければ無理矢理連れて行かせるし、殺されるかも知れない。
・・・だが、その反面・・・嫌な予感がするのだ。
その予感がどんよりと足を重くして行くなと静止をかける・・・が、俺はそれを無視して体育館へと向かう。






俺が体育館へ着くと全員そこにいた。

「あー、やっと来たねー!?」

そんな嫌な声が体育館へ響くと・・・入学式と同じようにモノクマが登場した。

「な、何の用よ!」
「夜長さん、そんなに身構えなくていいの。 それにしても二人共ちゃーんと来てくれたね?」

二人・・・というのは春白と瑞哉の事だ。

「そんな事より・・・どうしてボク達をここに呼んだんだ?」
「そうそう!! ボクすっかり盲点だっの! どうして場所も環境も人もミステリー要素も揃ってるのに、どうして殺人が起きないのかなーって思ってたら・・・一つ足りない物があったんだよ。」
「・・・足り・・・ないもの・・・?」
「そう・・・『動機』だよ。」

その言葉を聞き、その答えがハッキリしている者は顔を青ざめ、訳がわからない人はキョトンとしていた。
モノクマは後ろから段ボール箱を取り出し、それを俺達に投げた。

「というわけで・・・ご用意させてもらいました!!!」

その言葉と同時に段ボールが地面に衝突した衝動で蓋が開いた。
蓋が開き、中に入っていたのは・・・

「・・・CD?」

そう、CDだった。しかもご丁寧にケースにちゃんとそれぞれの名前が書かれていた。

「あ、瑞哉さんのは音声だけだから安心してね!! うぷぷ・・・盲目の人にもこうしてあげるなんて・・・ボクってばやっさしぃ〜!!」
「・・・。」

しかし瑞哉はそんなこと気にせず、ちゃんと自分のCDを持った。
俺達もそれに続き、自分の名前が書かれているCDを持つ。

「なぁ、これどうするんだー?」
「CDなんだから視聴覚室で見ればいいじゃないか。」

そうモノクマは呑気に鮭を頬張った。
その言葉を聞いた俺達はしぶしぶ視聴覚室へと向かう。



視聴覚に着いた俺達はそれぞれ違う席に座り、CDをプレイヤーに入れる。
ヘッドフォンをちゃんと装着し、画面をじっと見た。 ・・・すると・・・。


俺の・・・家族が写った。

『昇、お前が希望ヶ峰学園に選ばれたなんて・・・誇らしく思うぞ。 おめでとう、そして頑張れ。応援するぞ。』
『昇、私も凄く嬉しいわ・・・。 私もお父さんと一緒に応援するわね。』
『やっほー!! 兄ちゃん見てるー!? 俺も元気だから兄ちゃんも元気で頑張れよー!!』

・・・父さん、母さん、そして弟・・・俺の家族がビデオレターで応援してくれている。
嬉しかった。 そしてホッとした。

・・・しかし、そのうれしさも、安心さも・・・次の瞬間失われた。

ノイズが画面に走り、完全に画面を覆い尽くし、一瞬でその背景は荒れた。
家族が座っていたソファは無残に破れ、座る物としては完全に機能しなくなり、窓ガラスも割れて壁も塗装がとんでもないぐらいに剥がれた。
そして・・・家族が・・・父さん、母さん、弟が・・・いなくなっていた。

『超高校級の幸運・・・片桐昇クンの家族はどうなったでしょうか!!
続きは・・・『卒業』の後で!!』

そんな忌々しい声と共に『続きは卒業の後で』と言うふざけた字幕が画面にでかでかと載り、ビデオは終わった。


「・・・んだよ・・・これ・・・」

俺は・・・それしか言えなかった。

「どうなってんだよ!?」
「う・・・嘘だよね!?」

ビデオを見終わった人は叫び、顔を青くし、ガタガタと震える。
そして・・・とある一言を言ってしまう。

「・・・出なきゃ・・・ここから・・・出なきゃ!!」

そう言うとみんなそうだ、出ないとと言う。
突然の恐怖でパニックになり、判断力が鈍ってしまったのだ・・・。

「落ち着いてよ。」

そういつもの微笑みで波希は言った。

「・・・じゃあ何で落ち着けるの・・・!?
こんなのがあったのになんで落ち着けるの!?」

藍川が泣きながら叫んだ。 でも彼は動じず、口を開く。

「これがモノクマの狙いなんじゃないかなって思ってさ。
これじゃあモノクマの思惑通り・・・それに、落ち着いて冷静にならないと何もできないよ。」

ね?と首をかしげて彼は言った。
その言葉にみんな落ち着きを取り戻し冷静になる。

「た・・・確かに・・・このままじゃ駄目ですよね・・・。」
「はあ・・・お陰で目が覚めた・・・。」

みんな落ち着いて深呼吸をし、頬を叩いて意識をきちんと覚醒させた。



「あーあ!! 波希クンなんてことしてくれたのさ!!」


モノクマがモニターの所で座り、新しい鮭をやけ食いしていた。

「折角のボクの努力どうしてくれるのさ!!」
「・・・ねえ、あれって偽物?」
「どうだろうね? 偽物と思うか思わないかはオマエラ次第だよ!」
「モノクマ・・・お前の・・・目的はなんだ・・・?」

するとモノクマは鮭を食べるのをやめてこちらに顔を向いた。
赤い左目を輝かせ、高らかにこういった。


「    『絶望』    それだけだよ。」


そう言ってモノクマはどこかへ言ってしまった。

この後俺達はここにいても仕方ないと言う事で解散した。
そして、ちょっと気を紛らわすために購買部に行き、ガチャガチャをした。

「・・・え?」

出てきたのは・・・なんと毒薬だった。
こんなタイミングで出てこないで欲しい。
それに、こんなの部屋にも置きたくない・・・ので、カウンターの上に乗ってある物の物陰に隠して置いた。


キーンコーンカーンコーン・・・・
『希望ヶ峰学園学園長がお知らせします。オマエラ、夜10時なので、夜時間となります。 食堂のドアがロックされますので、ご注意ください。 ではではいい夢を。おやすみなさい』

「・・・寝るか・・・。」

早く忘れるために、早足で部屋に戻り、布団の中に潜る。
そのまま・・・眠りについた。