PR
二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.4 )
- 日時: 2014/09/04 09:45
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
曇天から一筋の雷鳴が轟く。嵐の海が荒れ狂い、崖に白波を打つ
「君、いきなり攻撃するなんて不躾じゃないの?」
シロエがばさりとフードを取り払う。その隣で、和服に身を包み鉄扇を持った絵里が呆れた声でツッコミを入れる。
「いや、その不意打ちした子に一斉に攻撃する私達が不躾なんじゃない?」
その言葉の通り、シロエと絵里の他に、ナツ、キリト、れい、あかね、あおい、当麻、RPGの剣士服スタイルのハルヒと、合計9人で畳み掛けていた。確かに絵里の言うとおりちょっとやりすぎだろう。
「その9人相手に互角に戦えるなんてどういう力を持ってんだよ?」
絵里に続きキリトも呆れた声で言う。
一方、9人が滅多打ちにしていた少女、艦隊これくしょんに登場する艦娘、伊168と島風がを手に9人に言う。
「もうおしまいにしてくれる?後2人終わっちゃいないからね」
「あんだと!?てめぇもう勝った気でいるんじゃねぇよ!」
「勝った気でいるから言ってんだよ」
「おい当麻!テメェこんな奴の方を持つってのか!?」
「は?俺何も言ってないぞ!?」
「何?」
「あぁ、今の声はコイツだよ」
突然の声にナツが目を丸くする。島風が言ったその時、曇天の中から一つの光が海面に衝突する。
「な、なんなのあれ……!」
その姿に、れいを初めとした全員が絶句し、凍りついた。
†
李里香Side.
お——い、李——け——
なのはちゃん?どうしたの?
た——け——!里——ちゃ——
何?よく聞こえないよ?
じ——な——の——!け——て——!
「なのはちゃん!——って、あれ?」
目が覚めると、そこは自室の天井だった。
今のって、夢……?それにしては生々しいし……うわ、脂汗でぐしょぐしょ。あたしは荒い息のまま、時計を見る。時刻は9時35分。まだ約束の時間には早いし、お風呂にでも入ってさっぱりしてから行こうか。
「あれ?そういえばなのはちゃんにシュテルは?」
朝起きた時には見当たらない。先にショップに行っちゃったのかな?
〜30分後〜
「行ってきまーす!」
誰もいない部屋に一人、あたしは声を掛けて扉を閉める。勿論鍵も忘れずに。
あ、自己紹介がまだだったわね。始めましての人は始めまして。久しぶりの人は久しぶり。あたしは赤星李里香。明影学園の中等部3年生。
どこにでもいるカードゲームに夢中な普通の中学生……じゃないんだよね;子供の頃に交通事故に遭った時を境にあたしはカードの中に宿るキャラやモンスターが見えるようになったの。勿論、この不思議な力は周囲の人達——家族や部活仲間、教師や生徒も含めて——には一切告げていない。
春先、WSCFC(ヴァイスシュヴァルツ・カードファイトクラブ)に入部したの。部長を含めた皆はあたしよりも強い人達がたくさんいた。そして、そんな人達の中であたし自身も様々な戦いを経て強くなったと自覚している。
ヴァイスシュヴァルツ。私達の世界ではヴァンガードと同じ位の人気を博しているカードゲーム。あたし達の知るアニメやゲームのキャラ達をカードにして、それを舞台というフィールドで戦うカードゲームなの。殆どのカードファイター人口も、このゲームも他のカードと一緒にプレイしているみたい(調べたわけじゃないけど)。
え?そんな私がどこに行くって?
実はCFCのみんなと新しく出来たカードショップに行く途中。発案者はビビオペ使いのCFC部長、紫原皐月さん。
商店街を抜けて、新しく開いたショップ、『モノクローム』に入る。
「うわ、本当にモノクロね」
店の中に入ったあたしの感想はそれ。
店内の床は白黒のタイル、黒と白の物置棚に蛍光灯を着けた黒い照明器具。
まるで自分がチェスの駒になったみたいだった。いや、赤い駒でチェスはできないか。
「お〜い、ちょっとそこの女子学生はん、ちょとええか?」
部員達を探していると、一人の男の人に声を掛けられた。
細目の薄い赤の髪の、ちょうどあたしと同い年くらいの人。
「ゴメン、あたし今人を探してるんだけど……」
「安心せい、時間は取らせへん。ちょっとWSの相手をしてもらいたいんや」
そう言ってデッキを構える。なるほど、WSプレイヤーって訳ね。
「一回だけよ?」
「おおきに。俺は伊村ヒスイや。ルールは解っとるから、先にええで」
早速バトルの準備を行うあたし達。
まず、デッキをシャッフルして手札を5枚引く。必要無いカードを控え室において、手札交換。あとはじゃんけんで先攻後攻を決める。
お互いの準備が整った時、掛け声を上げる。……勿論周りに迷惑を掛けずに。
「「ヴァイスシュヴァルツ!ステージオン!」」
『STEGE'ON』
テーブルに設置されたバトルステージが掛け声に反応して淡い光を放ち、システムを起動させる。
ここからあたしの世界で繰り広げられる、ヴァイスシュヴァルツのゲームが始まるの。
- Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.5 )
- 日時: 2014/09/04 09:51
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
Sideout.
※今回はカードの上にキャラが立つ演出が出されます。
「先攻はあたしが貰うよ?ドロー。クロック&2ドロー」
最初にドローフェイズで1枚引き、クロックフェイズ。クロックゾーンに1枚不要なカードを置いて更に2枚引く。
「戦技教官なのはを中央前列に、春に生まれし風リインフォースⅡを右後列にコール!」
メインフェイズ。ここで主役となるキャラをステージに呼び出す。まずは前列に大人版なのはと、その後ろにアインスの魂と名前を受け継いだユニゾンデバイスがカードのから現れる。
WSは4色に色分けされており、レベルを示す円に色があるカードはクロックかレベル置き場に同じ色がなければプレイできないのだ。更に、先攻は1回しか攻撃できない。
「戦技教官なのはでダイレクトアタック!トリガーアクション!」
バトルフェイズで前列のキャラを横にする。アタックには正面のキャラがいなければ相手にダメージを与えるソウルを+1するダイレクト、キャラ同士がバトルするフロント、正面のキャラのレベル分ソウルが削られるが、バトルを避けてプレイヤーにアタックするサイドの3種類がある。
そして山札の上のカードを公開するトリガーアクション。トリガーは『“アクセルシューター”なのは』。トリガーは無いがヒスイに2ダメージ与え、公開したカードはストック置き場に置いてターンエンド。
李里香 LV0 クロック1 手札5 キャラ2 ストック1
ヒスイ LV0 クロック2 手札5 キャラ0 ストック0
「ほな行くで。ドロー。クロック&2ドロー。“夕雲型駆逐艦2番艦”巻雲、“暁型駆逐艦1番艦”暁、“夕雲型駆逐艦1番艦”夕雲を前列にコール!」
後攻からは3つの前衛に立ったキャラが一斉に攻撃できる。そして伊村が召喚したのはどれも少女ばかりだが、背や腕に重々しい銃器が装備されている。名前もなんだかどこかで聞いたみたいな名前だ。
「ねぇ、なんか仰々しい二つ名だけどなんなの?」
「艦娘(かんむす)。艦これのキャラクターや。ま、最近登場したから解らへん奴も多いけどな。ほな、クライマックスフェイズでこのカードを発動や!」
メインフェイズの後に訪れるクライマックスフェイズ。横向きのイラストが書かれたカードを発動し、そのカードに記された効果を発動する。
伊村が使ったカードは『暁の出番ね!見てなさい!』。これにより、全てのキャラはソウルを2つ追加された。
巻雲ソウル 1>>3>>4
暁ソウル 1>>3>>4
「巻雲、暁、頼むで!これにより、夕雲はパワー+5百&ソウル+1更に暁の効果で俺のレベル1以下のキャラは全てパワー+2千!」
夕雲ソウル 1>>3>>4
夕雲パワー 2千5百>>3千>>5千
巻雲パワー 2千5百>>4千5百
暁パワー 2千5百>>4千5百
まずは暁と巻雲の2人の駆逐艦のダイレクトアタックが直撃する。ダメージチェックでは最初は4ダメージ通ってしまったが、次の攻撃はクライマックスカードが現れる。巻雲の攻撃によって喰らったダメージが全て帳消しにされたのだ。
だが、最後に夕雲の連装砲により、なのはが倒された。更に4ダメージ受けてレベル1にアップしてしまった。
李里香 LV1 クロック2 手札5 キャラ1 ストック1
ヒスイ LV0 クロック3 手札3 キャラ3 ストック3
「あっという間にレベルアップ……これが艦これの特徴なの?」
「せや。相手は場が整う前に叩く。艦隊これくしょんの速攻型デッキや!」
レベル0のクライマックスに対応する暁と、巻雲と夕雲のコンボ。恐ろしく速攻性の高いカード達だ。
「これは、遊んでる暇は無いみたいね……」
- Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.6 )
- 日時: 2014/09/04 11:30
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
シュテルの効果間違ってた……OTLあ、ちょっと戦況を変えました。
数ターン後。
李里香 LV3 クロック2 手札3 ストック6 思い出0
伊村 LV3 クロック1 手札3 ストック3
後 “初めての共闘”ヴィータ “伝えたい真実”なのは
前 なし ※“エクセリオンモード”なのは ※星光の殲滅者
前 “島風型駆逐艦”島風 “1川内型軽巡1番艦”川内(せんだい) ※“高雄型1番艦”高雄
後 “綾波型駆逐艦2番艦”敷波 “加賀型正規空母”加賀
※李:星光の殲滅者はパワー9千5百、エクセリオンモードは8千5百。
※伊:高雄は1万2千、川内と島風は6千5百。
(一気に畳み掛けられるチャンスだけど、この陣形、意外と厄介ね……それに、なのはちゃんとシュテルの声も聞こえない……)
正直作者は使っていないが、低いレベルのキャラの猛攻はまるで世界大戦の艦隊の集中砲火を喰らった気分だ。
何度もキャラを倒すが、向こうはレベルが低い=陣形の補給が早いのでいくら倒してもキリが無い。
引き離すには、このターンで一気に決着するしかない。
(ともかく、このターンで決着をつけるしかない!)
そう判断した李里香は、ドローした後に行動に移る。
「“紅の鉄騎”ヴィータをコール。コスト1を払い、『誰も傷つけない為に』を発動。控え室の魔法キャラを1枚手札に戻し、なのはちゃんにパワー+1千。伝えたい真実をレスト。対象はエクセリオンに。初めての共闘をレストして、効果を紅の鉄騎に」
エクセリオンパワー 8千5百>>9千>>9千5百
紅の鉄騎パワー 4千5百>>7千5百
「クライマックスアクション!『エクセリオンバスターA.C.S』を発動!全てのキャラにパワー+1千&ソウル+1!」
星光の殲滅者パワー 9千5百>>1万
エクセリオンパワー 9千5百>>1万5百
紅の鉄騎パワー 7千5百>>8千5百
星光の殲滅者ソウル 2>>3
エクセリオンソウル 2>>3
紅の鉄騎ソウル 1>>2
「アタック——」
「フェイズの初めに加賀のアビリティアクション!コスト3を払い、エクセリオンのソウル+4!」
これからアタックフェイズに入ろうとした直前、なのはの周りに4つのソウルシンボルが出現し、それがなのはに吸い込まれるように消えた。
「そ、ソウル+4!?」
エクセリオンソウル 3>>7
『テメー、何考えてだ!自爆する気か!?』
『いえ?勝つ気でいますけど?』
敵に塩を送る行為にヴィータ達が仰天する。対して効果を発動させた本人たる加賀が挑発的な笑みを浮かべて掛かって来いと挑発する。
『あいつ……!李里香、あたしを最初に行かせろ!』
「当然よ!ヴィータちゃん、フロントお願い!トリガーアクション!トリガーなし」
堪忍袋の緒が切れたヴィータが戦陣を切る。ハンマーをトゲと噴出口を取り付けたラケーテンフォームに変形させる。そしてジェットが噴出して一気に島風に迫り、ラケーテンハンマーを叩き込む。
2点ダメージを受け、伊村のクロックが3枚になる。
「せやけどカウンターアクションを忘れとるで!伊168を控え室に置き、島風のパワー+千5百!」
「持ってたの!?」
だが、フロントアタック中に1回だけ使えるカウンターフェイズに使える助太刀を発動する。手札の『“海大Ⅵ型潜水艦”伊168』を控え室に置いた。
これでパワー差が逆転。ラケーテンハンマーが直撃する寸前に島風が背後に回り込み、魚雷をヴィータに直撃させた。
「シュテル!フロントアタック!トリガーアクション、ソウルトリガー!」
星光の殲滅者ソウル 3>>4
『一気に決めます!ブラストファイアー!』
続けてシュテルが自分の十八番、炎を伴う砲撃を川内に放つ。結果は『絶対夜戦してよね!』が出てそのダメージを帳消しに。
(問題はここから……)
問題はここからだ。加賀の効果で合計ソウルが7になってしまっている。このカードゲームは序盤はガンガンダメージを与えられるが、終盤は少ないソウルで確実にダメージを与えていくのも、ヴァイスシュヴァルツの重要なキーのひとつだ。
「ともかく、やるっきゃない!なのはちゃん、お願い!アビリティアクションで相手に1ダメージ&パワー+3千!」
エクセリオンパワー 1万5百>>1万3千5百
最後になのはが魔力砲でダメージを与え、伊村のクロックを4にする。そしてトリガーアクションではトリガーは無かった。
「ダメージアクション……来たで、ダメージキャンセルや!」
「7にまで増やされちゃ、出てくるよね……だけど、高雄は貰うよ!」
半ば予想通りというように李里香が伊村に言う。だが、伊村の高雄のパワーは1万2千。1千も差がある。このままなら良くて高雄を撃破状態(リバース)、悪くて相打ちの可能性もある。
そして天使の槍の様な姿のレイジングハートを高雄に向け、一気に重巡洋艦艦娘に突貫する。
「今や!出番やで敷波!」
『了解!高雄さん、あとはお願いします!』
バトルが開始した瞬間、後列の敷波が舞台から消える。敷波は自分の艦娘がフロントアタックされた時、自らを控え室に置いて攻撃されているキャラにパワー+1千する効果を持っている。
高雄パワー 1万2千>>1万2千5百
「でも、効果は差し引き5百よ!まだ倒せる!」
「アホ!助太刀アクションや!イムヤ、狙撃頼むで!」
「2枚目!?」
続けてもう一枚持っていた伊168を控え室に置く。
高雄パワー 1万2千5百>>1万4千
『ぐっ!ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!』
『と…ど……けぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!』
なのはの突貫を踏ん張って受け止める。なのはも貫こうと魔力を高めるが、その瞬間に銃声と共になのはの額にコルクが当たり、集中力が途切れる。
『にゃっ!?』
『!貰いました!』
『きゃああああああ!!』
隙を見つけた高雄が右腕を離してアッパーカットの要領で腕の砲口をなのはの腹部に押し付ける。その瞬間、ゼロ距離から放たれたコルクが発射されてなのはを上空に吹き飛ばした。
「……アンコールフェイズ、なのはちゃんをコスト3を払ってレスト状態に。ターンエンド」
†
「アンタ、どうやらキャラ達と話ができるらしいな」
「!」
ふと伊村が尋ねた言葉に李里香がびくりと肩を震わせる。
誰にも話していないのに、赤の他人たる伊村がなぜ自分の事を知っているのか。
「な、何言ってるのよ……冗談は顔だけにしなさいよ……」
「ほな、その子が助けを呼んでたのは解るやろ?」
「……な、何のことかしら?」
「……まぁええ。このカードを見せたる。ビビるなよ?」
あくまで平静を装う李里香に伊村が追求する。あの夢の事も自分しか知らないはず。
伊村は李里香の顔色を探っているようには見えないが、ドローしたカードを舞台に置く。
「撃滅型砲人カタパルト・カノンをコール!」
突然の光と共に現れたのは、李里香が見たことも無いキャラだった。
鳥の足見たいなシルエットの頭部に獣のような鋭い顔。深緑のボディに逆三角形と台形のボディ。細い四肢に両肩に長大な筒状のバズーカ。
カードに足が触れる直前、背中のブースターが噴出してその位置を保つ。
「な、なんなのよこれ……!?『モンスターエンパイア』?聞いた事無いわよ!」
「まずはコイツや。登場時にコスト2を払い、カノンのアビリティアクション!クライマックス1枚を控え室に置き、後列のキャラ1人を手札に戻す!」
両肩の砲身の照準を後列のヴィータ(黒子トークン)に狙いを定め、発射する。エネルギーはまっすぐ飛んでいってヴィータに直撃。“初めての共闘”ヴィータが李里香の手札に戻ってしまった。
「な、なんなのよこの力は……!?」
「ほなイメージしてみ。今のWS世界を……」
「え……?」
その言葉の瞬間、空間がゆがみ、モノクロの店内から天空に巨大な道と巨大な水色の球体が浮かぶ世界へと変わる。
- Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.7 )
- 日時: 2014/09/04 10:06
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
『な……なんじゃこりゃああああー!?——って、落ちる落ちる落ちるぅ〜!』
『安心せい。今の俺らは霊体や。置いてくで』
突然の光景に大声を上げる李里香。対して伊村は慣れているようにふわりと浮遊してある球体に入る。李里香も慌てて泳ぐように付いて行く。
最初に入った球体の中は、巨大な森林が広がっていた。遠くでは近未来的な都市が浮かんでいる。
『まさかここって……ミッドチルダ!?』
そう、そこは『魔法少女リリカルなのはStrikerS』の舞台であるミッドチルダ、しかもホテル・アグスタ近辺の森だった。
そこに森から爆発音が轟き渡る。そこに急いで向かってみると、青い髪にローラーブレードを付け、右手にナックルを装備した少女——スバル・ナカジマ——が水色の道から飛び上がり、球体の魔物に拳を叩きつけ、破壊する。
その直後、彼女の背後を取って嘴で貫こうとした鳥型の魔物をオレンジの銃弾が貫いた。それを撃った本人、オレンジ髪をリボンでツインテールにした少女、ティアナ・ランスターがスバルに駆け寄った。
『次行くで』
次の光景もWSに登場するカードのキャラクター達が謎の魔物と交戦する光景だった。その中に冬雅のフェアリーテイル、鶴来のソードアート・オンライン、皐月のビビッドレッド・オペレーションのキャラ達も見えた。
『なんなの、これ……?』
『この世界の現状や』
目を見開いて絶句する李里香に伊村が答える。
2人の眼前では様々な作品のキャラクター達が見たことも無い怪物と戦っている。その時、一人の少女が彼女達の元にふわりと浮遊する。
『お前が今まで助けを求めてたんやろ?』
『なのはちゃんが、私に?』
呆然とした表情で尋ねる李里香になのはが静かに頷く。
『そう、モンスターエンパイア。奴らの侵攻を——!アカン、避けろ!』
言いかけた時、突如曇天から稲光が轟く。その光が様々な球体の膜を突き破り、地面に落ちる。
だが、地面に落ちた落雷はそのままクレーンの様に引きあがる。
『ん?何か光の先に……!?』
稲光の先にある影を見つけた李里香がよく見ようと目を凝らす。その途端目を見開いて絶句した。
その影が皐月の使うビビッドレッド・オペレーションの4人、一色あかね、二葉あおい、三枝わかば、四宮ひまわりの4人だった。
『な、何が起きたの!?』
彼女達だけでない。他の世界でも主人公格の様々なキャラ達が稲光に攫われていく。
『他の連中は一足先に送っておいた。お前が、最後の一人や』
『さ、最後!?みんなに何をしたのよ!?』
『そら向こうに行けば解るさかい。カノン』
「カタパルト、射出用意」
「それじゃあ……」
「いってらっしゃーい♪」
「え?きゃあ!?」
「にゃっ!?」
突如カタパルト・カノンが背中のバズーカをカタパルトに換装する。すると突然伊168と島風がポンとなのはとシュテルの肩に手を置き、そして2人を縄でぐるぐる巻きにしてカタパルトに乗せる。
『ちょ、まさかあれでブッ飛ばすんじゃないでしょうね……?』
『アンタも同じやで』
李里香も伊村に放り投げられてもう片方のカタパルトに乗せられる。そして突如現れた巨大な門が開く。
『ほな、異世界へ行ってきいや!』
『ちょ、ちょっと待って!?まだ話が——』
「目標、異世界の門……発射!」
『わひゃあああああああああ!?』
機械の姿になったカノンがカタパルトを調節し、標的が開け放たれた門に向け、カタパルトに乗せた3人を射出した。
そのまま3人は開け放たれた門の奥へと放り投げられ、そして見えなくなるとひとりでに門が閉じ、溶ける様に消失した。
- Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.8 )
- 日時: 2014/11/04 09:12
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: S5DpgI4u)
「……ッ!?」
目が覚めると、そこは李里香の部屋だった。
「何なの今の……?夢にしちゃ生々しいし……」
汗も酷い量で、今まで悪夢を見ていたみたいだった。
時間は11時を指しており、携帯からも皐月から催促メールが入っていた。
ともかく軽く風呂に入って汗を洗い流してから行こうと思ったその時だった。
「ん?」
布団の中でもぞもぞと何かが動いている感触を感じる。
何があるのかと思い切り布団を取り払う。
「ふみゃっ!」
「にゃぅ!」
その中から掌サイズのなのはとシュテルがベッドから転がり落ちた。
しかし李里香の知るシュテルの姿がいつもと違う。髪と同じ色の耳と尻尾を持ち、まるで猫みたいだ。
「うわっはああああ!可愛いいいいいい!」
「みゃぅ!?」「にゃぐっ!?」
李里香も当然の如く喰らいつき、その2人を抱き締める。
その直後に机に置いてあった携帯から着信メロディが鳴り響く。
「ふぁい、もひもひ?いまてがはなれまへんろれあとにひれふらしゃい……」
顔が緩みきった顔で対応に出る。顔が緩みきり、呂律も周らなくなっている。
『おー李里香。元気にしてるかー?』
電話越しの声を聞いた途端、夢心地の李里香が一気に現実に引き戻された。
「お、お父さん!?何易々と置き去りの娘に電話してんのよ!」
『待て待て。ちゃんと話を聞けって。なのはちゃんとシュテルのカードは届いたんだろ?』
「は?」
李里香の父親の言葉に目を丸くしてベッドを見る。そこにはさっきまで小さななのはとシュテルの姿は無く、2枚のカードが残っていた。
ひとつは切り札の「“エクセリオンモード”なのは」、もうひとつは「星光の殲滅者」。どちらも李里香のエースカードだった。
「何なの?あたしのキーカードだけど……」
『それはUR(アルティメットレア)というカードだ。WSで唯一キャラが宿るカードらしいんだ。シュテルの方は探すのに苦労したよ』
今の李里香にはちんぷんかんぷんな言葉をすらすらと言う李里香の父親。
『あと、契約はまだ済ませてないから早めにやっておくようにね』
一方的に用件だけ言って切ってしまった。再びベッドへ振り向くと、またあの小さななのはとシュテルになっている。
「なにがどうなってんのよ……」
じゃれつく2人を見て、呆然と呟いた。
†
『今回のフェイバリットカード』
李里香「今回のフェイバリットカードはこの子!『“エクセリオンモードなのは”』と『星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)』!」
八雲「李里香のお気に入りカードの2人だなエクセリオンは思い出に《魔法》キャラが2枚以上あればパワー2千追加する『記憶』持ち、シュテルは相手ターン中にパワー+1千する能力を持ってんだ」
シュテル「今まで私以外のキャラのパワー+1千を追加する能力と間違えてましたよね?(ジト目&実話です」
八雲「う゛っ……;」
なのは「そしてエクセリオンの私はアタック時、クライマックス置き場に『エクセリオンバスターA.C.S』があるなら相手に1ダメージを与えつつ、パワー+3千!記憶能力もあわせると合計1万3千5百&ソウル3の強力アタック!」
李里香「次回は音楽キャラとモンスターキャラのコンボを紹介!楽しみに待っててね!」
小説投稿掲示板
イラスト投稿掲示板
総合掲示板
その他掲示板
過去ログ倉庫