二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: KH×SAO×P4×オリキャラ クロスオーバーズ ( No.66 )
日時: 2014/07/09 19:01
名前: レイR ◆SY6Gn7Ui8M (ID: kzeDDajm)
参照: http://ge-novel.com/mtsg.cgi?



「大丈夫だった?」

俺達の窮地を救ってくれた四人の内の一人、レイがこちらにやって来てそう言った。大丈夫な物か、どれだけ探したと思っているんだと思いつつも嬉しかった。

「レイ、無事だったんだな」
「あぁ、そっちもね」
「おーいレイ、ちょっと良いか?」
「どうしたの?キリト君」

いつの間に仲良くなったのか、キリトを君付けで呼んでいるレイが彼の元へ向かった。キリトはどういう訳か何もない壁を調べている。

「この壁、何か怪しくないか?」
「そう?何の偏屈も無い壁っぽいけど……」
「どうやらキリトのやつ、あることに気がついたみてーでさ。この部屋、どういう訳か先に進む為の扉が無いんだ」

確かにこの部屋に次の部屋へ向かう為の扉らしき物は存在しなかった。扉があるとすれば俺達が来た方の物だけで、行き止まりとなっている。

「もしかして、ここが最深部クマ?」
「いや、それは無いだろう。ここまでほぼ一本道だったがリーファは何処にもいなかった」
「リーファだと?」

クマに今の状況を伝えてやるとキリトがリーファと言う名前を聞いて俺を見た。

「どういう事何だ?」
「あぁ、それは……」

俺はレイ達——特にキリト——にこれまでの事を話した。アークソフィアで出会ったアスと共にそれぞれの仲間を探していた事、クマと出会いリーファの偽者と遭遇した事、そして彼女が囚われている可能性があることを

「あいつら、そこまでやってんのかよ!」
「むーん、狙いがわからんクマ!漆黒の影は一体何を企んでるクマ!?」

陽介とクマのペルソナ使い二人が今回の件について吐き捨てるように言うとキリトが突然先程も使っていた二刀流を引き抜いた。

「パパ、どうされました?」
「みんな、下がっててくれ。今からここを攻撃してみる」

そう言えばキリトが壁を調べている事をすっかり忘れていた。所謂隠し扉のようなものがそこにあると踏んでいるのだろうが、明らかに単純すぎると言うか、大胆すぎた。もっと慎重に動いて欲しい物だが他に道が無い以上ただ見守るしかない。

「アスナ、協力してくれ」
「えっ?」
「久々に同時ソードスキルやるぞ」
「……うん、わかった」

やっと再会出来たキリトとアスがほぼ同時にソードスキルを繰り出し、僅か数秒ほどで壁を砕いた。大きな爆発音こそ響いた物の二人が砕いた後には先に進む為の道が広がっていた。

「これは!」
「やっぱり、そうじゃないかと思ったんだ」
「パパ、お見事です!」

完全に無茶苦茶だったが道が見つかったので結果オーライか。先程の疲労が激しいが、あまり休んでいる暇も無さそうなので先に進む事にした。

「そう言えば皆さん」

新たな道を進む道中、突然ユイが俺達全員を呼び止めた。

「メンバーが大分増えたのは良いんですが、同時に戦えるメンバーには限りがあるんです」
「つまり……どゆことクマ?」
「簡単に言いますと、チームの機動性等の都合上、バトルメンバーは最大五人と言う訳です」
「つー事は、今は俺とレイとキリトとあんたらで戦えるメンバーは六人か……」

そう言えばこっちはあっちの名前を知っていたが陽介達は俺達の名前を知らなかった。その為呼び方が“あんたら”になったのだと思われる

「一人余るクマね……」
「はい、余ったメンバーは何時でも前線に出られるように待機しておくのが基本になります」
「じゃあ、誰が抜ける?」

今まではお互いに三人だったから考える必要こそ無かった物の、ここからは前線のメンバーを良く考えて進まなければならない。

「なら俺が抜けるよ。ユイの護衛役も必要だしな」
「私、護衛ならお兄さんが良いです!」

キリトが護衛役と称して余りメンバーに立候補したがユイにあっさりと断られてしまった。

「なんだよそれ?」
「まあ良いんじゃないか?キリト君は前線で頑張って。俺がユイちゃんをしっかり守るから」

結局ユイの護衛役はレイに決まり、前線メンバーは俺、アス、クマの何時ものメンバーにキリトと陽介の五人となった。

「そう言えばキリト君、ユイちゃんって何でレイをお兄さんって呼んでるの?」
「あぁ、それは後で話すよ」

確かに今は話している場合では無さそうだ。それにきっと長い話だろう、キリトとアスは先に歩いていった。俺達もそれに続きこの道を行く

「ねぇユイちゃん」
「何ですか?お兄さん」
「ユイちゃんって優しいんだね?キリト君とアスナさんを一緒にしたいからキリト君の護衛を断ったんでしょ?」

ユイの狙いをレイは見抜いていた。今思えばキリトはアスにとって大切な人、そのもっとも関係者であるユイだからこその気遣いだった。

「はい、この歪んだ時空に迷い混んでやっと会えたんですから……少しでも二人の時間があった方が良いと思いまして……」

ユイの計らいに感動したのか、レイが彼女の頭を撫でた。

「偉い!ユイちゃん!」
「えへへ……ありがとうございます、お兄さん」
「うん、じゃあ行こう」
「はい!」

一時前線から降りたレイとユイもすぐに俺達の後を追いかけ、すぐに合流した。

暫く一本道が続き、やっとそれが終わったと思ったら今度は先程の物程では無いが広い部屋に出た。そしてその中心にはやはり彼女がいた。いや、彼女と言って良い物なのだろうか。

リーファの偽者だ。砂漠で遭遇した物と同じく不気味なオーラを放っており、瞳にハイライトが宿っていないその姿はまさに偽者と呼べるだろう。

「あれが偽者か……!」
「キリト君、油断しないで!偽者はどうやら本物とほぼ同じ力みたいだから!」

アスがキリト達に偽者の詳細を伝えたのも束の間、天井からさらに二人偽者が降り立った。そう、偽者はあの砂漠で遭遇した物だけではなく、量産されていたのだ。

「三人だと!?」
「バーカ、こっちも人数増えてんだ。行けるだろ!」

流石に驚く一同を見て陽介がメンバー全員を励ますように言った。そうだ、今はあのときとは違いメンバーは倍以上になっている。今なら偽者が例え何体来ようが勝てる、そんな気がした。

「皆さん気を付けてください!リーファさんの偽者から何か危険な物を感じます!」

先程の戦いのようにバックアップの体勢に入ったユイが前線メンバー全員にそう伝えた。つまり偽者もあのときとは違うと言う事か

「ユイ、いつも通りバックアップ頼むぜ!」
「はい、陽介さん!」

仲間達が全員武器を構えたその時、偽者達が同時に襲いかかってきた。