二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 実食 悠&風雅編 前書き ( No.16 )
- 日時: 2014/08/31 21:48
- 名前: 奏月 昴 (ID: WpxyeKoh)
採点方法
五段階評価を下す。内訳は以下の通り。
五、 メニューに拘らず、遊び(アレンジ)を加えており、なおかつ美味しい。
四、 メニューに依りすぎな所はあるが、程よく遊びを加えており、美味しい。
三、 メニュー通りの品。遊びなどはないが、メニュー通りなので普通に美味しい。
二、 メニューに沿ったのだろうが、ミスが目立ちすぎて美味しくない。が、まだ改善の余地がある不味さ。
一、 救いのない不味さ。キッチンに立たせたら死ぬ。
お題:『インスタント麺』
煮るだけで出来る袋麺ならば、種類は問わない。
絶対条件として、袋麺の中身を全て使う事。
アレンジは具材のみ。
悠
「風雅、今度こそ生きて帰ろう!」
風雅
「はいっ、先輩!」
悠&風雅
「二度とアレはごめんだあぁぁぁぁっ!」
昴
「お前ら…。」
- 実食 悠 ( No.17 )
- 日時: 2014/08/31 21:54
- 名前: 奏月 昴 (ID: WpxyeKoh)
リリィと入れ違いでやって来たのは、悠だった。
昴、パステルくん、にゃぐわは彼の姿を見るなり、嫌そうな顔をした。
「入ってきていきなりその顔は酷くありませんか!?」
「わ、悪い。だってお前、前回…。」
「いや、確かに前回はペルソナチェンジのミスで陽介以下の運でしたが、今回はちゃんと陽介よりは運の数値が高いペルソナにしてきましたから!」
(不安だ…。)
力説する悠だが、全員思う事は同じだった。彼等は皆、受けた傷が深かったのだ。
「…取り合えず、取ってくる。」
昴は立ち上がり、エレベーター前に向かう。
「…今度は大丈夫かな…。」
「にゃぐ…。」
『不安そうだなお前達…。』
黒が声をかけるが、無理はないだろうと思っていた。
悠は前回、大外れを引いた男。ただそれだけの事だが、あの料理はもう嫌なのだろう。
『今回は最低でも二の評価が来るような料理だといいが…。』
「最悪、それだよな…。」
紅が話していると、丁度昴が帰ってくる。
そして悠に向き直った。
「悠、胃薬と回復薬とオブラートと保険証と【光からの大生還】か【闇からの大生還】持ちのペルソナの準備はできているか?」
「何だか俺だけ準備が豪勢ではありませんか!? いや一応【闇からの大生還】持ちつけてますけど!」
「よし、開けるぞ。」
準備が完了しているようだったので、昴は蓋を開けた。
先程同様塩ラーメンをベースにしているようだが…。
「…。」
何かがおかしい。添えられた野菜炒めはしっかりと火が通っており美味しそうだが、何かがおかしい。この場にいた全員が、そう思っていた。
「…う、動かすぞ。」
昴はカチリと、アワーグラスβのボタンを押す。
塩ラーメンの優しい香りが広がったものの、まだ何かがおかしい、その思いが消えない。
「危険そうなものはありませんが、麺の様子がおかしいであります。」
「麺?」
アイギスのサーチで危険ではない事が分かり、昴達は手に取って一口食べる。そこで、おかしいと思っていた事と、アイギスの言う麺がおかしい事が分かった。
「まずっ!」
全員、口を揃えて言う。
そう、一見普通そうに見えるが、ある原因でとても不味いのだ。
「麺…伸びてますね…。」
「ああ…。もしやこれ、具材と一緒に煮込んだかも…。」
「かなり水吸ってるもんね…。」
「あるいは煮込みラーメンでも作ろうとしたのか…?」
「にゃぐー…。」
『どの道不味い。だそうだ。』
そう、麺が伸びきっているのだ。恐らく、長い間煮られていたのだろう。どう考えても規定時間以上。
「食えないわけじゃないけど…ちょっと遠慮したいよな…。」
「しかし、この腕前なら教えてあげればすぐに上達しそうですね。ついでに手取り足取り色々教えてコミュを築く切っ掛けに」
『神、こやつを焼き払っていいか?』
「紅、落ち着け。俺が殺る。」
「!?」
この後、悠はこんがり美味しく焼き上げられたとか…。
☆
総評:二
昴:個人評価…二
多分お前の事だ。水から具材と一緒に麺を放り込んだんだろ。…具材が煮えてから麺を入れような。
パステルくん:個人評価…二
伸びちゃって美味しくない…。でも、毒物とかよりマシ。
にゃぐわ:個人評価…二
吐き戻さなかったけど、美味しくないニャ。三分なら三分きっかり茹でようニャ…。
ジョーカー:個人評価…二
もしかして、だが、煮込みラーメンにしようと考えていたりしなかったか? …煮込みラーメンは煮込みラーメン用の麺を使ってくれ…。
悠:個人評価…二
美味しくなかったが、前回のりせより十分マトモだ。今度俺が手取り足取り教え
※文字はそこで途切れており、用紙に赤い液体が…。
- 実食 風雅 ( No.18 )
- 日時: 2014/08/31 21:59
- 名前: 奏月 昴 (ID: WpxyeKoh)
「それじゃ、テキトーに治しとくクマー。」
「おー、頼んだー。」
悠の治療をクマに任せ、昴達はしばらく待つ。
「次誰だっけ?」
「何か忘れがちだな…。確か次はえっと…。」
「風雅さんです。」
ジョーカーと共に次の人物を考えていた昴だが、アイギスの放ったこの発言で固まった。
同時に、パステルくんとにゃぐわも固まる。
「風雅さんです。」
「二度も言わんでいい!」
「聞こえていないかと思って…。」
アイギスが二回も同じ事を言うので、昴はちょっと強めに言った。彼女はそれにしゅんと項垂れてしまう。
「…風雅か…。」
「前回のアイツがまたくるの!?」
「にゃぐー!」
『落ち着かんか。前回のは恐らくもう来たろう。…鏡の命を犠牲にして。』
「いや、鏡まだ死んでないから。」
『勝手に我の相棒を殺さんでもらおうか。』
黒の説得に、思わずツッコミを入れてしまう昴と、目が笑っていない紅。
『冗談だ。』
「冗談に聞こえなかったんだけど…。」
風雅が溜息混じりに、部屋に入ってきながら言った。彼が部屋に来たと同時に、昴とパステルくん、にゃぐわの顔色が変わる。
「…うん、僕も気持ちはわかるけど、その顔をされると悲しい。」
「わ、悪い…。だってお前前科あるし…。」
「犯罪者みたいに言わないでよー!」
別に罪を犯した訳ではないが、そう、風雅には前回猛毒に当たって全員死にかけたという過去があるのだ。これは早々簡単に癒える訳がない。
「…まぁ、何にせよ取ってこないと始まらないから取ってくるよ…。」
昴は立ち上がり、エレベーター前に向かった。
「…。」
『…。』
全員、何も喋らない。沈黙が痛い。
『あ、あの…風雅君はこの人の料理だったらいいなーって、あるかな?』
この沈黙に耐えかねたのか、風花が風雅に話しかける。
「そうですね…。僕、鈴花の料理がいいです。あるいは理乃先輩の料理。」
「残念、理乃は恐らく出た。」
話をしているうちに、昴が戻ってきた。
「…。」
お盆をテーブルの中心に置くが、えぐられた傷は大きかったのか、誰も開けようとしない。
「…昴さん、早く開けてよ。」
「やだよ。お前が開けろよ風雅。」
「…ボクもちょっと開けたくない。」
「開けた瞬間にゲテモノは見たくない。」
「にゃぐ…。」
どうやら全員開けたがらないようだ。…傷はそれほどまでに深かったのだろう。
「…埒が明かないので、開けますね。」
痺れを切らしたアイギスが、蓋に手をかけた。
「あ、ちょっと待てアイギ」
「そぉい!」
「聞けよ! あと吹っ飛ばすな!」
開けた勢いで吹っ飛ぶ蓋。その蓋を見てツッコミを入れる昴。
とにもかくにも蓋は開けられた。開けられてしまった。
「…?」
開けられた蓋の中身は…冷やし中華のようだ。しかし一般的に載せられているようなきゅうりやハムは無く、代わりにもやしとひき肉とエノキのそぼろ、だろうか。
その美味しそうなそぼろの上に大葉がどっさりと乗っている。
「…。」
それを見て思い起こされるのは、一週間前の事。
—冷やし中華で研究中のレシピがあるんだ!
そう言っていた少女の笑顔が思い起こされる。まさか、これは…。
「う、動かすぞ!」
昴は動揺しながら、アワーグラスβを使う。
豆板醤の匂いだろうか、つんとした辛そうな香りが食欲をそそる。
「…ねぇ、ボクは今奇跡を見てるの…!?」
「にゃ、にゃぐー!!」
『間違いない。この料理は彼女のだと言っている。』
「く、食おうぜ。とにかく。」
にゃぐわの飼い主である花が大好きな少女の作ったものだとしたら、これは絶対に…。
「うめえぇぇっ! え、嘘だろおい!?」
「ゆ、夢ではないよな…? あの不幸体質の風雅でこんなに美味いものが食えるとは…。」
「何で!? 何で風雅で君の料理が来るの!? 天変地異の前触れ!?」
『これ今日槍でも振るのではないか? あるいは魚とかでも振ってくるのでは?』
『どこかで地面でも割れていたりしてな。』
「みんなして酷くない!?」
美味しい料理に舌鼓を打つも、風雅の時点でこの料理が来た事に何か起こる前触れを感じていた。
☆
総評:五
昴:個人評価…五
風雅が一緒の時点でお前の料理が食えると思わなかった。味は申し分無しの満点だ。これからも美味い料理を頼む。
パステルくん:個人評価…五
風雅が来た時には「あ、終わったなこれ。」って思ったけど、君のが来てびっくりした…。これからも料理上手なメンバーで競い合っていいご飯を作って、完二のいいお嫁さんになってね!
にゃぐわ:個人評価…五
風雅が来た時に全てを諦めたけど、諦めなくてもよかったニャ。すんごくおいしかったニャ! 結婚したら毎日これが食べられる完二がうらやましいニャ。
ジョーカー:個人評価…五
上記の三人、諦めるの早すぎだろう…。いや、我も諦めていたが。料理は申し分ない。今度このレシピを教えてほしいくらいだ。
風雅:個人評価…五
みんなして酷いよ! 確かに僕、凪とは違って基本ツイてないけど! あ、味は凄く美味しかったよ! 君との調理実習、また楽しみにしてるね。
- 実食 悠&風雅編 後書き ( No.19 )
- 日時: 2014/08/31 22:09
- 名前: 奏月 昴 (ID: WpxyeKoh)
後書き de 雑談
私
—まさかの大番狂わせ
悠
「よっしゃあぁぁっ!!」
風雅
「い、生き残ったよ! 僕、生き残ったよおぉぉぉっ!!」
昴
「何でお前等後書き部屋にいるんだよ!?」
※慌ててノートを閉じる。
風花
「な、何だかとっても嬉しかったみたいですね…。」
鏡
「この二人は前回地獄を見たからね…。烈も評価一に当たったけど、雪姉の味無しスープだったからまだ救われた方だよ…。」
昴
「と、とにかく二人は出て行ってくれ!」
※いそいそと風雅と悠を追い出す。
悠&風雅
「はーい…。」
※出て行く。
私
—…台詞遮られたけど、大番狂わせがここで起こったのよね。
昴
「前回クソ不味い料理に当たった二人が、まさかのランクアップだからな。風雅なんて地獄から天国だぞ。」
私
—たまには風雅君にもツキを回してあげようかと。でもまぁ、何だかみんな天変地異の前触れだとか思っていたみたいだけど。
風花
「特に何も起こっていませんが…。」
昴
「そう思っちまうのも無理ないんだって…。」
風花
「…なんか、わかる気がしました。」
昴
「だろ…? さてと、この辺にしておくか?」
私
—そうね。それじゃ、また次回!
風花
「また、見てくださいね。」