二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.9 )
日時: 2014/09/10 08:14
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: Dxm/kZqm)

「前回のあらすじ」

WSCFCの赤星李里香は新しく出来たモノクロームに入ると、伊村から勝負を持ちかけられる。
その途中、伊村が見たことも無いモンスターエンパイアというキャラを召喚する。そして異世界に危機が迫っていると告げられる。
そして次に目を覚ましたのは、WS世界のキャラが実在する世界だった。





「ともかく、皆に知らせたほうが……って、こんな状況で信じてくれるのかな?」

色々混乱はあるものの、とにかく誰かに知らせようと右往左往する李里香。
だが、話しても信じるよりも困惑するほうが大きいだろう。
そんな時に李里香の携帯からメールが入る。

『話したいことがあるから図書館に来て』

内容はたったそれだけだ。発信者はCFCの皐月だ。とにかくそれに従い、早速なのはとシュテルを連れて図書館へと走っていった。





明影学園から歩いて5分の図書館。
WSプレイマットも完備され、蔵書の数も優に5万を超える大型図書館。
1階ホールに入ると、CFCの面子と聡明学園の生徒会の2人も集まっていた。

「お前も奴と会ったのか?」

「ええ。バトル中に見たことも無いキャラだったからよく覚えているわ。目が覚めたらあたしの家で、この子らが……」

ログの問いに素直に答え、小さななのはとシュテルを見せる。

「お前もか。実は俺たちも同じ様に自室で目が覚めて、そしてこいつらが……」

ログを筆頭に、ミチ以外がそれぞれ小さくなったキーカードのキャラを見せる。

「それと、これを見て」

次に皐月が見せたのは、4枚の白紙のカード。しかも冬雅や鶴来も白紙のカードを見せる。

「何これ?」

「イグニールだ。俺のデッキに入っていた」

「え!?」

冬雅たちが言うには、伊村とのバトルの後、気が付いてデッキを見てみたら白紙のカードになっていたのだ。

「お前は何か知ってないか?」

「ううん。そっちについてはなんとも。伊村って奴は艦これっていうデッキを使うって事意外は……見た目なら何か肌色寄りの赤い髪に、細目で……」

「こんなツラやろ?」

「そうそう……って!」

「どわああああああああ!?」

いきなりひょっこりと顔を出した伊村に全員が仰天する。そして図書館の人から注意された。

「おま、いつからいた?!」

「最初っからや。なーんか混乱しとるの面白そうやったし」

「そんな事言ってないで、一体どうなってるのよ!変なカードがあるし、いきなり現れたこの子達はなんなの?」

「図書館で喚きなさんな。説明したるから座っとき」

伊村に促され、一同顔を見合わせながら座る。
全員が座ったのを見ると伊村が語りだす。

「全部は語れへんが、その子らについて説明しとく。そいつらはお前らの切り札や。これらもな」

「こいつらが……俺達の切り札?」

ログが机の上で走り回る当麻やナツ達を見て呟く。今の彼らを見てそうは思えないようだ。
伊村が2枚のカードを机の上に投げると空中でカードが変化を起こし、兎の耳のような黒いリボンを着けた小さなアザラシと、浮き輪を着けて下半身がスマホのような携帯機器に入っている赤いポニーテールの少女になり、机の上にいるキャラ達の仲間に入る。

「まぁお前ら9人を送るには、ぎょーさん苦労したで」

「9人?まだほかにいるの?」

「当たり前や。実はお前らの前に一人この世界に送ったんや。お前らが集まる前に俺らで待ち合わせしといたんや」

彼が言うにはもう一人呼んでいるらしい。その一人というのはここにいる全員に思い当たりがない。武が頬杖を付いてぼやく。

「当てはあるんだけど、今は海外留学なんだよな……」

「留学中のって、私の事?」

「そうそう——って、うわぁ!?」

本日二度目の仰天に武は転がり落ちそうになる。
武とミチの間で声を掛けた金髪の少女は笑顔でひょっこり顔を出していた。それと同時に、彼女の肩から銀髪のショートヘアの少女とピンクのロングへアに髪と同じ色の猫耳と尻尾を持つ少女がひょっこり顔を出す。

「し、しず姉!一体いつからいたんだよ!?つか、留学してたんじゃないのか!?」

「いつって、最初からよ。それに留学も終わって、ここに引っ越したのよ」

「ちょちょちょ、ちょっと待って!武、ミチ、その人の知り合いなの?」

いきなり現れた少女との和気藹々の会話の中に鶴来が待ったを掛ける。

「その人いったい誰なの?何か親しい感じみたいけどさ……あと、体勢を立て直して」

「あぁ、皆には説明してなかったっけ。この人は水戸川しずる。武の義理のお姉さんで、今までアメリカ留学していたんだけど、まさか帰っていたなんてね」

「そういえば、俺が来た時に学校にいた教師が『修学旅行中に転校して来た人がいるから目を通してくれ』って言ってたが、お前だったのか」

ログも思い出し、そして納得するように頷いた。お前、前作じゃ修学旅行中に一人で戻ってきたんだろ。

「ミチちゃん、久しぶりにバトルでもする?」

「え?あ、今デッキを持ってなくて……」

しずるにバトルの申し込みをされたが、デッキを持っていないと断る。

「だったら、近くのお店でトライアルデッキを買ったら?それならいいし」

「う…まぁいいけどさ……」

「じゃあ俺は伊村とバトルだ!さっきのリベンジをしてやるぜ」

「俺は今回パス。まずはお前らに契約の方法を教えたら俺らも来るで」

しずるの申し出に無下にする事もできず、渋々承諾した。武は伊村とバトルしようとするが、あっけなく断られてしまった。


Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.10 )
日時: 2014/09/18 09:02
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: Dxm/kZqm)

カードショップ『モノクローム』


結局トライアルデッキを購入し、更にハンデでブースター1つを購入することとなった。
タイトルと同じパックを手に取ろうとした時、その隣のカードに目が行く。

「『THE・MONSTER’EMPIRE』?」

「!確かそれってあたしが伊村とバトルした時に……!」

見たことの無いパックに首を傾げるミチに、契約を終えて合流した李里香が伊村とのバトルを思い出す。
『殲滅型砲人カタパルト・カノン』にもこのタイトルが刻まれていたのだ。
だが、特徴が《音楽》のカードもあるので試しに購入する。確かに《音楽》が含まれているキャラがいたが、5枚目に……

「『逆鱗REIMEI』。URランクのLV2のキャラみたい」

「ほー、えろぉ強いカードを当てたんやな。《音楽》か《武器》のキャラが場に4枚以上おれば登場できるんや」

伊村に説明を受けたミチが早速デッキにある同じレベルのカードと交換する。

「マリア、、クリス。お願いね」

ギャラリーが離れるとしずるが小さな2人に頼む。すると呼ばれた両方が宙に飛び立ち、ポン!という効果音と共にカードに変身。それらがひとりでにしずるの手元に収まり、デッキの中に収める。
そして別のデッキホルダーに一旦収め、そして中のカードと一緒に引き抜くとデッキが完成する。

「さて、このスペシャルライブデッキでお相手してあげるわ」

「望むところよ!」

「「ヴァイスシュヴァルツ!ステージオン!」」

『STEGE'ON』





現在の状況



しずる レベル2 クロック3 手札3 ストック4 思い出1



なし なし


※“超射程広域攻撃”クリス もうひとつの“ガングニール”マリア なし



※“流されやすいタイプ”響 ※戦いに身を置く翼 ※ ※“防人の生き様”翼

“シンフォギアの装者”響 “いつものおせっかい”響



ミチ レベル2 クロック2 手札3 ストック4 思い出0


※1“流されやすいタイプ”響の現パワー9千。

※2戦いに身を置く翼の現パワー1万。

※3思い出に“イチイバル”があるので“長射程広域攻撃”クリスの現パワー1万1千。

※4“防人の生き様”翼はパワー7千5百。




「ふふっ、実力は申し分ないわね」

「しず姉こそ、留学のお陰で強くなってるよ?」

一進一退の攻防を繰り広げる2人。お互いの手を知り尽くしている。

「じゃ、そろそろ本気で行こうかしら?クロック&2ドロー。初音ミク“パンジー”、初音ミク“ディメンジョン”をコール!パンジーの応援効果でクリスとマリアにパワー+5百」


超射程広域攻撃パワー 1万1千>>1万1千5百


「初音……って、あれってシュヴァルツサイドのキャラだぞ!?何故持っている!?」

「まさか、無冠の音姫?」

仰天する冬雅の隣で、音也が思い出したように言う。その呟きに全員が注目した。

「何?その無冠の何とかって?」

「無冠の音姫。一時期海外の非公式ショップ大会で優勝を収めたプレイヤーだよ。携帯は……あれ?」

「みゅ。みゅい」

「あぁ、ありがと。えっと……あった」

携帯を探っていた音也に着物姿に狐耳の小さな絵里が持ってきた携帯を操作し、英語面の掲示板の記事を見せる。

「『スタンダード杯ショップ大会、無冠の音姫無敗で優勝』これか」

本来、ヴァイスシュヴァルツの公認大会はヴァイスサイドかシュヴァルツサイドのどちらかのサイドのカードを使うサイド限定構築、大会で指定したタイトルのみのデッキのタイトル限定大会、いずれかのタイトルのみで戦うネオスタンダードの3種類が存在する。
さっきのしずるの様に、ヴァイスサイド(シンフォギア)とシュヴァルツサイド(DIVA−F&F2)の両方を使う彼女は、WGPなどネオスタンダードのみの大会に入る事はできない。恐らく無冠の音姫というのはそこから来たのだろう。
因みに、前作の「ヴァイスシュヴァルツ!ステージオン!!」の大会も条件はスタンダード構築だったりする。

「更にもう一曲。ホロウパラディン“Fantasia”をコール!」

「モンスターエンパイア!?」

舞台の後列に登場したのは、赤い装飾を施して額にスピーカーのような装飾を着けた霊体の馬に、鎧を纏った人型に形取った青い炎の岸が現れた。

「更にイベントカード『BlackJack』を発動!」


ストック 3>>2

ミチ:クロック 2>>4


いきなりナイフが現れ、それぞれしずると前列のキャラの手に収まる。その次の瞬間、大量のトランプがばら撒かれる。その中に4人がナイフを一斉に投げ、うち3本が展開されたバリアに突き刺さり、3ダメージを与えた。そのナイフにはちょうど21になるようにカードを突き刺すオマケつきで。

『このカードは集中で出たクライマックスの数だけダメージを与えられるの。ところで……今決めたのって誰?』

「さぁ?」

どうやらさっきのナイフは誰の物かと思っているらしい。因みに決めたのはミクとしずるでした。

「改めて……チェンジ発動!コスト2と手札一枚、更に自身を控え室に置き、アビリティアクション!黒き槍持て、覚悟を刃に乗せて、穿ち貫け!“輪廻するフィーネ”マリア、スペリオルステージアップ!」


ストック 2>>0


もう一つのガングニールが発動すると同時にマリアが姿が見えなくなるくらいの激しい黒い旋風に包まれる。
その風を黒い槍が貫き、振り払うとギアを纏ったマリアが姿を現した。


「登場時効果でクロック回復。そしてクライマックスに“宣戦布告”を発動!全てのキャラはパワー+1千&ソウル+1!」


輪廻するフィーネパワー 1万5百>>1万1千5百 ソウル2>>3

超射程攻撃パワー 1万1千5百>>1万2千5百 ソウル2>>3

ディメンジョンパワー 7千>>8千 ソウル1>>2


BGM:Fantasia


バトルフェイズ開始と同時に突然マイクが現れる。そして前奏のタイミングにあわせ、マリアとしずるが歌い出す。

「『禁忌の魔法錠、眠りを解く道化人形♪からりと、撥条式(ぜんまいしき)の物語が廻り出す─────♪』」

歌っているにも関わらず、超射程広域攻撃を横にして攻撃宣言する。
ガトリングガンを展開したクリスが正面の黒子トークンの響を蜂の巣にし、更にトドメといわんばかりにミサイルを叩き込んだ。ダメージアクションではクライマックスキャンセルする。

「『深き森の向こう麗しの音(ね)、誘(いざな)うは光の宮殿、窓越し覗き込む。其処には妖精達が、歌い踊る円舞曲♪淡く照らされる、金色円盤の上♪夢まほろば、そっと腕を伸ばした…… 煌めきに溶け、共に舞う……お伽話』」

更にコスト1を払い、“超射程広域攻撃”クリスの効果発動。黒子トークンの翼を山札の上に送る。それと同時にファンタジアの炎が激しく燃え盛り、それと同時にマリアのパワーも増幅する。
そしてがら空きとなった初音ミク“ディメンジョン”のダイレクトアタックが決まった。


輪廻するフィーネパワー 1万1千5百>>1万2千5百


「ダメージアクション……トリガーなし」


クロック 4>>7 レベル3にアップ


「『くるくる廻る廻る、時限仕掛けの命♪軋み出す音が、終焉の刻を告げる♪』」

最後にしずると共に歌っていたマリアが駆け出す。パワー差はTDの助太刀カードでどうにかなる差じゃない。

「『魔法は解け、また静寂の眠りへと……是にてと或る、人形のお伽話♪』」

マリア槍と翼の刀がぶつかり合う。だが、槍の石突で刀を振り払った直後に石突で翼を吹っ飛ばした。歌が終わると同時に撃破状態となった2人のキャラが人形となり、そのまま控え室に直行となった。

Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.11 )
日時: 2014/09/18 08:59
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: Dxm/kZqm)



「くっ……クロック&2ドロー。…あ」

劣勢の状態で引いたカードは、さっき買ったパックにあったREIMEIだ。この状況、このカードの力を借りるしかない。

「“覚醒の鼓動”響を左前列、そして、逆鱗REIMEIを中央にコール」

最初に条件を整え、ついにコールする。中央に燃え上がる青白い炎を振り払い、縁を青く飾った白い、幕末の新撰組のような剣士が現れた。

「よし、アタック——『貴様に問う』え?」

『何だ?』

アタックフェイズに入ろうとした時、SONSHIが呼びかけた。
構えていたマリアとクリスも突然の言葉に目を丸くする。

『音楽とは、何だ?』

「え?音楽……音楽って、聴いたり想像したり、楽器で奏でたりするものでしょ?」

『……ならば貴様に従う道理は無い』

突然突き放すような台詞を言い放つ。いきなりの言葉にミチたちは困惑する。

「ど、どうして!?アンタを持ってる私がマスターじゃないの!?」

『使い手を選ぶ者もいる。いや、音楽を知らぬ以前に未練を断ち切れぬ奴に使われる気は毛頭無い!』

そう言い残し、舞台にいたSONSHIが消えてしまった。

『……なにか訳あり見たいね。クリス、いいかしら?』

『ああ。別にあたしはどうでもいいけどさ』

何かを知ったマリアがクリスに同意を求める。彼女から同意を貰ったマリアは次にしずる言う。ミチがバトルできる状態じゃないと判断したのだろう。しずるは頷くと「ステージアウト(降参」を宣言。すぐにデッキを回収する。そして場に出ていたマリアとクリスも小さな姿へと変わった。

「どうしたの?有利に動いてたのに降参だなんて」

「にゃっ」

「ん?シュテル、どうしたの?って、それミチのデッキじゃない」

何事かとテーブルに歩み寄る李里香たちにシュテルがミチのデッキケースを持ち出した。
その中身を見てみると、殆どのカードが潰されてぐしゃぐしゃにされていた。

「酷い……いったいどういうこと!?」

「話してくれるよね?」

李里香としずるに迫られ、とうとう観念したミチは静かに頷いた。





「デッキを踏み潰されたぁ!?」

その理由を聞いた李里香が大声を上げる。

「うん。伊村に誘われる一週間前に教えて欲しいって言ってきた人がいてね。私は喜んで教えてあげたよ。けれどそれからしばらくして、また来たのよ。バトルの後、急に私のデッキを取り上げて……古臭いなんて言って……」

「……すまない。傷を抉るような事をしてしまって……」

一言一言告げる度にミチの震えが大きくなり、ついには口を閉ざしてしまう。流石に申し訳なかったか、冬雅が謝る。
大切にしていたカードが踏み潰されたのだ。そのショックは計り知れないだろう。

「それだけじゃないわ。帰ってみたら、両親が勝手に婚約を決められていたの……しかも、その相手が……」

「そのデッキを踏み潰した奴って訳か。完全に人身御供だね」

鶴来もその勝手すぎる婚約者と両親に怒りを無理矢理静めているように同意する。

「そいつ、何か条件は言ってなかった?」

「え?——確か、ヴァイスシュヴァルツで勝ったらって……」

「大方それが理由ね。ミチのデッキを台無しにして、そして不戦勝で自分の物にする気なんだわ」

「そんな理由でミチのデッキを潰したのかよ!?」

皐月が冷静に状況を説明すると、武が怒りのあまり席を立つ。

「それで?バトルはいつ始まるの?」

「……2日後。ルールはサイドマッチよ」

「2日ね。それ位あれば大体の形は出来るわ」

ミチから聞いた皐月は少しして頷くと、CFCの面々に向かって言う。

「これからWSCFCの活動を宣言するわ。内容は、水戸川しずると共に桜庭道子の新たなデッキの構築!」

それを聞いた途端ミチは驚き、そのほかの4人は同意する。

「でも、これ以上迷惑は……」

「無駄だ。コイツは一度言いだしたら止まらないからな。それこそ、お前の使う涼宮ハルヒのようにな」

「嘘ぉ……」

「しずる。後は任せるぞ」

「当然!」

ログはしずるに後の事を任せると伊村と音也を連れてモノクロームから出て行った。

「ほんまにええんか?ちょっとは手ぇ貸したりするもんやろ?」

「これは奴らの問題だ。しずるは桜庭の幼馴染だからまだいい。だが俺達が首を入れる余裕は無い」

「まぁ、会長なりの気遣いってとってくれればいいよ」

音也の答えに伊村はなるほど……と納得して店から出て行った。

Re: ヴァイスシュヴァルツ・NEXT/STAGE ( No.12 )
日時: 2014/09/10 08:28
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: Dxm/kZqm)




人間世界の時間帯で夜。WS世界、ヒューマワールドのとある病院。


「大丈夫だったんですか?」

李里香と契約を結んだなのはがベッドの傍らの机に花瓶を載せる。そのベッドの上には痛々しい打撲痕を身体に残したハルヒが居座っていた。

「ありがとね。ワールドも違うのにお見舞いに来てくれて」

「大丈夫ですよ。同じ部員の仲ですから」

花瓶の花を取り替えたシュテルが言う。

「それに、ミチさんも新しいデッキを作ってるんだって」

「へぇ。あ、じゃああいつに伝えてくれる?」

「あいつ?」

「ミチの事よ。しょげてるあいつに喝のひとつやふたつも入れなさいよ。今まで親のいいなりになっていたんだから、自分の意見を主張しなさいよね」

後半から愚痴っぽくなっていたハルヒが天井を見上げる。

「確かにあたしの作品は今の連中から見たら結構古いけど、思い入れってのは人それぞれなんじゃない?」

「え?」

「独り言よ」

天井を見上げて呟いたハルヒの言葉は誰の耳にも入らなかった。





「……出来た!」

そして当日。自分の部屋でデッキを構成していたミチがついに自分のデッキを造り上げた。
それと同時に携帯から着信音が鳴る。開いてみると、しずるからの着信だった。

「もしもし、しず姉?」

『いよいよ本番ね。コンディションはどう?』

「ばっちりよ。それに、ありがとう」

『ありがとう?』

「昨日、私に音楽でも聴いて落ち着かせたらって言ってたよね?しず姉の使うキャラの歌を聴いていたら、自然と落ち着いてきてね……」

あの後、しずるに勧められてパソコンで曲を聴いてみたのだ。デッキを造りながら様々な曲を聴いているうち、自然と落ち着いて曲に聞き入り、いつの間にか真夜中になってしまったのだ。
だが何かしら成果はあった事はミチ自身感じている。

「ひょっとしたら、これなんじゃないかな?」

『何が?』

ふとSONSHIを手にしずるに尋ねるように言う。

「前に消えたモンスターキャラ。音楽とは何かって言ってたでしょ?その答えって…——————…じゃないかな?」

『ひょっとしたら、当たりかもね?さ、長話はおしまい!早く倒して自由になっちゃいなさい!』

「……うん!」

励まされたミチは携帯の電源を切り、その携帯とデッキを持って部屋を後にした。





『今回のフェイバリットカード』


しずる「今回は私達3人で紹介!」

マリア「今回いい仕事をしてくれたのは私、“輪廻するフィーネ”マリアと、今作オリジナルカードのホロウパラディン“Fantasia”!」

クリス「コイツの元ネタはポップンミュージックのハイパーファンタジアからだ。んで、ステータスは下の通りだぜ」



ホロウパラディン“Fantasia”

登場作品:モンスターエンパイア(オリカ集団)

色/赤

レベル/1

コスト/0


特徴

《モンスター》《音楽》


パワー 5千


効果1:手札のこのカードは、舞台に《音楽》のキャラが4人以上いなければプレイできない。

効果2:(1)『自』あなたのターン中、バトルしていない相手キャラが舞台から離れた時、コストを払ってよい。払ったらあなたのキャラを1枚選び、パワー+X。Xは舞台から離れたキャラのレベル×1千に等しい。



しずる「前列のキャラを戻すマリアとクリスには相性抜群ね。パワーが上がってるとしても、舞台から消しちゃえば意味は無いもの♪」

クリス「お前、物騒な事を言ってのけるなよ;」

マリア「次回は私達と同じシンフォギアのキャラと、あのモンスターも登場よ!」

しずる「それでは、お楽しみに〜♪」






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