二次創作小説(映像)※倉庫ログ

戦いをもう一度 その一 ( No.203 )
日時: 2014/11/23 22:31
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: iTHoKTwe)

秋も深まり、聖域の紅葉も見頃になった頃。つぎドカ!メンバーやペルソナメンバー、司組やジョーカー一味が挙って紅葉狩りに来ていた。

「いやー、聖域もすっかり色付いたな。」
「気温も下がってきたね。もうコート着ないと寒い…。」

聖域の高台に生える長老樹で、理乃と由梨の作ったお弁当を片手に、烈と風雅はのんびりと談笑していた。二人とも、もう冬の装いだ。

「ホントだよな。寒すぎてかなわねぇよまったく。」
「由梨先輩、厚着しすぎじゃね?」

ヒートテック三枚重ねにジャケットにコートと言った装いをしている由梨に、烈は思わず突っ込んだ。

「アタシみたいな氷属性が弱点な奴は寒さが苦手なんだよ。ほら、鈴花と牡丹だってかなり厚着じゃねぇかよ。」
「もう恒例行事だよね。鈴花の厚着。」
「寒いの苦手だから仕方ないとはいえ、厚すぎね?」
「…氷属性が弱点じゃない炎属性のお前が羨ましすぎるぞこんちくしょう。」

ジロリと烈を睨み付ける由梨。本当に羨ましいんだろうな…。

「まぁまぁ、お二人とも。仲良くお弁当を食べましょう。ねっ?」

そんな二人を見て、理乃が間に入ってそう言う。そんな彼女に観念したのか、三人はブルーシートの敷かれた場所に向かう。

「…あ、そうだ…。」

ふと、鏡が何かを思い出したかのように、由梨に向き直った。

「由梨姉、あのね、由梨姉に食べてほしいものがあるの。」
「アタシに? 何だ?」
「…これ。」

そう言って鏡が差し出したのは、椀に盛られた…親子丼。

「あの後…三回目の料理対決の後ね、りー姉にアドバイス貰いながら、作ったの。」
「由梨、食べてあげて。鏡さん、凄く頑張ってたの。その気持ちは無下にしないであげて。」
「…。」

鏡と理乃の真剣な眼差しに負けた由梨は、鏡の手から椀を引ったくり、食べ始めた。

「…ごちそうさん。…醤油の味が少し強い。卵混ぜすぎ。肉煮すぎ。」
「うぅ…やっぱり…。」

暫く食べて、カチャン、と椀を置きながら、一気に言い放つ。
それに鏡はがっくりと項垂れ、落ち込んだ。

「…素直じゃないわね、ホント。」
「え?」

椀をちらりと見てから、クスリと笑う理乃に、鏡は頭をあげて首を傾げた。
葉月も何かに気付いたのか、椀を見る。

「あー…。鏡君、大丈夫だよ。由梨、ちゃんと美味しいって言ってる。」
「え?」
「お椀の中を見て下さい。」

理乃にそう言われて、鏡はお椀を見た。
中は、ない。米粒一つ残さず、完食されていた。

「由梨はね、不味いと残して七海に食べさせるの。無理矢理。でも、完食したって事は…美味しかったって事だよ。」
「由梨姉…!」
「…勘違いするなよ? 今のお前なら、評価三はあげられるってだけだ。」

ぶっきらぼうに言う由梨。だが、鏡は評価を一つあげられた事だけで、嬉しかった。

「わーい! ありがと! 由梨姉! オレ、もっともっと頑張るー!」
「ちょ、おまっ、飛び付くな!」

感極まって由梨に飛び付く鏡と、暴言を吐きながらも顔を真っ赤にして嬉しそうな由梨を見て、一同は微笑ましく感じていた。

戦いをもう一度 その二 ( No.204 )
日時: 2014/11/23 22:29
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: .bb/xHHq)

「…あたしも、いつか評価三、貰えるかな…。」

そんな二人を見てポツリと呟いたのは、千枝だった。

「里中さんの腕はもう三を貰ってもおかしくありませんよ?」
「え、ホント? 理乃ちゃん。」
「はい。里中さんはメキメキと上達しています。特にお肉を使った調理法の成長は私も驚いています。相手への配慮を忘れなければ、評価四を狙える程です。」

理乃にそう言われて、千枝は表情を輝かせた。
最高ランクの家事・調理スキルを持つ同室の彼女に言われて、嬉しかったのだ。
そんな二人の様子を見て、氷海の心に、ある思いが芽生えた。

「…ねぇ、今、失礼な事を思ったんだけど…。」
「どうした? 氷海。」
「…また、やりたいって思ったの。その…“料理対決”を。」

料理対決、その言葉を聞いた大半のメンバーは固まった。だが、

「じゃあ、またやろうよ!」
「今度は味のある料理で、一撃で仕留める。」
「私も今度は美味しい薬草で皆さんを元気にさせますわ!」
「私だってみんなを唸らせる逸品を」

—ゴチィンッ!

「久慈川さん、黙って下さい。」
「雪子、黙って。」
「牡丹、黙ってくれない?」
「七海、少し黙ってくれないかしら?」

乗り気なゲテモノ組が意気揚々と意気込みを語るので、りせを直斗が、雪子を千枝が、牡丹を鈴花が、七海を理乃が沈めた。

「何でよ! 発言するくらいいいじゃ」
「お前ら四人全員黙れ。」

背後から放たれた殺気のようなものに、理乃に反論しようとした七海が黙った。
そろーっと後ろを見た七海が見たものは、力を放つ準備万端なジョーカーとパステルくん。そんなジョーカーとパステルくんをどうしたらいいかわからなくてオロオロするにゃぐわ。そして、アップルパイを持って今にも七海を押し潰しそうなくらいの重圧を放つ昴だった。

「…氷海、聞かせろ。何でまた料理対決をしたいなんて言い出した?」

どうやら先程の氷海の呟きは聞いていたようだ。昴はパイを置きながら彼女に問いただす。

「…私、料理対決をしてからと言うものの、少しずつ、料理が上達している。そんな実感があるの。回数を重ねる度に、上達の実感があるの。」
「…言われてみれば、あたしもそうだな…。」

氷海の言葉に同意したのは、千枝だった。

「あたしさ、最初はゲテモノばっかだったじゃん? でも、料理対決して…自分の実力を知って、上手くなろうって思えるようになったんだ。」
「私も…初めて昴さんに料理を出した時よりも上手くなってるって、分かるわ…。」

千枝と同じく、雪花も賛同する。

「昴さん、私の我儘だと言う事も、死ぬ危険がある事もわかっています。…ですが、お願いします。もう一度、料理対決をしていただけないでしょうか?」
「あたしも、今の実力を知りたい。だから、料理対決をしたい。お願い、昴さん!」
「私も、千枝さんと同じように、今の自分の実力が知りたいんです。昴さん、ジョーカー、パステルくん、にゃぐわ…お願い! もう一度、料理対決の審査をして下さい!」
「…。」

固定審査員にほぼ決定にされている昴、パステルくん、にゃぐわ、ジョーカーは黙って真剣な眼差しを浮かべて自分達を見る氷海、千枝、雪花を見た。

「あ、あの…すーさん、オレも、やりたい。オレも、今の実力、知りたい。」
「僕もー。あれからジョーカーに教わって、どれくらいやれるか知りたーい。」
「私も…知りたい。もう、壁を壊さないようにするから…。お願い、昴さん…。」
「僕も、慌てないようにするから、やりたい。お願いしていい? 昴さん…。」

氷海達を後押しするかのように、鏡、凪、葉月、風雅が懇願する。
今発言した全員、料理は確かにうまくない。だが、自分の腕は自覚しており、改善の余地が大幅にある。…だからこそ、今、自分の実力が知りたいのだ。自分がどれくらいできて、どこまでできないのかを。

「いいじゃねぇかよ、やってやれよ、昴。」

突然、長老樹から声が聞こえ、昴は上を見上げた。
ガサッ、と言う音と数枚の葉っぱと共に、昴の前に誰かが落ちてきた。

「お前はこいつら…特にゲテモノ組の料理を食った事がないからそう他人事のように言えるんだよ、MZD。」
「まぁ、それは…否定しないけどよ。ゲテモノの恐ろしさは見てるからそれで勘弁してくれよ。」

先日あった異世界での料理対決の事を言っているのか、誰か—MZDは肩を竦めた。

戦いをもう一度 その三 ( No.205 )
日時: 2014/11/23 22:36
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: iTHoKTwe)

「…烈、セシル。」
「ん?」
「何でしょうか?」

溜息をついてから、昴は二人の名を呼んだ。…第二回で死にかけた二人の、名を。

「死にかけたお前ら二人に聞く。また、料理対決をやりたいと思うか?」

昴のこの問いかけに、烈とセシルは暫く考えた。

「んー…正直、嫌だ。けど、氷海や鏡がこんな真剣な眼差し浮かべて懇願してるし…まぁ、やってもいいんじゃないかなって思う。」
「烈さんに同意ですわ。こんな真剣な皆さんの思いを無下にするのは、失礼に当たります。」
「…瓦礫を食わされたローズと衛生的にアウトな物を食わされたフランシスはどう思ってる?」

二人の意見を聞いた後、昴はローズとフランシスに向き直り、聞いた。

「ボクもやってもいいかなって思うよ? だって、葉月は今、一生懸命頑張ろうとしてるもん。」
「あれはノーカウントだ。…風雅が真剣な顔をして頼み込んでるからな。無下に断るのはできん。」
「味のない料理を食わされたクマは?」

ローズに聞いた後、クマに向き直る。

「キョウもナギもフーガもヒーチャンもセッチャンもツキチャンも頑張ろうとしてるクマ! だから、クマ、応援したげたいクマ!」
「…。」

昴は静かに溜息をついた。

「わかったよ。やろう。いいな、パステルくん、にゃぐわ、ジョーカー。」
「うん! 氷海が成長しようとしてるのに、それを後押ししないのは失礼だしね!」
「我も構わない。鏡や凪や雪花の成長が楽しみだからな。」
「にゃぐー!」
『自分も構わない。風雅や千枝や葉月の成長の助けになるなら、と言っている。』

どうやら、固定審査員全員氷海達の熱意に負けたようで、観念したようだ。
その言葉を聞いた評価二のメンバーと反省組は、「やったー!」と手をあげて喜んでいた。意見を聞かれていない他の面々も、喜んでいる。どうやら氷海の気持ちを知り、同じように折れていたようだ。

「…ホントは氷海が頼んだ時からやろうとしていた癖に。」
「燃やすぞ馬鹿神。」

悪戯っ子のような笑みを浮かべ、昴の耳元で囁かれたMZDの言葉に、昴は顔を背けながら烈のスキルで出した焔をMZDの前に差し出した。

「素直じゃないこって。」
「…。」

MZDはまだニヤニヤと笑みを浮かべているので、昴は一発彼の頭に創世ノートを叩きつけた。

「…あれ? 何で俺には聞かれなかったんだろう。」

一回目でりせの料理に当たって死にかけた悠の呟きは、全員無視したとか…。

戦いをもう一度 その四 ( No.206 )
日時: 2014/11/27 16:37
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 9RGzBqtH)

「と、言う訳で、料理を決めます。」

神殿のリビング。今ここには、固定審査員の昴、パステルくん、にゃぐわ、ジョーカーと、評価五を貰った鈴花、理乃、由梨、リリィ、完二、クマと、救援係に任命されたMZDと、それを連れ戻しに来たついでに同じように救援係に任命された影がいた。

「今回は初の混合戦で行こうと思う。やりたいって言った奴等が男女それぞれいるからな。」
「成程、なるべく評価一をばらけさせて死ぬ確率を減らそうって魂胆か。」
「由梨、頼むからそれ言うな。」

事実、その気持ちはちょっとあった。言ってなかったが、昴にはその魂胆があった。

「…その籤は当日な。」
「当日? 前もって決めないの?」
「ああ。料理は全員作ってもらう。」
「えっ!?」

鈴花の問いかけに答えた昴の言葉に、全員が驚きを隠せなかった。

「残ったのは…ゲテモノなら七海に食わせて、他は氷海の親父さん達にご苦労様ですみたいな仕出し弁当的な意味合いで渡そうかと思ってさ。」
「氷海の親父さんに協力を仰ぐのは決定事項かよ。」
「だって死ぬかも知れねぇし。いや絶対死ぬし。だからさっき氷海に頼んどいた。…多分、来てくれんじゃねぇの?」
(どこまで用意周到なんだこの人…。)

防衛策を張りまくる昴に、全員何も言えなくなった。

「さて、料理の話に戻すな。」
「えっと…提案、ある。」

手をあげながら発言をしたのは、リリィだった。

「何だ? リリィ。」
「お弁当、でいいと思う。昴さんのお弁当発言で思い付いたの。みんな、毎日、お弁当、作るよね?」
「まぁ、葉月の分はアタシが作ってるけど…。」
「それは特殊な事例としてとらえようか、由梨。」

壁に穴を開けたり、まな板を破壊したりとされてはやっていられないのだろうか、由梨がそう付け加えるも、流された。

「鏡達もたまに自分でおにぎり握って持ってく時はあるな。」
「みんな、何らかの形で、お弁当、作る。あ、でも、フランシスやローズは…。」
「ローズはたまにお弁当を自分で作って持って出掛けてるよ? フランシスも、オトベアちゃん達からたまにお弁当持参で手伝いに来てくれるって聞いた事があるし、多分自分で作ってるんじゃないかな?」
「セシルも病院の手伝いに行く時とか、氷海が朝寝坊した時にお弁当を作ってくれる時があるから大丈夫!」
「じゃあ、弁当に決まりかな? さっきみたいに秋の紅葉を眺めながら、弁当つつきつつ審査か。何か風流だな。」

しみじみと語り始める昴。

「あの、しんみりしてるとこ悪いんだけど、一個アタシから提案していい? 提案っつーか、お願いに近いんだけど。」
「何だ? 由梨。」

由梨の発言を聞き、すぐに元に戻る昴。

「弁当の案は賛成。お願いってのは、スープジャー、使ってもいいかって事。ほら、もう寒いしさ、温かいのが欲しくなるだろうし。」
「あ、ならば私からも一つ。水筒を用意して温かい飲み物を入れたいのですが…。」

昴はその由梨と理乃の発言に、成程と頷いた。

「温かいスープか温かい飲み物。あるいは両方を用意するのもなかなかいいかもな。」
「あー、オレ、スープには自信あるけど、飲み物はちょっと自信ねッス…。」
「そういう人にはどっちか片方でいいかな。自信がある奴は両方。取り合えず暖かい飲み物を条件としてつけてみるか。最悪粉スープとか市販のティーパックを許可しといた方がいいな。一から無理に作らせると失敗するから。」

まだ料理に慣れてない人や自信のない人に無理に作らせるわけにはいかない。いやそれでも作る輩はいるだろうが。ええ、あのゲテモノ組。

「で、肝心の弁当の中身だが…我から一つ、お願いがある。」
「ジョーカー、何だ?」
「野菜を使った料理を食べたい。叶えられないだろうか。」
「あ、ボクもおにぎり食べたーい!」
「にゃぐー!」
『にゃぐわも魚を使った一品が食べたいようだ。神、こうしてはどうだろう。固定審査員である神達の食べたい物を絶対条件として入れ、それ以外に一品、入れる事。これでどうだろうか。』

にゃぐわの言葉を訳した紅が、昴にそう提案する。

「いいな、それ。俺も卵を使った料理食いたい。」
「これで中身も決まったね!」
「オベントー箱のサイズはどのくらいクマ?」
「一般的なこれでいいんじゃないか?」

そう言って昴が創世ノートの力で出したのは、両脇に留め具があり、仕切りが一枚入っているお弁当箱。やや大きめで、これならおかずとご飯がばっちり入りそうだ。
そしてスープジャーは一般的なサイズで、水筒は蓋がわりにコップがついたワンプッシュで開閉可能なタイプだ。

「…。」

全員、顔を見合わせる。これで、全て決まった。

「んじゃ、オレから当日、調理室を開けてもらうよう頼んどくよ。全員作るんだったらここ狭いだろうし。」
「悪いな。」
「気にしないでいいよ、昴。ボクも何だかんだで楽しみだし!」
「楽しみにするのはありがたいが、死ぬ確率がある事忘れんなよ?」

料理とルールが決定し、MZD達の協力を取り付けた昴は、頷いた。
そして、会議の場は解散となった。

戦いをもう一度 その五 ( No.207 )
日時: 2014/11/27 16:35
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 9RGzBqtH)

翌日…。

「メシウマメンバーでの協議の結果、お弁当に決まりました。誰が食うかの籤は当日引いてもらう。それと、今回は全員に弁当を作ってもらうからな。当日食う方になった奴の弁当は、氷海の親父さん達に食ってもらうから。あ、ゲテモノだったら残飯処理機の七海に食わせるから安心してくれ、氷海。」
「わかりました。それならば安心です。」
「ちょっとそれ酷くない!?」

そう、昴が協議の結果を発表すると、全員頷いた。

「絶対条件として…今から配る弁当箱を使う事。同じく今から配る水筒かスープジャーを使う事。俺達固定審査員の望む、卵料理、魚料理、野菜料理、おにぎりを必ず入れ、一品、自分で考えた料理を入れる事。そして…同じお弁当を六つ作る事。俺達固定審査員と籤で選出した奴な。最後の一個は自分で食べる事。俺達審査員に出す前に自分でいっ・か・い・食・え! わかったか特にそこのゲテモノ組四人!」

最後を強調させつつ、ゲテモノ組を見る昴。いや、多分聞いてない気がするし、内二人の舌は…これ以上言うのはやめておこう。

「あ、あの、昴さん、流石にスープは自信が…。」
「安心しろ。スープか飲み物かどっちか片方でもいいし、既製品のティーパックやお湯を入れるだけで作れる粉スープでもいい。温かい飲み物を用意するのは絶対条件として守れ。あと、スープジャーに入れた卵スープや野菜スープを固定審査員が望む代物とは別にする。いや別に使ってもいいけど、お弁当箱の中身に、卵料理や野菜料理を入れる事。それと、審査会場はここだが、作るのはお前達が通う学校の調理しつだ。MZDの協力も得た。リリィ達や鏡達もそこで作れ。そして神殿まで来て籤を引いて、審査開始だ。」

まとめると、

1.昴が出したお弁当箱を使用する事
2.昴が出したスープジャーか水筒に温かい飲み物を入れて使用する事(両方でも可。また、既製品やお湯を入れるだけで完成する物でも可)
3.お弁当の中身は固定審査員の望む卵料理、魚料理、野菜料理、おにぎりを絶対条件として入れ、残る一品自分の好きな物を作って入れる事
4.同じお弁当を六つ作る事。内一つは自分で必ず食べる事
5.BEMANI学園の調理室で作り、神殿まで運ぶ事

である。条件は厳しいが、メシウマ組や普通に料理ができるメンバーは簡単だろう。少し難しくても、周りのメンバーに聞けば、簡単に教えたりしてくれるだろう。聞き入れる気があれば、だが。

「そして、俺達を氷海の親父さん達の世話になるような料理を作った癖に反省しないような馬鹿は、例外なくくんさん様モードのパステルくんとMZDのスキルをコンバートさせた俺と力を解放したジョーカーが容赦なく殲滅するから覚えとけ。」
「酷くない!?」

パステルくんのオシオキ経験者(反省組を除く)がぶーぶー文句を言うが…。

—ガァンッ! バァンッ!

「ちょっと、黙ろうか。」
「ハイ。」

パステルくんがスパナで、昴が拳で壁を叩いたので、これには全員黙った。

「期間はいつものように一週間開ける。家でやるのが難しい奴は放課後に調理室をMZDが開けといてやるって言ってたし、今回はリリィ達や鏡達の出入りを自由にするって許可も貰った。寮のおばちゃんにも許可を貰ったから、食堂の調理場を自由に使ってもいい。ただし、汚したら片付けるように。あくまでもお前らは使わせて貰ってる立場だ。」
「はい!」
「質問や疑問が出てきたら、固定審査員の誰かに聞け。…にゃぐわは…リリィか鴉達か司組が通訳してやってくれ。」
『我らもなるべく暇になるようにしておこう。』

様々な人達の協力を受け、第四回・料理対決が開かれようとしていた…。

戦いをもう一度 その六 ( No.208 )
日時: 2014/11/23 22:53
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: iTHoKTwe)

一週間後…。

「今回は作ってる音声が流れないから不安だな。」

神殿で溜息をつきながら待っている昴は、そうぼやいた。

「確かにちょっと不安ですが…皆さんの料理技術は向上しているので、心配する必要はないかと思いますよ。」
「うーん、確かにそうだけど…。」

救援に来た風花の言葉に、昴は微妙な顔を浮かべる。

「まぁ、きっと大丈夫であります。確信はありませんが、大丈夫であります!」
「ありがとな、アイギス。」

同じく救援に来たアイギスの励ましを受け、昴はそう答える。
そして、今か今かと待ち続ける。審査の時を。

「…ジョーカー、パステルくん、にゃぐわ。」

昴はくるっと振り向き、ジョーカー達を見た。

「一緒に、逝こうな。」
「うん! もっちろん!」
「一人には逝かせんよ。」
「にゃぐー!」
『我らは運命共同体だ! と言っている。もう死ぬの確定の件についてはツッコミはしないでおく。』

パステルくんの、ジョーカーの、にゃぐわの言葉を受け、昴は頷いた。
そんな時、呼び鈴が鳴る。

「おっ、来たみたいだな。はいよー。」

昴は一階に降り、玄関を開けた。

「おし、来たみたいだな。…って、直斗、どした?」

全員並んで立っているも、直斗だけが千枝に支えられており、心配した昴は声をかけた。彼女は足を痛めたのか、痛そうに押さえている。膝の方には擦り切れた跡があり、恐らく出血しているだろう。

「す、すみません、来る途中で転んでしまって…。」
「あー…。雪花、救急箱出してやれ。由梨、悪いが部屋まで運んでやれ。傷口の消毒したら…理乃、お前の力で治してやれ。」
「わかりました。」
「怪我の手当てが終わったら、MZDがグループ分けの籤が入った箱を用意してあるから、そこで籤引いて…更に二つに分けた後に順番を決める籤を別れた部屋に用意してあるから、それを引け。準備ができたら、一番目に試食する奴は上がってこい。」

昴にそう指示され、全員散っていった。
さぁ、地獄の時間が始まる…。





続く

戦いをもう一度 後書き ( No.209 )
日時: 2014/11/23 22:59
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: iTHoKTwe)

後書き de 雑談



—はい、始まりました料理対決第四回戦。


「」

風花
「あ、昴さんが絶句してる…。今回は、食べる人はおろか、作った人も不明ですから怖いですね…。」


—ちなみにくどいようだけど、今回も理音にダイスを降ってもらっているよ。ええ、ガチの運任せです。あと、±要素も今回から入れていくね。


「新要素の詳しい説明は次回になるのか。」


—そっ。まぁ、大体の説明は前にやった料理対決とテストネタを纏めたアレに書いたけどね。

風花
「今回はどうなるのでしょうか…。」


「ゲテモノ組の料理は出ませんように…。あとラストポイズンだけは勘弁して下さい。」


—さて、どうなる事やら。んじゃ、この辺りで、だね。あ、カラオケネタの希望は、今月いっぱい(11月30日)までにしますね。まぁ、もう出ないだろうけどな!


「何威張ってんだよ。それじゃ、またな。」

風花
「またお会いしましょうね。」







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