二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 実食 一番&二番 カキコ限定前書き ( No.222 )
- 日時: 2014/11/27 20:08
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 9RGzBqtH)
カキコ限定の前書き de ちょっとした雑談?
私
—りゅーとさんからの疑問点をここで回答するよ。りゅーとさんのところでやった料理対決(ドタバタすぎる日常3:チーム戦で料理対決!パート3参照)の八番を食べさせてみましたー。あ、純粋組には食べさせてないよ? 問題作だから。
昴
「詳しい事は、私が言った所まで飛んで見て下さいね。」
風花
「あ、最初から女子化してますね…。無理もありませんが…。」
□
では、以下評価。
昴:評価…零
ねぇ、私言ったよね? 変な事はしないでねって。何? あれ。あの映像。あの料理もそうだけど、あの映像は何なの? ふざけないで貰える? 冥府に送られたい?
パステルくん:評価…零
リフレクのネタを裸族の映像に使うなんて、元締めのボクに喧嘩売ってる? しかも純粋組二人のネタって何? あ、ヤンクルやオリーブ達も君にトドメさしたいって。
ジョーカー:評価…零
貴様、フランシスや我等に何を食わせている? リリィやローズのネタを使って何がしたい? 貴様は後で押しつぶす。
にゃぐわ:評価…零
悠、ふざけてんのかニャ? 流石の大飯食らいのオイラでもこれはパスニャ。ルカから貰ったマグロ、頭から振り下ろして構わないかニャ? リリィやローズに手を出したら頭かち割っていいかニャ?
烈:評価…零
お前、何食わせてんの? あの映像何? ねぇ、またお前を燃やしていい? あとクマ、リリィに変な事したら運命浄化で燃やすぞ? あ、ばーちゃんも黙ってねぇって。
風雅:評価…零
僕の同居人に何食べさせてんの? 僕だって怒る時は怒るよ? ねぇ、ふざけないで貰える? あの出来事でフランシス、ライスバーガー嫌いになったんだよ? お米見る度に嫌な思い出蘇るんだよ? ふざけないでくれる? ねぇ。
氷海:評価…零
ふざけないでいただけませんか? 先輩。何度粛清すれば気が済むのです? 何故貴方は第三回で評価四を取ったのにああなったの? 本気で粛清しても構わないですよね? しかもリフレクのネタを使わないでくれませんか? 未来の義妹(リリィの事)に近づいたら凍らせますよ?
鈴花:評価…零
ねぇ、料理なめてる? 何であんな衛生的にアウトなモノを昴さん達に食わせたの? あの映像、何? リリィちゃんやローズが見たらどうするの? 牡丹にやる以上の体術使っていいよね? センパイ、本気で沈んで。
紅(鏡の代わりに食わされた。代筆:昴):評価…零
我の家族に何食わせてる? 貴様、あの映像を神達に見せて何がしたい? あと、貴様は一生女性に近づくな。近づこうものなら焼くぞ?
凪:評価…零
あの映像には滅茶苦茶笑ったー。面白かったよー。でもー…ねぇ、昴さんに何食わせてんの? 味とかいう問題じゃなくて、衛生面でアウトだよねー? 悠さん、悪いんだけどー、そのキノコをちょんぎってー、ついでに体を掻っ捌いて剥製にしていいー?(黒凪降臨中)
雪花:評価…零
まぁ、こうなると心のどこかで思っていたわ。悠さん、悪いけど、説教部屋なら空いているから、きてもらっても構わないかしら? 何をするのかって? いいことに決まっているじゃない。
牡丹:評価…零
ごめんなさい、流石の私もこれには切れますわ。料理を馬鹿にしないで下さいませ。私の作ったラーメンの方がマシですわ!
陽介:評価…零
うん、ふざけんじゃねぇよ。お前、あのオシオキから全く懲りてねぇのな。属性宝石はたっぷり貰ってきたし、今度みんなで遊びに行くか。ああ、お前を冥府に送る旅にな。
千枝:評価…零
何回どーんすれば君は分かってくれるの? ねぇ、そろそろあたしも黙ってられないんだけど。一緒に作った奴もろとも靴跡の刑に処していい?
雪子:評価…零
うん、ゴメン、映像には笑ったけど、流石にこれはまずいと思うよ、鳴上君。みんな、殺気立ってるから素直にオシオキは受けた方がいいかも。
完二:評価…零
おい、ジョーカーやフランシス達に何食わせてんだ? センパイ、悪いッスけど、手加減は出来ねッス。
りせ:評価…零
うぅ、吐き気がする…。あんなもの食べさせるなんてセンパイ酷い! これなら完二の料理の方が数倍マシ! True storyで沈めてあげるから、覚悟してよね。
直斗:評価…零
ここで発砲できないのが残念ですよ。貴方にこの場で風穴を開けたいのに。
セシル:評価…零
気分が悪いですわ…。アレを食べさせられたフランシス達に同情を覚えます…。リリィにはしっかり、あいつに近づかないよう烈さんと共に教育させますわ。大丈夫。ちゃんと貴方を最低な方だと教えておきますわ。
フランシス:評価…零
アレのせいで俺は二度とライスバーガーを食べる事はないだろう。米を見るだけで虫唾が走る。リリィに近づいたらたたっ切るぞ貴様。
MZD(リリィの代わりに食べさせられた。):評価…零
悠、悪いけど、あの世行ってくれ。大丈夫。ダークオペラリミの格好で一思いにやるから。
影(ローズの代わりに食べさせられた。):評価…零
MZD、ボクも手伝う。あんな最低な物を食わせた報い、受けて?
風花(理乃の代わりに食べさせられた。):評価…零
鳴上君、私だって怒るよ? 私、料理はあまりうまくないけど、これはアウトだってわかる。皆さん、ボコスカチャンスの時は指示しますね。
由梨:評価…零
ふ ざ け ん な 。以上。
葉月:評価…零
料理を馬鹿にしてるの? 私だって美味い料理作れた事ないけど、ここまで衛生的にアウトな料理は作った事ないよ? 流石に私も怒っていいよね? あの映像も最悪。ウンディーネが宝珠越しに見ちゃって気絶したんだけど。ねぇ、どう責任とってくれるの?
七海:評価…零
味は結構美味しかったけどなー。うん、私好みの濃さだった。…でもさ、あの映像は何なのかな? 馬鹿な私でも理乃の危機は察知できたよ? 理乃に近づいたら空の彼方までぶっ飛ばしていいよね?
クマ:評価…一
センセイ、クマ、裸族は面白くて好きクマ。生まれた姿を曝せる事ができるのも好きクマ。でも、ジュネスのチューボーを預かる身としては、裸塩はエーセー的にアウトだからお勧めしないクマ。
はい、案の定零の連続。評価零の七海でさえも映像でアウト…。
それとクマも、バイト先で一時期鉄板の前に立たされた事があるので、衛生的にアウトなモノを作るとどうなるか知っているので裸塩はちょっと無理だそうな。あの映像は…うん、ノリでやっただろうけど。
が、勿論この人は…。
悠:評価…五
何でみんな分かってくれないんだ!? 俺や師匠達の体からほとばしる汗を結晶化させた天然塩だぞ!? 何の混じりけもない百パーセントの天然塩だ! そして師匠達の体で作った裸イスバーガーを何故分かってくれないんだ!? それに、女性に近づくなって無理だ! 俺は女子のコミュを狙っているからな! みんな、俺とコミュフラグを
※此処から先は途切れており、赤いものが転々と…。
お粗末さまでした。
えっと…とりあえず当たったら全員武器取り出しますね。クマは何もしないでしょうけど。
- 実食 一番&二番 前書き ( No.223 )
- 日時: 2014/11/27 20:14
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 9RGzBqtH)
採点方法
五段階評価を下す。内訳は以下の通り。
五、メニューに拘らず、遊び(アレンジ)を加えており、なおかつ美味しい。
四、メニューに依りすぎな所はあるが、程よく遊びを加えており、美味しい。
三、メニュー通りの品。遊びなどはないが、メニュー通りなので普通に美味しい。
二、メニューに沿ったのだろうが、ミスが目立ちすぎて美味しくない。が、まだ改善の余地がある不味さ。
一、救いのない不味さ。キッチンに立たせたら死ぬ。
零、食材を与えないで下さい。
新ルール:±要素
今回新制度として評価に加え、更に±要素を入れる。
・+…あともう一歩で上位のレベルに上がれるくらいにおしい品。五+は五段階評価じゃ足りませんレベル。
・無印…妥当なレベル。惜しい部分もなければ、マイナス要素も特になし。
・−…ミスが多いのでお情けでこの評価に。零−は自覚しましょう。
お題:『お弁当』
両端に留め具の付いたお弁当箱に以下のルールを遵守し、提供すること。
1.昴が出したお弁当箱を使用する事
2.昴が出したスープジャーか水筒に温かい飲み物を入れて使用する事(両方でも可。また、既製品やお湯を入れるだけで完成する物でも可)
3.お弁当の中身は固定審査員の望む卵料理、魚料理、野菜料理、おにぎりを絶対条件として入れ、残る一品自分の好きな物を作って入れる事
4.同じお弁当を六つ作る事。内一つは自分で必ず食べる事
5.BEMANI学園の調理室で作り、神殿まで運ぶ事
昴
「…始まったな。第四回…向こうのを入れると五回目、か?」
私
—こっち主催は通算四回目だから、四回戦にしといた。ちなみにもう五回戦も考えてあるよ?
昴
「」
※絶句
- 実食 一番&二番 本日の救援者や物資紹介 ( No.224 )
- 日時: 2014/11/27 20:22
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 9RGzBqtH)
今か今かと試食の時を待つ昴達。
今ここには、固定審査員のメンバーと通訳兼救援要請係の鴉達、そして、アイギスがいた。
MZDと影には急遽設置された医務室(ただの空き室)に、氷海の父親率いる食あたり専門チームと共にいて貰っている。ちなみに、全員保険証を持ってきたとか。医者近くにいるのに。
「一番目は誰だろなー。」
『私も、少し楽しみです。また、平和に終わるといいですね…。』
MZD達がいる部屋とは別室にいる風花は絶対遠い目を浮かべているであろう。そう思った昴だが、言及するのはやめておいた。
そんな折、呼び鈴が鳴る。
「ん? 誰だ? はーい。」
昴は一階に降り、玄関を開ける。
そこには、白衣のようなものを着て大きなショルダーバッグを持った赤毛の女の子がいた。ぴょん、と風雅や凪のように出たアホ毛が何だか可愛らしい。
「…どちら様?」
「えっと、始めまして! 昴さん! 私、マリー・ルイスって言います! 風の噂でこちらの世界で料理対決をすると伺って、救援に参りました!」
—あぁ、救援に行くっていった人がもう来たのね。早いなー。
昴の手からノートが離れ、パラリとページがめくられる。
—この子はユリカさんって方の所の子みたい。救援物資も色々持ってきてくれた回復スキル持ちの子だよ。うーん、送られてきたデータを見る限りだと…MZD達と一緒にいさせた方がいいかも…。うん、この子、純粋組枠みたいだし。
(了解…。取り合えずあの裸族にの子を近づけない方がいいな。)
「?」
急にノートを見て黙り込んでしまった昴を見て、女の子—マリーは首を傾げてしまった。
「あ、ああ、いや、何でもない。救援に来てくれたんだってな。ありがとう。」
「いえ、礼には及びません! …死なれるよりはマシですよ…。」
「…早速だけど、お前には急遽設置した医務室にいてもらうよ。影、つれてってやってくれ。」
昴は後ろを振り向くと、そこには影形態のまま漂う影がいた。
「わぁ、不思議な生き物…。」
マリーは初めて見た影に驚いているようだ。
(あんない、するする)
「害はないよ。滅茶苦茶いい奴だから。アイツについてってくれ。あぁ、影。こいつに近づこうとした馬鹿共がいたら遠慮はいらん。容赦なくスキルぶっ放せ。」
(わかった。わかった)
「え、えーっと…お邪魔しますね。」
そしてマリーは影と共に医務室へと向かった。
- 実食 一番 ( No.225 )
- 日時: 2014/11/27 20:29
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 9RGzBqtH)
昴は部屋へと戻り、パステルくん達に救援が来た事を伝えた。
「ついにボク達の料理対決にも回復スキル持ちの救援がくるようになったんだねー…。」
「救援物資は第二回からあったが…寄越し損で済んでほしいよ…。」
「それは誰しも思う事だ。昴殿。」
審査員全員死んだ魚のような目を浮かべる。…だが、今回は昴達も楽しみで仕方がなかった。
「…まさか氷海がやりたいって言い出すとは思わなかったよな。」
「うん。でも、何だか今回は、ボクも心からあの時承諾してよかったって思えるなー。」
「前回まではりせの口車に乗せられていたが、今回は違うからな。成長を望む声での承諾だ。だから、快く開始できるのだろう。」
成長する為の対決。故に、だろうか。昴達は第一回から第三回まで抱いた怒りの気持ちはない。
『昴さん、一番目の子の準備が出来たようです。今、そちらの扉前にいます。』
「分かった。一番目、来い。」
昴がそう呼びかけると、おずおずと入ってきた人物がいた。
「…成長を望むお前が来るとはな。…葉月。」
それは、葉月だった。
「うん…。でも、私の料理を食べてもらわなくて正解だと思ったよ…。」
「ちゃんと食ったんだな。どうだった?」
「…この口の怪我見れば分かると思う。」
今、葉月は口周りを怪我していた。軽い切り傷のようなので、審査に支障はないだろう。だが、それでも血の味等してもらったら困るので、昴は理乃のスキルを使い、葉月の傷を癒した。
「…また、キッチン爆破か?」
「ううん、まな板破壊…。調理室は誰が何作ったかわからないように仕切りで区切られてたんだけどね、その仕切りを破壊していないから、爆破はしてないよ。」
「…取り合えず、壊した備品の弁償をMZDにする事。授業に困るだろ…。」
「はい…。」
昴の言葉に、葉月は反省したように項垂れつつ頷いた。
「さて、風花、挑戦者の準備は?」
『大丈夫です。出来ています。今、エレベーターにお弁当を入れたそうです。』
「了解。じゃあ、取ってくるな。」
そう言って昴はエレベーター前に向かっていった。
「…。」
『葉月、元気出せ。まな板を破壊はしたが、壁の爆発はさせていないのだろう? ならば、お前は立派に成長している。』
「…うん、ありがと、紅さん。」
「まぁ、葉月は爆発さえしなければ味は普通なんだ。物を壊さなくなったら充分評価は高くなると思うけどな。」
紅が励ましている最中に、昴がお盆を手に持ってやってきた。今回も蓋付きた。
「さぁ、葉月。」
「…大丈夫。用意なら出来てるよ。」
葉月はポケットから胃薬を取り出した。もう準備は万端だ。
「開けるぞ。それっ!」
昴は全員を見渡してから、蓋を開けた。
中にあったのは、アワーグラスβとお弁当箱にスープジャーが各五つ。お弁当箱の蓋を開けると、中身は…。
「のっけからこれは…当たりクラスだな。」
少し茶色い焦げ目のついた黄色い卵焼き、根菜の煮物、鮭の塩焼き、味噌の俵焼きおにぎりが三つ、そして、可愛らしい魚の醤油差しとコロッケが入っていた。
もうひとつ注目すべきは、箸の他に木のスプーンが五つ。更に、おにぎりの横に味噌が少し、カップの中に入っている。これは…?
「美味しそう! 凄く美味しそう!」
「焼おにぎりとか美味しそうだよ! 俵型なのはやっぱりお弁当箱に入れるからかな?」
「恐らくそうだろう。にゃぐわの涎が凄い事に…。」
「にゃ、にゃぐ、にゃぐうぅぅぅっ!」
『神、早く動かせ! にゃぐわが飛び付きそうだ!』
にゃぐわが今にも飛び付きそうなので、昴は素早くアワーグラスβを使って時間を動かした。
辺りには味噌と醤油のいい香りが漂う。食欲がそそられ、お腹がきゅうと鳴く。
「いただきます。」
「いっただっきまーす!」
全員、箸を持って食べ始めた。
味噌の塗られた焼おにぎりは、表面が香ばしく、少しピリッと辛い。辛味噌だろうか。卵は適度にふんわりとしている。味付けは塩だろう。煮物は昔懐かしい優しい味わいで、お袋の味と言うような感じ。鮭は丁寧に骨が除かれ、塩を使っているのか、こちらも優しい味わいだ。そしてコロッケは芋と挽き肉の一般的なコロッケ。衣がサクサクで美味しい。
「美味しーいっ! 辛味噌のちょっとピリッとした味わいが全体にあるし、中にも混ぜ混んだのかな!?」
「にゃぐー!」
『鮭も程よく塩味が効いてるし、骨も完全に取り除かれているから、かぶりついても安全だし食べやすいそうだ。』
どうやらこれは当たりどころか大当りクラスのようだ。
しかし、これは誰が作ったのだろうか。それに、木のスプーンも気になる。
「…。」
昴とジョーカーは、作った人物に心当たりがあるのか、顔を見合わせて頷く。
「昴殿も、同じ人物を描いているのだろうな。」
「前、がめ煮食わせてもらったしな。あの味と似てるから、多分…。」
「え? 昴さん達、誰作ったかわかったの?」
「ああ、多分だけどな。…これ、茶色率が高いから、女子じゃない。鉄板系の料理でもないから、アイツじゃない。」
「じゃあ…!」
「ああ。」
家事スキルが高い男子は、二人。が、鉄板系の料理ではないので、一人に絞られる。
そう、家事スキル男子トップの、彼が全員の頭の中に出てきた。
「今、ボクもわかった! 確かに彼が作ったのなら納得!」
「にゃぐー!」
『確かに前にくれた煮物の味と煮ていると言っている。成程、それならコロッケも納得だ。』
「確か、えっと…刑死者コミュの奴に前に振る舞ったんだっけか。」
とにもかくにも、これはのっけから大当りクラスなのは間違いない。
だが、スプーンと味噌の謎が解けない。おにぎりには十分味がついている筈だが…。
『皆さん、一番の子から連絡です。…ふふっ、伝え忘れて慌ててきたのかな?』
風花の声がし、一同は食べ進めるのをやめる。
「あいつ、意外に抜けてっからなぁ…。で? 何だ? 風花。」
『スープジャーの中におにぎりを入れて木のスプーンで食べて下さい。だそうです。』
「スープジャー!?」
「あ、忘れてたね、そっちの事。」
昴達はスープジャーの蓋を開け、中を見る。
三つ葉や水菜などが入っているが、液は透明に近い。少し救って飲んでみると、出汁の味がした。
「ははーん、成程な。これは面白いな!」
焼おにぎりを中に入れ、軽く解すようにかき混ぜる。すると、混ぜ込んでいた味噌が溶け、色を染めた。
そして、木のスプーンの理由がわかった。金物のスプーンだとスープジャーに傷をつけるし、何より音が不快だから、木のスプーンを選んだのだろう。
「こっちの味噌は味が薄い時用だね! このまま味噌だけ入れて溶かして、味噌汁にするのもアリだよ!」
「ああ。考えたな、あいつ。」
全員、残りも完食し、早々に評価用紙に向かった。
☆
総評:五
昴:個人評価…五
遊びが効いてて面白いな! ちょっと店で出すには茶色すぎだけど、味は十分店でも通用するぞ。煮物、あれお前のお袋さん直伝だっけ? んで、コロッケは前に近所の酒屋の奴に振る舞ったって話、ホントか?
パステルくん:個人評価…五
スープジャーのあれはボクも思わず「どっひゃ〜!」と叫びたくなったよ! ボクも今度やってみよっと! 煮物もコロッケも美味しかった! 君が最初って幸先いいスタートだよ! 美味しいご飯をありがと!
にゃぐわ:個人評価…五
おかわりほしいニャ! もう味の感想は書く事ないニャ! ただおかわりくれニャ! もうそれで伝わってほしいニャ!
ジョーカー:個人評価…五
色合いが少し茶色寄りだな。もう少し緑を添えてほしかったが、美味かった。
特にコロッケが絶品だ。あれは我も教わりたい。作り方を教えてくれないか?
葉月:個人評価…五
美味しい! コロッケもホクホクで美味しいし、野菜の煮物も凄く美味しかった! 辛味噌おにぎりもそのままでも美味しいけど、あったかい出汁の中に入れると味も薄まって美味しい! こんなに上手く作れてて…憧れるな…。
- 実食 二番 ( No.226 )
- 日時: 2014/11/27 20:34
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 9RGzBqtH)
満足そうにスキップしながら帰っていく葉月。
「あら、葉月さん。」
「あっ、セシルちゃん! 次だっけ? 確か。」
「ええ。そのお顔は…良い物に当たったのですか?」
「うん!」
そんな彼女とすれ違ったのは、次の試食者であるセシルだった。いつもの犬耳を生やしたローブ姿である。
「セシルもいいのに当たれると良いね!」
「ええ。…もう、あの激辛は御免被りますわ。」
第二回を思い出しているのだろうか、セシルの目が段々濁っていく。
「セシルちゃーん、帰ってきてー。」
葉月はそんなセシルにそう声をかけるしか出来なかった。
やがて、正気に戻ったセシルは、審査室まで向かった。
「おっ、次はセシルか。」
「はい。…うぅ、怖いですわ…。」
どうやらセシルはこの料理対決がトラウマになっているのか、小さく震えていた。
「セシル、大丈夫だって。まだ始まったばかりだし、当たりの率だって高いしさ。」
「そ、そうですわね。二十四人中、三人がゲテモノですから…大丈夫ですわね。」
セシルはそう信じる事に決め、ちょん、とテーブルの上に座った。
「んじゃ、とってくるな。」
昴はそう言って、エレベーター前に向かった。
「…。」
『セシル、大丈夫か?』
「平気ですわ。…うぅ、氷海の成長は見たいのですが、ゲテモノに当たるのは嫌ですわ…。」
「そう言えば、チーム分けされた時に誰と一緒だったか、見なかったのか?」
「ええ。玉を引いた瞬間、わたくしは一人昴さんの寝室に飛ばされましたわ。恐らく、審査員側は誰かわからないようにMZDさんが玉に何らかの細工をし、引いた瞬間にバラバラにテレポートするよう仕向けたのでしょう。後に彼からメールでその場に待機する事と、メールで呼んだら来るよう言われました。」
「徹底してんなあいつ。」
戻ってきた昴が、お盆を置きながらぼやく。確かに凄い徹底ぶりだ。これ、もしかしたらアイツ、楽しそうだからって言う理由で昴をそそのかしたのか?
「(うわぁ、あり得る…。)さて、セシル。」
「ええ、準備は万端ですわ。」
擬人化し、ドレスを纏う女性になった後、ポケットから胃薬を出した。
「開けるぞ。それっ!」
昴は蓋を開け、中を見た。
「」
その瞬間、全員から言葉が消えた。
目の前にあったのは、普通の食材が入ったお弁当箱。ただし、赤い肉じゃがと、茶色い卵焼きが入っているが。
野菜炒めや鮭、白いおにぎりには何の特徴もない。
嫌な予感がして、スープジャーを開ける。中は…茄子の入った…鮮やかな赤い液体だった。
「あの、昴さん、これ、まさか…。」
「大丈夫だ。多分…りせじゃない。りせじゃないが、酷い奴だ。」
「あーあ…また慌てちゃったんだね…。」
「にゃぐー…。」
りせの、ではない。彼女だったら全て赤く、いや、紅くなるから。
セシルを除く全員の頭に、同じ人物が出てきているのだろう。そう、葉月と肩を並べる、トラブルクッキングの達人が。
「みんな、こいつは悪くない。多分、自分が出してる物がどんな物かは知ってる筈だ。」
「うん。みんなそれわかってる。」
「にゃぐー。」
『反省はしているが、上達はまだ難しいようだ。と言っている。…今頃、一番の奴が慰めているだろうか。』
『あの二人は同じクラスの同性だからか、仲が良いからな。』
あからさまに不味そうな雰囲気を醸し出しているが、食べなければならない。昴はアワーグラスβを使い、弁当の時間を進めた。
辺りに、酸味と辛味、強い醤油の刺激臭が漂う。
「…いただきます。」
全員、微妙そうな表情でスープジャーを手に取った。そして、一口飲む。
「…トマト味しかしない…。しかも強いんだけど…。」
「成分分析、完了しました。茄子と味噌汁と、ケチャップの成分を確認。」
「では、これは味噌汁を作ろうとして何かトラブルがあり、ケチャップが丸々一つ分中に入った代物なのですか?」
「多分な。」
どうやらアイギスの成分分析によれば、あの液体はケチャップまみれの茄子の味噌汁のようだ。
次に、パステルくんと昴はおにぎりを手に取り、ジョーカーとセシルは野菜炒めを食べる。にゃぐわは鮭に向かったようだ。
「味がしない。お米の味しかしないよ…。」
「諦めたな。」
「野菜炒めも同じだ…。味がない…。」
「こちらも諦めたのでしょうか…。」
「にゃぐー…。」
『鮭も特別味がしないようだ。…事前に塩が振られていない物を購入したのだろう。』
おにぎりも鮭も野菜炒めも、大して味はない。諦めたのだろうか。
そして、昴とパステルくんとジョーカーは卵焼きを一口大に切り、セシルとにゃぐわは肉じゃがのじゃがいもを箸で摘まんだ。
「しょっぱあぁぁっ!」
「辛いですわぁぁっ!」
「にゃぐうぅぅぅっ!」
あまりにも醤油の味が強すぎる卵焼きと、辛さの引き立つ肉じゃがに、しばらく一同は悶絶した。これ、ここにいる全員、辛い物が苦手だから地獄だろうな、うん。
「肉じゃがには、豆板醤が使われています。この成分だと…丸々一瓶やらかしたかと。それと、卵焼きにも恐らく丸々一瓶やらかした可能性があります。」
「アイギス、分析ありがとうな。…反省して頑張ったのは認めるが、これ食えたもんじゃないな…。」
流石に塩分摂取量が大変な事になるので、昴達は蓋を閉め、評価用紙に向かった。
☆
総評:一
昴:個人評価…一
うん、慌てたのが目に浮かんだ。ご飯と鮭と野菜炒めに味がなかったのは諦めたな。…最後まで作ったのは誉めるけど、お前はもう少し落ち着こうな?
パステルくん:個人評価…一
とりあえず、怪我してないか心配だよー…。この評価は気にしないで。頑張ったのは認めるから。泣かないでいいからね。
にゃぐわ:個人評価…一
反省するのはわかってるニャ…。君は悪くないニャ。悪いのは不運のせいにしとくニャ…。
ジョーカー:個人評価…一
…トラブルクッキング、という言葉が容易に出てきたぞ。調理場はハプニングの連続だが、慌てずに対処すれば大丈夫だ。…うん、頑張ったな。うん。
セシル:個人評価…一
大丈夫。りせのアレよりは貴方の方がまともですわ。肉じゃがは確かに辛かったし、卵焼きは塩辛いですし、ケチャップ汁は酸味が強すぎて飲めたものではなかったのですが、食べれない事もない、ですわ。
…よく頑張りました。わたくしは貴方を怒りませんよ。
- 実食 一番&二番 後書き ( No.227 )
- 日時: 2014/11/27 20:40
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 9RGzBqtH)
後書き de 雑談
私
—ハズレが出たけど、ゲテ組よりマシだよね。
風花
「ええ。…トラブルクッキングの子、怪我をしてないといいのですが…。」
私
—今頃一番の子が慰めていそうだね…。
昴
「でもまぁ、アイツは頑張った方だよ。最後まで作っただけでも偉い。ただ、諦めちまったみたいだけどな。」
風花
「私でもきっとああなったら諦めます…。」
私
—私も作り直すね。あ、試食はどうぞご自由に。ただし、ゲテ組の可能性はありますので、自己責任でお願いします。
風花
「それから、救援物資等もお待ちしています。スバルさんも修行がてら、他者のキャラクターを書いてみたいと仰っていましたし。あっ、ユリカさん、変なところがあったら言ってほしいそうです。」
私
—お願いします。
昴
「じゃあ、この辺りにしておくか? …若干気分悪いんだよ…。」
風花
「ゲテモノではありませんが、アレも食べれたものではありませんでしたからね…。」
私
—じゃあ、この辺りで失礼するね。ばいばーい!
■
感想あればお願いします。