二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.23 )
日時: 2015/02/01 09:58
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)


「おめかし長門の2つのアビリティアクションを発動!」

WSCFC部室内。ミチと李里香のファイトが進められていた。
ファイト状況はお互いレベル3。場には切り札が存在し、現在ミチのメインフェイズ。
コールされたゴスロリ姿の長門が空間から杖を召喚。それを足元に突き刺したと同時に李里香の場のキャラ達が薄いガラス板のような結界に閉じ込められ、くるりと回転ドアの様に回転すると全てのキャラの陣形が滅茶苦茶に動かされていた。

『舞台変更、完了』

『サンキュー長門!じゃあミチ、ラストお願いね!』

「OK!クライマックスフェイズ、『サムデイ イン ザ レイン』を発動!そして『“後方支援”ユーノ』にフロントアタック!クライマックスコンボで1ダメージ!」

最初にアタックしたハルヒが長門と同じ様に剣を召喚。前列に出たユーノへのアタックと同時に剣から放たれた衝撃波が李里香に直撃。それと同時にソウル3のダメージを与えた。

「ダメージアクション1枚目……違う、2枚目……無し。3枚目……無し」

『GAME,END. WINNER SAKURABA MICHIKO』

攻撃が全て通ると同時にキャラ達はお疲れと労いの言葉を投げあい、そしてなのはとシュテル、ハルヒ以外のキャラは霞に消えるように消失。バトルが終わったのだ。
デッキを戻していると、ミニキャラのぷちつばさが浮遊しながらミチに近付いて来た。

「みゅいみゅい。みゅう」

「ありがと翼。李里香もいいデッキ配合だったじゃない」

「そりゃどうも。でも、たった2週間で組み直したデッキでこの実力なんて凄いじゃない」

ミチが李里香とのバトルを思い返していた。今使ったデッキは潰されたものの、CFCの面々が協力して1から全てのカードを入手し、それらを使って様々なタイプに対応できるハーフデッキ4つを完成させたのだ。
デッキをちゃんと整理して色を分けるとミチはそれをしまう。

「おーい、ちょっといい?」

「ん?部長。それに聡明学園の皆まで」

バトルが終了すると同時に皐月が部屋に入ってくる。その後ろには聡明学園の4人の姿も確認した。

「実はこれの事で皆に話があるの。見て」

手にしていたチラシを広げる。
5人が覗き込んだそれには、『ヴァイスシュヴァルツ・キングダムついに開国!それを記念してキングダム・トーナメント開催!!』と言う内容だった。
それを見た鶴来が思い出したように尋ねる。

「これ、3年前に計画を実行宣言した奴だよね?完成したの?」

「うん。調べてみたけど、1週間前ついに完成したんだって」

音也がスマホを操作して画像を見せる。東京ドーム15個はくだらない大きさの島が映っていた。

『あのー、そのヴァイスシュヴァルツ・キングダムって何ですか?』

『あぁ、貴方達はヴァイスシュヴァルツをプレイしていなかったわね』

話についていけないなのはが質問する。そこにれいが詳しく解説を行った。

『この計画は3年前、ヴァイスシュヴァルツを産み出したと言われているアルノジオス社が発案し、ある無人島を買い取って開拓を開始したの。計画の内容とか、街の光景とかは公開されていなかったみたいだけど、これを見て』

説明の途中でれいが皐月の持っているチラシを見せる。その詳しい内容を良く見ると、『連合システム』と言う言葉が目に入った。

「これは、2つ以上の団体が双方の同意の下、ひとつのチームに参加するシステムよ。実はログ達とはその件で学園長と話をしてこようとしてた所なの」

「へぇ〜。参加人数は1チーム10人なんだ。招待チームは15チーム。って事は……最大150人って事!?」

「最初に見た時は冗談かと思ったわよ。島一つ使っての大規模なチーム戦なんて初めてだし」

仰天する李里香に皐月も肩をすくめながら同意した。

「こりゃ決勝までかなり時間が掛かるかも……って、あれ?」

李里香が大規模な参加人数に目を丸くし、鶴来の契約キャラのキリトに振り返る。だが、その肝心のキリトは頬杖を付いたまま熟睡しきっている。

「ずっとこの調子だよ。何をそんなに疲れているのかな?」

「シロエもずっとその調子だ。かなり疲弊しているらしい」

フードを被って照る照る坊主のようなSD化のシロエも、キリト同様に熟睡しきっていた。そこまで疲れる事があったのだろうか。

「その話は後にしましょ。もうエントリーと聡明学園の方は許可してあるから」

もう一つの紙は参加用紙なのか、既に4人分の名前が入っている。李里香も手早く名前を記入した後、明影学園の学園長室へと向かっていった。





李里香side.


「失礼します」

あたし達は学園長室に入る。その後から契約キャラがぞろぞろと入ってくる。学園長室らしく、中の設備はかなり整っている。
正直、あたし達はここに入ったのは初めてだ。

『あれ?誰もいないよ……?』

入ったとたん、なのはちゃんが声を上げる。
言われて見れば、確かに誰もいないわね。普通ならあの机の奥の椅子に座っているのに。

「良くぞ参られた、連合軍よ!」

「どっはあ!?」

いきなりびっくり箱みたいに白髪のおじいさんが扇子を持って机の影から出てきた!?
思わず横目で見てしまう。うわぁ、4人とも見事にドン引きしているわ。

「私がこの明影学園学園長、白田黒部(しろたくろべ)だ!」

そのおじいさんが着地と同時に椅子に座ると自己紹介をした。何か両方とも苗字に使われそうな名前ね。と、第一印象が名前ってのもちょっとあれだと思う。
ともあれ初めて会った変人こと白田学園長に部長が参加用紙を渡す。

「話は聞いている。この大会の出場許可を私に求めているのだな?」

「はい。だから——」

「だが!相手は全国の強豪たち!今のお前たちがワシに敵わないと判断すればその参加は認めん!」

『いきなりな展開だな。つまり学園長を倒せば参加を認めるって事だな?』

「そのとォォーーーりッ!!ただし、一人でも敗北した途端チーム参加を禁ずる!!」

つまり……あたし達の誰かがひとりでも負けた途端に参加禁止って事!?んな無茶苦茶な……。
でも、大会に参加するには他に道は無いみたいね。あたし達が気を引き締めていると、音也が前に出る。

「まずは僕が行くよ。絵里、準備は?」

『無論OKよ』

音也の答応と共に絵里が光に包まれてカードになり、そして音也のデッキに入る。

「さぁ、他は外で待機してもらう。それと、複数デッキを使うのならそのすべてと戦う事になるからな」

デッキを用意した白田学園長がずいずいとあたし達を部屋から追い出す。次に戦うあたし達に戦略を読まれない為って事なのかしらね?


Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.24 )
日時: 2014/11/09 19:55
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: S5DpgI4u)


side’OUT


「それで、いつまで眠ってるの?」

いい加減にしろと言わんばかりの表情で李里香が鶴来に尋ねる。
学園長室の前で待機させられているメンバーの中で、しずるはMDレコードに録音した音楽を聴き、冬雅は精神統一。ログと伊村は自分の番が来た時に学園長への対策を練り、他は外の景色を眺めたりデッキの確認だ。
鶴来も理由が解らず「どうしたものだか……」と頭を抱えている。そこに、れいが助け舟と言わんばかりに説明する。

『多分、PKの件で疲れきっているのよ』

「PKってプレイヤーキラーの略?ラフコフとか言うギルドに襲われたの?」

『どうもそれとは違うみたい。これを見て』

ポケットからスマホのような電子機器を取り出し、操作してあるSNSチャットのサイトを見せる。そこから最新のチャットを見せる。

『近頃ALOで途轍もなく強いPKがプレイヤーを次々と倒されていっているわ。片方はスプリガン風の少女、もう片方はウンディーネ風。けど、武器とかがおかしいのよ』

「おかしいって、何が?」

『そのウンディーネの武器がだよ。巨大な大鋏だったらしい』

れいが説明しようとした時、いつの間にか起きたシロエが合いの手を入れた。

『それに、事態はALOだけじゃない。ちょっと貸して』

欠伸交じりにれいからスマホを借りると操作し、ある画面を見せる。

『GGO、エルダーテイル、アクセル・ワールド……この3つのオンラインゲームでもPK騒ぎがある。一番酷いのはGGOとALOだ』

「つまり、お前らが熟睡しているのはそれの対応に追われての事か」

話を聞いていたログにシロエが頭を掻きながら応じる。更に続けようとした時、音也と絵里が出てきた。

「どうだった?」

「ばっちり白星」

『最後の最後でとんでもない奴が出てきたけど勝てたわ!』

どうやら難なく超えられたらしい。それに感化されたのか、しずるとマリアとクリスが前に出る。

「次は私が行くわ!」

『勢い付いている今、勝ち星を挙げて更に勢いを上げると言う事ね』

『相手のほうは大した事無いんだろ?なんならサクッと片付けてやろうじゃねぇか!』

『油断しないで。下手をすると足元をすくわれるわよ?』

準備を終えたマリアとクリスがしずるのデッキに入り、しずるが学園長室に入って行った。

「……で、続きだけどそのアバターってどんなの?」

『……確信は無いけど、どうやら特定のプレイヤーやそいつらに攻撃を仕掛けてきたプレイヤーのみが被害に遭っているそうだ。中には意気揚々とそいつらを討伐しに行ったプレイヤーが、何も出来ずに大聖堂送りにされたのもあった。PKされたプレイヤーの中に、俺の仲間もいた』

しずるが部屋に入った後、話を続ける一行。
どうやら相手は相当な熟練のプレイヤーらしい。キリトの仲間もかなり実力はあるものの、それをあっさりと倒してしまうほどだけでも恐ろしいが、それが他のゲームの中にもいるとなるとなお恐ろしい。

『とりあえずPKできないシティに、エルダーテイルは初心者エリアに避難したけど、こっちから攻めないと解決にはならない。近々俺たちが直接あいつらを倒に行く気だ』

キリトの目には底知れない決意と覚悟が感じられる。相手もかなりの強敵だろう。

『とにかく、君達は今のバトルに集中して欲しい。ここで足踏みする気は無いだろ?』

今は自分の事に集中しろ、とでも言いたいのだろうか。それを図らずも悟った李里香は彼に答える。
すると同時にしずるが学園長室から出てきた。

「ばっちり白星を上げてきたわ!」

『確かに楽勝だったな!お前らも早く白星上げて、一気にトーナメントに出場しちまえよ!』

『たった一人で挑んで効果を発揮するなんてとんでもないカードもあったものね』

クリスとマリアもさほど苦戦をしなかったようだ。更に続けて武と当麻が挑戦しに校長室に入る。










※ここからは合間の描写が思いつかなかったのでバトル後の会話のみをお送りします。




武の場合

「な、何とか勝てた……」

『ったく、なんだよあいつ……あんな能力ありか……!?』

「良く勝てたわね」

バトル終了後、肩で息をする武と当麻に李里香が尋ねて来た。

「“あいつ”が来なかったら、まず確実にやられていたぞ。気をつけろよな」





鶴来の場合



「やれやれ……危なかった……」

『相当苦労したみたいですね』

武ほどではないが肩で息をしながら鶴来が戻ってきた。キリトも表情からぐったりしている。

『……まさか同じ名前の奴に苦戦するなんて思わなかったぞ……』

『同じ名前?』





伊村の場合


「ほんま、あないな能力アリかいな……」

『ホント、後一歩遅れてたら負けてたわよ……』

『場所が場所なら轟沈率9割の魔の海よ……』

『そうか?案外楽に行けたんだけどな……』

鶴来や武と同じくらいに肩で息をしている伊村。彼が言うには、島風で切り札をサーチした後、カノンやイムヤの援護を使って相手の盤面が揃う前に速攻で叩き潰したらしい。





皐月の場合


「ふぅ、確かに強敵だったわね」

『確かに伊村達が苦労したのも解るわ……』

皐月とれいもかなり苦戦を強いられたらしい。深い深呼吸と汗を見て良く解る。

『多分これまで楽勝と言えたプレイヤーはレベルに関係なくキャラを舞台から引き剥がす術を持っていたみたいね』

「なるほど、道理で楽勝と苦戦が分けて出てる訳……」

「って事は、私は今回赤と黄色の混成デッキで挑めば有利って事?」

皐月のアドバイスにミチが推測を立てつつデッキの軸を変更する。
そしてデッキを整えた後、翼と共に学園長室に入って行った。




ミチの場合


「やっぱ部長のアドバイスがあったお陰ね。楽に勝てたわ!」

『私の場合は別だったけどな…』

流石に2連戦はキツかったらしい。ミチと翼は肩で意気をしているが、ハルヒは至って平然の顔だった。

「さて、次は冬雅の番よ。準備はいい?」

「……承知」

『よぉーっし!燃えてきたああああああああー!!!』

瞑想を終えた冬雅がデッキを手に学園長室へ入って行った。




冬雅の場合


がちゃり……

「帰ったぞ……」

『どうだった?楽勝だっただろ?』

満身創痍にも似た状態で冬雅とナツが帰還してきた。そんな彼らを労わってるとでも言いたいのか、クリスが笑いながら彼らに歩み寄る。

『……火竜の……』

『ん?』

『鉄拳んんんんんんんんん!!!!!』

『ほぎゃあああああー!?』

次の瞬間、怒りの形相のナツがクリスに火竜の鉄拳を放つ。拳は見事腹を捕らえ、廊下の端まで吹き飛ばした。

『何やってんのよ!いきなり無防備の人を殴り飛ばす!?』

『うっせぇ!何だよあいつの能力!異常さが半端ねぇんだよ!!』

『八つ当たりで必殺技を使わないで!?と言うか、さっきの部長のアドバイスを聞いてなかったの!?』

『んだとゴラアアアアアア!!!!』

『コラコラコラコラ、みんな落ち着いて。これ以上暴れたら校舎が見る影も無いくらいの壊滅状態になるからね?』

半ば逆ギレ状態のナツに絵里とマリアが喰いかろうとする。が、シロエがうんざりとでもいえるような顔で仲裁に入り、冬雅も夏を強制的にカードに戻して事を収めたのだった。って待て。今不吉な事を言わなかったか?





ログの場合


「終わったぞ」

十分後、ログが学園長室から出る。ばっちり白星を挙げ、残りは李里香だけである。

『これまでの戦いとさっきの戦闘を纏めてみると……相手は赤か青中心。赤は驚異的なバンプアップで、青はキャラ一人で真価を発揮するタイプ。両方とも能力的に異常だね』

一方、シロエの方はこれまでのメンバーの情報と先ほどの戦闘の情報を纏めていた。少しでも明確な情報があれば、後続のメンバー—といっても、もう李里香だけだが—にそのデッキへの対策が産まれる。

『とにかく、最後は私たちだね。頑張ろう!』

いよいよ最後である自分達の番になり、気を引き締めるなのは。
李里香とシュテルも頷くと、シュテルとなのはをデッキに戻していよいよ学園長室に入って行った。

Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.25 )
日時: 2014/11/09 19:57
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: S5DpgI4u)



李里香side.


「最後はおぬしか」

入った途端声を掛けられた。まるでRPGの魔王の様に、椅子に佇んでいる白田学園長。そして目の前の空間を隔ててWSプレイシートが。

「ここでおぬしが敗北すれば今まで築き上げた努力が水泡に帰す。どの道おぬしらの未来はこの一戦にかかっているのだ」

うわ、ここでプレッシャーを押しかける?さっきまで軽かった肩に一気に重石が掛かったみたいに肩が重く感じる。
あたしがデッキを置くと、白田学園長はふたつのデッキを置く。

「デカッ!?」

それを見た途端、思わず声を上げた。普通のサイズかと思っていたけど、目に入ったのは幾らなんでもでかすぎる。まるでカードの形のメンコをそのままデッキにしてしまったみたい。

「ギガントブースターのギガントカードだ。驚くのも無理なかろう。さて、運命の分かれ道だ。この選択でおぬしらの未来が決まる。ひとつは赤中心デッキ、もうひとつは青中心デッキだ。さぁ、どちらを選ぶ?」

これが皆を苦しめたデッキね。って、ここで勝たなきゃ意味無いもんね。そう自分に言い聞かせたあたしは右のデッキ——赤中心デッキを選ぶ。

「よかろう!ではコールせよ!戦いの始まりを!」

「言われなくても解ってるわよ!」

「「ヴァイスシュヴァルツ!ステージオン!!」」

『STEGE,ON』

いつもどおり、学園長室から広い舞台へと変わる。
だけど今回は負けられない。このバトルで絶対にトーナメントに出場する!

「わしの先攻、ドロー。クロック&2ドロー。“力の片鱗”キリトを右後列、中央前列に“安定のギガント脳”つかさをコール!つかさの登場時能力で山札の上を公開。“行方不明中”つかさの父なので、手札に加え、手札から一枚を控え室へ」

まず最初に、ドラム缶に手足と頭を付けたような小学生の黒子トークンが2体現れる。けど、どんな能力があるのかまだあたしはしらない。

「クライマックスフェイズ!ここで力の片鱗は後列に存在するのでマーカーチャージ。更に!今はわしの先攻第1ターン!これにより、アビリティアクション!2枚引き、1枚をストックへ!」

「一気に手札を増やした!?」

「だが、これを使った時わしは攻撃できない。ターンエンドだ」


白田 レベル0 クロック1 手札6 ストック1

李里香 レベル0 クロック0 手札5 ストック0 思い出0


「攻撃を棄ててコストと手札を確保するなんて……でも、たった千五百なら余裕……!?」

さくっとつかさを倒そうとしたが、仰天した。
仰天するあたしを尻目に学園長が説明する。

「力の片鱗は他の中央のギガントキャラに千五百の恩恵を与える。つまり、今現在つかさは3千となっている!」

「つまり、3千以上じゃなきゃ倒せないってことね……クロック&2ドロー」

……やばい、これマジでヤバイよ……

『これは……』

『レベル0が1枚だけですね』

「やめて、言わないで……」

さっき手札入れ替えたのによりによって1枚以外全部レベル1以上って……
とにかく、これでもまだ一応は敵うけど……

『あ、待って。これなんてどう?』

「え?……あぁ!」

確かにこれを使えばいけるかも!ともあれ、試しに使ってみましょう!

「戦技教官なのはを右前列にコール。更にクライマックス、『エクセリオンバスターA.C.S』を発動!これでパワー1千&ソウル+1!なのは、一気にやっちゃって!」

まずなのはでキャラの撃破を決める。トリガーアクションはいきなりソウルトリガーを引き当て、一気に3ダメージを与えてターンを終了した。

Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.26 )
日時: 2014/11/09 20:02
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: S5DpgI4u)



Side,out.


数ターン後。


白田 レベル2 クロック6 手札3 ストック2



ツンデレ美少女“ミル子” 1※“力の片鱗”キリト

2※“あたるの妹”ルリ 無し 無し



3※なのは&ヴィータ 4※星光の殲滅者 なし

“春に生まれし風”リインフォースⅡ 無し


李里香 レベル2 クロック2 手札3 ストック5 思い出2


※1力の片鱗のマーカーは現在5枚。

※2“あたるの妹”ルリの現パワー7千5百。

※3なのは&ヴィータの現パワー7千5百。

※4星光の殲滅者の現パワー1万。


「何とかここまで来たけど、能力と言い、とんでもないわね」

「だが、そのとんでもない奴を相手にしているうえにデッキを半ば事故らせている状態でおく立ち向かってられるな」

「う゛……」

白田の指摘に李里香が声を詰まらせる。確かに3枚の手札には全てイベントとアンコール用のキャラであり、事実上キャラは舞台にいる4人しかいない。

「このターンで一気に王手をかけてやろう!ドロー。クロック&2ドローし、レベルアップ!まずは“深遠なる闇の奇術師”キリトを右前列にコール。そして!このデッキの切り札!“ギガント大好き”つかさを中央にコール!!」

まず、青いメッシュの少年が右前列に現れ、更に中央列にフラッグを持っていた少年が舞台に現れた。だが、そのパワーはバンプアップをあわせてたった3千と1しかない。

「はぁ?応援効果を引いて……本来のパワーはたったの1!?」

「そこまで驚くとは意外だな。だが、これから更に驚いてもらうぞ。“ギガント大好き”は自分がスタンドかレスト状態ならば、自身の名を含まぬ前列のキャラにパワー+5千5百!」

「はぁ〜それでパワーがたったの1……って、5千5百!?」

とんでもない上昇数値に本日何度目かの仰天。恐らく赤属性を選んだプレイヤー達がこの能力を目の当たりにしたのだろう。


ルリパワー 7千5百>>1万3千


奇術師パワー 5千>>1万5百


「そしてクライマックス、『ギャラクティカドラゴン』を発動!控え室の赤のカードをストックに置き、すべてのキャラにソウル+1!」


ルリソウル 1>>2


奇術師ソウル 1>>2


つかさソウル 2>>3


「行けつかさ!」

「はぁ!?たった3千1のキャラで攻撃!?」

普通なら勝ち目が無いバトルはサイドアタックでダメージだけを与えるはず。なのに無謀にもフロントを攻めると言っている。
だが、白田は百も承知だと言うような顔をして説明しだした。

「普通ならつかさがおぬしのシュテルに敵わない。だがまずは5ダメージを喰らって貰うぞ!」

「はぁ!?って、あっちゃあああああああ?!」

最初に灼熱の竜が中央前列のカードから出現。それが咆哮を上げると一直線に李里香に激突する。
李里香を中心に灼熱の炎が渦巻き、5枚のダメージアクションにはクライマックスは存在せず、レベルアップしてしまう。さらにトリガーアクションではトリガー無し。2ダメージを喰らうもクライマックスキャンセルで凌ぐ。だが、バトルの結果は突進するつかさにシュテルが容赦なくディザスター・ヒートを放つ。

「だが、残りはどうする?ルリのフロントアタックと闇の奇術師のダイレクトアタックだ!」

残りの攻撃にはルリの分をキャンセルするも、闇の奇術師のソウル3の攻撃を通してしまった。
だが、李里香もこれ以上状況を悪化させない為にもなのはとヴィータをアンコールで舞台に残す。

「でも、これで馬鹿げたバンプアップも終わるわ。次に反撃をするわ!」

あえてフロントアタックしたことで白田の切り札はもうリバース状態。このターンが終わればつかさは控え室行き……かと思われた。

「……手ぬるいわ!」

「『……え!?』」

白田の言葉に李里香とシュテルが意表を突かれた顔になる。
なんと、リバース状態のつかさがアンコールステップ終了時にレスト状態で場に留まっていたのだ。

「こやつは前列での他のキャラのパワーアップの他に、クライマックスコンボによる5ダメージ。更に次のわしのターンまでリバース状態にならない超強力カードなのだ!パワーの少ないデメリットも、これで解消と言うわけである!」

『つまり、クライマックスが発動されるとバトルでの撃破が不可能という事ですか!?』

「そんなのアリ!?」

ありえない効果に李里香が度肝を抜かす。こんな相手にどうやって立ち向かうのか。


白田 レベル3 クロック0 手札3 ストック2


李里香 レベル3 クロック3 手札3 ストック5 思い出2

「ドロー。クロック&2ドロー。……ぅ…」

手札を見る李里香の顔が更に悪くなる。

(あの顔……恐らく手札にキャラがいないか、今の状況を打破できないカードのどちらかでしょう……なのはの能力ならひょっとしたら発動できますが、それが無いとなると……相手は中央を除いてパワーが桁違い……!前列の2体をどうにかしないと……)

場に残っているシュテルの、普段変えない表情にも苦悶の色が見える。

(場に存在するキャラは口出しは出来ない……けど、自分の無力感がこれほど辛いものだなんて……!)

自分の立場に思わず自分のデバイスを持つ力を強めている。
李里香も手札と舞台を見て声を詰まらせている。

(問題は前列の2体。ただでさえ応援でパワーアップしているのに、5千5百も強化されてるなんて手の施しようが無いじゃない……!レベルもコストも今あるイベントの範囲外だし……え?)

ふと白田の場を見ると、前列はつかさ以外レベルは低い。そう、『レベルが低い』のだ。

「そっか、この手なら!!」

『!?何か手があったのですか?』

「勿論よ!“結界魔導師”ユーノを右前列にコール!」

早速盤面を整う為に開いた舞台にキャラをコールする。だが、今の状況ではこのカードは余りにも力不足過ぎる。

「更に、『超長距離砲撃』を発動!」

『何だ?確かそれってコスト1以下のキャラを舞台から引き剥がす効果だろ?俺様を引き剥がす事なんて……』

「いや違う!狙いはおぬしではない!」

『え?』

高笑いするつかさに白田が李里香の狙いに気付いて声を上げる。

「そう!まずは前列のあたるの妹を舞台から引き剥がす!」

宣言と同時に李里香が左手でピストルの形を作り、ルリを山札の上に飛ばす。

「続けてなのは&ヴィータのアビリティアクション!コスト0の闇の奇術師を退場!」

続けて右手で同じ様にピストルの形を作り、闇の奇術師を吹き飛ばす。

『うわわわわ、俺以外前列のキャラがやられちまったじゃねぇか!』

「これは流石にマズイ!」

「トドメにクライマックスフェイズに『スターライトブレイカー』発動!すべてのキャラにソウル+2!なのは&ヴィータ、結界魔導師でダイレクトアタック!」

『行くぞ、なのは!』

『うん!李里香ちゃん明けた道、絶対に物にする!』

『一気に叩き込むよ!』

ソウル4となった3人の一斉攻撃が白田に襲い掛かる。まず、ユーノが自らに結界を張ってからの突進攻撃が炸裂。これでダメージ4を与えると、続くなのはとヴィータの連携にトリガーアクションを合わせて5ダメージを与える。だが、5枚目でクライマックスを引き当ててキャンセルに終わる。

「いよいよこれが最後……シュテル、お願い!」

『……皆さんが開けた道、切り抜けて見せます!』

最後にシュテルが愛杖のルシファリオンをカノンモードにしてつかさ越しに白田へと狙いを定める。

『この一撃で、決着を付けます!ブラスト……ファイアー!!』

杖の矛先に魔力を集中し、砲撃を放つ。その光はつかさを貫通し、白田に直撃した。

「ぐぅっ!ダメージアクション……!」

ダメージを受けた白田が一枚一枚カードを公開していく。1枚目、2枚目、3枚目ともクライマックスではない。そして4枚目……!






















「トリガー……無し」

『GAME'END! WINNER AKAHOSI,RILIKA』


ゲームが終わると同時に電子音が決着を知らせる。
戦いの終わりを知ったキャラ達は緊張感が取れた様に息を吐く。

「ふぅ、何とか勝てた……」

「見事であったぞ。赤星李里香」

バトルを終えた白田が腰を抜かしてへたりと座っている李里香に歩み寄る。

「各々一度負ければ終わりの状況下でよくぞ誰一人欠ける事無く生き延びた」

「はぁ、ありがとうございます……」

手を差し伸べた白田に、お言葉に甘えようと李里香も手を伸ばす。

「……ふんっ!」

「ッ!?」

その直前、差し伸べていた手が拳になり、李里香の顔面目掛けて襲い掛かる。
いきなりの事で避ける間も無く、殴られると思い目を閉じる。


——ピタッ!


が、李里香の顔面に痛みが感じられない。
恐る恐る目を開くと、眼前に拳が寸止めされていた。

「油断大敵であるぞ?最も、ログと竜崎は軽くいなしたようだが」

「何だ、寸止めだったんだ……」

「だが!一瞬の油断と己の驕りが時に取り返しの付かぬ過ちの種となる!その事を肝に銘じておけ!以上だ!」

「は、はいぃ!」

キツイ一言に弾き飛ばされる様に部屋を飛び出した李里香。
李里香が去り、自分以外がいなくなると、きゅうすからお茶を湯飲みに注ぐ。

「さて、脅威のルーキーと手を組んだ聡明学園、その実力を見せて貰おうか」

どかっ、と清楚ながらも整った作りのソファに座ると、お茶の入った湯呑みを飲み干した。
その直後、下を思い切り火傷したが。

Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.27 )
日時: 2014/12/01 21:44
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: S5DpgI4u)

「はぁ、何か色々疲れたわ……」

李里香の自宅。どっと疲れが出た李里香が魂が抜け出そうな声でぼやきながら夕食を作っている。
恐らく他の伊村と皐月以外はあのキャラや一体で効果を発揮するキャラを、直接引き剥がしたり後列に送ったりしていたのだろう。

『部長や伊村さんはよくあんなの相手に勝てたよね。それと、今回はあまり力になれなくてごめん』

「平気よ。シュテルがいてくれたから勝てたんだから。そうでしょ?」

『……』

「シュテル?」

『あ、いや……すみません。ちょっと考え事をしていました』

「ふぅん……」

あえて深く突っ込まず、夕食の支度をする。
料理が仕上がり、テーブルに3人分の料理を載せた直後にシュテルが突如立ち上がる。

「シュテル?」

『……今、ベランダから何か……』

何かを聞き取ったのか、シュテルに続いてなのはと李里香もベランダを見る。シュテルの言葉から数秒後、白い猫がベランダの影から出てきた。驚いた3人はすぐに猫を解放する。
白猫は毛並みも良く、首から指輪をペンダントの様に下げているが、良く見ると酷い腹部に傷があり、疲弊しきっている。

「大丈夫かな?凄くボロボロよ」

『流石シュテル。いつものマタタビオーラで猫を引き寄せたんだ』

『私は猫引き寄せ機ですか』

小コントを入れてる場合ではない。幸いにも李里香のマンションはペットは禁止していないので、応急処置をしておく。

『……この猫は…』

「どしたの?」

『こんなにも早いとは思いませんでした』

ふっ、と呟くとシュテルが手をかざす。すると猫と李里香を光が包み、2人の間にデッキが生まれる。

「え?何これ?」

『仮契約を行い、私の代わりに貴方を守ってくれるようにしたのです』

「は?シュテルの代わりって……?」

『私は、今の自分が貴方達の足かせになると思っているのです。このままでは白田学園長の言葉通り、今の私が貴方の驕りとなり、トーナメントで敗北してしまうでしょう』

『そんな……だからってそんな勝手な事——』

『前々から——伊村との戦い以降この事を考えていました』

自分の胸の内を晒すように言い続けるシュテルに李里香となのはが引きとめようと説得する。
ここで引き下がったらシュテルがいなくなるかもしれない、その不安を悟ったのか、僅かに微笑を見せるシュテル。

『心配しないで下さい。別に契約を解除してまでするわけではありません。トーナメントまでには必ず』

『だからって——』

『大丈夫です。必ず、トーナメントまでには必ず帰ってきます』

そう微笑んで言うと、ベランダの手すりに足を掛け、空中に飛び出し、飛行魔法を発動する。
そのまま空中に飛び出したシュテルが光に包まれてカードとなり、そのカードが光の粒子となって消滅した。

「どこに行くのよ……シュテルのバカああああああああ!!!」


光となって消えたシュテルに向かうように、張り裂けるような叫びを上げた。





『今回のフェイバリットカード』


白田「今回はわしの切り札、『ギガント大好きつかさ』だ!」

李里香「本来のパワーはたったの1だけど、レストかスタンド状態で前列にいるなら他の仲間を5千5百も追加し、更にクライマックスコンボで撃破不可能!もう反則スレスレよね;

白田「もし相手が使ってきたのならば、バトルを介さずに舞台から退場させる能力を持つカードや、パワーを下げるカードを用意しておけ!逆にこのカードを使うのであれば常に手札に対応するクライマックスを用意しておくのが紳士のやり方である!」

李里香「……扇子持って突然登場する人が紳士に見えないわね;」

白田「何をぅ!?」




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