二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ポケモンナイト2幻界冒険 ( No.171 )
日時: 2015/09/03 20:21
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)


「あともう少しだけ、時間を下さい」

そう言うとイルミアは仲間の待つ地へと歩いていく。目の前には今まで苦楽を共にした仲間がイルミアを讃えてくれていた。そして……
デルタ「……いくんだな。」
イルミア「……はい。」
イルミアの体が光に包まれていく。天に召される証なのだ。
イルミア「デルタさん、こんな私の為にここまで連れてきて下さって、ありがとうございます……デルタさんがいなかったら今頃どうなってたことか……」
デルタ「なーに、全部イルミアの力でやったことだよ、心配はいらない。」
泣き顔を見せんと必死に笑顔を作るデルタを見てイルミアはほほえんだ。
イルミア「無理してはいけませんよ?」
デルタ「大丈夫だ!男は絶対に泣いてはいけないんだよ!」

イルミア「……アリスさんとミレイさんもお世話になりました。同じ境遇のアリスさん達のおかげで心細くなくなったんです。」
アリス「私もそうだった……でももうそれも終わる、私はミレイと共にここに残るよ、イルミア、君と会った思いでの世界として……」
ミレイ「イルミアさんも、どうか天からお嬢様を見守って下さいね……」
強がっていたアリスも、遠慮しがちだったミレイも、目には涙が溜まっていた。

イルミア「ライド君、お姉さん、見つかるといいね…」
ライド「おう!姉ちゃんが見つかったらいままでのことぜーんぶ話すんだ!もういいって言うまでね!」
イルミア「それは…頑張ってね。」
ライドは思いっきり震えた声で元気よくそう答えた。

イルミア「ファルさん、これからもあの森を守り続けて下さいね、メタルさんは…早く家族に会ってあげてください……」
ファル「おうともよ!任せときな!」
メタル「もし妹に会ったらこう伝えておいてくれ。お兄ちゃんは心配いらないよってね。」
ファルは男泣きしながらも力強くそう答えた。メタルもイルミアとは面と向かって話さずにいた。

イルミア「では……もう行きますね……さようなら……そして……ありがとう……私の……宝物………」
イルミアを包む光が天に向かって延びていく、後から青い光がその軌跡を追いかけ、最後には名も知れぬ静寂が残った。
デルタ「……帰ろう、マッケイルが待ってる。」
アリス「………さらば………イルミア………」
デルタ達はその場を後にした。マッケイルと共に脱出した後も誰一人としてイルミアの話をすることはなかった。


その後の夜、デルタはあの森へ向かった。イルミアを見つけたあの森である。
デルタ「……見守っててくれてるかい?」
デルタは空を見上げながらそう呟いた。天には星が瞬いている。いったいどれがイルミアでどれが姉さんだろうか、そう考えながら引きかえそうとした時、頭に何かが引っかかった。イルミアのリボンだ。
デルタ「……イルミア………」
自然と頬に涙が伝う。

『私はいつでも見ていますよ…』


〜完結〜





はい!これにてポケモンナイト2は終了となります!
……といいたい所ですがまだ!まだです!
この作品の番外編として最後に!

『ポケモンナイト2番外編 羅刹の旅人』を開始します!

詳しくは後程!
そして……今まで読んで下さった皆さん、本当にありがとうございました!自作もキャラ募集をしますのでよろしくお願いします!