二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 実食 五番&六番 前書き ( No.247 )
- 日時: 2014/12/06 22:45
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: EdfQYbxF)
採点方法
五段階評価を下す。内訳は以下の通り。
五、メニューに拘らず、遊び(アレンジ)を加えており、なおかつ美味しい。
四、メニューに依りすぎな所はあるが、程よく遊びを加えており、美味しい。
三、メニュー通りの品。遊びなどはないが、メニュー通りなので普通に美味しい。
二、メニューに沿ったのだろうが、ミスが目立ちすぎて美味しくない。が、まだ改善の余地がある不味さ。
一、救いのない不味さ。キッチンに立たせたら死ぬ。
零、食材を与えないで下さい。
新ルール:±要素
今回新制度として評価に加え、更に±要素を入れる。
・+…あともう一歩で上位のレベルに上がれるくらいにおしい品。五+は五段階評価じゃ足りませんレベル。
・無印…妥当なレベル。惜しい部分もなければ、マイナス要素も特になし。
・−…ミスが多いのでお情けでこの評価に。零−は自覚しましょう。
お題:『お弁当』
両端に留め具の付いたお弁当箱に以下のルールを遵守し、提供すること。
1.昴が出したお弁当箱を使用する事
2.昴が出したスープジャーか水筒に温かい飲み物を入れて使用する事(両方でも可。また、既製品やお湯を入れるだけで完成する物でも可)
3.お弁当の中身は固定審査員の望む卵料理、魚料理、野菜料理、おにぎりを絶対条件として入れ、残る一品自分の好きな物を作って入れる事
4.同じお弁当を六つ作る事。内一つは自分で必ず食べる事
5.BEMANI学園の調理室で作り、神殿まで運ぶ事
私
—前回は天国が二連続、と。
昴
「三番の成長が著しいな。…あ、やばい、思い出したら涙が…。」
私
—泣くなよ…。
- 実食 五番 ( No.248 )
- 日時: 2014/12/06 22:56
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: TQ5WR7zN)
あの変態を打ちのめし、各々ポジションに戻った昴達は、一息ついていた。
「ふぃー。まったく、手間かけさせやがって。」
『本当ですよね。まった…えっ? あ、うん。伝えておくね』
突然、風花が誰かと話しているような声が聞こえ、昴は首を傾げて「どうした?」と訊ねた。
『クマ君が気分が優れないからと言って、凪君達の部屋で休むそうです。凪君が今、付き添っています。』
「クマが? …何があったんだろうな。」
『私も今、凪君から伝えられて…。結果発表までには回復していると思うそうです。』
「わかった。じゃあ、こっちはこっちで進めとく。…さて、次の奴を呼んでもらうか。」
昴はMZDに次なる人物を呼ぶよう頼んだ。
十分後…。
「ごめん、遅れたっ!」
メールで呼ばれ、やって来たのは千枝だった。
「おっす、千枝。ちょっと遅かったって事はトレーニングでもしてたか?」
「あはは…実はそうなんだよね…。ごめんなさい。」
「いや、丁度いいくらいの時間だよ。んじゃ、取ってくるよ。」
昴はその場を離れ、エレベーターに向かった。
「…ねぇ、さっきから鉄臭いんだけど。」
「あ、ごめんね、千枝。空調いれて…にゃぐわー、そこの生ゴミ外に出しといてー。」
「にゃぐー。」
千枝の言葉に、パステルくんは空気清浄機のスイッチをいれ、にゃぐわは隅っこにあった鎖で縛り付けられてモザイク処理された何かをポイッ、と窓から投げた。ちなみにここは二階である。
「パステルくん達も服が赤いから着替えてくれば?」
「あー、大丈夫だよ。審査に支障はないよ、多分。」
平然とパステルくんは言い放つ。千枝もそれを見て気にしない事にした。
『次は誰のかな? 楽しみだね、千枝ちゃん。』
「(なんか風花さんの声、心なしか弾んでない?)だねー。そう言えば当たりの状況って?」
「うむ。まだ二品しか出ていない。後は普通レベルと慌てた方のハズレだ。」
(慌てたって…ああ。)
ジョーカーの言葉に、千枝は頷いた。誰かわかったのだろう。
そんなこんなで、昴が戻ってきた。
「さて、千枝。準備は?」
「オッケーだよ!」
千枝はポケットから肉ガムと胃薬を出す。
「じゃあ、開けるぞ。」
(肉ガムは無視なのか、神。)
どうあっても千枝の肉ガムを無視する昴に、紅はもう突っ込む気持ちは失せた。
そんなこんなで、蓋は開けられた。中にはお弁当箱とスープジャーがあった。
「おっ、これはまた可愛らしいな。」
更にお弁当の蓋を開けると、赤パプリカとブロッコリーが中心の温野菜にヒラメの煮付け、黄色い炒り卵に桜の形に切り取られた人参が特徴の肉じゃががあった。おにぎりには桜でんぶが振りかけられている。見た目も華やかだ。
「おー、凄い可愛い! あたしもこんなお弁当作りたいなー。」
「千枝、お前の事だから多分食っただろうけど、どうだった? 自分の弁当。」
「あ、味は美味しかったけど…色、茶色ばっかなんだよね…。」
自分の作ったお弁当を思い出しつつ、目の前のお弁当を見て、千枝ははぁ…。と重い溜息をついた。
「茶色くても美味いならいい。次は、カロリーとか栄養バランスを考えような。そうすれば自然と緑が増えてくると思うぞ。」
「うん、そうだね。…緑、緑かぁ…。」
「千枝もここまで成長したか…。やっぱ誰か作ってあげたい人がいると成長するもんなんだな…。」
昴は感心したように頷いてから、いつものようにアワーグラスβで時間を進めた。
ほんのりといい香りが鼻をくすぐる。
「スープジャーは…おっ、ポトフか。…ん?」
スープジャーの方はポトフのようだが、昴の様子がおかしい。首を傾げて考え込んでいた。
中はジャガイモ、人参、玉ねぎ。それからベーコンと粗びきウインナーと…透明な何か。
「あれ? なんだろ、これ?」
「…白滝…ではないか?」
「え、白滝ってポトフにいれたっけ?」
そう、透明な何かは白滝で、普通はポトフに使わない代物である。
「うーん、よく見ると人参も変じゃない? 味は普通の人参だけど、形が変な気がする。」
千枝の言う通り、人参の切り方も何だかおかしい。
まるで、何か型抜きをしてから切ったみたいな…。
「…弁当の中は…うん、美味い。温野菜も最後に塩振ったんだろうな。あっ、足りない場合のマヨネーズも備え付けられてた。ヒラメも醤油が染みて美味いな。肉じゃがもジャガイモに味染みてて美味いしかつ見た目も可愛いし得点は高いな。卵は…ん、ちょい焦げてるな。」
「おにぎりにもお酢振ったのかな? ちょっと入れすぎで酸っぱいけど、許容範囲かな。桜でんぶと相性もいいね! ちらし寿司風にしても美味しかったかも!」
「にゃぐー…。」
『にゃぐわには物足りないようだな。』
「あたしもちょっとなー…もう少し肉がほしい。」
どうやらガッツリ系には少し物足りなかったようだ。確かにこれは一般的な女性向けの量であり、かつ肉はポトフのウインナーとベーコンくらいな物だ。
だが、全員完食はできた。満足したようだ。
さて、美味しいお弁当を堪能したところで、ポトフの謎に戻ろう。
「あ、わかったかも、俺。」
「へっ? 何かわかったの? 昴さん。」
千枝が訊ねると、昴はお弁当箱を指差した。
「ジャガイモ、人参、玉ねぎ。それから白滝。これはある食材と一緒だ。さて、千枝。それは何だかわかるか?」
「へ? えっと…。」
「あっ、ボクもわかった!」
「成程な、我もわかったぞ。」
昴の問いを千枝が考えている最中、パステルくんとジョーカーがポトフの謎を理解したようだ。
「…ジャガイモ、人参、玉ねぎ、白滝…あっ!」
空になったお弁当箱を見つめていて、思い出す。
あの可愛らしい人参を。
「わかったー! 肉じゃがだよね!?」
「正解。…さて、次だ。もし今のように型抜きをした野菜は、お前ならどうする?」
「あ、何だかわかった気がします。」
「にゃぐー!」
『にゃぐわもわかったようだ。成程…こやつは考えたな。』
見てるだけだったアイギスも、にゃぐわもわかったようだ。二羽の鴉も恐らく閃いたろう。
「あたしだったら捨てちゃうかな…。あっ、もしかして! このポトフの中…肉じゃがの再利用品!?」
「再利用って言い方は間違っている気がするが、取り合えず閃いてるみたいだから、話を続けるぞ。憶測だが、多分これは、型抜きした野菜や余って捨てる野菜を味付けして入れたものだ。捨てるのはもったいないって考えたんだな。食材を無駄無く使う、これこそ命を頂いている俺達は見習わなきゃいけないな。」
「だが、これは一体誰が作ったのだろうか…。」
作った人物の考察を始めるジョーカーだが、パステルくんと昴には何となく誰かわかった。
「ちょっとの焦げとかちょっと入れすぎとかやる子、ジョーカーの仲間にいたよね? ボク、その子だと思う。ほら、この間作って貰った親子丼も、お肉が許容範囲内で焦げてたし。」
「ああ…言われてみればそうかも知れん。…僅かばかりだが、この子も成長したようだな。」
「そりゃ、引き取り手が評価五の人間だし、この間の異世界での料理対決だって…。」
昴はそこまで言って、口をつぐんだ。と、同時に、席を立った。同じようににゃぐわとパステルくんとジョーカーも席を立った。
「皆さん、いきなりどうしたのでありますか?」
『あー…思い出しちゃったんだね…。あの一件…ごめん、私も…。』
『む? 風花もか? 何があったかさっぱりわからないのだが…。』
『風花、無理せず行ってこい。テレビ越しに見てたお前も辛いだろ…。それと黒、アイギス、お前達は知らない方がいい。』
バケツタイムを繰り広げたあと、一同は評価用紙に向かった。
☆
総評:四
昴:個人評価…四
どんな食材も無駄無く使う。これはいい心がけだな。俺も見習いたい。
温野菜と卵と桜でんぶのおかげで色も鮮やかで見た目にも楽しめた。中でも桜形のニンジンはいいな。可愛らしい。
美味しかった。お前も異世界での料理対決で
※ここから先は書かれていない。理由はお察し下さい
パステルくん:個人評価…四+
ポトフに使われない材料が入ってたけど、肉じゃがの端材を利用したのかな? どんな屑野菜や端材でも、食べられるものだからね、無駄にしないその心意気は凄いよ!
見た目も鮮やかだし、美味しかった! 前回の異世界での料理対決で色々
※ここから先は書かれていない。理由は(以下略)
にゃぐわ:個人評価…三+
うーん、オイラにはちょっと物足りないけど、美味しかったニャ。これはガッツリ系の意見だから、あんまり宛にしなくていいニャ。
見た目でも楽しめるお弁当、ありがとニャ!
姐さん、パステルくん、思い出しちゃダメだニャ。アレはもう忘れるニャ。
ジョーカー:個人評価…四+
にゃぐわ、思い出させるな。アレもアレで悪夢だ。
お前も我の手を離れてから色々学んでいるようだな。料理の上達は見ていて嬉しい。これは我もうかうかしてられないな。親としてこれ以上子供に料理の腕を抜かれるのも悔しい。我も日々研究せねばな。
食材への心意気は我も見習わないとな。…子から教わる事は、沢山あるものなのだな。
千枝:個人評価…三+
あ、もしかしてアレかな…。うぅ、あたしまで気分が悪くなってきた…。
料理は美味しかったけど、やっぱりあたしもガッツリ系だから、少なく感じたな。肉くれ肉ー!
でも、参考にしないとダメだなって感じた。今度暇な時に教わりに行っていい? 人参とキャベツ持参するから!
- 実食 六番 ( No.249 )
- 日時: 2014/12/06 23:00
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: EdfQYbxF)
ちょっと気分が悪くなったのか、千枝はフラフラと出ていった。
(…うぅ、忘れよう。うん、忘れよう。…うぅ…。)
「おいっす、千枝…って、大丈夫か?」
千枝に声をかけたのは、由梨だった。
「うぅ…七海ちゃんがやらかしたって言うアレを想像しちゃって…うぷ…。」
「虫嫌いのお前には大ダメージだよな…。ほら、トイレ行って吐いてこい。多分医務室行った方がいいな…。アタシ、MZD達に話しておくよ。」
「う、うん、行ってくる…。」
由梨と別れ、千枝はフラフラとしながらトイレに向かっていった。
そして由梨は審査会場に向かう前に、MZDのいる医務室に向かった。
「…という訳なんだよ。」
「あー…うん、オレもちょっとは聞いたし、それは確かに虫嫌いの千枝には辛いよな…。わかった。頃合を見て影に迎えに行かせるよ。お前は昴んとこに行ってくれ。次だろ? 食うの。」
「ああ。…何だろうな、これ。なんかな、物凄く嫌な予感してんだけど。」
「…気苦労であることを願うよ。」
千枝の状態を話した後、MZDと二言三言そんな話をしてから、審査会場に向かった。
会場では、今か今かと待つ昴達がいた。
「おー、由梨。次はお前か。なぁ、由梨、千枝と入れ違わなかったか?」
「ああ、大分フラフラして参ってた。一応、MZDに頼んどいたよ。頃合を見て影に迎えに行かせるってさ。」
「よかった。何か大分参ってたみたいだから心配してたんだよ。」
安心したようにほっと溜息をつく固定審査員達。余程心配していたのだろう。鴉達やアイギスも安心したように表情を緩ませていた。
「さて、次の料理だな。取ってくる。」
そう言って次なる料理を取りに行く昴。その間にも、由梨の表情がどんどん険しくなっていく。
「…おい、由梨。どうした? 顔色が悪いが…。」
「…いや、気苦労であってほしいが…。何かな、凄い胸騒ぎがするんだよ。」
「胸騒ぎ?」
ジョーカーが訊ね返すと、由梨は頷く。
「やっぱさー、何度か死線を越えてくると、何か感じるんだよ。あぁ、これ死ぬんじゃないかなって言う予感をさ。」
「縁起でもない事言うんじゃねぇよ。第一そう言うの感じていたって、結局お前は生きてここにいるじゃねぇか。」
かちゃん、とお盆を置きながら、昴はそうぴしゃりと言いつける。
「死ぬ程のゲテモノは三人だけなんだ。きっと大丈夫だろ。」
「…そうだな。昴さん、開けてくれ。胃薬とかの準備は出来てっから。」
由梨はポケットから胃薬を出しながら、昴にそう促す。
「んじゃ、開けるぞ。ほいっと!」
お盆の蓋を開けると、そこには何の変哲もないスープジャーとお弁当箱と水筒が。
更にお弁当箱の蓋を開けると、そこには高菜らしきものを混ぜたおにぎりとほうれん草のようなものが入った炒り卵。そしてキノコの入った野菜炒めと鯛の香草焼。そしてキノコを丸々一本使ったホイル焼だった。
「…一見、なんか普通な気がするけど…。」
「由梨の言葉を聞いてから嫌な予感しかしないんだが。」
「キノコとか嫌な予感の塊なんだけど。」
「にゃぐー…。」
由梨が先程変な事を言ったので、昴達も不安になってしまったようだ。
「…分析完了。すみません、昴さん。こちらのキノコ、私のデータバンクにないようです。」
「は? データにないだって!?」
「うーん、アタシ、このキノコどっかで見た気がするんだよ…。」
アイギスのデータにないキノコを、由梨が見ている?
訳の分からない昴は、とにもかくにもアワーグラスβで時間を進めた。危険そうな香りはしない。
「スープジャーは…お吸い物のようだな。」
「水筒は…ハーブティー…かな?」
ジョーカーはスープジャーを、パステルくんは水筒の中身を見た。
どうやら何の変哲もないお吸い物とハーブティーのようだ。
ハーブティー、とくれば一同は思い浮かべてしまう。そう、あのゲテモノ組のラスボスを。
「…食ってみよう。大丈夫だ。きっと治癒術師いるから何とかなる。」
そう言って一同は黙って食事を始めた。
「…あ、おにぎり塩気効いてておいしいかも…。」
「卵も一見普通な感じだな…。ほうれん草の卵和えかな?」
「ふむ…野菜炒めも普通だ。醤油だな。」
「にゃぐー!」
『鯛の香草焼もほんのり香りがして美味しいそうだ。』
「ホイル焼のキノコも…普通に食えるな…。」
お弁当の中身を完食した後、スープジャーの中身に取り掛かる。
「…普通だ。」
「普通のお吸い物だな。」
どうやら普通のお吸い物のようだ。中のキノコも、普通に食べられるようだ。
「普通だったな。何か。」
「ああ。普通だっ…あ。」
そしてハーブティーでほっと一息ついている時、そこでやっと由梨は思い出した。
「どうした?」
「…昴さん、みんな。ごめん。やっぱりアタシの勘は当たってた。」
由梨がそう言うと、にこっと笑った。
- 例のあの回。 ( No.250 )
- 日時: 2014/12/06 23:11
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: TQ5WR7zN)
「ホイル焼のもお吸い物のも野菜炒めのも同じなんだけど、あれ…毒キノコ。」
「」
由梨から放たれた衝撃の言葉。それは、今自分達が食べてきたもの全て、毒キノコだったようだ。
「食ったら即死…な筈なんだけど。」
「即効性かよ!? …けど、何か効きが悪いな」
「…恐らく、他の物が症状を遅らせているだけかと思われます。ですが、遅らせるだけで、後に毒へと成分を変えるでしょう。」
どうやら毒は他の料理に混ぜられた薬草で一時的に効果を弱めているだけだった。だが、その薬草の効果も一時的であり、いつしか毒キノコの成分と一緒に毒となり、昴達の体を蝕むだろう。
自分達の最期を感じ取った昴達は、互いに見合った。
「みんな、最期に誰に会いたい?」
そして、昴がそう問いかける。
「アタシは…烈と葉月と理乃だな。」
「ボクも烈と氷海に。それから…セシルに。」
「にゃぐー!」
『にゃぐわは鈴花と完二とローズとリリィに、だそうだ。』
「我は…やはりあの子らか。」
それを確認すると、昴はスピーカーを全部屋に出し、そして、マイクでこう言った。
「ローズ、フランシス、セシル、リリィ、烈、氷海、鈴花、完二、葉月、理乃。それから、鏡、凪、雪花。悪いけど、今から審査部屋に来い。」
昴はそれだけを言うと、マイクのスイッチを切った。
「…風花、ユノで調べられるか? どのくらいの猶予があるか…。」
『…あと、もって五分といったところ、です…。』
風花は泣いているのか、声が震えている。
昴はそれを聞いて、頷いた。どうやらもう回復アイテムを使う気にならないようだ。…最期を、覚悟したのだろう。
「五分、だとさ。」
「あー…あんまり話せないなー…。」
全員、息が荒くなってきた。どうやら毒が回ってきたのだろうか。
そんな時、バンッ! と大きな音を立ててドアが開かれた。
「すーさんっ!? 放送何!?」
「何か嫌な予感したのですが、何なのですかあの放送は!? って、ジョーカー様!? パステルくん!?」
ドアを開けるなり、やってきた鏡とセシルが叫んだ。そして、具合の悪そうな一同を見つけ、素早く駆け寄る。
「ジョーカー様!? どうしたの!? 具合、悪そうだよ!?」
「顔色が悪い…! 何を食わされたのですか!? ジョーカー様!」
「ジョーカー様…?」
「これ…もしかして、毒物を!?」
セシルは氷海の家に引き取られ、そういった症状をする時患者を診た事があるのか、そう顔を青ざめさせながら言った。それには他の三匹も驚く。
「ど、毒!?」
「ジョーカー様…死んじゃうの…!?」
「泣くなお前達! まだそうと決まった訳じゃないだろ!」
「いや…どうやら、毒の、進行が、遅れてる…だけのよう、だ…。いずれ…お前達を、置いて…逝く、だろう…。」
「えっ…!? い、嫌だよ! そんなのやだあぁぁぁっ!!」
「やだ…! ジョーカー様…いなくなっちゃ、やだぁ…!」
息も絶え絶えなジョーカーの言葉に、ローズとリリィはジョーカーにすがり付いて泣き出し、フランシスは唇をかみ締めて、必死に泣くのを堪えていた。
「そんな…! 嘘だと…嘘だと言ってください! ジョーカー様!」
「ごめん…セシル…。これ…なんか、決定、っぽい…。」
「! パステルくん!」
セシルは氷海の手の中にいるパステルくんの方へと急いで駆け寄った。
ジョーカー同様、パステルくんも顔色が悪く、息も絶え絶えだ。
「パステルくん! 死なないで! お願い!」
「パステルくん! 死ぬんじゃねぇよ! 氷海を悲しませる気かよお前は! それに、リフレクのみんなだって…!」
「あははー…ボクだって、ここで、死ぬの…不本意、だよ…。でも、ね…。最期だって、わかったら…なんだか、氷海達に…会いたく、なったの…。」
「最期なんて言うな! 氷海と俺の結婚式見たいって言ってたじゃねぇかよ、お前! その姿を見せぬまま死ぬ気か!?」
「あはは…それ、アタシも、心残り、かな…。」
息も絶え絶えに横たわる由梨の元に、烈は急いだ。
「先輩もここでくたばってる場合かよ! 俺、まだまだアンタに教わり足りないんだよ!」
「わがまま、だな…。剣の、腕…他にも、いいやつ…いるんだけど…。」
「俺は、アンタを超えたいんだ! アンタが俺の師匠なんだよ! だから…!」
「由梨! 烈君だってこう言ってるんだよ!? ここで諦めるつもり!?」
「由梨! 死なないで! 貴方がいなくなるなんて、私…!」
涙を溜めた理乃の頬を、由梨はそっと触れた。
「…思えば…お前には、ずっと…心配、させてたな…。アタシと…お前の…。」
「それは言わない約束のはずでしょ!? 何でそんな弱気になってるの!? いつもの強気な貴方はどうしたのよ!」
「へへ…多分、毒、回ってきて…正常な、判断…出来ないんじゃ、ないかな…。」
いつになく弱気な由梨に、理乃は唇をかみ締め、泣き出した。
「にゃー…ぐ…。」
「にゃぐわちゃん! にゃぐわちゃん!! な、なんか体温がおかしくなってるよ…!?」
『最期だから言いたい事があるそうだ。鈴花と完二、それからリリィとローズにな。』
「最期だなんて嫌だよ!! にゃぐわちゃん! 最期だなんて…!」
「おい、にゃぐわ! お前、ご主人を泣かせるんじゃねぇよ!! ローズやリリィだって泣かせんじゃねぇ!!」
「にゃぐわ! 嫌だよ! ボク、にゃぐわがいなくなるのも嫌だよぉぉっ!!」
「にゃぐわ…! やだ…!」
ローズとリリィの涙は既に零れ落ちており、鈴花もとめどない涙を流し、完二はそんな鈴花をそっと支えつつ、にゃぐわに怒鳴りつける。
「…はは…お別れの、言葉って…人、それぞれ…なんだな…。」
「お別れなんて言わないで!」
「僕らはまだまだずっと一緒のはずでしょー!?」
「そうだよ、すーさん! 死んじゃやだよ!!」
昴の周りには、彼女の愛した子供達がすがるように泣いていた。
だが、昴達はもう悟っていた。時間がない事を。最期だからこそ、伝えなければならない。
自分達が愛した存在に、最期の言の葉を。
- 実食 六番 結果 ( No.251 )
- 日時: 2014/12/06 23:16
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: EdfQYbxF)
「フランシス…風雅と、仲良く、やるんだぞ…? それから…もう少し、大人しく、なるんだぞ…。」
「何で最後の言葉みたくなっているんですか!? ジョーカー様!」
「セシル…氷海を、いい、お嫁さんに、してやれ…。お前なら、できる…から、な…。」
「ジョーカー様…! はい、氷海と烈を、いい花嫁と花婿にします! だから…!」
「ローズ…花、育つといい、な…。鈴花も、きっと…楽しみに、してるぞ…。」
「う、うん! ボク、頑張って育てる! だからジョーカー様も隣で見ててよ!!」
「リリィ…酒屋を、継ぐんだろう…? 烈に…色々、教わっておけ…。」
「ジョーカー様…! 私、お兄ちゃんと、お酒、用意するよ…? だから、買いに来てよぉ…!」
既に涙をこぼれ落としているジョーカー一味。
「セシル…ジョーカーと、同じ…。氷海を、お願いね…。」
「パステルくん…!」
「烈…氷海を…幸せに、しないと…化けて、でるよ…。」
「なっ、ぜっ、絶対に幸せにしてやる! それに、出てくるんだったら、実体で来て俺をぶん殴りに来いよ!!」
「氷海…烈と…お幸せにね…。」
「パステルくんも…パステルくんも一緒にいないと駄目! 駄目なのよ!」
セシルと氷海の目から、涙が零れ落ちる。烈も必死に唇をかみ締めているが、その目から絶えず涙が零れ落ちていた。
『…完二、鈴花を幸せに絶対にしてくれ。』
「なっ、当たり前だろうが! 鈴花を幸せにするから、お前も側で見てろ!」
『ローズ、鈴花のブーケを見れなくてすまない。』
「何で諦めちゃってるんだよにゃぐわ! 一緒に作るって約束しただろ!?」
『リリィ、ネコネコ超会議のメンバーにはよろしく伝えてくれ。それから、次の議長はお前に頼む、と。』
「やだ! にゃぐわじゃないとやだ!!」
『鈴花、今までありがとう。そして、完二と幸せになってくれ。お前の花嫁姿、見れなくてすまない、と…。』
「にゃぐわちゃん! 私、にゃぐわちゃんに花嫁衣裳を見せるの楽しみにしてるの! だから、だからっ…!」
にゃぐわにすがるように泣きじゃくるリリィとローズ、そして、必死に呼びかける鈴花と完二。彼等の目からも、涙が絶えず流れていた。にゃぐわの言葉を通訳した紅の目からも、涙が筋となって流れ落ちた。
「烈…超えるなら、アタシじゃなくて…別の、もっと、いい奴を、越えろよ…。」
「だから、俺の師匠はアンタだけだ! だから、だからっ…!」
「葉月…壁、爆破、しなくなったんだな…。もう、料理は…大丈夫、かな…?」
「まっ、まだまだ失敗しちゃうもん! お願い、由梨! 逝かないで!」
「…理乃…。今まで、辛かった分…今度は、幸せに、なってくれ…。これが、アタシの…————の…願い、だ…。」
「その話はしないでって言ったでしょ!? 私が絶対に助けるから! だから、一緒に歩んで行こうって約束、忘れないでよ!」
由梨が理乃に言った言葉は、一部聞き取れなかった。だが、理乃にはしっかりと伝わっていたようだ。その言葉に、理乃の涙が多くなり、葉月と烈も唇をかみ締める。
「…雪花…サムスと…仲良く、な。お前も、もうちっと、料理、まともに…なれよ?」
「だからあなたに教わりたいの! 料理も、他の家事も…!」
「…凪…直斗と、仲良くな…。お前達の、結婚式…見られないの、残念だよ…。」
「見に来てよ! 僕も直斗も、昴さんが来るの、楽しみなんだよ! お母さんなんだから、出席してよ!」
「鏡…。お前は、俺の知らない、所で…ちゃんと、成長、してんだな…。」
「うん! ちゃんと、成長してるよ! みんなと一緒に、成長してる! だから、これからも…!」
「…お弁当、美味しかった…。死ぬ前に…それ、伝えられて…よかった…。紅…。こいつらを…頼んだ、ぞ…。」
「死ぬだなんて縁起でもない事言わないでよ!」
『そうだ、神! お前は我等を置いて逝く気か!?』
鏡は昴を抱きかかえるようにして泣きじゃくる。凪も雪花も、その目から絶えず涙が溢れている。紅も鏡の肩で、昴を怒鳴りつける。
「…みんな…さよなら。」
昴が、パステルくんが、ジョーカーが、にゃぐわが、由梨が…そう、最期の言葉を言うと、全員が眠るように、鏡の、氷海の、フランシスの、鈴花の、理乃の腕の中に、倒れた。
「いやあぁぁぁっ!! パステルくんっ、パステルくんっ!!」
「にゃぐわちゃん! にゃぐわちゃん! うわあぁぁぁぁんっ!!」
「ジョーカー様! ジョーカー様っ!!」
「由梨!? 嫌…! こんなの、嫌…! こんな結末、認めないんだから!」
「すーさん、やだ! やだ! 死なないでよ! ねぇ、起きて! 起きてってば!!」
『創造神! 早く開けんか!!』
「昴さん達が、昴さん達が!!」
紅と烈が必死で医務室への戸を叩く。すると、すぐにMZD達が出てきた。
「こ、これは…!」
「遺言回がまた出ちまったのかよ!? とにかく中に入れろ! 早くっ!!」
「風花! 回復スキル使える人をありったけ呼んで! 早く!」
『は、はい! みんな、非常事態です! 回復スキルや医術を使える人は二階に上がって下さい! 昴さん達が…昴さん達が!』
風花の呼びかけにただ事ではないと感じ取った全員が医務室に押し寄せた…。
☆
総評:零
昴:個人評価…零−
お前は俺を殺す気か? 味が美味しい毒って嫌だわ。
パステルくん:個人評価…零
完全なる毒物。しかも遅効性って何。以上。
にゃぐわ:個人評価…零
キッチンに入らないでほしいニャ。
ジョーカー:個人評価…零
誰が人を殺す料理を作れといった?
由梨:個人評価…零−
ふざけんな。剣の錆にされてぇか?
- 騒動の後に。 ( No.252 )
- 日時: 2014/12/06 23:23
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: TQ5WR7zN)
瀕死の重症を負った…いや、もう死んでいてもおかしくはない昴達はすぐに医療室へと救急搬送され、懸命な治療が開始された。
「おい昴! しっかりしろおぉぉっ! こんなとこで死んだらアイツが泣くだろぉがあぁぁっ! パステルくん! お前、リフレクの元締めだろ!! こんなとこでくたばるんじゃねぇよ! リフレク代表として音ゲー会議出るんだろぉぉぉぉぉぉっ!!」
「昴! しっかりして、昴うぅぅっ!! 由梨もジョーカーもパステルくんもにゃぐわも死んじゃダメえぇぇぇっ!」
MZDと影が、必死に回復魔法を放つ。
「何て毒料理を作っているんだ彼女は! 本当にあの鈴花ちゃんの分身なのか!?」
「皆さん! 目を覚ましてえぇぇっ!」
氷海の父親は必死で昴に心臓マッサージをし、マリーも状態異常回復スキルの【リフレッシュ】を放つ。
「昴さんんんんんっ! 由梨先輩いぃぃぃぃっ! アンタ達がいないと俺と陽介先輩があのボケ共を止めなくちゃいけなくなるんだっ! しっかりしてくれえぇぇぇっ!」
「ジョーカーも起きろおぉぉぉぉっ!! ツッコミが一気に三人消えるのは痛いんだよおぉぉぉっ!」
「由梨ちゃん! 昴さん! ジョーカー! しっかりしてぇぇぇっ!」
「昴さん! 野上先輩! ジョーカーさん! 死んではいけません! あなた方のツッコミは烈君や花村先輩以上に頼りになるんです! だから死なないでぇぇぇっ!」
『神ぃっ! 由梨ぃっ! とっとと起きんかあぁぁぁっ! ジョーカーも寝とる場合かあぁっ!』
「ジョーカー様! まだツッコミが減られてツッコミ不足に陥られては困るんですうぅぅぅっ! 起きて下さい、ジョーカー様あぁぁぁぁっ! 由梨と昴も起きろおぉぉぉっ! ツッコミ不足が深刻化するだろおぉぉぉぉっ!」
ツッコミ属性持ちも駆け寄って必死に呼び掛け、陽介はスサノオを出して必死に【ディアラマ】をかける。
おい、起きてほしい理由はツッコミ不足の深刻化を防ぐ為かよ。
「昴さあぁぁんっ! ジョーカーあぁぁぁっ! 起きてよーっ!」
「由梨、死んじゃ嫌あぁぁぁぁっ!」
「(昴さん達/由梨)が死んだら明日からのご飯はどうするのおぉぉぉっ!」
「そっち!?」
凪と葉月も、必死で心臓マッサージをしたりして蘇生を試みる。
おい、お前らの起きてほしい理由は明日からの死活問題かよ。これにはツッコミ属性持ちも一斉にツッコミを入れたぞ。
「(まぁ、同室の由梨を失うのは葉月にとっては割と死活問題な気がするけど…。)とっとと起きなさいよ由梨! 宝珠の加護で毒とか無効にするはずでしょうが! というかあの馬鹿以外で【リカバー】が効かないのは何でなの!?」
「え、宝珠の加護を無効化してかつ【リカバー】が効かないってどんだけ!? 七海の料理だけじゃないの!?」
「悪いけど、オレや影も理乃みたいな力使ってっぞ!? しかもオレ魔力特化のアンセムトランスの格好してるのに全く治らねぇって何!?」
「神様の力をもはね除ける毒って何これえぇぇぇっ!?」
理乃の言葉に、葉月が驚く。
そう、彼女達の持つ宝珠には、敵からの状態異常攻撃を受け付けない効果がある。今回も毒料理に対して無効化する筈なのだが…何故か無効化できなかったようだ。しかもあろう事か、状態異常回復魔法である【リカバー】も効果なし。
こんな事は七海とりゅーとさんの所のゼルダ並みのポイズンクッキング…いや、クトゥルフ料理でないと起こらないかと思われたが、どうやら六番の料理もそれに近いものとなりつつあるようだ。
『きっと、宝珠の加護をはね除けるくらいの強い毒が体に入ったと思うぞー。鈴花ー、オイラ特製の薬草の種やるから試しに能力で育てて与えてみろー。』
「ありがと、ノーム! にゃぐわちゃん、みんな! 今助けるから花畑の見える川は渡っちゃダメだよ!? あと、あの馬鹿後でぶっ飛ばす!!」
ローズの温室を見に来て騒ぎを聞き付けたノームから、鈴花は種をもらい、すぐに能力で開花させ、それを煎じて調合した。
「あっ、ゆかりちゃん!? 撮影抜け出して神殿にこれない!? 確か聖域付近で撮影してるんだよね!?」
『へ? あぁ、うん。してるけど…てか、何か建物のある場所から凄い騒がしい声が聞こえるんだけど…。』
「そこ! そこでゆかりちゃんの力が必要なの! お願い! 早く来て! 神様が死んじゃうよおぉぉぉぉっ!!」
『ちょっ、風花、落ち着いて! わ、わかった。丁度休憩時間だし、天田君も丁度撮影の見学に来てたみたいだから、一緒に連れてく!』
「早く来て! お願いだから早く来てえぇぇぇっ!! …みんな! ゆかりちゃんと天田君が近くにいた! 今からこっち来るって!」
その横では、風花が泣きながら誰かに電話をかけていた。ゆかり、という事は、彼女の仲間である岳羽ゆかりにかけているのだろう。どうやら同じく仲間の天田乾も近くにいたようだ。二人して神殿に来るだろう。
「くそっ、容態が戻らない…! 鎌鼬の毒を注入してみよう! 理乃ちゃんと陽介君とマリーちゃんは回復術や蘇生術をかけてて! 葉月ちゃんは貰った物資の中に君にぴったりの回復術があったから速攻で使って! 風花ちゃんは助けが来次第ここに通して! みんな、絶対に昴さん達を助けるぞ!」
「おぉーっ!」
医療班と治癒能力者達の結束が強まった。そして、懸命な治療が続いた…。
- 実食 五番&六番 後書き ( No.253 )
- 日時: 2014/12/06 23:30
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: TQ5WR7zN)
後書き de 雑談
私
—はい、毒物料理が出ました。しかもこの子、降格したわ。あろう事かツッコミメンバーから犠牲者が出るとは…。しかも由梨ちゃん、評価五なのに当たるのは低評価って…。しかもさ、やっと折り返し地点なんだけど遺言回出ちゃったし…。
風花
「この料理は絶対に食べないで下さい。お願いします。この料理は絶対に食べないで下さい。遅効性の毒物なので死にますよ。…昴さん達、大丈夫かな…?」
私
—医療班が何とか治してるから多分…。
風花
「た、多分ですか…。ゆかりちゃんと天田君、早く来てくれるといいけど…。」
私
—…二人が来ても、昴達が助かるといいけど…。
風花
「祈りましょう…。」
私
—では、ここで失礼します。昴が助かるといいけどなぁ…。それと、クマ君が体調崩した理由を察知しても今は何も言わないでいて下さい。
風花
「祈るしかありませんよ…。それでは、また。」
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