二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 結果発表! ( No.180 )
- 日時: 2014/11/16 19:54
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mb1uU3CQ)
『…と、言う訳で、神達があの状態なので、進めておいてほしい。構わないか? 烈。』
「待たなくていいのか…って、起きる保証もねぇか…。」
ひとまず区切りがついた紅は、男子が待機している部屋に戻り、烈にそう言った。
「わかった。とりあえず、評価別に呼ぶって事でよかったんだよな?」
『うむ。だが、見事に評価は二分されてしまったから、上位二名から呼ぼうと思う。…五番と七番か。凪、結果を渡してやれ。烈、すまないがクマは今手が離せん。お前が渡してやってくれ。』
「りょーかーい。」
「ああ、わかった。」
紅から渡された紙を持ち、凪と烈は先程食事をしていた部屋に戻った…。
★
『五番と七番、二人して二階に上がってこい。』
「うわっ、びっくりした…。」
備え付けられたスピーカーから烈の声が聞こえ、女子は全員驚いた。
「もう、審査結果が出たのでしょうか。」
「でも、何故烈が…あぁ。」
何故烈が連絡してきたのか、それがわからなかった氷海は一瞬首を傾げたが、すぐに何故か納得した。
「とにかく、五番と七番は上に向かった方が良さそうね。…昴さんの容態は気になるところだけど。」
雪花の言葉に全員頷く。進行を烈に任せるとは、余程の事があったのだろうと全員が感じていた。
- 結果発表! 評価五・三 ( No.181 )
- 日時: 2014/11/16 19:57
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mb1uU3CQ)
今か今かと待ち構える烈と凪、それから鴉達。
「凪、やっぱお前が食ったのって…。」
「多分ねー。でも、僕としてはクマが食べた人の料理がよかったなー。だってー、愛する人の手料理って、男の夢でしょー? そう思うよねー、直斗ー。」
ドアの方で、ガタンッ! と盛大な音がした。
何事かと思い、烈が戸を開けると、そこには尻を強打したのか、直斗が涙ながらに尻を撫で、鈴花に心配されていた。
が、直斗は顔が赤く、鈴花は口許が笑っている。
「(やばい、いい事聞いた♪)直斗君、大丈夫?」
「(うぅ…! 凪君の馬鹿っ…!)だ、大丈夫です。少し、動揺してしまって…。」
「大丈夫か? ほら、椅子とか用意してあるから、とりあえず部屋に入れ。立てるか?」
「平気です。」
烈の手を借り、直斗は立ち上がる。そして、鈴花と一緒に部屋に入った。
『すまんな、神は今立て込んでいて、審査を発表するどころではないから、烈に代役を頼んだ。』
「ある意味予測はついてたよ…。最後の料理、あの馬鹿だったもん。」
『う、うむ、そうだったのか…。烈、凪。結果を二人に。』
紅の指示で、烈は直斗に、凪は鈴花に審査結果を手渡した。
「はい、鈴花ー。美味しかったよー。」
「あ、最高評価だ! やったー!」
「でも、ポタージュって普通塩っ気ある飲み物だよねー?」
「そうだけど…昴さん、仕事帰りだったでしょ? だから、わざと甘くしたの。もうポタージュじゃなくて栗のスープみたいになっちゃったけど…。」
「美味しかったからオッケーだよー。きっと昴さんもそう言うと思うー。」
ある意味癒し系の凪と鈴花が話をする横で、直斗は評価が書かれた紙を見ていた。
「三…ですか…。」
「気を落とさなくていいぞ、直斗。正直、お前と鈴花だけだ。美味しいって評価されたのは。」
「他はどんな料理だったんですか…? って、あれ? 烈君、これ、クマ君の名前が書かれていますが…。」
「ああ、実際に食べたのはクマだ。んで、俺は代役。クマは…あっち。」
烈が指差したのは、奥の部屋。戸で締め切られており、中の様子は見えない。だが…。
「セ、センセイ! スーチャンの呼吸が止まったクマアァァッ!」
「落ち着け! まだ心臓の音が鳴ってる! 諦めるな! クマ!」
「先生! パステルくんの様子がおかしいです!」
「にゃぐわ君と風雅君も先程から意識が戻りません!」
「先生! 薬の材料となる薬草が足りませんっ!」
「諦めるな! 悠君とクマ君はそのまま回復と解毒を! 薬は鈴花ちゃんが恐らくもうすぐ来る。それまでの辛抱だ! 全員、何がなんでも助け出すぞ!」
『イエッサー!』
その会話だけで、中で何が起こっているか、十分伝わった。
「…と、言う訳だ。最後の料理で昴さん達は毒のバステ食らって倒れたから、クマと悠先輩で治療して…それでもダメだったから、心配してきてくれた氷海の親父さんと氷海のお袋さんの手料理で地獄を見た先生方が集まって結成された食あたり専門のチームが頑張ってる。鈴花、聞いた通りだから、行ってやれ。」
「わ、わかった…。」
鈴花は引きった笑いを浮かべながら、奥の部屋に消えていった。
「さて、直斗はここに残ってもらって…次は、評価二の集まりだな。…昴さん達、早いとこ戻ってくるといいけど…。」
「まず無理でしょう。」
烈の言葉を、直斗がばっさりと切り捨てる。それに烈は「だよなぁ…。」と同意した。
「…取り合えず、次呼ぶか。黒、完二と鏡と陽介先輩呼んでくれ。俺も一番と三番と六番、呼んじまうから。」
『後でお前の代金で熱か』
「紅、行ってくれ。」
『わかった。』
要求をした黒を一撃で沈めてから、烈は紅に依頼し、紅は翼を広げ、飛んでいった。
「さてと。次は一番と三番と六番! 上に上がってきてくれ!」
テーブルに備えられたマイクに向かって話しかける烈。そして、直斗と凪に向き直った。
「この三人は救いのある不味さだから、ちょっとアドバイスしてやりゃ伸びそうだな。」
「…ですね。」
そんなこんなで、次なる人物を待つ事にした。
- 結果発表! 評価二 ( No.182 )
- 日時: 2014/11/16 20:04
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mb1uU3CQ)
次にやって来たのは、氷海、雪花、千枝の三人だった。
「…うん、やっぱりなって思う奴等ばかりだな。完二は氷海に、鏡は雪花に。陽介先輩は、千枝先輩に渡してく」
「えっ!?」
烈の言葉を遮り、千枝は声をあげる。
「は、花村があたしの料理食べたの?」
「おう、塩っ辛い料理だったぞ。」
そう言いながら、陽介は千枝に採点用紙を渡す。
それを見た千枝は顔を赤くした。
「二…。うわ…やっちゃってた…。」
「何であんな塩たっぷり入れたんだよ。いくら塩味でも、ありゃちょっと…。」
「えっと、実は…鈴花ちゃんの料理を見て、あたしも真似しようとしたんだ。甘い物って言ったら、お砂糖だから、それを入れたつもりなんだけど…。」
「それを塩と間違えたってか。…けど、まぁ…この間のオムライスよりは美味かったな。」
陽介は千枝に笑顔を見せた。その表情に、千枝の顔が更に赤くなったのは、言うまでもない。
「となると…完二が、私の料理を?」
「おう。材料がゴツゴツなのはちと気になったが、きちんとレシピ通り作れてるじゃねぇか。パステルくんも嬉しそうに食ってたぞ?」
「パステルくんも…!?」
「評価にも書かれてるが、練習すりゃ上手くなるって。誰でも最初から上手い奴はいねーよ。料理も、裁縫もな。そだ、今度、オレが手伝い当番の時に神殿に来るか? ちっとだったら、オレが教えてやるよ。」
「…! あ、ありがとう、完二…!」
氷海のお礼に、完二はニッと笑って「気にすんな。」と言った。
そんな二人の横では、雪花が鏡から評価が書かれた紙を貰う。
「二…。こんなんじゃ、まだまだ昴さんの役には立てないわね…。」
「でも、すーさん、ちょっと嬉しそうだったよ?」
「えっ?」
「すーさん、雪花の料理を食べて、ちょっと鍛えれば、任せられるようになるかなって思ってたんじゃないかな? オレはそう思うよ? それに、雪花はいつも頑張ってるじゃん! オレもすーさんも、雪花が夜中に料理の練習をしてるの、知ってるよ!」
「い、いつ見たの!? こっそりやっていたのに…。」
雪花は隠れて練習していた事がばれていた事を知り、顔を赤らめて俯いてしまった。
「そりゃ、翌朝見慣れない生ゴミが捨ててあれば、必然的に分かるっつーの。」
奥の部屋から昴達が出てくる。が、顔を真っ青にしてフラフラで、今にも倒れそうで危なっかしい。
「すーさん!」
「お父様、昴さん達は…!」
「…一応、解毒には成功して、一命をとりとめたよ。…いや、正直危なかったけどね。…家内より危ない毒物に出会うとは思っても見なかった…。」
「…お母様以上に危ない料理だったのですね…。」
氷海父子は、引きつった笑みしか浮かべられなかった。
「と、とにかく、昴さんも復活したし…進行、任せていいか?」
「ああ。悪いな、烈。どこまで呼んだ?」
「後は…地獄を見せた奴等だけ。」
烈がそう言って、評価が書かれた用紙を昴に渡す。
昴達はすぐに最後の人物の評価を書き上げ、乱暴に机へと置いた。
「パステルくん、評価にない零を入れたのは、今は不問にする。むしろよくやってくれた。」
「ぼにゅっ。」
「さぁ、残りの奴等を呼んじまおうか。…残り三人、上に来い。」
烈が、悠が、風雅が、笑顔を消して今か今かと待ち続けていた。
- 結果発表! 評価一 ( No.183 )
- 日時: 2014/11/16 20:15
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mb1uU3CQ)
残りの雪子、りせ、牡丹の前には、怖い顔を浮かべた烈、悠、風雅が無言で紙を差し出した。
「えっ、一!?」
「ウッソ…。頑張ったのに…。」
「私も頑張ったのですが…。」
自分の思っていたよりも評価が悪く、愕然とする三人に、男子三人は追い討ちをかける。
「雪子先輩、どうやったら味のない料理が作れんだよ。」
「味がなかったの?」
「あの後、塩とかかけてみたけど、それでも味が行方知れずって何だよ。逆にそんな料理を出せるアンタを尊敬するよ。」
「あ、誉められた。」
「誉めてねーよっ!」
嬉しそうな雪子と怒鳴り付ける烈の横で、りせは悠に食って掛かっていた。
「センパイ、酷い! 鈍痛がするって…。」
「鈍痛どころじゃない。死にかけた。花畑が見えたぞ…。」
「うぅ、またセンパイにわかってもらえなかった…。大人の味にしたのに…。」
「辛い味付けが大人の味じゃないぞ、りせ。」
そんな二人の横では、風雅が黙って牡丹を見ていた。
「…何か、言ってくださらないかしら? 風雅。」
「…よくあんな猛毒を料理として出せたね。僕も昴さんもパステルくんもにゃぐわも、さっきまで死にかけてたよ?」
「私は普通にレシピ通り作ったまでですわ! ただ、ちょっと刺激が足りなかったので、痺れ粉とかを入れましたが…。」
「何さらっと食材として入れちゃいけないものを言ってるの? 食材じゃないものを入れないでくれる?」
完全に怒りのボルテージが上がっている三人。それに対し、女子も食って掛かる。
「味がないのは烈君の味覚が変だからじゃないかな?」
「昴さんやパステルくん、にゃぐわも同意見だったけど?」
「センパイにはまだ大人の味が早かっただけじゃん!」
「大人な昴さんでも気絶する辛さの料理を出しておいてよく言えるな。」
「毒性のあるものは入れておりませんわ。なら、食材でないものを入れても問題はないはずですわよね?」
「毒性の無いものでも、組み合わせ次第では毒になるんだよ。植物使いだよね? 牡丹は。」
ぎゃんぎゃん騒ぐ六人。
- からの…? ( No.184 )
- 日時: 2014/11/16 20:24
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mb1uU3CQ)
「…。」
「…? パステルくん?」
そんな六人の内の三人を見つめてから、パステルくんはスパナを握った。
「…。」
そしてごそごそと氷海の鞄を漁り、中から取り出したのは…赤いボタンの箱形スイッチ。
箱部分には、モニターがついている。
「…おい、あのスイッチ、見覚えがあるんだが…。」
「ダンガンロンパの…あの、モノクマが叩くスイッチ、ッスよね…? 氷海ちゃん、アレは一体…。」
「わ、私もあんなもの、鞄にあったのを初めて知りました…。」
陽介の問いに、氷海は表情を引きつらせ、言った。
どうやら氷海も、あのスイッチの存在は知らなかったようだ。
「ぼにゅ。」
『えっ、我!?』
「ぼにゅ。」
『…わ、わかった。パステルくん、乗れ。』
何事かを話した紅は、パステルくんとスイッチを乗せ、六人の前まで羽ばたいた。
「ぼにゅ。」
『黙れ貴様ら。』
「!?」
不意に、恐ろしいまでの圧を感じ、全員ビクリと体を震わせ、紅を見た。
「ぱ、パステルくん…?」
「ぼにゅ。」
『よくもあんな毒物を出しておいて、そんな事が言えるな。一歩間違えば死者が出てもおかしくはないぞ。』
「で、でも…。」
まだ言い訳しようとするりせを、パステルくんはじっと見た。
…円らな瞳から放たれる殺気が怖い。可愛いのに、怖い。
「ぼにゅ☆」
『そんな言い訳をするようなら…お仕置きしちゃうぞ☆(うわぁ、恥ずかしい…。だが、そのまま訳せと言われたし…うむむ…。)』
紅が何かと葛藤している上で、パステルくんがスパナでスイッチを叩いた。
『アマギサン、クジカワサン、ボタンサンガ“クロ”ニキマリマシタ。オシオキヲカイシシマス。』
モニター上に、その文が映ると同時に、女子三人のいる床の穴が開いた。
『!?』
これには全員ビックリだ。
「え、あ、穴!? い、いつの間に!?」
「ぼにゅ。」
『神に断りなく、部屋を魔改造させてもらったそうだ。』
「ぼにゅぼにゅ。」
『え、追え!? わ、わかった…。神、行ってくる。』
紅はパステルくんに自分に捕まるように言ってから、穴の中へと入っていった。
「い、一体何が始まるんだろうな…。」
「知らん。が、見ない方がいい代物なのは確か。…それでも、見るか?」
全員、昴の問いに首を横に振った…。
- O・SHI・O・KI・DEATH☆ ( No.185 )
- 日時: 2014/11/16 20:36
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mb1uU3CQ)
暗く、狭く、長い廊下のような場所に落とされた女子三人は、痛む尻を撫でながら立ち上がった。
「う、いたた…。ここ、どこ…?」
「わかんない。廊下みたいだけど…。」
「暗いですわね…。あら?」
辺りを見回す牡丹の耳に、音が届けられる。
その音は段々大きくなり、こちらに近づいてくる。
「牡丹ちゃん、どうしたの?」
「音がしますわ。…この音は…って、近付いてきますわ!」
「な、何が起こってるの!?」
「わかりません。ですがここは…逃げた方がよろしいですわ!」
そう言って二人の手を引き、牡丹は走り出す。
訳がわからないままの二人は、牡丹に引かれるがまま走り出した。その際、ちらりと後ろを見る。
「ぼにゅ〜っ!」
『ぱ、パステルくん!? これはやりすぎでは…!?』
紅に乗ったままのパステルくんが、看板を持ちながら嬉しそうに小躍りする。看板には、
『食材への贖罪の時間。〜天城雪子、久慈川りせ、牡丹へのオシオキ〜』
と書かれていた。
「わ、私達へのお仕置き!?」
「食材って…うわあぁぁっ!」
パステルくん達の後ろを見たりせが、更に声をあげた。
「どうしたの? りせちゃん!」
「う、後ろ! 後ろから野菜が転がって来るの〜っ!」
どう言う事かわからず、雪子は走りながらちらりと後ろを見る。牡丹もちらりと後ろを見た。
「って、えぇぇぇっ!?」
後ろを見た二人は、同時に驚く。
栗は勿論の事、玉葱、ジャガイモ、茄子…様々な野菜が、転がってきていた。
…あり得ないくらい、巨大なサイズで。立ち止まったら潰されそうなくらいの、巨大なサイズで。さながら岩のように転がってくる。
「あれは逃げないとまずいですわ!」
「いやあぁぁぁっ!」
悲鳴をあげ、泣きながら逃げ回る三人。
「…! ドアですわ!」
しばらく逃げ続けていると、三人の目の前に、ドアが見えた。
「あの中に入れば、凌げるかも知れませんわ!」
「た、助かったー!」
「うん、鍵は開いてるみたい! 入ろ!?」
見つけたドアを潜り、三人は中に入った。
■
部屋の中で、三人はひとまず息を整える事に専念する。
「はぁ、はぁ…! し、死ぬかと思った…!」
「流石に私も、死を覚悟しましたわ…!」
「パステルくん、酷いよ…。ここまで、走らせるなんて…ふぅ…。」
「ぼにゅ?」
『酷い? ボクが?(十分酷いわっ!)』
声が聞こえ、三人はその方向に注目する。
パッ、とスポットライトが照らされ、三つの椅子と、パステルくんを乗せたままの紅が照らし出された。
紅は心なしか震えている。無理もないだろうが。
「ぼにゅっ。」
『食材を冒涜し、ゲテモノを作った罰だ。』
と、紅が言うと、急に椅子が動きだし、三人を拘束させ、強制的に座らせた。
「きゃっ! な、何これ!」
「動けませんわ…!」
拘束を解こうともがく三人。
そんな彼女らの前に、器が出された。
「こ、これ、私の作った料理…?」
そう、それは、先程自分達が作り、食べさせたもの。何故ここにあるのか、三人は答えが見えなくて首を傾げる。
「ぼにゅっ。」
『自分達が作った料理は、残さず自分達で処理しろ。そんなわけで…。』
「へ? ちょ、わぁっ!」
椅子からアームのようなものが伸び、三人の口を強制的に抉じ開けさせる。
「ぼにゅ☆」
『自分達が作った物だし、食べられるでしょ☆(え、ちょっと待て。まさか…。)』
パステルくんがスパナを振り上げると、ゲテモノは一気に三人の口に流された。
これには流石に声にならない声をあげる三人。そして口は閉じられ、今度はその口を塞がれた。
「ぼにゅっ☆」
「飲み終わるまで開けさせないよ☆(やっちまったあぁぁぁっ! しかもこれはお仕置きと言うより拷問だ! …あぁ、今日の晩酌の酒の肴はなんだろうか…。)」
紅は見ていられなかったのか、その光景から目を背けようと首を向け、早く目の前の光景を忘れようと現実逃避を開始した。
☆
一方、悲鳴のみ聞こえてくる状況の昴達も、ガタガタと震えていた。
様子はわからないが、わからないからこそ、悲鳴が怖い。恐怖心を与えるのには十分すぎた。
これを直で見ている紅と、地獄を味わわされている雪子、りせ、牡丹はトラウマものだろう。
「…お前ら。」
そんな中、昴が声をかける。
すっ、と顔をあげた彼女の表情は、どこか穏やかだ。
「パステルくんに逆らうの、やめような?」
昴の言葉に、全員が頷いた。
その表情は、みんな、どこか穏やかだったと言う…。
- 幕引き ( No.186 )
- 日時: 2014/11/16 20:41
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mb1uU3CQ)
—これが、第一回目の全貌、だよ。
「」
全てを見た三人は、ただただ絶句するのみ。
「く…くんさん様、喋れなくても怖かったんだね…。」
「あの恐怖は…喋れるようになってから、更に強化された気がします。」
「紅のトラウマも納得…。」
—と言う事があって、昴達は二回目を嫌がったんだけど…ダメだった。
二回、三回、そして思わぬ招待で四回目が今、始まろうとしていた。
「あ、そろそろ始まるみたいですよ?」
現実逃避にテレビを見た風花は、そろそろ始まりそうな雰囲気を醸し出している様子を見て、場所をテレビの前に移った。
—…さて、今回はどうなる事やら。私はしばらく、見ている事にしようかな。
昴達にとって通算四回目となる料理対決。
その結果は、創造者さえも知らない…。
終わり
■
プチ幕間入りの過去回想、いかがでしたか?
感想あればどうぞ。