二次創作小説(映像)※倉庫ログ

料理対決・番外編 前書き ( No.716 )
日時: 2015/03/06 23:16
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mIyy9UND)

前書き de 雑談『精霊達について』



—すっかり忘れてたけど、理乃ちゃん達が使役する精霊達の簡単な説明だよ。


シルフ
風の精霊。マスターは理乃。
セフィー、ユーティス、フィアレス、ラフィーの四姉妹であり、一応ひとつの存在だが、性格が全く違う。
応急処置程度の回復魔法が扱えるも、大体は自分達の武器で攻撃するのがメイン。理乃が呼んだ場合のみ、他人に宿る事が出来、その際に各々の翼が生えて飛べるようになる。レアバード以外の移動手段。
弱点は全員共通で土。

セフィー
シルフ四姉妹の長女で、黄緑色の服に鳥の羽が特徴。武器は大剣。
しっかり者のお姉ちゃんで、カオス展開だとツッコミを入れたり、場合によっては理乃を避難させたりするも、裸族を見ると一発で気絶する。

ユーティス
シルフ四姉妹の次女で、紫色の服に蝶の羽が特徴。武器は弓。
やや男勝りのお姉さんタイプで、カオス展開ならば適度に制裁をしたり理乃を避難させたり。しかし、彼女も裸族を見たら気絶する。

フィアレス
シルフ四姉妹の三女で、橙色の服に花びらのような羽が特徴。武器は盾。
悪戯好きなギャグカオス組。そういう展開になったら確実に悪のりして暴走する上に煽る。その度に由梨や妹のラフィーに締められている。

ラフィー
シルフ四姉妹の末っ子で、緑の服に虫の羽が特徴。武器は特になし。イメージはエターニアのシルフ。彼女のみ別の場所からとった。
姉達がこれなので、完全にツッコミの苦労人。酷い時にはカオスクラッシャーに成り代わる。その時は姉であろうが完全に容赦ない。

ルナ
月の精霊だが、括りとしては光属性。ドレスをまとい、杖を持って三日月に乗っているのが特徴。アスカとは対でありながらも同一存在。マスターは理乃。
アスカと共に高い回復魔法を扱え、理乃が最も頼る精霊。
おっとりとしてのんびりした心優しいお姉さん的な存在。裸族やギャグカオス組を見ても動じずに、『あらあら、寒くないのかしら?』とか言う始末。結構天然入ってます。
弱点は闇。

アスカ
光の精霊。大きな金色の鳥。ルナとは対でありつつも同一存在。マスターは理乃。
ルナと同じような魔法を使えるので、理乃の頼れる存在。
しっかりとした性格の精霊。シルフ達姉妹が姉妹なので、ギャグ展開や裸族が出たら真っ先に純粋組を避難させる役割を持つ。その間に由梨やラフィーが締めるので助かっているのだとか。
弱点は闇。


ヴォルト
雷の精霊。雷をまとった球体に目がついてるだけの姿。マスターは由梨。
精霊達や司達にしかわからない言葉で話すも、感情が豊かなので何が言いたいかは何となくわかる。ちなみに、由梨は基本的には彼しか呼ばない。
相方のイフリートがアレなので、完全にツッコミ組。純粋組が避難したら真っ先にカオスクラッシャーに早変わり。苦労人ポジ。
弱点は水。

イフリート
炎の精霊。筋肉質の男。マスターは由梨。
ノリの良い男。楽しい事やギャグカオス的な事が大好き。
何で影響を受けたかはわからないが、裸族になってしまった。いや、元から裸みたいなものだったが、更に色々酷くなった。いつも由梨やセルシウスに締められている。
弱点は氷。


ウンディーネ
水の精霊。水のような体を持った人魚。武器は大剣で、マスターは葉月。
優しい清らかな性格で、面倒見もいいお姉さん。
その清らかな性格が災いしてか、裸族を見ると確実にぶっ倒れる。
弱点は雷。

セルシウス
氷の精霊。水色の髪を持った格闘家。マスターは葉月。彼女の容姿はマイソロ基準。
勝ち気なお姐様タイプ。早い話が由梨みたいな感じ。
対となる精霊、イフリートがギャグカオス組&裸族であるのと、相方のウンディーネが気絶組なので、場を沈めるカオスクラッシャーの苦労人になってしまった。基本イフリートは彼女が沈めている。
弱点は炎。


ノーム
土の精霊。リボンがついた土竜。マスターは七海。
ローズの花畑計画を応援している優しい性格だが…実はギャグカオス展開が大好きな奴。黙っていれば可愛いのに。
また、誰に似たのか、舌こそ正常なものの、胃が頑丈。ゲテモノ処理半の一人。
弱点は風。

シャドウ
闇の精霊。スライムのような体と、中心にある大きな目が特徴。マスターは七海。
無口で無愛想で事務的な印象を抱くも、意外にもノリは良い方。
だが相方のノームやマスターの七海がアレなので、カオスクラッシャーポジ。ラフィーと共にノームを締めている。
弱点は光。



「おい、精霊達のカオスクラッシャーになった理由。大体が相方のせいかよ。」


—苦労してんのね。

ラフィー
『いやまったく。でも、何でここで僕達の設定を?』


—お仕置きが上手くまとまらなくてうがーってなったから気分転換に書いたものをカキコ限定であげようかと思ってね。それで、精霊達のデータがちょっと必要だから、載せたの。


「内容は?」


—いつもの料理対決。の、番外編。…今回の料理対決はちょっと趣向を変えて…固定審査員を一新します。その固定審査員が原因で、ある括りでしないといけないの。


「また料理対決かよ!」

ラフィー
『よくやるよねー…。で、括りって何の?』


—それは本編にて。あぁ、安心なさい、昴。貴方は今回…地獄は見ないから。


「…? まぁ、いい。では、本編どうぞ。」

死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 ( No.717 )
日時: 2015/03/06 23:21
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mIyy9UND)

これは、とある日の事。BEMANI学園学園長室にて。

「はー、暇だぁ…。」
「暇なら仕事してよ馬鹿神。ほら、手が止まってるよ。」

影はMZDに呆れつつも、手を動かす。ついでにMZDのもやってあげるのも偉い。

「はー、何か腹減った…。」
「何もしていないのにお腹が空くなんて君のお腹どんだけなの…。まったく…。はい、これ。」

ぶーぶー文句を言うMZDに、影がしぶしぶポケットからカロリーメイトを取り出した。

「なんだこりゃ、カロリーメイト?」
「カロリーメイト。」

影は袋から取りだし、食べながら仕事をする。

「えー、理乃の飯が食いてぇ…。」
「文句言うなし。」

もぐもぐと食べる影。その間にも、書類が減っていく。
対するMZDの方は、減っていない。カロリーメイトも、書類も。

「はー、誰かメシウマ組の飯食いてぇ…。」
「呼んだ?」

話を聞いていたのか、りせと七海がやって来た。手には鍋が握られていた。
しかし、片方は強い刺激臭が漂い、片方は何かがガタガタと蠢いていた。

「呼んでないし、その手の物をそっと持って帰って自分で食え。」
「酷くない!?」
「昴さんに持っていったらMZDが食べてくれるって言ったから持ってきたのに!」

どうやらここに来る前に昴の元に持って行ったようだが、やんわりと断られたので、食べてくれると言うMZDに持ってきたようだ。昴、然り気無く押し付けたね。

「(アイツめ…!)いい加減自覚しろよ、お前ら。昴もアイツもいつも言ってるだろ、そろそろ自分がどんなゲテモノを作るか、理解しろよ。」
「ゲテモノじゃないし! ちゃんと食べられるものじゃん!」
「いーや、りせはどう考えても激辛過ぎてある意味毒物だし、七海のは論外だ。お前のはどうして生物になる。」

自覚しない二人に、MZDは容赦なく言い放つ。

「ごめん、今回ばかりはこの馬鹿の肩持つわ。二人共、いい加減に自覚しなよ。君達のせいでどれだけ周りが被害被ってると思ってるの?」
「それはそっちが分かってくれないからじゃん!」

二人同時に、影に反論する。これにはMZDも黙ってはいられないようだ。

「そうか。それ程までにわかんねぇのかよ。よし、分かった。もう一度料理対決を開いてみようぜ。審査をして評価をもらえば、今自分がどんな料理作るか、理解するだろ。」
「ちょっ、MZD!?」

突然言い出したこの言葉に、影はびっくりして彼を見る。

「ただし、審査員は昴達じゃなくてオレだ。それから、もう一人呼ぶ。この一人がいるから、今回はメンバーをオレの方で決定させてもらうぞ。あぁ、お前ら二人は含まれてるから安心しろ。」
「もう一人って誰よ?」
「…もう一人は、お前等がよく知る人物だ。何とか説得して来てもらうさ。」

全員、首を傾げるも、どうやら納得してくれたようだ。審査員の一人は分からないが、MZDがメンバーを決めるのと、自分達も挑戦者側である事、その審査員を説得するのは分かった。

「じゃあ、明日にでもメールを送るから、集まってくれ。その時に全部説明する。」
「わかった。じゃあ、明日ね。」

りせと七海とはそう言って分かれた。

「ねぇ、MZD…審査員ってまさか…。」
「ああ。アイツらが一番逆らったらまずい人物だよ。来てくれるかわからねぇけど、説得してみる。」

MZDはそう言って、姿を消した。

死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 ( No.718 )
日時: 2015/03/06 23:26
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mIyy9UND)

現実世界…。
私は溜息をつき、ノートを閉じた。

「で、そう言う経緯で私を勝手に巻き込んだって訳?」
「本当にすまねぇ…。口喧嘩に乗せられちまって…。」

MZDは私の部屋に入ってくるなり、土下座で謝罪をした。
まぁ、今ノートでその口喧嘩は見たし、その審査員が私って何となく分かってたから、覚悟はしてたけどね。

「…まぁ、いいけど。どの道私も遅かれ早かれ、こうなるとは思ってたけどね。」
「覚悟はしてたのかよ。」
「一応ね。何だかんだで試食とかに私を指定してきた時とかを見越していたけど…まさか身内が最初だとは思わなかったぞ。」
「…本当に悪かった。」

あら、今日は割と素直。

「うるせぇ。勝手に巻き込んで悪かったとは思ってるんだよ。」
「いつも思ってくれるとありがたいけどね。さて、どうするの? 悪いけど、私も貴方も審査員は初めてだから、あの子に相談に乗ってもらう?」

いつもいつも料理対決で審査をしている昴に相談しようとしたけど…MZDに止められた。

「いや、今回はアイツは作る側に回ってもらう。」
「あら、どうし…あ。」

気づいてしまった。MZDが言っていた、括りに。

「気づいたか。そう、今回は全員で出来ない。お前が審査員である以上な。」
「となると、事情を知るメンバーに固定される…。」
「ああ。つまり、昴、鏡、紅、りせ、風花、理乃、由梨、葉月、七海となる。だけど紅は除外して、救援メンバーとして働いてもらうさ。…勘のいいお前なら、この面子が意味する事は…分かるだろ?」

いや、貴方に言われなくとも括りの時点でやばい事には気づいていたんだけど。

「…まぁ、対策はしておこうよ。簡単なもの、で。」
「だな…。」

私は暫く、MZDと協議をしていた。
なるべく簡単な料理を、私達が死なない料理をと考えるけど…。





まぁ、この面子じゃ死ぬのは確定だよね。だって…。





“食べられる料理を作るのが二分の一しかない”し、“四分の一で死ぬ”もの。

死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 ( No.719 )
日時: 2015/03/06 23:32
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mIyy9UND)

そして、翌日…聖域・長老樹前…。

「で、何でこんな所に呼び出したんだよ、馬鹿神。」

昴は悪態をつきながら、いきなりメールで呼び出したMZDを睨みつける。
ここには今、昴、鏡、紅、りせ、風花、理乃、由梨、葉月、七海の八人と一羽が揃っていた。

「言ったろ? 料理対決を再びやるって。で、お前等全員挑戦者な。あ、紅はいつも通り救援で。」
「え、じゃあ、すーさんも作る側? 誰が食べるの? MZDは確定だろうけど…。」
「…お前達が一番逆らっちゃいけない奴を説得したんだよ。中に入ってくれるか?」

MZDは長老樹の前に立ち、樹を叩いた。
すると、目の前に大きな扉が出てくる。

「え、何これ!?」

始めて見たのか、全員、その仕掛けに驚きを隠せない。

「アイツが特別に用意した空間に繋がる扉だよ。」
「…おい、MZD。まさか、もう一人の審査員って…!」
「中で待ってるから行こうぜ。」

昴が何かを察知したのか、MZDに訊ねるも、彼はすぐに中に入っていった。
他のメンバーも渋々中に入る。

「…え?」

中に広がっていたのは…よく見慣れた景色。
そう、そこは聖域だった。

「え、聖域!? 何で!?」
「聖域をまるっとコピーしたのよ。」

ざりっ、という足音と共に、昴やりせ、司組にとっては聞き覚えのある声が響いた。

「俺!?」
「スバルさん!?」
「すー姉!?」
「スバルお姉ちゃん!?」

顔を見た事のあるりせや司組、分身である昴は彼女—スバルの登場に驚く。

「え、すー…姉…さん…?」
『本当に神にそっくりなのだな…。』
「お、驚きました…。」
「あぁ、鏡君達や風花ちゃんとはこうして面と向かい合うのは初めてだっけ。うん、私がいっつも君達の手帳を見てる本人だよ。まぁ、こっちに来たのは思念体だけど。流石に生身だと危ないってMZDが言ってたし。」

彼女を間近で見た事がない鏡、紅、風花は、初めて見る彼女の顔に、驚いていた。あまりにも昴に瓜二つな為、びっくりしたのだろう。

「まぁ、話は後でゆっくりとするとして…まずは、MZDから聞いてると思うけど、また料理対決を開かせてもらうよ。食べるのは私とMZDだから、よろしく。」
「じゃあ、俺も挑戦者側?」
「ええ。寧ろ貴方が挑戦者側にいないと困るんだけど。メンバー的な意味で。」
「…ああ。」

昴はメンバーを見回し、スバルの意図を理解した。

「お題は…ご飯を使った一品でお願い。五目御飯でもいいし、オムライスでもいいし、チャーハンでもいいし。シンプルにおにぎりでもいいよ。とにかく、ご飯を使った一品を作って食べさせる事。準備期間は一週間開けるね。」
「ご飯…結構幅広いですね…。」
「カレーとかかけるタイプでもいいのか?」

由梨が聞くと、スバルは頷く。

「うん、いいよ。とにかく、ご飯を使ってくれれば何でもいい。最悪ご飯炊いてレトルトカレーぶっかけるだけでも許す。」
「おい、それいいのか? 料理として。」

苦言を呈する昴だが、死ぬよりはマシである。

「料理とは確かに呼べないけど、それでもいい。死ななければね。」
「あぁ、それはわかる。」

スバルの言葉に、ゲテモノ組以外全員納得してしまった。

「いつも通り、私とMZDを殺害しようものなら、私から直々にお仕置き飛ぶから、覚悟しなさい。あぁ、内容は私が決めるから、募集はしない。」
「あの、スバルさん、医療班はどうなさるのですか?」

お仕置きの有無について確認した所で、理乃が訊ねた。そう、確実に死ぬこのメンバーだが、スバルがいる以上、冷一達には頼めない。
それに、回復魔法を扱える理乃も昴も挑戦者側。余程のピンチには出てくるも、頼めない。残るは影のみ。だが一人では心許ないだろう。

「うーん…影君一人じゃ心許ないからなぁ…。でもだからと言って冷一さんを呼ぶのも決まりである以上…。」
「…え? ちょっと待ってね。」

スバルが考えている最中、急に理乃が誰かと話している様子を見せた。が、それも少しの間で、すぐにスバルに向き直る。

「スバルさん、ルナとアスカが話したい事があるそうです。」
「え? 理乃ちゃんが契約する光の精霊さんが? うん、わかった。こっち来て大丈夫だよって言っといて。」
「わかりました。」

まぁ、言わずとも伝わっているだろうが、とにかくこちらに来てもらう事となった。
程なくして、光と共に様々な姿をした存在が現れた。ざっと見て、十二体はいるだろうか。

「あれ? ウンディーネにセルシウス。」
「ヴォルト、どうかしたのか?」
「ノームにシャドウも。どったの?」
「あら、セフィー達。どうしたの?」
『さらっとオレを飛ばすな由梨!』

現れたのは、理乃達と契約する精霊達だった。突如現れた精霊達に疑問を持つ司達。さらっと誰かが飛ばされたのは、触れないでおこう。

『じ、実は、その…私達にも料理を食べさせてほしいと思って…。』
「+α審査員をやるって事?」

代表して黄緑を基調とした服を着て鳥の翼を持つ風の精霊・シルフ四姉妹の長女、セフィーが答えると、スバルは首を傾げた。彼女の問いに、セフィーは頷いて答える。

『はい。死ぬのは多い方がいいかと思いまして…。その、寂しさ的に。』
「まぁ、一人で死ぬよりかは何か安心感はあるかな。」
「ちょっと、説得力ありすぎてお母さん何か悲しいんですけど。」

審査員の経験が一番豊富な昴の言葉に、スバルは思わずツッコミを入れた。

『それに、上手くいけば理乃や由梨の料理に当たったり、頑張る葉月の成長が見られるかもしれないからな。』

もうひとつの目的を語った水色の髪をたなびかせた格闘家のような女性・氷の精霊セルシウスの言葉に、葉月はちょっと顔を赤らめた。

「うーん、それぞれの思惑はわかった。確かにちょっとメンバーは欲しいかなと思ってたから、丁度いいよ!」
『それから、私とアスカは理乃並みの治癒魔法を使えるので、医療班に回して頂きたいのですが、構いませんか?』

三日月に乗り、美しいドレスを纏った月の精霊・ルナが傍らに控えていた金色の大きな鳥…光の精霊・アスカと共にスバルに頼んだ。

「ルナさんとアスカさんなら心強いね。」
「審査員と医療班の問題は解決したし、ひとまずこれで解散か?」

昴が話が終わった事を確認すると、スバルは頷いた。

「うん。そうだね…。審査員は司組の精霊達。あ、でもヴォルトさんとシャドウさん、どうやって食べるの?」

口が見えない雷をまとった球体のような雷の精霊・ヴォルトとスライムのような黒い体を持つ闇の精霊・シャドウは困ったような顔をした。

『…。』
『…流石ニ、我等ハ、難シイ…。ヴォルトモ、ソウ言ッテル…。』
『では、我と共に救援班でよかろう。それからヴォルト殿の通訳を頼みたい。我ではわからぬからな。…それで構わぬだろうか。』

紅の妙案にスバルは頷きを返してから、笑みを浮かべた。

「救援を求めるのは多い方がいいからね。それから紅君、私の事はスバルで構わないよ。」

どうやら、呼び方に困って間を開けたのを見破ったのか、スバルの言葉に紅は『すまない。』と返した。

「じゃあ、救援係は紅とシャドウとヴォルト。医療班は影とルナとアスカ。審査員はオレとスバルを固定審査員として、+αに司組の精霊達、それで決定だな。」

MZDが纏めると、全員頷いた。

死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 ( No.720 )
日時: 2015/03/12 12:38
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: rqG2u1s0)

では、準備編に入る前にデータとまとめを。
初参加の昴と風花のデータもヒントに。


料理対決番外編:お題「ご飯物」
・ご飯を使った一品を提供。
・おにぎり、オムライス、チャーハン等々、ご飯を使えば何でもよし。最悪ご飯を炊いてレトルトカレーをぶっかけただけの物でも許す。
・評価はいつものように六段階評価とプラスマイナス。
・評価五を取った者にはスバルから望む品物を渡される。
・ただし、スバルとMZD、精霊達を医務室送りにした者は、スバルからきつーいお仕置きが…。


役割分担
審査員
固定:スバル、MZD
変動:セフィー、ユーティス、フィアレス、ラフィー、ウンディーネ、セルシウス、イフリート、ノーム
医療班:影、ルナ、アスカ
救援係:紅、シャドウ、ヴォルト
挑戦者:昴、鏡、りせ、風花、理乃、由梨、葉月、七海


採点方法
六段階評価を下す。内訳は以下の通り。

五、メニューに拘らず、遊び(アレンジ)を加えており、なおかつ美味しい。

四、メニューに依りすぎな所はあるが、程よく遊びを加えており、美味しい。

三、メニュー通りの品。遊びなどはないが、メニュー通りなので普通に美味しい。

二、メニューに沿ったのだろうが、ミスが目立ちすぎて美味しくない。が、まだ改善の余地がある不味さ。

一、まだまだ花開くには時間がかかるも、改善しようとしているのはわかるレベル。キッチンに立つなとは言わないので、貴方達は簡単なお手伝いから始めましょう。

零、食材を与えないで下さい。食材に贖罪して下さい。食材を馬鹿にしないで下さい。寧ろ料理をするという行為を忘れてください。


±要素
・+…あともう一歩で上位のレベルに上がれるくらいにおしい品。五+は五段階評価じゃ足りませんレベル。

・無印…妥当なレベル。惜しい部分もなければ、マイナス要素も特になし。

・−…ミスが多いのでお情けでこの評価に。零−はいい加減自覚しやがれ。


挑戦者情報


ご存知この世界の神様(とは名ばかりの管理者)であり、スバルの分身体。いつもは固定審査員だが、今回は挑戦者側で参加。
鏡達聖域組の家を守ってきたのとジョーカーが来るまでの半年近く一人でやらざるを得なかったので、そこそこの家事は可能。料理も鏡達のご飯を作ってきたので、本人の知らぬ間に上達してしまった。
得意料理はチャーハン。評価は四とそこそこの腕前なので、多分死ぬような代物はできないはず。スバルの分身なので、好みは全部把握している分有利か?


最近腕前をあげた聖域組の次男。純粋組なので変な話を聞かせないように。
前回の料理対決では思いきり評価をあげ、異世界の料理対決でも普通評価を貰える程までにレベルアップ。そろそろ別の家事もまともになってくるかと。
得意料理はハンバーグ。まだまだ評価は三付近だが、彼も死ぬような物は作らない。すー姉さんの為に頑張る!

風花
ペルソナ3においてサーチ能力を駆使してバックアップを担当。いつもは通信機能で審査員達に伝言を伝えるも、今回は作る側で参加。
両親とは不仲で、家事手伝いをあまりしていなかったのか、正直家事は壊滅的。料理部に入るものの、ボウルを使わずに小麦粉を計量したりとか変なミスが目立つ。公式でメシマズ。
そんな彼女でもおにぎりは普通に作れ、評価も三と死ぬような代物は作らないはず。同じサーチャーがやらかすので、多分普通に作るかも。作らなかったら評価一。しかし反省はするのでまだまとも。

りせ
ペルソナ4にて風花同様サーチ能力を駆使してバックアップ担当。ゴールデンウィークの事件の際、新たな可能性を見つけて戦えるようになった。
家事全般はそれなりだが、料理は言わずと知れた超激辛。彼女自身もガチな辛党なので、絶対激辛料理ができる。
得意料理はなし。何でも辛くするので食える代物はできない。評価? 勿論零だよ。

理乃
桜蘭学園最強の風使いである風の司。天才・純粋組枠。身長と絵画には触れない。
彼女に関しては特に言う事もないだろう。家事スキル総合トップであり、作れない料理はない程。あ、親友の料理は無理だけど。七海がやらかして自分の精霊が倒れないか心配。
得意料理はマーボカレー。毒を消す物資としても何度か作っている。配慮も完璧。評価? 勿論五+だよ。昴の前に生み出されたスバルの分身のようなものなので、彼女もスバルの好みがわかる分少し有利か。

由梨
桜蘭学園最強の炎使いである火の司。姐さんと呼ばせてください。BEMANI学園でファンクラブが出来る程のモテモテ美女。
家事はそこそこできるも、面倒くさがりなので基本あまりやらない。けど、同室の葉月のスキルがアレなので渋々やっている感じ。イフリートに七海かりせの料理が当たらないかと期待している。
得意料理は和食系。特に蕎麦や煮物系は絶品。評価は五+クラス。それ以外でもきちんとアレンジを加えるので、評価は四。

葉月
桜蘭学園最強の水使いである水の司。ほんわかしており、その場にいるだけで癒しだが、実は勘が滅茶苦茶鋭い純粋組の避難係。胸の話は厳禁。
大体の家事はドジを踏まなければそこそここなすも、トラブルクッキングの達人な為、彼女を調理場に入れたら高確率で悲惨な光景が広がる。
得意料理は肉料理。狩りスキルと目利きスキルは高いので上手く作ればお店レベルの代物が出来上がるも、前述通りドジっ子スキルやトラブルを発生させるので評価は一と低い。しかし反省するだけまだマシである。

七海
桜蘭学園最強の土使いである地の司。馬鹿舌馬鹿胃袋馬鹿力持ち。要するに馬鹿。
彼女も説明不要だろう。すべての家事において物は壊すわ服は破くわガラスは割るわで、いい事がない。数々の料理対決で猛威を振るった子。
得意料理はクトゥルフ。え、料理じゃないって? ええ、彼女の料理はもう料理じゃないよ。生物錬成だよ。評価? 零だよ。



※評価一をまだ救いがあるものに変更。惜しい品だし、反省はする事に気づいたので。

死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 ( No.721 )
日時: 2015/03/06 23:48
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mIyy9UND)

外に出た昴達は、それぞれ別れた。

「…どうしよう。」

公園に向かった風花と葉月は、ブランコに座りながら同時に言葉を放った。
自分の料理の腕を自覚しているからこそ、今回の料理対決に自信が持てないのだ。

—そんな落ち込まないの。

そんな二人を見かねたのか、風花の手帳越しにスバルが語りかける。

「でも、絶対に失敗するし…。」
「スバルさんのお口に合う物を作れる自信がありません…。」
—いーじゃんいーじゃん。失敗したってさ。

スバルは落ち込む二人に、気にしないように文字を書く。

—失敗して、そこから何かを学んでくれるならいいよ。そんな思いで作った料理なら、私は食べたいよ。それに、二人の料理は瓦礫とか混じったりちょっと変だけど、死ぬほどの物じゃないし、反省してくれるからそこまで怒らないよ。ただ、キッチン掃除くらいは頼むだろうけどね。

どうやら、彼女達は反省しているので、そこまで厳しい沙汰はしないようだ。

—何事も経験だよ。経験を積めば、二人もいつか花開くだろうからね。それが長いか短いかはわからないけど…きっと、二人も評価五は狙えるよ。
「スバルさん…。」

スバルの励ましに、風花と葉月は頷いた。その目に闘志が宿る。

「失敗しちゃうかもしれないけど…一生懸命作るよ!」
「私も、頑張ります!」
—その意気その意気。じゃあ、一週間後を楽しみにしてるね〜。

それを最後に、創世手帳は閉じられ、風花の手元に戻った。

「…せめて、まともに作れる物を作らないとね。」
「うん。頑張ろうね、葉月ちゃん!」
「うん!」

夕焼け空の下、二人は誓い合った。互いに、無理なく頑張る事を。











「んー…。」

昴はレシピを片手に悩んでいた。まさか自分が挑戦者側に回るとは思わなかったので、何から始めていいかわからないのだ。

(まさか俺が挑戦者の方に回るとはなー。さて、どうするか。)

とりあえず、色々試行錯誤をして作ってみる。

(あいつの好みは俺が一番よくわかってるから、有利と言えば有利だけど、審査員を喜ばせる一品となると…悩むな。)

いつも食べて評価を下す側だったので、一応審査員の気持ちはわかるし、審査員の一人は自分の本体。好みはわかっているのでちゃんと作ろうとは思う。
だが…彼女にはちょっと思惑があった。

(…これ、普段の仕返しができるチャンスじゃね?)

そう、普段からツッコミの仕事を放棄し更にギャグカオス組になった彼女に仕返しができるまたとないチャンス。おい、何を考えている昴。

(評価を下げずにアイツにギャフンと言わせる料理は、っと…。)

おい、この子、自分から評価を下げにいったぞ!? 誰か止めろー!!

(やっぱ…こんな感じかな。)

昴は嫌な含み笑いをしながら、鍋を取り出した。

「ねぇ、今日の昴さん、何か怖くないー?」
「あんなSっ気全開な昴殿は見た事ないが…。」
(神、何を考えている…。)

不安はつきないが、当日を待とう…。

死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 ( No.722 )
日時: 2015/03/06 23:53
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mIyy9UND)

そして、運命の日。長老樹から繋がる聖域…。

「うーわ、怖い。めっさ怖い。」

特別会場で座って待つスバルは思わず思った事を口に出してしまった。現在、調理中である。

「昴の奴もこんな気持ちでいつも座ってたのかな。」
「多分ね…。内心心臓バクバクしてたと思うよ。」

スバルは落ち着く為に深呼吸をする。幾分かは落ち着いたが、恐怖が拭えない。

『スバル殿、大丈夫か?』
「多分大丈夫じゃない。怖い。」
『マァ、無理モ、ナイ…。確実ニ、二回ハ死ヌカラ…。』
「設定した私が悪いのはわかってる。なんとかなってほしいけどなぁ…。」

落ち着く為に、締め切られたキッチンに目を向けた。

「え、お肉が熱くなっていく…!? どうしよう、四十度までいっちゃった…。」
「あ。焦げちゃった…。」
「きゃっ! な、何か動いた!?」
「あ、ごめーん。何か飛んだ。」
「おい、何かお前のフライパンから火が出てるんだけど!? 消火器どこだー!」
「ど、どどどどうしようすーさん!」
「とにかく消火しろーっ!」
「何で調理中にこんな事故が起こるのですかーっ!?」

が、向けない方がよかったかもしれない。いや、向けても同じか。まぁ、キッチンから出ている黒い煙を見ない方がよかったかもしれないが。
とにかく、中で何か大変な事が起こっているのは確かなようだ。

「…。」

審査員と救援班はキッチンから視線を逸らした。そして、スバルはMZDと互いに向き直った。その場にいた精霊達も、彼女らを見た。

「…MZD、みんな。」

精霊達や、MZDに向けた表情は…笑顔。

「一緒に、逝きましょう。…三途の川に。」

彼女達の絆が、深まった気がした…。





料理対決・番外編 後書き ( No.723 )
日時: 2015/03/06 23:58
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mIyy9UND)

後書き de 雑談



「と、言う訳で、お仕置きを書く気分転換がてら書けた番外編をお届けします。私が審査員だから、事情を知る人達で固めないといけないので今回は毒物料理と裸族料理と奇跡料理は出ません。いや、それが救いかな…。人体の垢とか食べたくない。トラウマクラスなんて嫌。」

MZD
「それもあったらオレ達何回死んでるかな?」


「さてね。しかし、クトゥルフも激辛も厄介ね…。」

MZD
「よく今まで生きてたな、昴達。」


「本当にそう思うわよ。設定した私が言うのも何だけど。」

MZD
「しかし、料理対決をする所、増えてきてるな。」


「ネタにしやすいんじゃない? お陰で展開が被ってn番煎じとなって正直違う展開が考え辛くなって困ってきてるけど。」

MZD
「それは知らん。…何で、死にに行くんだろうな。」


「それ言わないの。まぁ、こっちもこっちで始まっちゃったし、腹を括って死にに行こうか。」

MZD
「だな。んじゃ、この辺で、だな。」


「ばいばーい。」






私「感想あればどうぞ。あぁ、本編で言ったように、お仕置きは今回受け付けませんのでご理解下さい。」