二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.47 )
日時: 2015/03/18 09:35
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)

『前回までのあらすじ』

ヴァイスシュヴァルツキングダムへと参加した李里香達明影&聡明学園連合。
船で睡眠ガスの洗礼を受けた一行は島の上でバラバラにされてしまった状態からスタートする。
始まる前にレオンミシェリの消滅を阻止する為に李里香は彼女の正規契約を果した直後、早速バトルに乗り込むのだった。





「俺の先攻!ドロー!クロック&2ドロー!“二番目の男”ツヴァイを前列中央、“陰謀家”クロウディアを右後列にコール!」

早速相手プレイヤーが2体のキャラをコールする。どうやら相手はこのデッキを使いこなしているらしい。それとは反対に李里香は、レオを軸としたデッキ『獣王無尽』はこのファイトが初めてだ。このファイト、既に李里香が不利な状況になっているようだ。

「まだまだ!“陰謀家”クロウディアのアビリティアクション!」

『さぁ、目覚めなさい……ファントム……!』

金髪の壮麗な美女が本を開き、それをツヴァイの黒子トークンが吸い込まれる。それと同時に仮面の男が舞台に立つ。

「この効果で、クロック置き場の“ファントムを継ぎし者”ツヴァイをスペリオルステージアップ!んでもって、クライマックスに『ファントム=アソシネート』!ダイレクトアタックだ!」

宣言と同時に仮面の男、ファントムが拳銃の銃口を李里香に向け、躊躇無しに発砲する。トリガーチェックでソウルトリガーを引き、クライマックスの効果と合わせて5のダメージを受けてしまう。しかし、その5枚目でクライマックスを引き当て、何とかキャンセルする。

「あっぶなー。危く5ダメージ受ける所だった……」

『いきなりトリガーなんて、凄く使い込んでいる証拠なんだね。かなり強敵だよ』

攻撃がキャンセルされたとはいえ、相手は既にレベル1のキャラが中央センターに陣取っている。手札にそれを倒せる手立ては殆ど皆無に近い。
だが、折角の初陣を敗戦で終わらせる気は、李里香には毛頭無かった。

「ドロー。クロック&2ドロー」

『李里香、ウチらに任せて!あの仮面の奴をブッ飛ばしたる!』

『1人が無理でも2人や3人なら大丈夫よ!』

『……お願い』

ドローで引き当てたのはジェノワーズのジョーヌとノワール。引いた瞬間、手札にいるベールと合わせた3人がカードの姿のまま李里香に頼む。

『……李里香』

「OK。中央前列に“ジェノワーズ”ジョーヌ、右後列に“ジェノワーズ”ベール、“夏合宿”ノワールを右前列にコール!」

その意気込みを受け取った李里香が、ジェノワーズの3人を舞台にコールする。その途端に、舞台が暗転してしまう。何事かと思った途端、前列の3つのサークルにスポットライトが当たる。

『我ら、ガレット獅子団領!』

『ガウ様直属、秘密諜報部隊!』

『『『ジェノワーズ!!』』』

まるで特撮ヒーロー物みたいな登場の上に、火薬の爆発の演出にレオ以外の全員呆然。

『うむ。久方ぶりに見たな』

『あ、見てるんだ……』

レオだけは頷いているが、隣のなのはは唖然とした表情でそう呟くだけだった。

『……フッ』

『なっ!なんやその嘲笑っぽい態度!』

『いや、それは流石に笑いも失せると思っただけだ』

『それって、バカにしてるのと一緒じゃないですか!』

冷たい態度で一蹴するファントムにジェノワーズの3人が少なからず牙を向ける。
そして一拍待たずにジョーヌが李里香に言う。

『李里香!ウチにクライマックスや!あのいけ好かない仮面、一発ブッ飛ばしたる!』

「勿論そのつもりよ!クライマックスフェイズ、『獅子王炎陣大爆破』!1枚引き、ジョーヌにパワー+2千&ソウル+1!」

『それだけじゃない。ベールの能力で前列中央にいるキャラは常にパワー+1千を与えられる……!』

青白い稲妻のような魔力の放流をジョーヌが右拳で受け止める。そしてそれで長斧を掴み、それに魔力を伝わせる。


ジョーヌ現パワー 3千>5千>6千

ジョーヌ現ソウル 1>2


そしてその状態からファントムに向かうジョーヌ。ファントムは拳銃に弾丸を装填し、連続して彼女に発砲する。
駆け出しているジョーヌは長斧を回転させて盾の様に弾丸を弾く。そして、ファントムに肉薄すると身体をひねり、その勢いを利用して真一文字にファントムを叩き斬った。
それと同時に衝撃波がファイターに直撃。トリガーアクションと合計3のダメージを与える。

「ノワール、続いて!」

続けてアタックを宣言する李里香。それと同時にノワールも高く跳躍して投げナイフを幾つも投げ、それを全て直撃させる。


ファイタークロック 3>6


「どう?こう見えても結構このデッキもトレーニングしておいたのよ!」

『確かに成長しているよ。先週なんて、まともにデッキもまわせないくらいだったからね。このままやっちゃって!』

油断していないとはいえ、深く呼吸をして相手のターンに備える李里香だった。


ファイター レベル0 クロック6 手札4 ストック1

李里香 レベル0 クロック1 手札3 ストック2


「俺のターンか。ドロー。クロック&2ドロー。このクロックでレベルアップ。“ファントムの力を継ぎし者”ツヴァイを前列右側、“女狐”クロウディアをコール。続けて“陰謀家”クロウディアをクロックに置き、“500万ドル”をイベントアクション。これにより、前列のキャラのパワー+3千5百!」


ファントムの力を継ぎし者現パワー 5千>8千5百

女狐現パワー 3千>6千5百


「このままノワールとジョーヌにアタックだ!」

そのまま2体の黒子トークンが一気にジョーヌとノワールをリバース状態にすると同時に、李里香に合計3ダメージを与える。

「ファントムの力を継ぎし者の効果。相手をリバースさせた時、山札の上をマーカーとして……」


ファントムの力を継ぎし者現パワー 8千5百>9千5百


効果を発動させようと腕をデッキに伸ばした時、いきなり効果が発動した。

「あれ?もうマーカーに置いたっけ?」

「発動してるんだから、もう置いたんでしょ?」

ファイターの方は身に覚えが無いが、仕方なくターンを李里香に渡したのだった。

Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.48 )
日時: 2015/03/18 09:40
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)




李里香Side.


そして、7ターン後。


ファイター レベル2 クロック5 手札3 ストック4

李里香 レベル2 クロック4 手札3 ストック5


“インフェルノの女幹部”クロウディア レイモンド・マグワイア

”ファントムの力”ツヴァイ ※“ファントムの力を継ぎし者”ツヴァイ ※“無敵のファントム”ドライ



“大陸最強”ダルキアン ※“近衛メイド”ルージュ ※“ガレット将軍”ゴドウィン

“ジェノワーズ”ベール “ひと夏の冒険”ナナミ


『ファイターのフィールド現状』

“ファントムの力を継ぎし者”ツヴァイのマーカーは2枚。

“ファントムの力を継ぎし者”ツヴァイの現パワー8千5百。

“無敵のファントム”ドライの現パワー1万1千5百。



『李里香のフィールド状況』

“近衛メイド”ルージュの現パワー8千。

“ガレット将軍”ゴドウィンの現パワー1万5百。


うん。今の所事故も起きてないし、順調って言った所ね。相手の方も展開を進めてるけど、このまま叩けるかもしれない。

「よし、クロウディアの効果でツヴァイを強化!全員でアタックだ!」

相手が一気に3人のキャラで攻撃する。

「カウンターアクション!“ケモノダマ”!ダルキアンとゴドウィンを指定!」


李里香ストック 5>3

手札 4>3


すかさず左右のキャラに球体型の動物が現れると同時に、一斉にファントムとドライが銃撃。黒子トークンはダルキアンに突進する。

「ルージュさん、ゴメン!」

『お気になさらずに。あとはお任せします!』

銃撃を腕を交差させて防いでいるルージュさんが光の粒子となって消滅する。
ダメージはルージュさんが身を挺して守ってくれたお陰か、1枚だけで済んだ。そして、あたしのターンに代わる。
クロックに1枚置いてレベルアップ。そして隣にいるレオ様に許可を求めるように言う。

「いくよ、レオ様」

『ああ。既に準備は出来ておる。いつでも来い!』












「百の獣が蔓延る戦場(いくさば)に、轟雷響かせ現れよ!百獣の戦姫(いくさひめ)!“獅子王”レオ、いざ!出陣!」

盛大な掛け声と共に、中央前列にガレットの姫が、レオ様が舞台に立った。


李里香ストック 3>1

手札 3>2


「登場時効果、控え室の“魔戦斧グランヴェール”を1枚手札に!そして場を交代して、『獅子王炎陣大爆破』を発動!1枚引いて、効果はダルキアン卿に!」


大陸最強現パワー 8千5百>9千5百

大陸最強現ソウル 2>3


「大活躍持ちのレアカード……!?でも、ダルキアンだけでも道連れに……!」

「いいえ。このダルキアン卿は、あたしのストックが3枚以下なら常にパワー+3千。つまり、今は1万2千5百よ!」


大陸最強現パワー 8千5百>9千5百>1万2千5百


『今が攻め時、推して参るでござる!』

まず、ダルキアン恭が薙刀を手に、自らをドライと名乗る女性の銃撃を薙刀で弾きながら肉薄し、一気に胴体を切り裂いた。
ダメージの結果はキャンセルに終わる。

「ゴドウィン将軍、お願いします!」

『任せろぉぉぉぉぉ!!』

ダルキアン卿に続き、ゴドウィン将軍も斧付き鎖鉄球で正面の黒子トークンを叩き潰す。トリガーアクションで3ダメージを与えるが、再びキャンセルされる。

『最後はワシの番じゃな!』

宣言と同時にレオ様が戦斧を手にツヴァイの黒子トークンを叩き潰した。ここで漸く、3のダメージが入ってレベルが3になった。

『よっし!あとは大活躍とパワーで一気に王手を掛けるだけ!』

完全に勝負あり。あたしの勝利は目前……






『——フヒヒヒヒヒッ!!残念だったなぁ!』

『…その癪に障る声は……!ぐぁっ!?』

いきなり変な声がしたと思ったら、リバース状態のツヴァイの黒子トークンのお腹からムカデのような胴体とサソリのような尾が一直線にレオ様の脇腹を突き刺した。
突然の強襲にあたしはおろか、なのはちゃんと相手ファイター、舞台のキャラですら今の状況を理解できずに呆然と立ち尽くしていた。

「レオ様、大丈夫!?」

『ああ。舞台でなかったらこの程度ではなかったな。しかし……こんなに早く会えるとは思わなかったぞ、『フェイクワーム・パラサイト』!!』

『こっちも会えて嬉しいぜぇ、レオンミシェリ閣下ぁぁぁぁぁ!!!』

尻尾が黒子トークンの身体に戻ると、それが風船の様に膨張する。大きな音と共に破裂すると、黒い旋風が渦巻く。そして、それの中から赤い光が煌いた瞬間に旋風をかき消した。

「…レオ、様……?」

そこにいたのは、レオンミシェリそのものだった。だけど、色が違う。まるで昭和時代のような濃薄な灰色で色分けされたような色合いだった。

「ちょ、どういうこと!?」

『あれが奴の効果だ。倒した奴の姿と力をそのままコピーする……!』

レオ様が説明を加えると、あの寄生虫のパワーが変化する。それと同時にその寄生虫の影がレオ様の影と重なった。

『効果発動!この俺の効果の餌食となった者はその舞台を移動することはできない!そして!今の俺のパワーは1万飛んで1だ!!』

度を超えた能力にあたしもなのはちゃんも、そして相手のファイターでさえ言葉が出ない。もうあたしには攻撃できるキャラはいない。癪に障るけど、ターンエンドするしかなかった。

Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.49 )
日時: 2015/03/18 09:47
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)


Side,out.


ファイター レベル3 クロック2 手札3 ストック4

李里香 レベル3 クロック0 手札3 ストック6



『さぁて……ドロー。右前列に“ファントムの力”ツヴァイをコール。クライマックスフェイズで『過去』を発動!ツヴァイにパワー2千とソウル1を追加!』

「ぐっ、何だ!?腕が勝手に……!」

まるで操り人形の様にファイターの腕が勝手に動き、宣言の通りに舞台を進める。
斧をくるりと振るい、真正面にいるレオに一瞬で間合いを詰める。そして斧を最上段に振り翳し、その刃に炎と雷を纏う。

『己の技で葬られるがいい!『獅子王爆雷刃』!!!!』

『ぐッ……ぐああああああッ!!!』

ゼロ距離に近い位置から放たれた炎と雷の技に、レオは防御する間も無く飲み込まれていく。そしてレオを飲み込んだ紋章砲は、森の木々を薙ぎ倒して崖に激突して漸く止まった。
その衝撃は李里香にも襲い掛かり、トリガーアクションでソウルトリガーを引き当て3のダメージを受ける。しかも、デッキの枚数は僅か10枚だ。


李里香クロック 0>3


「アンコール!つ、強すぎる……!」

「おい、こんな強いカード、一体いつからマーカーに……?——!」

奇妙に思っていたファイターが、ある事に気付く。思いもよらない、いや、思いたくも無い事に——。

「まさか、最初から仕組まれていた……!?」

「ちょっと、それってどういうこと?」

「俺がが知らない間にマーカー持ちのパワーが上昇したのがあるだろ!」

「確かにあったけどそれが……ちょっと待って、まさか仕込んでたそれがあったって事?」

そうとしか辻褄が合わない。ルール違反だとわかっても、もう止める術が無い。

『そうそう。言い忘れていたが俺にはコピーするだけじゃなくて、キャラの効果によって増加された分、俺もパワーが増加できる』

「なっ……!?」

「なんじゃそりゃ!?向こうは本来のパワーが1だから……勝ち目がねぇじゃ無ぇか!」

「そんな……」

即ち、今手札にあるイスカをコールしてもすぐにパワーが戻ってしまう。
つまり、今の李里香が考えている戦略が粉砕されてしまったのだ。

『……どうやら勝負あり、だな』

フェイクワーム・パラサイトが戦意を失った李里香を見て、マイクを取り出した。

『フロニャルドの獣(けだもの)諸君。この世界の命運をかけた戦いは、我々の——』

『まだ終わってない!』

パラサイトの言葉を遮ってなのはが叫んだ。李里香とファイターも、彼女の方に視線を向ける。

『まだヴァイスシュヴァルツは終わっていない!これから李里香ちゃんが絶対に逆転する!』

『……フヒヒヒヒヒヒ!!貴様の戯言もここまでくると笑い事だな!この状況で逆転だと?そんな冗談、一々言っていられるとはよほどのファンタジストだな!』

『そんなんじゃない!私は李里香ちゃんがこれまでの戦いでも、何一つ諦めていなかった!』

『……せやな。ウチらは李里香の事、まだ知らへんけど信頼できるっちゅう事は確かや』

なのはに続き、ジョーヌも彼女に肩を持つように言う。更に、ノワールとベールも続けた。

『それに、諦めていないのはレオ様も同じだと思うわ。あの人は前にも、過ちを犯しそうになったけどあの人なりに助けようとしてたわ!』

『蹂躙と略奪しか出来ない貴方達に、フロニャルドに渡していいものなんて無い!』

『……だったら、この勝負に俺が勝ったらお前ら全員を生中継で息の根を止めてくれる!』

『……やれるものならやってみろ!』

その言葉の直後、レオが瓦礫を吹き飛ばして戦線に復帰する。凛々しい顔からは一筋の赤い血が流れ、身体も傷が絶えない。

『赤星。これはお前が普段やる物とは違う、ワシらの世界を賭けた戦いだ。逃げ出したくなる時もある』



『ツヴァイでダルキアンを攻撃だ。やれ』

『……チッ』

ツヴァイが小さく舌打ちすると、拳銃の銃口をダルキアンに向け、連続で弾丸を発射する。

『拙者の役目はここまででござる!この戦の勝利を、フロニャルドを頼んだでござる!』

銃撃に自らを盾にするように庇い、銃撃の雨を食らったダルキアンはそう遺して消滅した。

「あぁっ!」

『ダルキアン卿も、ワシらに望みを託した。今動かなければ、そいつの想いさえも踏みにじる事になるぞ!』

がっちりと肩を掴み、李里香に檄を飛ばす。そんな時、なのはも彼女の手に自分の手を重ねる。

『李里香ちゃんは一人じゃない。いつだって仲間がいるよ』

「……ありがとう。何か震えも消えた気がする」

『……という訳だ。ワシらの首を飛ばしたければまずこのファイトで勝つことだな!』

『そうですよ!フロニャルド防衛線を突破してからにしなさい!』

『貴方達がフロニャルドで奪っていいものなんて、何一つ無い!』

『せやせや!化けの皮被っとらんと、外も出歩けへん奴が言うな!』

ジェノワーズの3人も、レオにあやかって挑発をする。
李里香もさっきまでとは違い、完全に戦意を取り戻している。

『貴様ら……!調子に乗るのもいい加減にしろぉぉぉぉ!!!いいか!?さっきも言ったようにキャラとクライマックスでパワーを上げたとしてもその分パワーを増大する!今俺が持っているパワーは1万3千飛んで1だ!』

「!——おい、ファントム……」

挑発に乗ったのか、はたまた計画を潰された事に激昂したのか、顔がレオのものではなく凶悪な赤い大きな一つ目と、裂けたように大きく、刃物のような歯を持つ口の口角の両端には鋭い牙が飛び出した、まさしく怪物に相違ない素顔が晒された。
まさしく、あのモンスターの「化けの皮を剥がしてやった」と言えるだろう。

「誰が相手だろうとこのファイト、絶対に負けない!ドロー!クロック&2ドロー!“不器用な想い”エクレをコール!」


ドローした3枚目のカードを開いた位置にコールする。そこからショートヘアの垂れた犬耳の少女の姿を借りた黒子トークンが現れる。


李里香残りデッキ 5>2

手札 3>4>3>5

Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.50 )
日時: 2015/03/18 09:51
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)


手札 5>4>6>4>2


黒子トークンのナナミとエクレが共に消失。そこに、和服の男性と杖を持った少女が現れた。

『やっと出番だね!李里香って言ったっけ?よろしく!』

『まさか俺も呼ばれるなんてな。で、どうする?』

「まずはナナミのパワーを上げて!そしてもう1体イスカをコールして、今度はレオ様にパワー追加!そして、左右前列を入れ替える!」


波乗り勇者パワー 8千>9千5百(特徴に武器を追加)

獅子王パワー 1万1千>1万2千5百(特徴に武器を追加)


フェイクワームパワー 1万3千1>1万4千5百1


「更に、魔戦斧グランヴェールと黒いガングニールを発動!!」

残る2枚を掲げ、発動を宣言する。その次の瞬間にレオの元にガレットの宝剣と、漆黒の槍が降ってきた。うち2本は光の粉となって降り注ぎ、中央前列に降って来た槍はレオが飛び上がってキャッチする。

『イベントカードだと!?』

「やっぱりイベントじゃ作用しない見たいね!グランヴェールの効果はレオに追加!そして、武器を持つすべてのキャラはパワー+1千5百!」


獅子王パワー 1万2千5百>1万4千>1万8千


「“獅子王”レオ、フロントアタック!」

槍に変形したグランヴェールと槍を手に、レオがパラサイトワームに向かって行く。

『ケダモノが調子に乗って……!どうせ他の世界と関わりを持つ事のできない能無しだろうが!』

『ああ確かにワシは今までフロニャルドとナナミたちの世界しか知らなかった!だが赤星と出会い、そしてヴァイスシュヴァルツを通じて様々な世界を知った!』

斧を手にレオの槍を受け止めるパラサイトワーム。そのまま槍と斧がぶつかり合い、激しい音が響き渡る。

『戦無双と呼ばれたワシですら、異世界の力には及ばなかった。ワシらの今の世界では考えられない、命を賭けた戦いを生き抜いた者もいた。他の世界に勝手に踏み入れる事は許されぬ罪だ。だが、舞台の上で力を交えなければ解らない事もある。様々な舞台の上の交流にワシは異世界の凄さを知った。貴様らでは永遠に理解できぬものをな!』

その言葉に応えたのか、漆黒の槍がグランヴェールにあわせて短剣に変形する。

『マリア、力を貸してくれるのか?……ナツ、キリト、翼、ワシに力を貸してくれ……!』


BGM:No Limit



短剣となった2本をしっかりと握りなおし、一気に間合いを詰めるレオ。そこから連続で突きを放ち、グランヴェールで斬り上げ、膝蹴りでパラサイトの腹を打ち、再び間合いを取る。そして、両腕を肩越しに後ろに回す。

『獅子神、爆炎十文字斬り!』

短剣が炎を纏い、まるで鞭の様な斬撃でパラサイトを吹っ飛ばした。

『バカな!これは、火竜の翼撃?!』

続けて高く跳躍したレオが、ガングニールとグランヴェールを合わせて一振りの巨大な大剣に変形する。

『獅子狩り、爪雷刃!』

そこから最上段の斬り下ろしと共に衝撃波を放つ。雷を纏った衝撃波はパラサイトに直撃し、巨大な爆炎を上げる。

『今度は蒼ノ一閃か!?』

「まるで、他の人がレオ様に乗り移ったみたい……!」

煙を掻き分けたフェイクワームが上空を見上げる。だが、既にレオの姿は無い。
どこに行ったか探している瞬間、既に着地していたレオが、剣に変形した2本を手に肉薄していた。

『獅子王蓮華……星嵐ッ!!』

十字に切り裂く一閃からの刹那、目にも留まらぬ速さで斬り刻んでいく。
グランヴェールで、ガングニールで、はたまたX状に斬り下ろし、斬り上げる。そうして再び凄まじい速さで斬撃を与えていく。
そして、トドメと言わんばかりに2本を重ねての突きを放ち、吹っ飛ばした。それと同時に舞台のカードがリバース状態となった。

「トリガーアクション、トリガー無し。そっちは」

相手はクライマックスが出なかった。よってクロックは4になる。

「ナナミ、ゴドウィン将軍、続いて!」

『これの攻撃で決めるぞ、勇者!』

『うん!』

最初にゴドウィンが鎖付き鉄球でのフロントアタックを決める。だが、ゴドウィンが与えたダメージは3枚目でキャンセルされる。
最後の望みとナナミが投げた杖が再びファイターを直撃。3ダメージを与えてついに決着した。


『GAME'END.WINNER AKAHOSHI LIRIKA』



「か、勝った……」

深く息を吐き、緊張の糸を緩ませた。
ファイトが終わり、ナナミとゴドウィン、イスカとドライ、クロウディア、マグワイアが消える。

『……やったな、赤星』

「うん。何か力が抜けまくったけど」

『……でもあの人、何であの時カウンターや助太刀を使わなかったんだろ……?』

『ああそうだ。それさえ使えば貴様を頭から噛み砕いてやれたものを……!』

怨恨の呻き声を上げたのは、レオの姿から本来の、ムカデのような姿のフェイクワームだった。彼の巨大な眼球は紅く染まり、標的をレオに定める。

『だが何故だ……?操っている奴の腕があのときだけ全く動かなかった……!』

『その理由は簡単だ』

フェイクワームの疑問に答えるようにファントムが言う。
そこには右肩を押さえ、手札らしきカードを足元にばら撒いたファイターがいた。

『あのゴタゴタでお前の気を奴らに向かせる事が出来た。その間にコイツの肩の間接を外させてもらった』

「こうでもしなきゃ、お前の呪縛から逃れられないだろ?」

無茶な行動ではあるものの、そのお陰でレオを倒されずに済んだ。
真相を理解したフェイクワームの怒りが最高潮に達した。割けた口から、鏃の様に鋭い舌が現れる。

『許さねぇぞ……!ドイツもコイツも逆らいやがって……!こうなったら獅子王の首だけでも奪い取ってやらあああああ!!!』

そのまま弓矢の如く突貫し、真っ直ぐにレオを狙う。その時だった。
レオもそう簡単に首をとられるほど甘くなく、グランヴェールを手に迎え撃つつもりだった。








——グサッ!


『ゴブッ!?』

『!?』

突然上空から飛来した何かが、高速で突貫するフェイクワームを突き刺した。

『あが……!』

その飛来したものは、大体中学生くらいの身長で、顔は頭部をすっぽり覆うような兜で隠れている。ドレスのような鎧を纏った少女であり、手には禍々しいオーラを放つ剣が握られていた。

『ふぇ、フェンリル……!何の真似だ……!?』

『ビーストマスターの命令だ。『役立たずの虫けら1匹を消してこい』とな』

『なんだと!?そんなバカなことがあってたまるか!すぐに連絡を——』

『必要ない』

喚き立てるフェイクワームに、フェンリルと呼ばれた剣士は剣を引き抜き、フェイクワームの首の辺りを掴んで頭上へ投げ飛ばす。そしてフェンリルの背後にケルベロスを模した紋章が現れ、剣に紫色の輝力が込められる。そして、足にも少量の輝力を込め、跳躍で一気にフェイクワームの所まで飛ぶ。

『ちょ、冗談だろ!?よせ!止め——』


——ズシャッ!!






『ぎゃあああああああああああー!!!』

盛大に振り下ろした斬撃が無数に切り刻む斬撃に断末魔の悲鳴の後、フェイクワームの肉体は塵になって消滅した。

『貴様、何者だ……?』

『答える必要など無い』

フェンリルは剣で右上から左下へ薙ぐように斬り裂き、空間を裂いてその中に入ろうとした。

『ダメ……待って……』

『もうこれ以上傷つけるのは止めてください!』







『ミルヒ姫様!』

『なっ……!?』

ベールの叫びに、レオが凍りついた。だが、ミルヒと呼ばれたフェンリルは寸前で止まる。






『そんな名前、もう捨てた』

そう言い残してそのまま言葉を返さずに異空間の中へと消えていった。

Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.51 )
日時: 2015/03/18 09:53
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)


『一体どういうことか説明しろ。なぜミルヒが奴らの肩を持っている?』

フェンリルが去った後、レオがジェノワーズを問いただしていた。理由はミルヒの事についてだろう。彼女が知っているミルヒは、あんな残虐な行為はしなかったはずだ。

『…詳しい事は解らないけど、姫様が単独でフロニャルドを襲った奴らと交渉しに行ったっきり帰ってこなくて……』

『そしたら姫様、あんな装備で帰ってきて、いきなりシンクを……』

彼女たちですら、知っている情報を彼女に知らせる。
それを聞いたレオは、深刻な顔持ちになる。

「ねぇ、ゲートはもう通じてるんでしょ?それならレオ様だって通れるはずよね?」

粗方の事情を聞いた李里香がノワールに尋ねる。

『…普通、ヴァイスシュヴァルツのキャラは自分のカードをゲートとして、人間界とヴァイスシュヴァルツ世界を繋いでいるの。…多分、レオ様は正規契約を果してるから、もうそのカードにもゲートとしての能力はあると思う…』

ノワールに言われた通りに、李里香がレベル3のレオのカードを当人に渡す。彼女が触れた途端、彼女と李里香の間を挟むようにヴァイスシュヴァルツのカードをそのまま人が通れるほどの大きさの光のカードとなって現れた。
それを見たジェノワーズは先にその中に入り、レオも続こうとした。

『短い間じゃったが、世話になったな』

「そうだね……あ、ちょっと待って」

『どうした?』

「身長がなのはちゃんくらいで、なのはちゃんとお揃いで色は黒、茶髪のショートヘアの女の子がいたら伝えてくれる?『赤星李里香と高町なのはがよろしくって言っていた』って」

『……ああ。出会ったら伝えよう』

その約束をしたレオは、改めてゲートに足を踏み入れ、その奥へと行った。そしてゲートが元のカードとなり、李里香の手に戻っていった。

「なぁ、そろそろいいか?」

「え?あ、なんだっけ……?」

感動の再会を台無しにされないようにファイターが外した肩にギプスをしながら尋ねる。我に返った彼女に彼は自分のタロットを差し出した。

『敗者は勝者に賭けたタロットを差し出すんだろ?』

「え?あぁ!そういえば忘れてた。ありがと」

『でも肩を外すなんて無茶にも程があるよ』

「仕方ないだろ。こうでもしなきゃ、俺はアイツの言いなりだったし。応急措置はしたけど治療は船にある治療室で受けてもらうわ」

そう言ってファイターは契約キャラと共に、港へ去って行った。

「さぁて、あたしの頑張らないとね」





WS世界:フロニャルド


「皆の者、心配をかけて申し訳なかった」

フロニャルドに戻ってきたレオが住民に一言謝罪の言葉を述べる。だが住人は、元気なレオの姿を見て歓声を上げる。

「それで、戦況はどうなっている?」

「それはウチらから説明させてくれんか?」

戦況を尋ねたレオに、一回り小さなリスの尻尾と耳を生やした少女、クーベルが一歩前に出る。

「ビスコッティもパスティヤージュも、変わってしまったミルヒ姉を筆頭としたモンスターエンパイアに占領されてしまった。エクレールやシンクは何とか捕虜にならずにすんだのじゃが、シンクは重症で今も意識は回復せず、エクレールもショックで戦いに参加できそうに無いのじゃ。多分、リコやユッキーも奴らの手に……」

「そうか……」

事態が想像以上に重いと思ったレオは、住民たちに一言言い放つ。










「これより、我らはビスコッティ軍とパスティヤージュ軍と共に、反撃の準備を開始する!」





『今日のフェイバリットカード』


李里香「今回紹介するのは、ガレットの怪力無双ゴドウィン将軍。そして、レオ様と因縁深い相手のフェイクワーム・パラサイトよ」





“ガレット将軍”ゴドウィン


登場作品:DOG DAYS

色/緑

レベル/2

コスト/2

パワー/1万


特徴

《動物》《武器》



効果1:このキャラが舞台を離れた時、あなたの山札の上から1枚をクロックに置く。


フレーバー:「ガキ共!この土壇場で、さもしいやりとりしてんじゃねぇ!!」



李里香「ゴドウィン将軍はデメリットの効果は大きいけど、場に出ればそう簡単に倒される事は無いわ。高いパワーでガンガン相手のキャラをぶっ飛ばしていきましょう!」




フェイクワーム・パラサイト


登場作品:モンスター・エンパイア

色/無し

レベル/0

コスト/0

パワー/1


特徴

《モンスター》


効果1:このモンスターは手札と山札からプレイできない。

効果2:『起』:貴方のキャラ1枚の下に、このカードをマーカーとして置く。

効果3:(3)マーカーがあるカードが相手によって控え室に置かれた時、コストを払ってよい。払ったら、このカードのパワー+Xし、自分の正面のキャラの効果を得る。そして、このカードの正面のキャラに『(自)このキャラは移動できない』を得る。Xは、リバースさせたキャラの元々のパワーに等しい。

効果4:このキャラの正面の相手のキャラが他のキャラかクライマックスでパワーが上がった時、このカードのパワー+X。Xは正面の上昇したキャラのパワーに等しい。


レオ「寄生した宿主の中に潜み、宿主が倒されれば本性を表して倒した相手に化ける厄介な相手だ。しかも、能力も得るから、間違ってもクライマックスコンボ以外の強力カードで倒すな」

李里香「つまり、バトル以外で宿主を取り除けばそのままパラサイトも退却するって事ね」

レオ「次回は武装解禁を紹介だ。装者にはシンフォギアGXの活躍を楽しみにしてるぞ!」




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