二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 ( No.662 )
- 日時: 2015/02/10 22:06
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lAkC0vKa)
第四回料理対決が終わって、翌日…。
「えっと…何で私達が集められているの?」
葉月、風雅、牡丹の三人は、学校に行く前に神殿に寄ってほしいと言われ、集まっていた。
「早速いい案が寄せられたんだ。これは流石に早くやらないとな。」
「どんな案なの?」
「んっと、な。読者の天宮昴さんから。(同じ昴さんから寄せられてびっくりなんだけど。つか、昴って言う字を使う作者って珍しい気がする。)」
pixivで料理対決系のお話をよくブックマークしてくださる読者であり作者さん。天宮昴さんからの案を見て、昴はこれは最初にやらないといけないと思っていた。
「お前達三人は学校に行ったら真っ先に、調理室の後片付けをする事。牡丹、お前もだ。MZDには許可は取ってある。」
「あ…。」
「これが、お前等の最初のオシオキ。」
昴がどこからか取り出した看板には、
『一番重要な大仕事〜牡丹、杉山葉月、風雅へのオシオキ〜(天宮昴さん案)』
と書かれていた。
「続きは一週間後。ある程度集まったら、な。まずはあのままだろ、調理室。学校で授業が始まる前に、さっさと片付けて来い。」
「はい!」
全員、急いで学校に向かった。
(…なぁ、俺。今、どんな案が集まってる?)
—んー…殆どが説教系と指導系ね。フルボッコ案は来てないよ。安心して。
(ならいい。…もう、あんな思いすんのは勘弁だからな。)
—右に同じ。
昴と創造者は溜息をつく勢いでそう思った。もう、我が子が殺されるようなオシオキは見たくないのだ。
「(でもまぁ、これから減ってくれるといいけどな。)さてと…。千枝、いるんだろ?」
「うん、来たよ、昴さん。」
神殿の物陰から出てきた千枝が、昴に近づく。
「悪いな、お前にも来てもらって。お前と葉月に別任務を頼みたいんだ。今回のオシオキで必要な事だ。後で直斗と風花と由梨にも別任務を頼む。」
「いいよ、雪子に痛い目見てもらえるなら。流石に奇跡はない。」
にこっと笑う千枝に、昴は苦笑しながら作戦の概要を話した。
■
学校にて…。
「うわー! どうしよう、お皿が割れた!!」
「誰がお皿なんて使ったんですの!? って、きゃーっ!」
「牡丹ちゃん! 大丈夫!? って、何で固形石鹸が床にあるのー!?」
散々騒ぎながら、仲良く片付けていった…。
あ、割れたお皿などは勿論彼女達が自腹きって弁償しました。
※
『一番重要な大仕事』
・料理対決後の後片付けを反省組に行わせる
- 賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 ( No.663 )
- 日時: 2015/02/12 23:30
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 6JiMyIa1)
そして、一週間後のオシオキ本番…。
オシオキを受ける全員、パステルくんが作った特別会場にて用意された円卓に座っていた。
別の場所にある机には、昴と陽介、にゃぐわと紅がいる。
「始める前に、まず全員にユリカさんの子達からのビデオメッセージを預かってるから再生するぞ。葉月と風雅、馬鹿神以外な。まずは牡丹と雪子。お前等二人には、この間助けに来てくれた芳佳。それと、まぐろとアッシュからだ。」
昴の頭上に現れたテレビから、映像が映し出された。映ったのは、小説カキコで活動している作者さんであり、この第四回料理対決で即座に応援を寄越してくれたユリカさんの子達だ。
『雪子さん…。まず味がしないのどうとかは置いておくよ。…料理に変な力を使おうとしないで。奇跡じみた力でラッキーハプニングとかそういうのはまるでいらないから。ちゃんと真面目に作ってよ。食品関係者からすると料理をバカにしているように見えるんだ。』
「べ、別に馬鹿にしてないもん!」
「天城、まずお前は反省してくれ。」
最初に映像に映ったまぐろがそう言うも、雪子、お前な…。いや、これ録画だから会話は成立しないけど…陽介の言う通りまず反省しろよ。
『牡丹さん、食材の採集や毒抜きの方法は専門の知識を持った人の意見を参考にして下さい。今回はその兆しが見えたのと反省していらっしゃるようなので、もう何も言いません。ですがこれから、構わずあれこれぶちこもうとするのは止めて下さいね。』
「うぅ、反省しますわ…。」
「まず牡丹は確認して投入すれば問題ないだろうな。意外にもお前料理上手だって判明したんだから。」
次に映像に映った芳佳の言葉に牡丹が項垂れたが、昴がそう励ました。彼女は反省しているので、特にお咎めをする気はないようだ。
『君達の人格を否定したりとかどうとか、そういうつもりは全くない。とにかくちゃんと料理は真面目に作ってくれ。見ているこっちがハラハラするし、食べる昴さん達の身にもなって…。』
最後にアッシュがそう訴えると、映像は終わった。牡丹は項垂れたまま話を聞いていたが、雪子が不服そうな顔をしていた。
「…本当に救いがあるのは牡丹だけかこん畜生。次、馬鹿舌共。これはユリカさんご本人からだ。手厳しい言葉があるが、お前達の為だ。これを聞いて反省しやがれ。」
昴がそう言うと、再び頭上に映像が流れた。そして、ユリカさんの姿が映る。
『…貴方達はしばらく料理対決に出ないで欲しい。自覚がないとかそういうのは今は置いておきます。…まずちゃんと審査はして下さい。七海、作った理乃ちゃんの気持ちになってみたの? 貴方と理乃ちゃんは小さい頃からの友達なんでしょ? 友達からそんな事を言われたら悲しくならない? りせも同じです。』
「酷くない!? ちゃんと審査してるもん! 理乃の気持ちになって審査したもん!」
「私だってやってるもん!!」
「完二とローズ達純粋組の料理を改悪し、更に鈴花や理乃の料理を最悪な評価に落としたどの口がそれを言うの?」
映像が終わったと同時に吠え出した二人に、昴は女子化した状態でにっこりと笑って言うと、二人共黙った。
「次、悠。まずは…おい、テメェ、ユリカさんの世界で暴れたって聞いたけど?」
「あ、暴れてなんかいない!」
「あぁ? 嘘言うんじゃねぇよ。ユリカさんの世界で遊んでいた俺と里中の前にやって来て、俺のズボン引きちぎって行ったし、里中を怒らせただろ。」
「」
陽介の言葉に、悠は何も言わなくなった。どうやら目撃証言で沈んだようだ。ユリカさんの世界でどう暴れたかは、後に語ろう。
「テメェにはユリカさん本人とルイージ、マルスとリンクからだ。しっかり聞け。」
映像が再び映る。そこにはユリカさんとルイージ、マルスとリンクが映った。
『真 面 目 に や っ て 下 さ い 。』
ユリカさんから手厳しい言葉を貰い、
『普通にやれば評価の高いものが出来るのに…ふざけないでちゃんとやってよ?』
ルイージに怒られ、
『あと誰彼構わず女性に声をかけるのも止めた方がいいと思う。うちでも問題になったし…。』
マルスに呆れられ、
『読者側からすると相当なイメージダウンに繋がるぞ。』
リンクから忠告を受けた…。
「イメージダウンだなんてそんな! 誰彼構わず声をかけているつもりはない! 俺が声を欠けているのは美しい美女だけ」
「陽介。」
「了解。スサノオ、【ガルダイン】。」
「ぐあぁぁぁぁっ!!」
筈なのに、まったく反省しないで開き直ったので、問答無用で陽介が【ガルダイン】をかました。
「…さて、映像は以上だ。次から本格的なオシオキに入っていくぞ。まずはpixivの方で小説を書いている作者さんで読者さんの一人、セルリアンさんからのだ。一部、ユリカさんのも組み合させてもらうぞ。」
そう言って昴は上のテレビを指差し、全員凝視した。そこには、
『“良薬口に苦し”、そして“飴と鞭”とはまさにこのこと。とあるもののロシアン☆ルーレット〜MZD、風雅、牡丹、鳴上悠、天城雪子、久慈川りせ、杉山葉月、金杉七海へのオシオキ〜(セルリアンさん案+ユリカさん案)』
と書かれた文字が映し出された。
「そして、この件に関してゲストを招いている。そろそろくると思うけど…。」
「遅れましたー!」
その声が響いた瞬間、ドスンッ! と地響きが聞こえた。
「」
目の前に現れた高層ビル八階建ての大きな何かを見て、全員絶句。
と、そこからいきなり二人の女性が降りてきた。
一人は、ゆるふわ系の服を着た紫のセミショートの女性、もう一人はセーラーワンピースを着た前髪を三つのピンで留めている腰まであるペールグリーンの髪を持つ少女。
「…えっと、紹介するな。セミショートの人が北風美夜さん。もう一人が北風楓華さんだ。二人共、セルリアンさんのオリキャラだ。」
「北風美夜と申します。以後、お見知りおきを。」
「あたしは北風楓華! フーカって呼んでね! こっちはジャスティ大尉! あたしの使役する魔神だよ!」
そう言ってペールグリーンの子—楓華は、後ろに控える何かを指した。どうやらあの何かは彼女の使役する魔神、ジャスティ大尉というらしい。
「…私達で言う精霊みたいなのかな…?」
葉月は上を見上げながら、そうぽつりと言った。
「うーん、それはよくわかんないけど、多分そうじゃないのかな? 君達も魔神を使役しているんだ。」
「魔神じゃないけど、精霊を使役しているよ。使役って言うか…友達同士? だからそっちとはちょっと違うかも…。」
「へー。その辺りも後で聞きた…きゃあぁぁぁぁっ!!」
「え、何!?」
楓華は葉月との会話を中断させ、ダッシュである人物の元に向かった。
そこにいたのは…この後必要になるので呼んだ直斗。
「すごっ、この銃ハンドガンタイプなのにいい性能してるじゃん!!」
「え、えっ? え、ええ。やはり、分かりますか? まぁ、その…僕なりに対シャドウ戦向けに改造していますし…。あ、他にもありますよ?」
「え、見せて見せて!!」
「楓華、銃火器談義は後にしなさい。」
危うく銃火器談義が始まりそうだったが、セミショートの女性—美夜の一言で楓華は「はーい…。」と残念そうな表情で離れていった。
が、次は昴の横にいるにゃぐわを見つけてまた黄色い声を上げて飛びついていった。
「にゃんこさんだー!! お鼻まるーい! 可愛いーっ!」
「にゃ、にゃぐ!?」
突然抱きついて来た事ににゃぐわは困惑した。まぁ、当たり前だろう。あ、横で飼い主の鈴花が苦笑を浮かべている。
「…楓華…。すみません、昴様。騒がしい子で…。」
「いや、元気があっていいじゃないか。まぁ、オシオキ時間が遅れるから程々にしておくよう頼んでくれ。」
「わかりました。楓華、もう少し落ち着きなさい。」
「えー…。はーい…。」
そう言って楓華はにゃぐわを抱き上げ、渋々大人しくなった。
「今からお前達には、反省文を書いてもらう。裏表含め、自分の料理を食った奴に最低でも一枚。俺に最低でも一枚だ。足りない場合は陽介に言って出してもらってくれ。馬鹿神、テメェは俺と影にだ。普段から滅茶苦茶迷惑かけてんだからこれを切欠に反省しろ。あ、その時に今お前等の目の前にある湯飲みを一緒に提出しろ。自分の名前が書かれてる奴な。」
昴は陽介に原稿用紙を渡した。そして陽介は二枚の原稿用紙を全員の目の前に置いた。
「出来たら、別室にいる俺に提出してくれ。そして俺のいる別室とは違う場所で由梨と美夜さん特性の抹茶スイーツを堪能してもらう。全員反省文を提出し終え、評価したら呼ぶから、またここに戻って来い。じゃあ、スタートだ。」
そして、オシオキが開始された…。
- 賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 ( No.664 )
- 日時: 2015/02/10 22:17
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lAkC0vKa)
そして、二十分後…。昴達の待機する別室。
「はい、昴さん。」
一番乗りは風雅。きっちりと一枚の原稿用紙にびっちりと書かれている。それと共に自分の名前が書かれた湯飲みを彼女に渡した。
「早いな、風雅。じゃあお前は別室にてスイーツを堪能してろ。セシル、お前はこれを読んで判断してくれ。」
「由梨先輩のスイーツって結構楽しみなんだよね。」
「わたくしも後でいただきに参りますわ。この間のチーム戦での米粉抹茶パンも美味しかったそうですから、単独で作ったらどれほどのものか…。あ、判断は後で昴さんにお知らせしますね。」
「頼む。楓華、悪いけど、風雅を別室に案内してくれ。」
「はーい! いこっ、にゃぐわちゃん!」
「にゃぐー!」
そう言ってセシルは一枚の反省文を持ち、別室に消える。風雅もにゃぐわを抱っこしたままの楓華の案内で別室に向かった。
「昴さん、できたよ。」
「私も出来ましたわ。」
「私もー!」
次に仕上がったのは腐った女子三人。昴は直斗と理乃を呼んだ。由梨は現在、スイーツを作っており、手が離せないらしいのでここには来ていない。
そして昴は、三人を別室に行かせると同時に、理乃と直斗にそれぞれの反省用紙を渡した。
「天城先輩が反省してくれているといいのですが…って、桜坂先輩、どうかなさいましたか?」
「…。」
直斗が溜息をつく横で、理乃は笑顔を浮かべていた。すみません、紙が既に切り刻まれていますが。
「え、読む気にもならないだけですよ、これ。」
「…ああ、俺もこれは読む気にならない。牡丹のは読んでもいいが、これは酷い。雪子は…うん、まぁ、読んでもいいかもしれん。」
「何が書かれているんですか…。」
「…『ごめん。』の一言だけだ。」
「こちらもです。二十分以上かけたのに何なのこの酷さ。昴さん、私からは彼女にアレをプレゼントしてください。」
「わかった。」
どうやら、七海の反省文は誠意がこもっているのかいないのか…。とにかく、七海の反省文は不合格のようだ。
そして暫く経ち、りせと葉月のペアが別室にやって来た。同じように別室に通してから、鈴花と完二を呼ぶ。
「…センパイ、すげー反省してるッスね…。何か、涙の跡があるんッスけど…。」
「泣かなくていいのにな…。あいつ、自分の腕は熟知してるし…。だからこそ、高ランクの完二にあんなのを食わせたのを後悔してるのかも」
昴が言い終えるか否かの時に、横からビリビリと紙を破く音が聞こえた。勿論、鈴花からだ。
「…り、鈴花?」
「昴さん、私からもアレをりせちゃんにお願いね♪」
「ああ、うん、わかった。こいつのも読む気ないからな。」
「ちなみに何が書かれてるんッスか?」
「…“俺達が大人の味覚を分からないのがいけない”の一点張り。反省の色なし。」
「うわぁ…。」
それは読む気をなくすわな、と思った完二だが、そこはそう唸っておくしかできなかった。
「昴、出来たぜ!」
「俺もできた。途中で美夜さんの連絡先を聞いたが、拒否され」
「テメェ、ふざけんな。ゲストさんに手を出すんじゃねぇよ。俺からグーパン一発飛ばしていいか?」
そういいつつも、湯飲みと反省文を受け取る。昴は陽介を呼んで彼らを別室に案内させると、クマと影を呼んだ。
「…うん、馬鹿神は反省してるっぽいね。まぁ、何だかんだ言って悪いとは思ってたのか」
影がいい終えるかどうか分からないところで、またビリビリと紙を破く音がする。ええ、今度はクマです。
「…その様子だと、クマの方はロクでも無い事書かれていたみたいだね。」
「ラゾクについて延々といい所を書かれていたクマ。こんなの読む気しないクマ。」
「アイツにもアレをプレゼントするか。終わってないのはもういないかな?」
「はい、全員提出済みです。こちらに残っているのはいません。」
別室に美夜が入ってくる。どこか疲れているようだ。
「美夜さん、悪かったな、あの馬鹿が…。」
「まったく、しつこいと言ったらありません。私が拒んでいるのにも拘らず、しつこく連絡先を交換しようとしてくるのですから…。」
「すみませんでした!」
何故かこの件に関して謝る昴。いや、本当に申し訳ないようだ。自分の世界の子が粗相をしたからな…。
「あぁ、でも、途中で葉月ちゃんがキレたのか、どこからか弓を取り出して氷の矢を使って百発百中で悠君の股間にクリーンヒットさせていましたが…。」
「後で褒めておくわ。美夜さんも結果が出るまで別室でうちの由梨が作ったスイーツを堪能してくれ。由梨は和食に関してはプロ並みだし、期待はしていいと思うけどな。」
「感謝します。」
そう言って美夜は別室に消えていった。クマと影も、別室に行く。
「…。」
昴は真剣な表情で、届けられた反省文を見た。
■
一方その頃、全員そろった別室では…。
「ねぇねぇ、陽介さん、陽介さんは恋人さんとどこまで行ったの?」
「ぶはっ!!」
突然楓華に振られた話題で、陽介は盛大に飲んでいたお茶を噴出した。
「花村先輩、大丈夫ですか? タオルです。」
「げほっ、げほっ…わ、わりぃ、直斗…。おい、フーカさん、何でいきなりそんな話題を振るんだよ!」
「えー? だって、陽介さんからはそんな匂いがするんだもん。」
「え? ど、どゆ事?」
『今さっき聞いた我も驚いているが、彼女らの家系は女子限定で恋愛事が大好きなのだそうだ。それで、恋心を匂いで感じる事が出来るらしい。』
紅のその言葉で、恋心を煩っている直斗、完二、鈴花が固まった。そして、その話題でりせが食いつく。
「え、何その能力!? ねぇねぇ、他の人の匂いってどんなの!?」
「んー…直斗さんも完二さんも鈴花さんも、紅茶みたいな匂いがするよ! この時って、片思いを煩わせてる人の匂いなんだ! あ、陽介さん以外はイチゴみたいな甘酸っぱい匂いもするから、全員初恋かな? 陽介さんのは蜂蜜を合わせたチョコみたいな匂いがするから、どこまで言ったか聞いたんだけど。あ、紅さんは陽介さんと同じ蜂蜜を合わせたチョコだよ!」
「ぶっはぁっ!!」
勿論これには直斗と完二と鈴花も噴出す。完全にばれてます、初恋である事。しかも紅についても恋人(猫?)がいる事ばれています。
「これ、烈や氷海ちゃんを呼んでも面白そう! ちょっと呼んで」
『やめてやれ。人の恋愛に面白半分で口を出すな。』
「そうですよ、楓華。皆さんのご迷惑になるような事は控えてください。」
「ぶー…。」
不服そうな楓華だが、それ以降何も言わないようだ。
「それよりも…貴方達も幸せね。」
「へ?」
急に、美夜が母親のような表情を浮かべたので、これには全員注目。
「こんなにも良い人と数多の銀河にある七十億もの人口の地球で、九百億万くらいの因果の赤い糸で繋がったものね。」
「」
何だか凄い規模の事を言われ、陽介と直斗、完二と鈴花は固まった。大人な紅は『それもそうだな。』と感心していたが。
「そ、そう思うと幸せ…なのか?」
「さ、さぁ…。」
いまいち実感できないが、その何十億もの人間から出会えたのは、確かに大きな因果だろう。その因果はとても素晴らしいものに違いない、と実感できないものの、思った。
『おーい、盛り上がってるところ悪いけど、俺の方でも判定終わったぞー。』
「あ、終わったみたいだね! じゃあ、みんな戻ろっか!」
そんなわけで、全員先程の円卓の席に戻っていった。
- 賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 ( No.665 )
- 日時: 2015/02/10 22:25
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lAkC0vKa)
そして、戻ってきた一同の前に、ホカホカと暖かな湯気が立った湯飲みの中身があった。
「まず、それ飲め。」
「昴さん、こ、これって…?」
「毒じゃないから安心して飲め。」
いぶかしむ一同だが、その中身を飲む…。
「にっがっ!!」
すると、悠、りせ、雪子、七海が同時に噴出した。
他の人達はと言うと…。
「え、苦いの? 凄く美味しいよ。」
「何かすっとします…。ハーブでしょうか?」
「蜂蜜も入っているみたいだね。ほんのり甘いや…。」
「美夜さん達が持ってきた蜂蜜入りハーブティーだ。風雅、牡丹、葉月、MZD。お前達は反省しているから、そのハーブティーを入れさせてもらった。つか、七海、お前、苦いは感じたんだな、意外。」
「酷くない!?」
どうやら反省している風雅、牡丹、葉月、MZDには蜂蜜入りのハーブティーを、反省しない四人は…。
(まだあいつらには内緒にしているが…これは漢方薬だから多量摂取しなければ別に害はないんだよな。ただ苦いのが難点だけど。)
美夜達が用意した漢方薬を混ぜたお湯を飲ませたようだ。ちなみに今回扱ったのは安中散。胃の痛みや胸焼けによく効く漢方だ。多量摂取しなければ毒ではない。
あ、漢方薬は氷海の父親に適量を入れてもらいました。
「反省していないのがいるから、もう一回だ。これは全員が蜂蜜入りハーブティーになったら…つまり、全員反省したら、このオシオキは終わりだ。けど、個々のオシオキが待っているからそのつもりでな。」
「」
この昴の言葉には、全員絶句した。つまり、反省しない輩がいる以上、このオシオキは終わらないのだ。
「さて、二順目、行くぞ。書く相手は同じだ。」
昴はそう言って陽介に再び原稿用紙を配らせた。
■
「…。」
二回目…全員に書かせている最中、別室にて。美夜はにゃぐわを抱く楓華と仲良く話す鈴花に近づいた。
「ん? どうしたの? 美夜さん。」
美夜は答えず、じっとにゃぐわを見る。
「その…その猫…噛まない? 齧らない?」
「え? にゃぐわちゃんは噛んだりもしないし、齧ったりもしないよ?」
「あー…ごめんね、鈴花さん。ミヤ姉、猫さんが苦手なの。」
「そ、そうだったんだ…。」
どうやら、美夜はにゃぐわが噛んだりしないか不安らしい。だがそんな美夜を他所に、楓華が悪戯っ子のような笑みを浮かべ…。
「ミヤ姉ミヤ姉。」
「な、何?」
「必殺・にゃんこアターック!」
突然、美夜にむけてにゃぐわを突き出しながら追い掛け回した。美夜は悲鳴を上げながら、逃げ惑ったとか…。
「…平和だな…。」
鈴花はその光景を見て、まどろんでいたとかいないとか…。
- 賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 ( No.666 )
- 日時: 2015/02/12 23:27
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 6JiMyIa1)
「にっがっ!!」
りせ、悠、七海、雪子からまた声が上がる。ちなみに現在十順目。
「…。」
流石の反省組にも、イライラが募ってきたようだ。表情には出していないが、疲れの色がにじみ出ている。
「ねぇ、七海。そろそろ反省してよ。何でこう毎度毎度理乃に駄目出し食らってるの?」
「雪子さん、七海さん、私が言うのもなんですが、そろそろ反省した方がよろしいかと。」
「おい悠、りせ。流石にオレも切れるぞ。何でここまで反省しないんだよ。」
「四人共、そろそろいい加減にしてくれない? セシルだって、他のみんなだって流石に何度も何度も同じ反省文見るのに嫌気が差してきたと思うよ?」
葉月が、牡丹が、MZDが、風雅が、反省の色が一向に見えない四人に食って掛かり始めた。だが…。
「だって理乃が分かってくれないんだもん!」
「みんなが大人の味を理解してくれないからじゃん!」
「奇跡だって迷惑かけてないし!」
「裸族の何がいけないんだ!!」
はい、反省の色なし。
「…。」
「うわー…ここまで酷いと思わなかったよね、ミヤ姉。」
「ええ、私も予想外です。…昴様?」
美夜は昴の顔を覗き込む。彼女は今、怒りの感情を濃くしていた。
「…なぁ、お前ら四人。いい加減にしろよ。何で十回も反省文書かせて反省してないんだよ。ふざけんじゃねぇよ。」
「だって」
「だってじゃねぇよ!!」
ダァンッ! と激しい音が、昴のいる机から放たれた。誰が見ても分かった。今の昴は、完全にブチ切れている。女子化を通り越して、完全に怒りしか見えないような姿になっている。
「七海、いい加減に反省してよ。何度も貴方のふざけた作文を見る私の身になってよ。」
「りせちゃん、正直、もうりせちゃんのふざけた作文なんか見たくないんだよ? でも、見ないといけないから見てるんだよ? そろそろふざけないで貰っていい?」
「天城先輩、流石に昴さんだって何度も同じ事はしたくないはずです。いい加減にしてください。」
「センセイ、スーチャンの胃薬を増やさないでほしいクマ。ラゾクは時としてメイワクを被るって知ってほしいクマ。自重って言葉、センセイの辞書にあるデショ?」
それは、何度も同じ反省文とはいえないものを見ている理乃、鈴花、直斗、クマも同じだった。彼らは全員怒る事はめったにないが、流石にこう何度も反省の色が見えないので怒りを抱いていた。
昴はそんな状況を見てから、落ち着く為に深呼吸をする。そして、溜息をついた。
「…反省するまで続けようと思ったが、もういい。やっても時間だけ食って無駄だ。パステルくん。」
「はいはーい!」
頭を掻きながら昴が呼ぶと、パステルくんがあの赤い機体に乗って現れた。手にはスパナと例のボタンがある。
「ねぇ、みんな。牡丹だって反省してるのに、なんでここまで反省の色が見られないの? 自己中心的な考えばかりだと他人に迷惑かけるっていい加減わかってよ。…ここからは個別のオシオキだよ。」
そう言って、パステルくんは無慈悲にボタンを叩いた。
『スギヤマサン、フウガサン、MZDサン、カナスギサン、ボタンサン、ナルカミサン、アマギサン、クジカワサンガ“クロ”ニキマリマシタ。オシオキヲカイシシマス。』
無慈悲なその文字が出ると同時に、オシオキ組の床の穴が開き、地面に落ちていった…。
「美夜さん、楓華さん、悪かったな、みっともないのを見せて。」
「気にしないでいいですよ! それにしても大変ですね…。」
「反省の色が見えない人達を抱えて…。昴様もご苦労様です。」
「…。」
昴はゲスト二人の言葉に、にこっと笑った。
「あんなんでも…俺にとっては可愛い子供達なんだよ。」
悲しそうなその声は、美夜と楓華しか聞かなかった…。
※
『“良薬口に苦し”、そして“飴と鞭”とはまさにこのこと。とあるもののロシアン☆ルーレット』
(セルリアンさん分案)
・サポートににゃぐわと陽介を配置
・丸いテーブルを用意し、そこにお茶の入った全員分のお茶碗(名前入り)を用意。
・お仕置きを受ける人に反省文を一枚書かせ、受取係にお茶碗と一緒に提出。その間に抹茶を使ったスイーツを堪能
・そして、反省しているであろう人にはハーブで作った蜂蜜入りお茶。反省していないであろう方は体にもとってもいい漢方薬入りの白湯(苦さはリアクションする程度)
・これを飲んで、どうしても苦い時は緊急として「ハーブ入り水飴」を渡して十分間休息を
・反省文が一人でもOKされなかった場合は<反省文>→<お茶飲みタイム>→<反省文>→<お茶飲みタイム>…と繰り返し、全員が反省し、全員のお茶が蜂蜜入りハーブ茶になったら終了
(ユリカさん分案)
・最初にビデオメッセージを流す
・反省文を更に一枚追加し、それを裏表通して自分に食べさせた相手に書く
- 賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 ( No.667 )
- 日時: 2015/02/10 22:36
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lAkC0vKa)
落下する葉月は、半分泣きそうになっていた。またもこうしてオシオキを受ける羽目になるとは思っていなかったのだ。
「…。」
今度はどんなオシオキが待っているのだろうか、そして、何故自分はこんなにも出来ないのかと。
暫くの空中浮遊の後、ぽすん、とやわらかい地面に着地した感覚がする。
「…。」
起き上がると、そこには風雅がいた。ああ、どうやらまた指導系だろうな、と予測が出来てしまった。
目の前には、明かりの漏れた扉。まるで学校のような扉だ。
「葉月先輩、大丈夫…?」
「うん…大丈夫。…ねぇ、風雅君。」
「ん?」
「…なんで私って、理乃や由梨みたいに上手くできないんだろうね。」
ポツリと呟いた葉月の言葉に、風雅は声をかけられなかった。
「ツキチャンは一生懸命やっているクマよ。ヒカクタイショーにする二人を間違えてるクマ。」
落ち込む葉月に声をかけつつ、近付いてきたのは…クマだった。
「クマ? 何でここに…。」
「前回と同じく待機クマ! あ、ちょーっとオシオキで抜けるケド、怪我したらクマに言ってほしいクマ! あ、フーガ、最初にこれを渡しておくクマ。」
風雅との話を中断し、クマは彼に二つのお守りを渡した。
「いっつもお世話になってて、小説カキコやpixivで作品を作ってる作者さんのエイヴサンのとこのディクトから運を一時的にアップさせるお守りと、ユリカチャンのとこのナカジからお守りクマ! この間リセチャンとナミチャンをオシオキした読者のSUSUKIサンから不運の緩和をしてほしいって頼まれたみたいクマ。だからそれを持っていくクマ!」
「うん、何となくそうだと思ったよ。」
「フーガは運に振り回されるだけクマ。きっと、元々の料理の腕は高いクマ。それなりにできるはずクマ。」
そこまで言って風雅との話を終えた後、葉月に向き直った。
「ツキチャン、確かにリノチャンもユリチャンも凄く料理は上手クマ。完璧人間みたいでクマも憧れるクマ。」
「…。」
「ケド、ツキチャンだって努力してる。ただ結果が出るまで、時間がかかっちゃってるだけクマ。ツキチャンはそれに焦ってるだけクマ。あの二人があの二人だから確かに焦る気持ちはわかるクマ。ナルカミもある意味完璧人間だったし、わかるクマ。」
「さり気に悠の呼び方変わってるね、クマ。」
「フーガも変わってるクマ。」
さらっと呼び方を変えてくる二人に、葉月はちょっとだけ笑みを見せた。そんな二人が面白かったのだろう。
「…なんか、ありがとう、クマ君。ちょっと元気、出てきた。」
「うんうん、やっぱりツキチャンは笑ってるのが一番クマ! …ツキチャン、それに…リノチャンもユリチャンも完璧人間っぽいけど…出来ない事もあるはずクマ。それはツキチャンが出来る事の可能性もあるはずクマ。」
『クマの言う通りだよ、葉月。』
スピーカーから、由梨の声が聞こえる。どうやら話は聞いていたようだ。
『お前の歌声や音楽の感性はアタシや理乃でも真似できないし…それに、お前の肉を見分ける目と、その狩猟の腕。無駄な傷をつけずに獲物を狩る技術。アレはお前にしかできないよ。』
「由梨…。」
『そうね。葉月の狩猟の腕は、私も由梨も敵わないわ。』
次に聞こえたのは、理乃。声はとても優しい。
『正直、貴方がこの状態で料理技術を極めたら、何だか凄い事になりそうで怖いのだけれど…。』
『自炊できる状態で更にその目と能力だからな…。おい、これで葉月が料理の腕を上げたら何かとんでもないものを作り出しそうなんだけど。肉料理限定になるかもしれないけど。』
「おぉ、それはクマも楽しみクマ! ユリチャンもリノチャンも、うかうかしてられないクマねー!」
葉月をそっちのけで、評価五のメンバーが盛り上がっている。
「…。」
『葉月、魔法だって同じよ。貴方の氷と水属性は、私達じゃ真似できない。』
話を中断させた理乃に、葉月は反応する。
『自信を持って、葉月。貴方は桜蘭学園の最強の水の司。その繰り出される水氷(すいひょう)の舞は誰もが魅了し、凍りつくのでしょ?』
「…うん、ありがとう、理乃。なんか、元気でた。私、頑張るよ! 評価五は難しいだろうけど…でも、せめて…由梨が担当してるお弁当作りは、自分で出来るくらいまで頑張る!」
「その意気クマ、ツキチャン! さっ、中で講師のセンセイが待ってるクマ! フーガも一緒に行くクマよー!」
「うん!」
三人は扉を開け、中に入っていった。
そこには、調理室のような風景が広がり、黒板と調理台が二つ、そしてそこにいたのは…。
「完二!? と…リンク、さん…?」
『今度のリンクはユリカさんの所のリンクだ。』
完二と、ユリカさんの所のリンクだった。リンクの気配が違う事に首を傾げた風雅に、突如現れたブラウン管のテレビ越しに昴は言った。あぁ、クマテレビ出したんですね、クマ。
「役者はそろった所で、まずは恒例の…。」
完二はどこからか、チョークを取り出して、黒板に文字やら何やらを書き始めた。
『反省組への料理改善大作戦!〜風雅、杉山葉月へのオシオキ〜(ユリカさん、SUSUKIさん、天宮昴さん案)』
そして、三分後、完成したのは…こう書かれた上に可愛らしくデコレーションされた黒板。さり気に描かれているジョーカー一味やパステルくん、にゃぐわが可愛らしい。おい、カップラーメンが出来る程の短時間でよくここまで書けたな。
「二人には、これから三時間、オレとリンクさんの料理指導を受けてもらうッス。ちなみにオレは葉月センパイに指導するッス。後輩からの指導って言うのもアレッスけど、勘弁してほしいッス。あ、その際に次からどう料理を作る上で何を気をつけるか、も少し話をするッスよ。」
「俺は風雅の面倒を見るよ。厳しく行くけど、まぁ、適度に優しく行くから、心配しないでいいからな。」
「この間みたく昴さん達に作らなくていいの?」
『ああ、今回は二人に指導を受けてくれ。』
どうやら、前回のように料理の提出はないようだが…。
「あの…昴さん。」
『ん? どうした、風雅。』
「…僕、何か一品作って持って行きたい。食べてもらっていい?」
「わ、私も…! あんまり成長は見せられないだろうけど、でも…!」
『…。』
オシオキのメニューにはなかった事だが、二人はそう懇願した。それに昴は笑みを隠せない。自分の腕は自覚している二人が、こうして頑張ろうとしている姿に。何言われるか分からないのに、料理を提出しようとするその心に。
『…わかった。パステルくん、ジョーカー、にゃぐわ、いいか?』
『うん! ボク、この三時間で二人がどれだけ成長したか、楽しみになってきた!』
『我もだ。…自分達から言い出すとは思わなかったから驚きだが、お前達の料理、食べてみたい。』
『にゃっぐー!』
『にゃぐわも勿論オッケーだそうだ。楽しみにしているといっている。』
「あ、ありがとう、みんな! そうと決まればメニューだけど…。」
全員、どうしようか悩む。メニューにはなかった事なので、どうしようかと悩んでいた。
「昴、もう一度自分が作ったお弁当を作らせるのはどうだ?」
『おっ、そりゃいいな。…葉月のは猪肉が必要だな。』
「あ…じゃあ、今回は豚肉で代用するね。こっちの方が臭みとかの処理も簡単だし…。」
リンクの提案に、全員同意。葉月の代用品が決まったところで…。
『じゃあ、君達のオシオキ、開始だよ!』
「おねがいします!」
反省する二人に対してのオシオキが、執行された…。
※
『反省組への料理改善大作戦!』
(SUSUKIさん分)
・お守りで風雅の不運を緩和させる
・評価五以上の人間の料理指導
(ユリカさん分)
・ナカジからのお守りを渡し、不運の緩和を図る
・リンクから三時間、料理の指導
(天宮さん分)
※牡丹の分もあったが、彼女には別の機会に同じような事を行いますのでご了承下さい
・評価五以上の人間の料理指導を行う
・その際に今後また料理対決をやる場合、どういうことに気を付けたら良いかの指導を受ける
(追加分)
・お弁当の再提出
- 賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 ( No.668 )
- 日時: 2015/02/10 22:56
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lAkC0vKa)
「この二人、料理指導系が多かったな。」
「だって、既に自分の腕は分かっている上に反省してるからね。これ以上のお説教とかを望む人は少ないよ。」
先程由梨が作った抹茶クッキーを頂きながら、昴達は聖域のリビングでオシオキを見守っていた。
ちなみに、美夜と楓華にも抹茶クッキーやその他諸々を手土産として持たせました。美味しく頂いてくださいな。
「しかし、葉月達が与えられたオシオキ以上の事を望むのは想定外だったな。」
「にゃぐー。」
『反省し、自分の腕を分かっているからこそ、よりスキルアップを図りたい、だからこそ、神達への評価を望んだのではないか、と言っている。』
「だな。あと、エイヴさん、すみません。このタイミングで最初の感想でくれたディクトのお守り、いただきました。」
すみません、このタイミングで…。
あ、それと…このオシオキ案でキャラを貸してくださった皆さん、変な所があれば仰ってください。
「さて、次は?」
「牡丹単独のオシオキだね。説教ゾーンに入ったよ! この後のMZDのオシオキの兼ね合いで、彼女には最初に単独で説教を受けてもらうね。」
「…あぁ、あの馬鹿神が死ぬアレか。パステルくん、いざとなったら…。」
「何か映像挟んどくね。昴さん、ボク達もそろそろ行こう?」
どうやらパステルくんと昴も、オシオキの執行者のようだ。
「だな。じゃあ、ジョーカー、にゃぐわ、紅。後頼む。」
「うむ、わかった。」
そう言って、昴達は出て行った…。
■
「きゃあっ!!」
ポスン、と優しい感触がした牡丹は、びっくりして下を見た。そこには、マットがあった。前回にはなかったものだ。
「え、マット…?」
「反省している君には、当然の措置だと思うよ☆」
「はい。毒殺事件は許されませんが、変わろうという意思がある人を無碍にするほど、鬼ではありませんからね。」
暗闇の中、歩いてきたのは、先程牡丹へのビデオメッセージを送ったまぐろと芳佳。牡丹は居住まいを正し、正座をした。
「まずは、反省している君に少しお説教☆」
まぐろが取り出した看板に書かれていたのは…。
『変わり始める少女への厳しくも優しいお説教〜牡丹へのオシオキ〜(りゅーとさん、ユリカさん案)』
意外にも、お説教だけという案に、牡丹は驚いた。いつもなら残忍とまでは行かないが、パステルくんに痛い目に合わされており、びっくりしていた。
「まずは…毒物料理を作った時に、物騒なオシオキを送ろうとしてごめんなさい…。こんなに真剣に頑張った貴方の事を理解せずに…。」
「いいえ、あれは当たり前ですわ。私も、昴さんを…母親のような存在を殺しかけましたし…。芳佳さん達がいなければ、今頃…。」
「自覚があるなら、あんまり厳し目なものじゃなくてもいいね。」
まぐろは語尾の「☆」を消し、牡丹に向き直った。
「牡丹さん、ビデオメッセージでも芳佳さんが言ったけど、まずは確認を取ったり、専門の知識を身につけた人からの指導を受けてよ。じゃないと、また昴さん達をああいう風にしちゃうし…それに、下手をしたら…。」
「昴さん達がこれ以上死なない為にも、少しずつ、改善してください。貴方の本体である鈴花さんから指導を受けたり、由梨さんや理乃さんのような方に指南を仰いでください。今回は貴方だけのせいではありませんが、再確認をするのも大切です。」
「まぁ、牡丹ちゃんはまず修行ね。」
芳佳とまぐろの後ろから、ピーチとマリオが出てきた。この二人はこちらのではなく、この間からお世話になっているpixivや小説カキコで活躍し、二度こちらの子達をコラボ相手に選んでくださったりゅーとさんの所の二人だ。
「牡丹、あの毒殺騒動でお前を本気で殴りかかりに行くところだった。」
「マリオがあんなに怒ったのは久しぶりだったわ…。」
「普段は脱いだりするマリオさんも本気で怒らせてしまうなんて…私…もう、料理はしない方がいいのでしょうか…。」
普段ふざけるりゅーとさんのマリオも、この騒動でカンカンだったようで、牡丹のオシオキを強化しようとピーチに頼んだ矢先に…あの、裏回や結果発表が舞い込んできたようだ。
あの出来事で牡丹が本気で変わろうとしている矢先の事故だったと知り、その怒りを静めたようだ。
「それは違うぞ、牡丹。確かに修行中である身で難しい料理はあまりしない方がいいが、少しずつでも改善しようとするならば、料理は簡単なものからでもいいから続けていくべきだと俺は思う。」
「そうね、料理も技も、何事も経験を積めば、自ずと分かっていくものだからね。」
「ピーチさんの言う通りですよ、牡丹さん。」
「きっとこのまま料理を続けていけば、本体である鈴花ちゃんがびっくりするものが出来そうだね☆」
「ああ。こんな風にな。」
そう言ってマリオは、泣きそうな牡丹にキノコのホイル焼やキノコ蕎麦を差し出した。
「俺も、こんなにふざけてるけど、ちゃんとやれば評価三は普通に狙えるんだ。牡丹だってきっと、毒キノコ騒動がなければ、評価五は間違いなかったんじゃないか?」
「…。」
「牡丹ちゃん、食べて? マリオと私の本気を。ちゃんと普通の食材だし、キノコも毒なんて一切ないし、あの塩は使っていないわ。」
牡丹はピーチの言葉に一つ頷き、料理を食べ始めた。
キノコ蕎麦は、キノコが多いが、美味しい。そしてホイル焼は絶品だった。
「このキノコ…。」
「牡丹ちゃんが本当に使おうとした、キノコ王国一の美味しいキノコよ。こっちの私から譲り受けて、少し作ったの。」
「蕎麦も、由梨に頼んで打って貰った。キノコは頑張りすぎて入れすぎたけど…美味いか?」
「…。」
マリオの言葉に、牡丹は一つ頷く。
「これからも昴さんの為に頑張ってくださいね、牡丹さん。」
「本体の鈴花ちゃんを見返してやってよ☆」
「牡丹ちゃんならきっと出来るわ。」
「さぁ、それ食べたら、次のオシオキ会場に向かってくれ! 別世界の俺が待ってるからな!」
牡丹はホイル焼と蕎麦を完食し、両手を合わせて「ご馳走様でした。」と挨拶をした後、立ち上がって涙をぬぐった。
「はい…!」
笑顔を見せ、牡丹は駆け出していった。
「…成長を望むならば、これからも伸びしろはありそうね。」
「そうですね。…反省しない人達も少しは彼女を見習ってもらいたいです。」
「まぁまぁ。…それにしても、各地で心変わりしてくれる低評価組が増えてくれて少しは希望が持てるね☆」
「ああ。さて…と。」
マリオは一人、牡丹を見送っていた一同から離れ、そのまま消えていった。
「あれ? マリオさん?」
「ああ、マリオはこの後もう一個オシオキ執行をするから、着替えに行ったわ。」
「何かどうにも嫌な予感しかしないんだけど…。あ、芳佳さん、次のに行かないとね☆」
「あ、もうそんな時間ですか。では、ピーチさん、また!」
苦笑いしたまぐろは芳佳と共に、次なるオシオキ会場へと向かった。ピーチはそんな二人を、優しく見守っていた…。
※
『変わり始める少女への厳しくも優しいお説教』
(ユリカさん分)
・芳佳とまぐろのお説教
(りゅーとさん分)
・マリオとピーチによる厳しくも優しいお説教
・その際に差し入れとしてマリオとピーチが作った料理を渡す
- 賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 ( No.669 )
- 日時: 2015/02/17 21:47
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: v2BiiJyf)
その頃の葉月達…。
「センパイはまず、慌てない事ッスね。焦げてもいいから、まずは力を抜いて、気楽に料理をする事が先決だと思うッス。」
「うん…。でも、何か変に力が入っちゃうみたいで、上手く切れ…あ。」
葉月と完二は野菜を切っていたが、どうやらまたまな板を壊してしまったようだ。
「うーん、弓って、引き絞る時に結構力が要るって何か岳羽さんに聞いた事があるッス。もしかしたら、それも合わせて余計な力を加えちまうんッスかね。まずは力を抜くコツを」
「あっつーっ!!」
「わわっ! リンクさん、ごめんなさい!! って、うわーっ!!」
「…またやったのかよ、風雅。」
完二が呆れた顔を浮かべながら、横をちらりと見た。
ご飯が付いたリンクと味噌汁が入った鍋がひっくり返っているの見る限りだと、どうやらおにぎりを作っている最中に手を滑らせてリンクに盛大に当て、更に動揺して上手くできていた味噌汁を台無しにしてしまったようだ。お守りの効果、出てるのかコレ。
「…クマ公、回復してやれ。」
「分かったクマ…。」
クマは風雅達に近づき、カムイを出して【メディアラハン】をかけてあげた…。
■
「牡丹へのオシオキはコレと次で十分だろう。」
『ああ、そうだな。変わろうとしている彼女に、これ以上のは酷だろう。』
「にゃぐー。」
「にゃぐわも同意してるみたいだぞ。」
新しい抹茶スイーツ(今度はドラ焼)を持って、由梨とにゃぐわが部屋に入ってきた。
「今回のも美味そうだな。」
「抹茶系のレシピが増えてアタシもいい収穫なんだけど。しかし風雅、お守りアリでこれってどんだけ運最悪なんだよ。」
美味しい抹茶スイーツに舌鼓を打ちながら、緑茶を飲むこの場にいる一同。そんな中、パステルくんが置いていったタブレットから、次なるオシオキ会場へと辿り着いた人物がいる事を告げるアラームが鳴った。
「ん? 誰かついたみたいだな。」
『これは…創造神か。確か彼のオシオキは…。』
紅が何かを思い出し、黙り込んだ。そして、ジョーカーはクルリと振り向き、そこにいつの間にかいた影に土下座をした。
「…影、申し訳ないが貴殿も参加してきてくれないか?」
「土下座までしなくていいよ。うん、このオシオキプログラムじゃ、ちょっと約二名が危険すぎる。ボクも行くね…。」
影はそう言って、姿を消した。
■
「おわっ!!」
MZDは受身を取れずに、地面に直撃した。え? 浮けるんじゃないかって? ご心配なく。私権限で一時的にこいつの力を封じています。え? マット? 日頃の行いだ。
「酷くねぇかお前!」
正体バレんだからあんまり話すなこの馬鹿神。つか地の文にツッコミ入れんな。
「馬鹿神、本気で大人しくしておいたほうがいいと思うよ。」
「え? ちょ、影? 何この拘束具。」
いつの間にか現れた影が、MZDに拘束具をつけ、そして宙に浮かせた。
「そしてこの薬もイーン。」
「おぶぅっ!! …げほっ、ごほっ…飲んじまった…。」
影が出した謎の薬をMZDは飲み干した。そんなところで、看板を持ったリリィとローズがやってきた。そこには…。
『お馬鹿神様への笑える制裁☆〜MZDへのオシオキ〜(夏紫穏さん、りゅーとさん案)』
と書かれていた。…悪意、MAXじゃね?
「はい、リリィ、ローズ。読者の夏紫穏さんから梟の羽。」
「うん! ありがと、影!」
リリィとローズは受け取った梟の羽を持ちながら、鎖につながれているMZDを見た。そして…。
「かかれー!」
「おー!」
「え、ちょっと待っておま、あぎゃあぁぁぁぁっ!!」
なんと、飛び掛ってこちょこちょと擽ったのだ!
ちなみに、リリィとローズには、MZDを三分間、好きなだけ擽りなさい、とだけ言ってある。あ、最初に飲ませたのは夏紫穏さんからの差し入れである、三分間感度がよくなる薬である。
「あひゃ、あひゃひゃ、や、やめ、リリィ、そこはらめえぇぇぇっ!!」
「うわ、何か女言葉になっててキモ…。」
「か、影、引くな! あひゃあぁっ!! ちょ、ローズ、耳の穴にいれるなあぁぁぁっ!! あひゃはひゃひゃは!!」
「こちょこちょー♪」
「こちょこちょー♪」
あ、凄くリリィとローズが楽しそうだ。
が、影はそんな二人をそっと抱えた。
「はい、三分間立ったから終わりー。」
「えー! まだ擽りたーい!」
「私も!」
「擽り足りないだろうけど、今日はここで終わり。いいね? 風花!」
『了解! ユノ、【エスケープロード】!』
影はそこまで言ってから、風花に頼んで無理矢理転送してもらった。
「ぜー、ぜー…た、助かった…。(でも、まだ拘束具解けてねぇんだけど…。)」
当たり前だ。今のは夏紫穏さんの分だからな。
(え、じゃあ…。)
まだりゅーとさんの分があるんだよー♪
「」
あ、絶句してる。
そんな彼を他所に、何やら怪しい…いや、妖しい音楽が流れた。あ、周りのライトが一気にピンクに…。あぁ、影君。君の判断は正しいよ。こんなのを純粋組に見せたら…うん。
「な、なんだよ一体…。」
「それは…これよぉ〜ん♪」
いつの間にか現れたカーテンが引かれ、出てきたのは…全身ピンクのタイツを着て、口紅を塗った…マリオ。
「」
ちなみに、彼はりゅーとさんの所のマリオです。さっきの牡丹の時の彼は何!? とお思いでしょうが、恐らくこっちがデフォルトの方です。多分。
「さぁ、MZDぃ〜っ♪」
「ちょ、ま…。」
くねくねと、艶かしく、厭らしく腰を振りながら、まるでファッションショーに出たモデルのようにMZDに接近するマリオ。
MZDは拘束具に縛られ、動けない。どうしようもない。それに今は私権限で技禁止にしているので、壊す事もできない。
「私の愛を浮けとってぇ〜んっ!!」
「ふむぐぅっ! ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
※お見苦しい映像が流れています。お花畑で戯れるローズを見ながら、暫くお待ち下さい…。
「ぷはっ。それじゃ、またねぇ〜ん♪」
「」
マリオは手を振りながら、どこかへと去っていった。あ、MZDが死んでる…。
ちなみに、お花畑で戯れるローズの映像の最中に何があったかというと、マリオがMZDに深ーい接吻をしたのだ。しかも事前にマリオはフランシスのトラウマである裸塩とニンニク入りの餃子を百個も食べたので、色々な意味で強烈である。あぁ、うん、死ぬのも無理ないかも、コレ。
※
『お馬鹿神様への笑える制裁☆』
(夏紫穏さん分)
・擽りによるオシオキ
・差し入れに梟の羽と三分間感度がよくなる薬を
(りゅーとさん分)
・りゅーとさんのマリオによるディープキス
・しかも事前に裸塩とニンニク入りの餃子を百個食べた状態
- 賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 ( No.670 )
- 日時: 2015/02/10 23:09
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lAkC0vKa)
その頃の葉月達…。
「あ、切れた! まな板切らずに切れたよ! 完二君!」
「その調子ッスよ、センパイ!」
「…リンクさん、ご飯出したよ。この次は?」
「まずはおにぎりに俺が小分けにしておいた塩を振りかけてくれ。…そうそう。余計なものがないと、お前も安全に作業ができるだろ?」
慎重に作業をする葉月と風雅。着々とお弁当が出来上がっていく。
「(うんうん、やっぱり他人の成長を見るのは楽しいクマ! クマには親はいないけど、きっとクマが親になったら、こんな気持ちクマね。ヨースケのママさんも、きっとクマがお手伝いしたら、こう思ったクマかね…。)あ、そろそろ時間クマ。クマ、少し抜けるクマ。」
「ああ、もうそんな時間か。」
「いってらっしゃい、クマ君。って、きゃー! またまな板…。」
「あー…油断しちゃ駄目ッスよ…。」
クマを見送って油断したのか、葉月はまたまな板を切ってしまったようだ。そんな一同にクマは不安を覚えるも、オシオキの為に出て行った…。
■
「…。」
MZDのオシオキを見守った由梨、紅、ジョーカー、にゃぐわは、食べていた抹茶ドラ焼をそっと置いた。
「…馬鹿神、哀れ。」
全員、十字架を切る。おい、まだ一応死んではいないから。精神的にはヤバいけど。
「つ、次は誰だ?」
「えっと…牡丹の続き、かな。」
今目の前で起こった出来事を忘れようと、全員次のオシオキを見守る事にした。
■
まっすぐ、ただひたすらにまっすぐ歩くと、すぐに次なる扉が見えた。
牡丹はその扉を開ける。
「おっそーい。待ってたよ、牡丹。」
「鈴花…!」
見えた風景は、まるで大学の教室。そこに、鈴花と氷海の父親、そして…教師風の格好をしたマリオがいた。
このマリオは先程のりゅーとさんのマリオではない。小説カキコやpixivで作品を書いている作者の八雲さんのマリオだ。ちなみに、このマリオは脱ぎません。うちのマリオも脱ぎません。大事なのでもう一度言います。八雲さんのマリオは脱ぎません。こちらのマリオも脱ぎません。
「牡丹、君には今から、ここにいるメンバーと一緒に、これからみっちり三時間、勉強してもらうよ。キノコについてや、薬草についてを学んで、最後にテストをしてもらうからね。」
マリオが出した看板には…。
『変わり始めた第一歩☆ビバ勉強会〜牡丹へのオシオキ〜(八雲さん、SUSUKIさん案)』
そう、書かれていた。
「勉強会、ですか…。」
「そう、勉強会。普段のパステルくんのオシオキよりも軽いし、いいだろう?」
「それに、今の牡丹にはこのオシオキが一番いいと思うんだ。」
マリオの言葉の後に、鈴花は分厚い本を机の上に置いた。
「これは…?」
「薬草やキノコ、医術関連の本だよ。私が使っていたものとか、色々漁って持ってきたし、八雲さんの所のスマイルさんやウィッチさんからも色々提供してもらったから、資料には困らないはずだよ。」
「みんな、牡丹の為に用意してくれたんだよ?」
氷海の父親や鈴花がそう言うと、牡丹は顔を俯かせた。
「俯くのは後だよ、牡丹。さぁ、着席して、みんなで勉強しようか。」
「はい、お願いします!」
牡丹はすぐに着席をした。そして、ノートとペンを用意し、準備は万端だ。
「まずは薬草についての知識を深めようか。そこは鈴花にお願いしようかな。」
「はーい! じゃあ牡丹、よーっく聞いてよね? 寝たら零距離恋閃繚乱が飛ぶから。」
「鈴花ちゃん、怖いよ。」
サボらないようにと措置を取るためにそう諭す鈴花だが、氷海の父親に引かれていた。
「じゃあ、ここに座って待ってるか。よっこいしょ。」
マリオが着席をした、その瞬間。
「ぶふっ!!」
何故かいきなりマリオシリーズでミスをした時に流れる効果音が流れた。
突如意味もなく流れたこれには、三人とも噴き出すしかない。
「な、何ですの今の…プフッ…!」
「ま、マリオさんが座った瞬間に…ププッ…!」
「ふ、二人共、堪えて…ブフッ…!」
(実はこれ、ただのオシオキじゃないんだよね。様々な仕掛けを施しているから、きっと大変だろうなー。え、何の仕掛けって? 笑いのに決まっているじゃないか♪)
どうやら、この勉強会はただの勉強会ではないようだ…。
これから三時間、笑いの刺客が、三人を襲う…!
※
『変わり始めた第一歩☆ビバ勉強会〜牡丹へのオシオキ〜(八雲さん、SUSUKIさん案)』
(共通案)
・三時間薬草やらキノコやら医術の事についての勉強会
・最後に試験を受け、点数や勉強態度でオシオキを終える
(SUSUKIさん分)
・講師に氷海の父親
(八雲さん分)
・講師にマリオと鈴花
・しかし、ただの勉強会ではなく、様々な笑いの刺客が襲い掛かる(←え。)
・しかも、上記の事はマリオ以外知らない(←え。)
・つまり、講師の鈴花と氷海の父親が笑いの意味で完全なる被害者に(←酷。)
- 賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 ( No.671 )
- 日時: 2015/02/10 23:19
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lAkC0vKa)
「…おい、マジで八雲さんの案鬼畜だろ…ブッ…!」
「これから、この後何が起こるかわからんが…プフッ…!」
『あのガキ使の笑ってはいけない並みの…ププッ…ものに、なるな…ブフゥッ!』
おい、まだろくに始まっていないのに笑うなそこのポニテと悪魔と鴉。
「あの例の南瓜…ププッ…い、いつ、出てくるかな…!」
「わからん、が…我、笑う自信…あるんだが…!」
『これ、完全に腹筋が死ぬ気がするぞ…! 腹筋にフルボッコだぞ…!』
駄目だ、なんか笑いを堪えてる。普段はツッコミ系なのに。ああ、やばい。この人達壊れかけている。
『とりあえず、この後は時折葉月達のと同様に見守っていこう。』
「…そうだな。さて、まともなオシオキはここまでか…。」
「ああ。次からは反省の色がない馬鹿共のオシオキだ。」
先程の笑いはどこへやら、オシオキを見守っていた者達は急に笑みを消し、そして…タブレットを睨みつけた。
「これを切欠に少しは反省してもらいたいが、まず無理だろうな。」
「ああ…。反省しているならば、パステルくんが行った数々のオシオキで既に反省している。」
『せめて、少しでも更生が見られればよいが…まず無理だろう。』
紅はふぅ、と溜息をついた。
『あ奴らも、牡丹やクマのように切欠が必要だと思う。変わりたい、変わらなければならない。そう思う切欠がな。』
「…このオシオキではきっと変わらないと思うが…いつかは、きっと変わってくれる。そう、信じたいのだが…。」
「…あいつらの切欠は、一体何なんだろうな…。」
全員、深い溜息をついた。
とにもかくにも、反省している人達のオシオキはこれからも続く。
そして、オシオキはまだまだ続く…。
続
■
私—とりあえず、ここまで。反省していない組のオシオキはもう少しお待ちくださいな。…話変わるけど、第六回、理音に試しに振らせて見たら…何か、約一名がとてつもなく可哀想な結果になった。
昴「なんだよそれ。感想、あればどうぞ。」