二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ポケットモンスターZ〜宝石姫のディアンシー〜 ( No.323 )
日時: 2014/12/28 15:24
名前: こーすけ ◆TG/gZwenNc (ID: oBSlWdE9)

【第十九話:迷路】その1

・・・・

リュウト達がこのプレミシティにあるジムに向かっているとリュウトの目に巨大なモニタースクリーンが目に入った。

『プレミシティのジムリーダー、スライさんにインタビュー!!』

丁度今から向かうジムのリーダーのインタビュー番組が始まった。紫髪の美青年に美人キャスターがマイクを向ける。この男がどうやらジムリーダーであるらしい。
キャスターが自分にとってジムリーダーとはなにか?など、今後の意気込みなどを聞いている。

『ふふっ、これからも僕の応援をよろしくね?』

画面に映っているジムリーダー『スライ』がパチンとウインクする。それを見ていたリュウトは「うわっ…」と声を漏らす。

「きゃああ〜〜!今日もスライ様はかっこいい〜!」
「私昨日スライ様にファンレターのお返し貰っちゃった〜」

リュウトの近くにいたスライのファンが今のインタビュー番組を見てクネクネと体を動かしている。

「あの人達あのジムリーダーに『メロメロ』をされたんでしょうか?」
「まぁ、間違ってはいねえな」

・・・・

スクリーンで放送した番組を見てからリュウトの中でスライの印象はいきすかねえキザ野郎になっていた。

「ん?なんじゃありゃ……?」

ジムの近くまでやってきたがリュウトの目に映ったのはジムの前で女性達が群がっている。

「スライ様〜〜!!」
「お願い出てきてください〜!」
「スライ様の為にお菓子作って来たんです〜!」

ここにいる女性みんなジムリーダー『スライ』のファンらしい。女性達が中にいるスライに呼びかけるが全く返事がない。

「この人達みんなスライのふぁんらしいですねリュウト」
「そんな事言わなくても分かるわ。…あのジムに入りたいからここを通して…」
「邪魔よ不細工!」

リュウトは女性達にそこをどくように呼びかけるがそれを聞く気が全くなく一人の女性がリュウトを不細工呼ばわりしてドン!と押し、リュウトは思わず尻餅を付いてしまう。

「・・・・・・やれやれ。どうすりゃいいんだ」
「とりあえず、立ち上がったらどうですか?」

リュウトは尻餅ついたまま帽子を深くかぶる。ディアンシーはリュウトを細い目で見る、いつもは顔を上げなきゃ見えないリュウトの顔が横を向くとすぐ近くにある。

————みんな、挑戦者を通してあげてくれないか?

「……?なんだこの声?テレパシー?」
「なんでしょうか?この声なんでしょうか?」

急に頭の中に男の声が響いた。二人がキョロキョロと周りを見渡すが声の主っぽい人物はいない、今の声を聞いた女性達はプルプルと震えている。

「「「「「きゃああああああああーーーーっ!!!スライ様の声よおおおおおおおーーーーーっ!!!!!!」」」」

「うるせ!?」
「そういえば、今の声テレビで聞いたのと同じでしたね……」

ディアンシーは今の声の主がテレビで聞いた『スライ』と同じだと言うことに気がついた。二人は女性達の声に耳を塞ぐ。ある程度女性達の声が収まると女性達は道を開けてくれた。

「ほら、さっさと行きなさいよ」
「スライ様にボコボコにされちゃいなさいチャレンジャー」

ジムに入るまでにファン達に「さっさとやられちゃえ」や「スライ様に勝ったら許さないんだから」と言う罵倒が止まなかった。リュウトは「はぁ…」と溜め息をつきながらジムの中に入っていった。

・・・・

〜ジム内〜

「なんじゃ、こりゃ」

リュウトはジムの中に入った瞬間唖然してしまった。ジムの中は複雑な迷路になっていたのだ。

「ダイヤストームかムーンフォースで壁を壊して一気にジムリーダーの所まで行っちゃいますかリュウト?
「こらこら、やめろって」

技を放つ気満々のディアンシーをリュウトが止める。やると言ったらやる子だから止めないと本当に壁を壊すだろう、ブラック団のアジトでもあった事だ。

——迷路を越えて僕の元まで来るんだチャレンジャー

スライのいけすかねえ声がまた頭の中に響いた。

「気に入らねえ声だな。」
「リュウト……いくらモテないからって当たるのはよくないですよ」
「うるさいんだぞ」

・・・・