二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 結果発表! ( No.384 )
- 日時: 2015/01/03 23:09
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
とんとん、と進行表を纏める昴。ちなみに全員何とか動けるようにはなったので、結果発表に移るようだ。仕出し弁当(由梨、セシル、千枝、凪のお弁当。)も出したから、問題はないだろう。他? 全て七海の胃袋に消えました。
「…さてと。七海の残飯処理が完了した所で、結果発表に行こうぜ。」
「うん!」
ここには今、昴達固定審査員と鴉達とアイギス、MZDと影と氷海の父親がいた。全員、何かやる気満々だ。
「総評で出た数値を呼ぶようにしよう。プラスマイナスまで考えると時間がかかるからな。…とりあえず、さっさと終わらせようか。あと、あの映像の関係上、クマは最後な。クマ本人も許可くれた。最後にしてみんなが集まったところで公開処刑にしてくれってさ。」
「うん、そうだね。アイツを公開処刑しなきゃ、ね。」
「ああ。まずは…って、評価五、五+こっちにすげー多かったな。一番、四番…は飛ばして、七番、それからラスト二人! …えーっと…一番、十一番を押して来い。十二番、七番を連れてきてほしいけど、無理そうだったら十番、七番をこっちに連れてくる為だけに上がってきてくれ。紅。」
『葉月とあの馬鹿共と烈を呼んでこよう。…いざとなったら、葉月にリリィを避難させるよう頼んでおく。』
「…うん、その方がいい。絶対荒れるからな。特に七番と十一番が…。」
「ボクのオシオキ、いらないのかもね…。あの二人ならガチで殺しにかかるかと思う…。特に七番…。」
「…とりあえず、死んだな。二人。」
何が起こるかわからないが、とにかく説教部屋は開けておこう、とは思っていた昴だった…。
そして紅は翼をはためかせ、待機部屋へと飛んでいった。
- 結果発表! 評価五・五+ ( No.385 )
- 日時: 2015/01/03 23:16
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
そんなこんなで、一番の完二、七番の理乃、十一番の鈴花、そしてラストのリリィがやってきた。ちなみに、理乃と鈴花は未だに車椅子状態であり、陽介と完二に押して来て貰った。いや別に歩けるのだが、彼女達の体力を考えると無理はさせられなかった。ちなみに、陽介は理乃を送り届けると下に降りていった。
その四人の前に、葉月、七海、りせ、烈が並ぶ。おい、烈以外低評価組じゃないか? まぁ、葉月はまだマシな方の低評価だが。
「烈君、メッセージ、届いた?」
「ああ。お前の思い、届いたよ。ありがとう。ほら、評価用紙。」
「うん! …評価用紙、滲んでる…? 烈君、みんな、泣いてたの…? お弁当、美味しくなかった…?」
審査員達が泣いていた理由を違うように捉えたのか、リリィは不安そうな表情を浮かべるが、烈は首を振り、リリィをぎゅっと抱きしめた。
「違う。違うんだよ、リリィ。お前の優しさが暖かすぎて、身に染みたんだ…。身に、染みたんだよ…。」
「烈君…? 泣いてる…? 何で…? 泣かないで、お兄ちゃん…。」
再び泣き出した烈を、リリィはぎゅっと抱き返し、そっと撫でていた。
「…。」
「烈…。ん? センパイ、どうしたんっすか?」
感動的な場面を繰り広げているリリィ達の隣で落ち込む葉月。そんな彼女を首を傾げて聞いた完二だが、何となくだが、葉月が落ち込む理由は分かっていた。
「…休憩時間中、ローズ君から聞いた…。裏で、食べてたんだよね…? 私の…。」
「あー、大丈夫ッスよ! 口ん中の怪我なら理乃先輩に治して貰ったッス!」
「でも、完二君はいいご飯を食べさせてくれたのに、私っ…!」
「オレ、初めて猪肉食ったッス! あんなウメェんならまた作ってほしいッスよ!」
嘘偽りのない完二の言葉に、葉月は思わず笑みを見せた。
「…! う、うん! 頑張ってみるね! はい、評価用紙! 大丈夫、ちゃんと評価はしたよ!」
自信満々に言う葉月に完二は苦笑を浮かべて「それは分かってるッスよ。」と付け加えた。それに葉月はちょっとバツが悪そうに微妙な表情を浮かべた。
「…。」
「理乃、あれ味なかったんだけど。」
「…。」
そんな平和的な葉月と完二の隣では、理乃が黙って七海から評価用紙をひったくった。
「もー、何であんな味がないのが出来たの? 私だってちょっとびっくりなんだけど。理乃のじゃないかと思っちゃったじゃん!」
「…昴さんは五+。パステルくんさんも五+。にゃぐわさんも五+。ジョーカーさんも五+…。」
「というかなんで理乃は車椅子?」
「…。」
七海を完全無視し、評価用紙をまじまじと眺める理乃。
その隣では、りせが鈴花に食って掛かっていた。ちなみに理乃同様鈴花も評価用紙をひったくった。
「ちょっと鈴花ちゃん! あの料理辛くなかったんだけど!」
「…昴さんは五+。パステルくんも五+。にゃぐわちゃんも五+。ジョーカーも五+…。」
「それに、何で車椅子なの? ねぇ、聞いてる?」
「…。」
鈴花と理乃は、同時に顔を上げて…。
「ちょっと黙って。」
据わった目で、口元に笑顔を浮かべながらりせと七海を見た。だが、二人が黙っているわけがない。
「何で黙ってなきゃいけないの!?」
「そうだよ理乃! 何で黙っていなきゃいけないの!?」
「…(完二/巽さん)。ちょっとこの馬鹿を説教部屋まで引きずって(くれない/くれませんか)?」
「う、ウッス!!」
流石にライバルと尊敬する料理の師匠の放つオーラに恐怖を感じ取ったのか、完二はすぐにりせと七海を掴んだ。
「きゃっ、ちょっと何すんのよ完二! ツインテール掴まないでってば! 引きずらないでよ!」
「いたッ! アホ毛を掴まないでよ完二! 痛い痛い!」
「あんな料理を出したんだ! 自業自得だっつーの!」
そしてそのまま髪の毛を引っ張って引きずりながら、説教部屋まで消えていった。理乃と鈴花も、自分の腕で押して説教部屋へと消えていく。彼女達の姿が完全に消えた時、すれ違いで完二が戻ってきて、そっと後ろ手に戸を閉めた…。
『…昴さん、説教部屋の方から打撲音が聞こえ始めました。』
「…完二。そのまま戸を開けるなよ。」
「ウッス。」
この部屋を外部の音が聞こえない防音加工にしたのか、説教部屋の様子が聞こえない。
が、風花の通信が本当なら、恐らく想像通りの事が起こっているでしょう。
「次、評価四だな。えっと…。五番だけだな。紅、千枝を呼んできてくれ。五番、上に来い。」
説教部屋の人々は取り合えず放っておいて、次なる評価を呼ぶ事になった。
「こいつは評価を上げた奴だ。ジョーカー、リリィ、お前らは思いっきり褒めてやれ?」
「うむ、元よりそのつもりだ。」
「誰が作ったのかわかんないけど、評価を上げたなら、褒めたい。」
「セシルやフランシスもいりゃよかったんだけどな。」
これから多くの人達に褒められるのが目に見えたのか、昴は楽しみに待った。
- 結果発表! 評価四 ( No.386 )
- 日時: 2015/01/03 23:22
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
上ってきたのは、五番のローズ。その前に千枝が立つ。
「やっぱり千枝だー!」
「あはは…。花村から聞いたよ。ごめんね、肉、多かったでしょ…?」
「うーん、確かに多かったけど、ボクも野菜だらけにしちゃったからお相子! ボクと千枝のを足して二で割ればきっといい具合だよ!」
「あはは、確かにねー。はい、評価用紙だよ。よく頑張ったね! ローズ君!」
小さな手で評価用紙を受け取ったローズは、満足そうな表情で笑った。
「みんな、美味しかったみたいだね!」
「(あの後評価用紙を書き直しといてよかった…。)ローズ、腕を上げたな。これは我もうかうかしていられぬな。」
どうやら途中で吐きそうになってバケツタイム中の状態になった感想から改めて書き直したようだ。流石に何も知らないローズにショッキングな出来事を悟られては悲しい。
「ローズ、よかったね。異世界の対決でいっぱい習ったんでしょ?」
「うん! それに、鈴花にも色々聞いたんだ! ところで、鈴花はどこ? ボク、鈴花にも褒めてもらいたかったのに…。」
「鈴花さん、理乃さんと出て行ってそれっきり…。どうしたんだろう…。」
純粋組が説教部屋に行った二人を気にしだしたので、
「気にしなくていいんだよ。ただ、鈴花と理乃先輩はちょっと(物理的)お話し合いに行ったんだ。」
「そうそう。気にしなくていいよ。(あ、これ絶対何かあったかも。花村曰くあの二人の料理って確か…。あ、うん、死んだな、あの二人。)」
「気にするな。そのうち戻ってくるさ。戻ってきたらいっぱい誉めて貰え?(千枝、これ気付いてるか?)」
烈と千枝と昴がそっと留めました。
「うーん、わかった!」
「わかってくれればいい。昴殿、次なる人物を呼ぶといい。」
「そうだな。次は三番と十番か。」
ローズやリリィがこれ以上気になりだす前に、昴は次なる人物を呼ぶ事にした。
「紅、凪とフランシスを。それから…次の奴はお前もたんと褒めてやれ。相棒として、父親みたいな存在として。」
『それは神も同じだ。母として、姉として、奴の成長を褒めてやれ。では、行ってくる。』
紅は翼を羽ばたかせて飛んでいった。
「…さぁ、三番、十番、待たせたな、来い!」
昴はそう、高らかにマイクに向けて言い放った。
- 結果発表! 評価三・三+ ( No.387 )
- 日時: 2015/01/03 23:28
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
少しだけ、待った。二人はすぐに上がってきた。
そこにいたのは、三番の鏡と、十番の陽介。
「…。」
「おい鏡、何で俺の後ろに隠れんだよ。」
「だ、だって…。」
隠れる必要は、まったくない。だって彼は、成長したのだから。
だが、自信がないのだろう。昴に怒られるのではないのか、紅に叱られるのではないのか、不快なものを食べさせたのではないのか、ずっとその思いがぐるぐると頭の中を駆け巡っていた。
「後ろに隠れる必要なんかないさ。」
「そーだよ、鏡。君はちゃんと立派に成長したんだからー!」
「そうだ、鏡。評価二から評価三+は立派な成長だ。」
二人の前にいた凪とフランシスが、鏡を褒め称えるようにそう言う。
「え、じゃあ…!」
「君の評価、三+だよー!」
凪は鏡に評価用紙を渡した。そこにはしっかりと、総評:三+と書かれていた。
「え…! オレが、三+!?」
「驚く事はないよー。ちゃんと成長してる証だもん! でしょー? 昴さん、紅ー。」
「ああ。お前の成長にも、凪の成長にも、雪花の成長にも、驚いてる。」
『我も嬉しい。やはり子というのは、父や母の手を離れても成長し続けるものなのだな。…そして、いざ成長をした姿を見ると…驚きを隠せない。感動さえも覚える…。』
鏡はそこまで聞いて、個人評価を見た。
昴の評価が所々滲んでいて、読めない。だけど、昴が喜んでいたのは、何だか伝わった。
「…すーさんっ!」
鏡は感極まって昴に飛びついた。その表情は、笑顔だった。
「オレ、もっともっと頑張る! もっともっと頑張って…すーさんを楽させてあげるんだからっ!」
「僕も頑張るよー!」
「ははっ、んじゃ、俺はそれまで、手のかかる子供達をお世話しますかなっと。」
『…。』
昴の周りに集まる彼女の最も愛する子供達を見て、紅は笑みを見せた。
(甘えん坊な面は抜けぬが…もう、大丈夫だろう。)
鏡はもう、一人でも大丈夫。そう、確信をした、笑みだった。
「随分と感動的なシーンだな。っと、陽介。評価用紙だ。」
「さんきゅ。…本当に悪かったな。トラウマ抉り返しちまって…。」
「気にする事はない。最大の元凶は別にいるからな。俺こそすまない。…こ、米を、残してしまって…。」
「その、嫌なら無理する事ないぞ。俺、残したの気にしないし。トラウマ持ちに無理強いするつもりもないって。」
陽介も、フランシスが米を残すだろうとは思っていた。寧ろここで自分の料理を出してしまった事に、謝罪をしたくなった。
「まぁ、あんまり気にすんなって。今度俺、美味いサンドイッチ作る店、案内するし。」
「悪いな…。」
何だか友情が育まれたそんな感じがする陽介とフランシスだった。
「さてと。次呼ぶか。」
「そうだね。次は…八番と九番だね。この二人は…片方は何か惜しいし、片方は転んだだけだから、特に説教とかは要らないよね?」
「寧ろ俺は八番に何でここまで惜しいのが何回も出てくんだよこんちくしょうって言いたい。」
「昴さん、そこは許してあげて…。本人も自分の腕は分かってるし、ちょっとずつ成長してるから…。」
とにもかくにも、紅に雪子と雪花を呼んでいる間に、昴は八番と九番を呼んだ。
「…おい、ちょっと待て。九番って確か…。」
「…あ、荒れるね…。」
…説教部屋に一人、更に投入する事になるのだろうか、とにかく不安はあるも、呼んでしまわないと終わらないので、マイクを使って呼ぶ事にした。
- 結果発表! 評価二+ ( No.388 )
- 日時: 2015/01/03 23:33
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
上がってきたのは…。
「天城先輩、評価は後です。まずは説教部屋に一緒に来てください。」
もとい、上がってくるなり前にいた雪子にブラックホールの銃口を突きつけたのは、直斗だった。ちなみに奇跡の効果は既に切れており、元通りだ。
横では一緒に上がってきた氷海が、どうしようと困っている。
「…直斗、せめて評価用紙は貰え。その後ぶっ飛ばしていいから。」
「…分かりました。では、評価用紙を下さい。」
「ハイ。」
直斗は雪子から評価用紙を受け取る。
「…やはり、落ちてましたか…。」
「まぁ、お前のは問題ないよ。怪我が心配だったけど…。」
「二、三日で落ち着くような軽い捻挫です。体育は少し見学してほしいって言われましたが、特に大した怪我ではありません。ご心配をおかけしました。」
ぺこりとお辞儀をしながら謝罪をする直斗。どうやらこの件に関しては本当に心配させた事を謝罪しているようだ。
「よし、じゃあ、行って来い。今、向こうで理乃と鈴花がとっちめてる所だ。」
「はい、勿論です。さぁ、天城先輩、来て下さい。」
「ハイ。」
『えっと…説教部屋の人達は一端ストップをお願いします。』
直斗が放つ重圧を感じたのか、雪子は何も抵抗せずに一緒に部屋を出て行った。戸を開ける前に風花が通信を入れてそう言ったのが幸いしたのか、戸を開けても音が聞こえない。
「…。」
暫く、誰も何も言わなかった。
「…完二、そっとその戸を閉めとけ。」
「ウッス。」
完二は開けっ放しの戸を、すぐに閉めた。その直後、再び断末魔の叫び声が聞こえたのは、外にいた風花しか知らない…。
「…ひ、氷海、はい、これ、評価用紙よ。」
「あ、ありがとう。どうだった? 雪花。」
その間にも、雪花は引きつった笑みで氷海に評価用紙を渡し、氷海も同じ表情で受け取った。
「美味しかったけど…指、切ったでしょう。」
「う…。」
「食材に血が付いたらせめて洗ってね…。」
苦笑を浮かべる雪花に、氷海は「ごめんなさい…。」と謝罪をした。
「でも、裏で貴方のお弁当を食べたけど、容器のミスがあったのではなくて…?」
「う、あ、あれは…ごめんなさい、慌てていて間違えてしまったの…。あの二つは最後に作ったのだけれど、時間がもうわずかで…。」
「雪花も人の事は言えないわよね?」
「うぅ…ごめんなさい…。」
どうやら、雪花のミスは時間に追われたタイプのようだ。互いに惜しいミスをした二人は目を合わせると、笑う。
「私達もまだまだね。」
「そうね。」
二人は暫く、そんな話をしていた。この二人は確かにミスはしたが、ちゃんと美味しいものを提供した。これからも伸び率はあるだろう。
「…さて、直斗は放っておいて…次は評価一だな。零とクマを一緒に評価しようと思うから、評価一を先に単独で呼んじゃおうか。…二番、怒らないから上がって来い。紅、セシルを呼んできてくれ。」
『分かった。』
紅は翼を羽ばたかせ、セシルを呼びに行った。
- 結果発表! 評価一 ( No.389 )
- 日時: 2015/01/03 23:38
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
部屋に入ってきたのは、二番の風雅。その前にセシルがやってくる。あれ? 風雅、泣いてませんか?
「…風雅さん、わたくしは怒っていませんよ。休憩時間中に謝罪を下さった時に、全てを許しているつもりですわ。はい、評価用紙です。」
「うん、ごめんね…。セシル、後で胃薬は買ってくるから…。」
「胃薬はありがたく頂戴いたしますわ。風雅さんはどうしても運のせいで振り回されるだけですわ。悪気はないですし、反省もしていますので、どこぞのアイドルよりも天と地の差ぐらいにマシですわ。」
「だよねー。」
風雅もセシルも、同じ人物が出てきているのか、二人で納得していた。
「まぁ、ここは平穏に終わると思っていたが…問題は次だな。」
「牡丹の謎もそうだし、何より…クマのだ。あいつのがどう出るかが謎過ぎて困る。だが呼ばないと終わらないしな。六番、それから待たせたな、四番。上がって来い。…紅、由梨とあの馬鹿呼んできてくれ。」
『わかった。』
紅は翼をはためかせ、最後の人物達を呼んできた。
- 結果発表! 評価零・五(クマのみ) ( No.390 )
- 日時: 2015/01/03 23:47
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
上がってきたのは、牡丹とクマ。牡丹の方は心なしか泣いているようにも見える。そんな彼女を、クマが小声で励ましている。
牡丹の前には由梨、クマの前には悠がいる。
「…牡丹。評価用紙を渡す前に聞きたい。あのキノコはどういう意味だ?」
「どうもこうもありませんわ。由梨さんもご存知でしょう? あのキノコと毒キノコは、一見しただけでは区別がつきづらいと。私はピーチさんの公務を手伝う貴方と別れた後、一人でキノコを取りに行きましたの。私が間違えて採取してしまった。ただそれだけですわ。」
牡丹の証言は、一人でキノコを取りに行き、見分けがつかず間違えて投入してしまったそうだ。
「薬草も、アタシが用意したものでちゃんとやったんだよな? …調合したら、胃」
「あぁ、私の方で勝手に効果を強めた物とすり替えましたわ。強めた方が副作用は大きくなりますが、効き目はその分バッチリですもの!」
由梨の言葉を遮るように言う牡丹。
「…牡丹、お前の言い分はキノコは一人で用意したが、それは毒キノコだった。由梨の用意した薬草は使わずに別の、効果を強めた薬草を使った。そうだな?」
「その通りで」
「ちょーっと待ったあぁぁぁっ!」
バーン! と激しい音を立て、昴達の後ろにある、医務室に繋がる扉から誰かが出てきたようだ。
後ろを振り向くと、そこにはピーチがいた。腕にはキノじいを抱えている。しかも縛り付けられてませんか?
「ぴ、ピーチさん…!?」
「牡丹ちゃん、嘘はダメよ。私を庇って言っているのか別の意図かはわからないけど、私はちゃんと知っているわ。今回の毒キノコ騒動の犯人を、ね。」
そう言ってピーチはキノじいの縄を解く。キノじいは牡丹の前に来て、その大きな頭を下げた。
「うぅ、牡丹殿、昴殿、由梨殿、皆さん、申し訳ない! すべては、このじいが元凶なのです!」
「…キノじい、全て話しなさい。私と由梨ちゃんが公務をしている間、何があったか。」
「はいですじゃ…。」
「き、キノじいさん…。」
牡丹はおずおずと困ったように狼狽えたが、キノじいは首を横に振った。
「全てはこのじいのミスですじゃ。…牡丹殿は由梨殿の分を摘み、早く帰ってお弁当の試作をしようと考えていたようで、一人で城のキノコ栽培所にてあのキノコを採取しておったのじゃ。わしはそこをたまたま通りかかって声をかけたのが、全ての過ちじゃった…。」
「…。」
「わしが馬鹿じゃった。彼女はその時、正しいキノコを摘んでおった。なのに、わしがしたのは…そのキノコは違う。毒キノコだと言ってしまって、毒キノコの方を一人分、わしが摘んで渡してしまったのじゃ。後に、姫から毒で倒れたと聞かされて…キノコの話をしたら、わしの記憶違いで毒キノコと正しいキノコを逆に覚えていた事が判明したのですじゃ…。」
どうやら、牡丹は毒キノコを摘んでおらず、正しいキノコばかりを摘んでいたようだ。だが、キノじいの記憶違いで逆に覚えており、正しいキノコを全部捨てさせ、毒キノコを摘ませたようだ。
葉月は、これをどこかで聞いたと思った。だが、思い出せそうにないので由梨を見る。
「…ティトレイがリバース世界でやらかしたのと全く一緒だな。葉月も覚えてるだろ?」
「あ。あー…あのワライダケ事件のアレか…。」
「そうそれ。…アタシは牡丹が一人分しか摘んでないのを見て、ピーチと一緒に彼女の公務が終わった後、取りに行ったんだ。あのキノコはパッと見ただけじゃ全く区別がつかない。まじまじと見ないとわからないくらいしか違いがない。…その時に気付けば、こうはならなかったな…。」
「昴さん、皆さん、ごめんなさい…。私がついていなかったのとキノじいの勘違いのせいで、生死を彷徨ったのでしょう?」
「まぁ、でも何とか助かったのは助かったし、全ては誤解が生んだ事故だ。…誰の責任でもないよ。」
どうやら昴は、ピーチ達のやった事を咎めるつもりはないらしい。
「キノじいの処理はそっちに任せる。」
「わかったわ。」
「さて、キノコ事件は解決したはいいが、薬草の謎が解けないな。」
『昴ー。』
牡丹は本当に薬草の効果を高めたのか、どうやって調べたらいいかわからない。そんな中で、いつの間にかいたのか、ノームがほえーんとした表情で手をあげた。
「どうした? ノーム。」
『オイラ、それ調べられるぞー。牡丹の弁当くれー。』
「え、つっても食っちまったし…。」
『まだ一個残ってるだろー? 自分で食う分ー。』
そうだ。七海のような馬鹿舌毒無効というような特殊な性質を持たない牡丹がこうして生きていると言う事は、自分のお弁当を食べていないと言う事である。
「あ、あのお弁当なら捨てましたわ! 自分で食べるだなんて、していませんから!」
「それはわかってたよ。しかし捨てた、か…。」
「捨てた? それは嘘よね、牡丹。」
声を発したのは、雪花だった。その手には、キノコのホイル焼きが入った、凍り付いたお弁当だった。
「せ、雪花、それ…!」
「私が取り上げたのを忘れたの? 後で捨てようと思ったけど、残しておいて正解だわ。」
『いただくぞー。』
ひょい、と雪花の手からお弁当箱を引ったくり、なんと、お弁当箱ごと食べた!
「え、おいノーム! それは」
「大丈夫。」
毒をお弁当箱ごと食べた光景を見て狼狽える葉月と由梨以外の一同だが、葉月が何にも心配なさそうにそう言った。
「ノームは誰に似たんだかわかんないけどさ、舌こそ正常だが、ゲテモノは普通に食える奴なんだよ。」
『ほふはほー。(訳:そうだぞー。)』
「食いながらしゃべるなよ。あと弁当箱は関係ないだろ。何でそれごと食う。…結果は?」
『んっく。んとなー、薬草に細工は見られないぞー。オイラが用意した奴だー。けど、毒キノコの成分が強いなー。これじゃ、折角の薬草も変な反応して毒になるなー。』
「あれ? そう言えば昴さん達は、遺言を残せるくらいの時間があったのよね? あのキノコは即効性で、一口食べたらすぐに死んでしまうはずなのに。」
そう、ピーチの言う通りあれは即効性の毒キノコ。一口食べたらアウトな代物だが、効きが悪いと感じていた。
『薬草達が毒キノコの成分によって、変に変化したみたいだなー。本来の意図とはかけ離れた性質をー…毒の進行を遅らせるような性質を持っちゃったみたいだなー。だけど毒性が強いからー、その内薬草の成分も毒になりー、ああなったんだなー。本来なら、薬草が混ぜられた奴を全て食べれば、お腹に優しい胃薬になるはずなんだなー。』
「…胃薬? じゃあ、本当は胃薬になるようなものに加え、美味しいキノコを食べさせようとしたんだな。」
牡丹は何も答えなかったが、本当は評価五を狙えるくらいの美味しい料理を作ろうとしたのだ。だが、毒キノコのせいで、全てが狂ってしまった。
だが、ここまで聞いてもわからない事がひとつ。何故、牡丹がここまで変わったか。だ。
「…ボタチャン、スーチャンはきっと望んでないけど…そろそろ話すべきだと思うクマ。クマ、話すクマ。」
「く、クマさん!?」
「スーチャン、ごめんクマ。クマとボタチャン、スーチャンの秘密にしておきたいあるものを見ちゃったクマ。スーチャンは寝てたから知らないクマ。…クマも、アレを見てから、裸族についてあり方が変わったクマよ。」
クマは話始める。牡丹が変わった理由を。そして、自身も変わろうと考えた理由を…。
- 結果発表! 牡丹とクマの切欠 ( No.391 )
- 日時: 2015/01/03 23:50
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
事の始まりは、料理対決をしようと決めてから、二日後の話。
「クマさん、クマさんは何を作るおつもりですの?」
「クマはねー、ちょっと趣向を凝らしたベントークマ! 中身はまだ秘密クマよー。ボタチャンは?」
「そうですわねぇ…。夜の営みを促す滋養強壮の薬草入りか、惚れ薬の成分を入れたりとか。あっ、R18的な物を入れて審査員達を」
「やめるクマ。完全にスーチャン達が死ぬクマ。」
クマが神殿に遊びに来ており、二人で話を弾ませていた。
今、この神殿には二人の他に、昴しかいない。その彼女も、今は執務室でパソコン片手にデスクワーク中だ。
「にしても昴さん、最近執務室に籠りっきりですわね。」
「何かお仕事が忙しいクマか?」
「いえ、仕事はいつも通りですわ。うーん、気になりますわ。隠れて仕事せずに遊び呆けてるのかも…。」
「スーチャンに限ってそれはなさそうな気がするクマ。」
ここ数日籠りっぱなしの昴。彼女を心配していてか、いつの間にか話題がそうなっており…。
「ね、クマさん、ちょっと見に行ってみません事?」
「ほえ? 執務室にクマか?」
「遊び呆けていたら私達でお説教ですわ!」
「うーん、でもそれはまずないと思うクマ…。」
そう言うクマだが、牡丹と共に歩き出した。
二階の執務室に着き、こっそりと覗くと、昴がソファで横になっていた。
「あれ? スーチャン寝てるクマ?」
「みたいですわね…。」
昴に近くにあった掛け布団をかけてやりながら、部屋内を散策する。
すると、机の上に大量の紙を見つけた。どうやら請求書のようだ。
「…請求書がいっぱいクマ…。」
「昴さん、まさか、この請求書の処理に追われて…?」
「これ、ほぼセンセイの被害関連での請求書クマ…。」
「あの方、何度昴さんを困らせれば気が済みますの…。あら?」
牡丹は開かれたままのパソコンを見つけた。
そのまま前に座り、中身を見る。
「ちょ、ボタチャン、まずいクマよ!?」
「昴さんが何しているか、これで分かると思います…わ…。」
「ボタチャン?」
「…。」
牡丹が開いていたのは、メール送信画面。どうやら被害を受けた人々に謝罪をするメールを作っていたようだ。
彼女は、どうやらまだ送られてきた文面を消していないようで、二人はそれを見てしまった。
「…。」
「ひ、酷いクマ…。クマ達の事を貶す文が…!」
開かれたメールに書かれていたもの、それは、心無い言葉の山、山、山だった…。
「貶されて当然の事かもしれませんが…これは酷すぎますわ…! 自分が言われたと置き換えてみてくださってもいいのに…! あら…?」
そこに書かれていた文面。おそらく、これは後に消すような文面だろう。
『他の人にとっては、他人かもしれない。でも俺にとっては子供みたいなもの。改めて、それを認識した。やっぱり、責められると、ちょっと辛いな…。』
本当は、昴も辛いのだ。悲しい事を言われて、辛いのだ。
「…スーチャン…みんなの事を思っていたんだクマね…。」
「…昴さん、最近、少し胃薬の量が増えました…。きっと、こんなものを受け取って、一人で抱えて…色々あって更に胃痛が酷くなったのでしょう…。私達の暴走や…。」
「センセイやクマの暴走…。それは、みんなの怒りを買って…スーチャンの負担になってたクマね…。」
無意識に、二人は寝息を立てる昴を見た。その表情は、どこか…苦悶に満ちていた。
「…今は、そっとしておきましょう。手伝える事は、何もありませんわ…。」
「そうクマね。」
二人は何を思ったのか、今の昴の姿に何かを感じ取ったのか、静かに外へと出て行った…。
- 結果発表! 牡丹の反省 ( No.392 )
- 日時: 2015/01/03 23:55
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
「あのスーチャンを見た時、クマ達は同じ事を思ったクマ。もうスーチャンにメイワクはかけたくない。傷ついてほしくない。多分、ボタチャンもそう思ったからこそ…。」
「アタシにわざわざ習いに来たってわけか。少しでもその嫌な面を払拭するための行動をしようとしたってわけか。昴さんの負担を減らすために。」
「…。」
牡丹は黙ったまま、何も答えない。答えるつもりはないようだ。
「スーチャン、ボタチャンは…今回だけは本当に純粋にスーチャンのために作ったクマ。」
「…勝手に執務室に入った事をまずは謝罪しろよ。」
「うぐ、そ、それは…ゴメンクマ…。」
「ごめんなさい…。」
ちょっと怒ったような昴の言葉に、二人は謝罪をした。
「…まぁ、謝罪したならいい。…さてと、牡丹。」
「はい…。オシオキなら、受ける覚悟は出来ていますわ。」
「よろしい。再確認せずにぶっ込んだのはお前の責任だからな。…けど…。」
昴は牡丹の側に寄り、くしゃっ、と頭を撫でた。
「変わろうとしている思いはあるんだって分かった。なるべくこれを続けてほしいんだけどな、俺としては。」
「…。」
牡丹は黙る。この分だとまたやるだろうなとは思うが、この時は何も言わなかった。反省する事もあるという事だけ分かっても収穫だ。
「まぁ、ゆっくり変わっていけ。お前も…少しずつ、成長しているのが分かって嬉しいからよ。」
「…はい…。」
俯かれたその目には、涙が溜まっていたのを昴は知らない…。
- 結果発表! 例の映像 ( No.393 )
- 日時: 2015/01/04 00:00
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
牡丹をもう一度撫でると、昴はクマに向き直った。
「さて、クマ、悪かったな、最後にさせて。つか、お前にも変わろうという意思があってよかった。」
「みんなにメイワクかけて、スーチャンがこれ以上苦しむのはイヤクマ。ラゾクはスキだけど、スーチャンを困らせるのはイヤクマ。だから、クマは適度にクマ自身やスーチャンのストレスを発散するためのラゾクになるクマ! クマは…スーチャンにセイキューショが送られないような行動をするクマよ! 仮に届いても、クマが払うクマ!」
「甘いぞクマ! そんな適当な裸族では裸道を極め」
「そんな人のメイワクなるような物は極めたくないクマ。クソマズイ料理は極めたくないクマ。」
悠が何かを言おうとしたが、クマはスパッと切り捨てた。しかも真顔で。
「スーチャン、あの映像…みんなで見ようクマ。クマ、その為に最後になったはずクマ。」
「ああ。…。」
昴は葉月と雪花と凪にちらりと視線を向けた。
「…鏡君、ちょっと外に行こうか。昴さん達にあんまん買ってこよ?」
「うん! わかった!」
「リリィ、昴さん達にいい紅茶を入れたいから、手伝ってくれない?」
「うん、いいよ。」
「ローズー、僕と一緒にお菓子買ってこようよー!」
「うん!」
彼女の意図を感じ取ったのか、三人は何とか純粋組を避難させる。しかも、外に。
その姿を見送った後、昴は溜息をついた。
「風花、お前、もう上がって来い。流石に打撲音聞きっぱなしは辛いだろ…。あ、映像見る事になるけどいいか?」
『すみません、打撲音や発砲音よりもそっちの映像の方がマシですうぅぅ…。』
余程怖かったのだろう…。風花が通信越しに泣いているし…。
「すぐ上がって来い。お前の精神が持つ間に…。」
『はいぃ…。』
風花が来るのを待っている間、全員で悠を見る。
「…さて、悠。これはお前のスマホだな?」
「え、何でそれを昴さんが持っているんだ?」
「裏でクマの食べたオベントーについていた物をヨースケに預けたクマ。」
「その預かったものを、休憩時間の時に昴さんに渡した。」
「そして俺が今持っているって訳。そしてクマを最後にしたのは…これを全員で見ようと思った訳だ。」
「そして、私がそれをテレビに繋げるんですね。」
ようやく風花が上がってきた。その表情はどこか疲れきっている。流石に長い間聞かせすぎたか…。
「す、昴さん、何でそれを全員で見ようと…。」
「え? わかんないか? 悠。…公開処刑に決まってんじゃねぇかよ。んじゃ、風花、頼む。」
「はい。」
昴は風花にスマホを預けた。悠はそれを奪い返そうとしているが、牡丹が蔓草を使って止めた。その間に、風花は昴が出したテレビにスマホを繋げた。
「では、再生しますね。」
「頼む。」
「え、ちょ、まっ、昴さん、待って!?」
悠が後ろで騒いでいるが、何も語らずに問答無用で再生した。
- 結果発表! 例の映像 本編 ( No.394 )
- 日時: 2015/01/04 00:05
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
※ここからは色々と注意してください。
初めに映ったのは、笠をかぶって青い着物を着た男性のパネルがある場所だった。
「え、ここって稲羽郷土展!?」
「稲羽郷土展って…確か、風花達と出会ったヤソガミコウコウのか?」
そう、こう見えても風花達ペルソナ3のメンバーとペルソナ4のメンバーは文化祭シーズンの時にある一件で出会っている。詳しい話はネタバレ防止の為割愛するが、ここはその時出会った場所の中の一つにあるダンジョン、稲羽郷土展なのだ。
「オレ、ここ見たくなかったッス…。掘られそうになるし、あの料理は…うぷ…。」
「…完二君、あの時は本当にゴメン。」
千枝は思わず完二に謝る。理由はペルソナQをやろう。
「まぁ、ここもある意味トラウマだったからね…。私、凄くナビゲーションでよかったって思う…。」
「ここも、完二のダンジョンみたいなものだったからな…。」
死んだ目を浮かべる風花に、ゲームでやったのか、烈が苦笑を浮かべていた。
詳しくはゲームをやってほしいが…早い話が、完二のダンジョンを更に酷くした物、と言っておこう。
「でも、何でここがあるんだ?」
「最近、テレビの中に現れたクマ。あの時、ヤソガミコウコウの中にあったダンジョンがテレビの中にあったのを、フーチャンと確認したクマ。」
とにかく、映像に戻ろう。いつの間にか中に入っていたようだ。しかも、一番熱気のある第四夜だ。そこで、ズビシッ! とかビシィッ! といった殴り合っている音が聞こえる。
「うおぉぉぉぉっ!」
『うおぉぉぉぉっ!』
次の瞬間、全裸の悠と、紅い体をした筋肉質の男が映った瞬間、由梨がずっこけ、ノームが笑い出した。
『な、何だあれ! アハハハハハッ! 何やってんだよイフリート! アハハハハハハッ!!』
「うるせぇ笑うなノーム!! ったくっ、何やってんだよアイツ!!」
「い、イフリートって、由梨先輩の契約した精霊の一体だよな…。」
「ああそうだよ! アレがアタシの精霊だよ畜生!!」
あ、やばい、男…イフリートが出た瞬間由梨がブチ切れた。
ちなみに誰の影響かわかりませんが、由梨の契約する炎の精霊イフリートはなんと裸族であり、ここにいる七海の契約する精霊ノームはギャグカオス組なのである。
「」
「ちょ、ピーチさん!? キノじいさんも気絶してますわ!」
「あー、流石にあの映像にはショッキングだったな…。氷海の親父さん、ちとすまねぇけど、運んでくれ…。」
「わ、わかった…。気分が悪くなったらいつでも来てくれ…。」
気絶したピーチとキノじいを、氷海の父親がそっと運んだ。
『やるじゃねぇか裸友! だがまだまだだ!』
「ああ、俺もまだまだだと感じているからな!」
しばし、殴り合いが続く。段々と映像がフレームアウトしながら。
舞台は変わり、星空の元、狭いドラム缶風呂に悠とイフリートが入っていた。
「ふぅ…殴りあった後の風呂は最高だな、裸友…。」
『おう、そうだな、裸友…。』
「うわー、見たくなかったこんな絵図。筋肉質の男が窮屈に詰められているこの図は見たくなかった。」
「酷くないか里中!」
千枝が思わず呟く。悠は反論するけど、流石に誰だってこの図は見たくない。こんな男が二人窮屈に敷き詰められている図なんて見たくない。
「さて、そろそろいいだろうか。」
『ああ、そろそろ頃合だろう、裸友…。』
そう言って二人は、月を前に立ち、空へとフレームアウトしていった。
次に映ったのは、BEMANI学園の調理室だ。
「あれ? 調理室だね。」
「次は調理工程ですね。」
アイギスの言葉通り、どうやら次はようやく調理工程に入るようだ。ん? 傍らにあるのはさっきのドラム缶…?
「まずは俺と裸友、イフリートの汗と涙の結晶! それを卵や色々なものに投入する!」
「え。」
「」
なんと、今まで幾度となく様々なところで使われ、読者にトラウマを与えてきており、フランシスの大のトラウマである裸塩を卵と鮭に振りかけた!
すみません、フランシスが固まり出したのですが。
「そして…この俺とイフリートの汗と涙の結晶である裸汁を炊飯器と鍋にイン☆ ちなみに米は裸汁で前もってといであるぞ!」
「え。」
って、さっき風呂のように入っていたドラム缶の中身を炊飯器と二つの鍋に投入したではないか! しかも米をそれで洗ったと言っていなかったか!? これには全員「え。」と固まるしか出来ない。
「卵スープにも出汁と裸汁と裸塩を入れて、っと。よし、裸汁卵スープの完成だ!」
「」
全員、ツッコミを放棄しました。もうこの後は嫌な予感しかしない…。
「裸汁で煮た肉じゃがも完成、更に裸汁で炊いた五目御飯のおにぎりを加えれば…はい、これで特性の裸汁弁当、完成だ!」
「おぼろしゃあぁぁぁぁっ!!」
ドヤ顔で言う悠の映像の前で、クマとフランシスが虹色エフェクトのものを吐き出してしまったー!
そう、クマが食べたあのお弁当は、イフリートと悠の汗や垢を流した残り湯と、あの裸塩で作られていたのだ! 流石にこれにはクマも嘔吐し、トラウマを再度掘り起こされたフランシスも吐いてしまった…。他のみんなは吐きはしなかったが、引いていた。完全に引いていた。風花なんか口元押さえてるし…。
「風雅、完二、クマ'sを医務室につれてってやれ…。」
「ウッス…。クマ、立てっか?」
「フランシス、大丈夫…?」
ふらふらとしているクマ達を、風雅と完二が連れて行ってあげた…。
- 結果発表! 例の映像 続き ( No.395 )
- 日時: 2015/01/04 00:10
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
※PONさんとwacさんご本人様、及びお二方が好きな方、申し訳ございません!
「大トラウマになるな、アレは…。ん? まだ映像に続きがある。」
「最後に、このお弁当が美味しく食べられるように、お祈りの意味を込めて、ある歌を歌おうと思う。ミュージック、スタート!」
悠がそう言うと、シンセサイザーとピアノのような音が聞こえる。この音楽は昴も烈もMZDも聞き覚えがあった。そう、MZDが創造者にくれた物であり、昴の持つ物の元となった楽曲…!
「創世ノートじゃねぇかあぁぁぁぁぁぁっ!!」
そう、PONさんとwacさんが合作し、PONさんが歌う、創世ノートだった! あろう事かこの曲を今巷で流行の裸族ソングにしてしまったのだ!
これには勿論昴とMZDは大激怒! 烈も自分の担当曲の生みの親が作曲したので黙っていられない!
「由梨ちゃん、手帳、どう…? 私の方、何かもう持てないんだけど…。」
「え、熱すぎて怖いくらいなんだけど。絶対火が出そうだぞこれ。」
『やはり切れてるよなー。』
—当たり前じゃないですかー。私も黙っちゃいないぞゴルァ。
風花の創世手帳がぴょこん、と飛び出してそう書かれる。ああ、余程お怒りなのですね分かります。
「題して…裸世ノート! 聞いてくれ!」
そして、下らない替え歌が始まった!
「さぁ、非常識の海に 始まりの服を 共に脱ぎ捨てよう 光あれ! 闇を穿て!」
光あれ、と言った瞬間に、いつの間にか服を脱いでいた悠の股間にご来光が! これは裸族技の一つで、もっこRIとかいう奴だろうか…。
「ぎゃあぁぁぁぁっ!!」
「へ、へんたーい!」
「みんな、目を閉じろおぉぉぉっ!! あんな腐ったの見るんじゃなあぁぁいっ!!」
「腐ったのって酷くありませんか昴さん!?」
当たり前だ。あんな粗末なものを見たら誰だってそう言う。
「肌友を呼び寄せる 空を描いた 肌友を受け止める 大地踏み固めた」
『朽ち果てる服の箱庭に 送る最後の鎮魂歌(ラスト・レクイエム)』
「って、何でいつの間にかイフリートがいるんだよ!」
『勝手に来たんじゃないのかー? アハハハハハハハ!!』
なんと、いつの間にかイフリートが隣にいた! もうこの際イフリートはどうでもいいや。
「裸心(らしん)が宿る裸友の欠片 何度も服を脱ぎ捨て 新しい裸友(とも)を待つ」
『裸星(ほし)が導いた 産まれ立ての素肌に集まる裸友(とも)が』
「少年はもう 全て知ってしまった 素肌になる事の 素晴らしさを」
『嗚呼常識は 羽ばたき空へ消える! 笑顔も涙も全て生まれた この裸族の世界(せかい)で!』
色々突っ込みたい事があるが、昴達はこらえる。すみません、昴とMZDと烈がそろそろブチ切れそうなんですけど。
「今も僕が裸友(はだとも)なら」
『嗚呼 闇を抜けて ご来光(ひかり)となれ』
下らない歌が終わった後、昴達はちらりと、悠を見た。
「…フッ。」
「ドヤ顔浮かべんじゃねえぇぇぇぇぇぇ!!」
「あぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」
あまりにもいいドヤ顔だったので、昴とMZDと烈がブチ切れ、上からたらいが落ちてきたのは言うまでもない…。
そんなこんなで、結果発表はこれで強制終了した…。
あ、ちなみに裏の評価は落ち着いた時に各自渡しました。
そして、あの映像を録画していたのは…。
『やっべぇ! 裸族に協力できたし! アハハハハハッ! この映像は永久保存しとこうっと!』
「フィアレス、ちょっとお前後でこっち来い。」
理乃と契約する風の精霊シルフ四姉妹の三女、フィアレスだったとか…。
- 結果発表! パステルくんのお願い ( No.396 )
- 日時: 2015/01/04 00:16
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
そして、その夜。
「…。」
パステルくんはまたカリカリと設計図のようなものを書いていた。
「…パステルくん。」
そんなパステルくんの元に、セシルが近づく。
「あ、セシル。」
「…何を作っているかは…聞かないでおいた方がよろしいですね。いつものオシオキ用設計図ですわね。募集、するのですか?」
「うん。…でも、募集をかけても残忍なオシオキが現れたらやらないかも知れない。だって、最近ちょっと物騒なオシオキも増えてるもん。」
この間の異世界の料理対決を思い出したのか、パステルくんはちょっと表情を曇らせた。
「ねぇ、セシル。君はりせや悠のオシオキを見て、どう思った?」
「お怒りなのは分かりますが…少し、やりすぎなのではないかと思います。それと、七海さんの件もです。明らかアレはわたくしから見ても…虐殺に近いようなイメージを湧きました。ええ、本場のモノクマさんがするようなものを過らせましたわ。きっと皆さんも…下手をすると同じ思いを抱いていたのかもしれません。」
「オシオキを執行したボクも十分怒っているのは伝わったよ。でも、あれはボク的にももう二度とやりたくないな…。あれじゃみんな絶対反省しないよ。逆に反発しそうな気がする。下手をすると…死んじゃう。そんなの、昴さん望む訳ない。」
そこまで言ってから、もう一度カリカリとペンを走らせた。
「もし、募集してそれが明らかこのオシオキを受けると死んじゃうって思うオシオキはやらない。あくまでもその人が反省するだろうと思うオシオキを吟味するよ。」
「…。」
「誰か他の人が来るのは構わないけど、そんなオシオキをするような人はボク、追い返すよ。みんなにもそんなオシオキをさせようものなら…ボク自身がその人に手を下そうかな。その人に同じ目に遭ってもらう。そうしないと、人を傷つける重みを知らないまま生きて行く事になって…この次にまたりゅーとさんの所で牡丹とかがやらかしたら、きっと七海達の時と同じようなオシオキが送られてくる。…痛い目に遭って分かれって言うだろうけどさ、それだったらボクは一回目と二回目のオシオキをもう一回やるよ。」
「…異世界でオシオキを送った方々のオシオキは、わたくし達から見れば、メリットのあるオシオキでも、成長を促すためのオシオキではありません。ただ自分のストレスを発散する為のオシオキであり、自分の子を出したいが為の下らないエゴですわ。何もかも暴力で解決するのは馬鹿げています。そう、パステルくんは言いたいのですね。」
セシルがそう言うと、パステルくんは頷いた。
「残虐なオシオキを送られたら、即座に打ち切るから。そして、一回目と二回目みたいなオシオキに切り替えるよ。あくまでも、オシオキを受けるのはボク達の大切な友達。昴さんがどう思うか、もし自分がそのオシオキを受けたらどう思うか、それを一回考えてから、送ってきてほしいよ。」
そこまで言うと、パステルくんは続きの設計図を書いた…。
続
- 結果発表! 後書き ( No.397 )
- 日時: 2015/01/04 00:21
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
後書き de 雑談
私
—と、言うわけで、また三回目同様募集はするけど、これ絶対死ぬだろうというオシオキは私の方で却下させていただきます。そんなオシオキが多かった場合は、こちらの方で考えていたオシオキを食らわせるだけで皆さんのオシオキ案を全て却下しますので、その時はご了承下さい。
昴
「とりあえず、こっちにオシオキ案送る前に一度裏回と玉より食物の後書きをもう一度読んでほしい。更に第四回を全部読んで、考えた上で、案を提出してくれ。」
私
—節度あるオシオキをお願いします。ただ残虐なオシオキやボコボコにするだけのオシオキはご遠慮いたします。確かにうちの子はまた遺言回を出してしまいましたし、約二名は反省していません。しかし、一度自分がそのオシオキを受けてみたらと考えてください。
昴
「節度ある制裁を願います。…さて、終わったな。料理対決が。…つかなんだよあの裸世ノート!」
私
—どうしても一曲くらいは裸族ソングを作りたかった。で、何で作った方がいいかなと思ったら…やっぱり、この小説の一番大本になった創世ノートだなって。でも書いている最中にやっぱりむかついてきていい加減になったけど。創世ノートの楽曲が好きな方、PONさんやwacさんが好きな方、本当に申し訳ございませんでした…。
昴
「だったら何故書いたし。あと裸汁はない。」
由梨
「あの時の昴さん達マジで怖かった。アタシでさえも戦慄したよ…。」
風花
「眺めているだけだけど、泣いちゃったもん…。」
昴
「わ、悪かった…。」
私
—それと、この結果発表で不快な表現があったのをお詫びいたします、すみませんでした…。
昴
「悠のはマジでなかったぞ…。クマもトラウマを植えつけられないといいけど…。」
私
—取り合えず、今回はここまで。また募集は一週間ぐらいかな。
昴
「pixivの方はメッセージ機能からでお願いします。カキコはそのままスレにレスすれば大丈夫です。それでは、また。」
- 結果発表! 募集要項 ( No.398 )
- 日時: 2015/01/04 00:27
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
募集要項
私
—と、言う訳で。お仕置き案を募ります。募集期間は一週間後の一月十日まで!
★今回のお仕置き対象者
評価一&零メンバー&裏が死ぬ原因
葉月、風雅、雪子、牡丹、りせ、七海、悠、MZD
★執行者
それ以外のメンバーor自キャラ
★必要事項
1.お仕置き者名
2.お仕置き方法
3.執行者名(うちの子以外なら、サンプルボイスがあると嬉しいです。)
4.その他(あれば。)
お仕置き案があれば、必要事項に明記の上、メッセージかレスに残していってくださいな。一人いくつでも大丈夫ですよー。
ただし、節度あるオシオキを願います。フルパワーでのフルボッコ等、残虐非道なオシオキを送られたらその時に打ち切る可能性大です。この募集だってなかった事にします。
私
—皆さんがオシオキをするのは、私の所の子達です。つまりは、人の子供です。それを踏まえて考えてください。残虐なオシオキが来たら、こちらとしても戸惑います。何事も自分に置き換えてみてください。
昴
「面白半分で人の子供を殺さないで下さい。節度あるオシオキをお待ちしています。」
■
私
—フルボッコ系は止めてよね。あと絶対に自分が嫌がるようなものとかも。
昴
「感想、及び案OKです。今一度吟味をして、ふさわしいオシオキをお願いします。それと、俺がさっき上で言った言葉は他の所でオシオキ案を送る時だって同じだ。りゅーとさんの所でやらかした牡丹を、面白半分で殺すんじゃねぇよ。んな人から差し入れ貰ったって嬉しくないぞ。」