二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 実食 理乃&りせ編 前書き ( No.72 )
- 日時: 2014/09/29 21:06
- 名前: 奏月 昴 (ID: yjRE1tvt)
採点方法
五段階評価を下す。内訳は以下の通り。
五、メニューに拘らず、遊び(アレンジ)を加えており、なおかつ美味しい。
四、メニューに依りすぎな所はあるが、程よく遊びを加えており、美味しい。
三、メニュー通りの品。遊びなどはないが、メニュー通りなので普通に美味しい。
二、メニューに沿ったのだろうが、ミスが目立ちすぎて美味しくない。が、まだ改善の余地がある不味さ。
一、救いのない不味さ。キッチンに立たせたら死ぬ。
お題:『丼』
アレンジは具材のみ。
ご飯へのアレンジは基本的になし。汁だくはOK。
理乃
「最後は私達ですか…。うぅ、待っている間が長すぎて怖かった…。」
りせ
「うん、わかるそれ…。」
昴
「もうすぐ終わるんだな。あの馬鹿が企画したこのふざけた料理対決も。」
私
—馬鹿とはなんだ馬鹿とはー!
- 実食 理乃 ( No.73 )
- 日時: 2014/09/29 21:08
- 名前: 奏月 昴 (ID: yjRE1tvt)
「命(みこと)を育む女神の抱擁…【キュア】!」
審査部屋にやって来た理乃は、早速上級治癒術の【キュア】でズタボロの牡丹を癒す。
現れた光に吸いとられるかのように、彼女の傷は瞬く間に塞がり、消え去った。
「…ふう、これでもう大丈夫です。」
「悪いな、理乃。出だしから審査と関係ない事を頼んで。」
「構いません。…それにしても、一体何があったのですか? 何だかこう、全員から一斉攻撃を貰ったような…。」
「気にするな。」
服がどこか赤い昴にそう言われ、理乃はこれ以上何も訊ねない事にした。
そして牡丹を由梨に任せ、昴は次なる料理を取りに向かった。
「んじゃ、取ってくるよ。」
「い、いってらっしゃい…。」
理乃は昴を苦笑しながら見送った。
「誰の料理かな? 次は。」
「うむ、楽しみだ。」
「取り合えずまずはお二人は着替えてきたらいかがですか…?」
同じく服を赤くしているパステルくんとジョーカーに、理乃は思わずそう言ってしまう。
『理乃ちゃん、気にしたら駄目だと思う…。』
「…わかりました。これ以上は気にしない事にします。」
風花に言われ、理乃はそれ以上気にしないように努める。若干、苦笑気味だがこれ以上気にしないでいるだろう。多分。
「ただいまー。」
そんなこんなで、昴が戻ってくる。手にいつものように蓋付きのお盆を持って。
「さて、理乃。胃薬と【リカバー】の準備は?」
「必要の無い料理だとよろしいのですが…いつでも大丈夫です。」
理乃は胃薬を取り出し、ペンダントの鎖を身の丈以上の杖に変える。魔力を高め、より威力を高めるのが目的だろうが、状態以上回復魔法はこれ以上強くなるのだろうか…。
「…よし、開けるぞ。それっ!」
昴はいつものように蓋を開け、中を見た。
中は…!
「にゃ…にゃぐうぅぅぅぅっ!!」
「こ、これは…!」
「わぁ…!」
「うわー!! 美味しそう! 美味しそうだよこれ!!」
眩いばかりに輝くように見えた、海鮮丼だった。美しく盛られた沢山の魚。そして、空気が入らないように密閉された醤油差し。山葵の盛られた小鉢。恐らく、これに醤油をたらして山葵を溶かしてから、山葵醤油を丼の中に垂らすのだろう。
魚の種類は沢山あるが、心なしか、イカが多い気が…。
「心なしかイカが多い気がしますが…。」
「…イカを見て作った人物が分かったぞ…。」
『イカに対する愛着は恐ろしいものがあるからな…。あとにゃぐわ、また涎。』
ジョーカーと黒は何かに気が付いたのか、苦笑を浮かべた。黒はにゃぐわの涎を拭きながら。
「…。」
だが、こんな美味しそうな海鮮丼なのに、昴の表情がおかしい。
ある一点を見つめ、固まっている。
「昴ど…ああ…。」
そんな彼女の異変に気が付いたジョーカーは、彼女を見てから再び椀に目を移し、理解した。
ジョーカーの視線の先には、黄色く輝く…ウニ。
「あれ? 昴さん、ウニも駄目なの?」
「あぁ、確かそうでしたね…。以前、ウニのパスタを出したら怒られた事を思い出しました…。」
「あの時は本当に悪かったな、理乃…。年甲斐も無く怒鳴っちまって…。でも南瓜同様ウニも駄目なんだ…。」
『苦手なものは誰にでもあるし、仕方なかろう…。』
ちょっと嫌な空気が漂ったが、昴はいつものようにアワーグラスβで時間を動かす。
危険な香りなど、一切しない。
『神、ウニは我と黒が食べよう。たまにはいいだろう? 食べても。』
「ああ。これは絶対当たり…いや、大当たりだ。食べても毒じゃないから心配ないだろう。」
昴は創世ノートの力で小さな皿を出し、ウニを乗せた。
「いいなー…。」
「アイギスもこれは食べたかったか?」
「はい、これは食べてみたかったです…。ちょっと、機械の体が恨めしいです…。」
「アイギスさんもきっと食事を楽しめるようになると思います。あ、なら私がそう改良を施し」
「理乃、その工具はそっと懐にしまえ。」
いつの間にか専門的な工具を取り出していた理乃に、昴は丼を目の前にしながらそうツッコミを入れた。
理乃は渋々工具をしまい、丼を前に置いた。そして全員醤油を溶かし、丼に盛られた魚の上に垂らした。
「じゃ、いただきます。」
「いただきまーす!」
全員、箸をつけて食べ始め、紅と黒もウニをつまんだ。
「…あれ?」
一口食べたところで、審査員全員一度動きを止める。
「どうかなさいましたか? 皆さん。」
「い、いや、大した事はないんだ、アイギス。…やばい、これは…!」
がつがつと、丼をかき込む一同。まるで丼に吸い寄せられるように、一気にかき込む。
「う、美味すぎて…美味すぎて箸が止まらない!」
「何これ!? 美味しすぎて食べるのやめたくない!」
「走り出した箸が止まりません…!」
「にゃぐー!!」
『今が旬の脂の乗った魚が多いが、大葉やツマでさっぱりと出来るから、飽きが来ないそうだ。それに醤油も山葵も、高級品だろうと言っている。』
『このこだわりようも恐らくあ奴だな。』
黒は確信を持ったのか、頷いた。
そんなこんなで即行で平らげた一同は、評価用紙に向かった。
☆
総評:五
昴:個人評価…四
魚の鮮度だけじゃなく、醤油や山葵にも拘ってて丸。特にイカの愛着が半端ないのはよく伝わった。走り出した箸が止まらなかったぞ。
だが、悪いとは思ったが、評価は四だ。ウニは勘弁して…。
パステルくん:個人評価…五
この評価つけるのが申し訳ないくらい美味しかった! 五段階評価じゃ足りないくらい!
昴さんの好みを知らないって事は、家事手伝い組に組み込まれてないのかな? でも、君ならもしかしたら、声がかかるかもね。
にゃぐわ:個人評価…五
もう書く事ないニャ。余計な感想はこの料理に失礼ニャ。
箸が止まらない程美味しかった。ただ、これに尽きるニャ。
ジョーカー:個人評価…五
にゃぐわと同じだ。感想はいるまい。ただ、美味かった。それだけだ。五段階じゃ足りない。
理乃:個人評価…五
にゃぐわさんもジョーカーさんもかっこいい…。
少食の私でもおかわりが欲しくなりました。
魚の鮮度や脂の乗りだけではなく、山葵や大葉、醤油まで拘っていますね。魚も沢山の種類があり、盛り付け方も美しいです。お店でこれが出てきたら、喜んでお金を払って食べますね。
今度、魚の目利きを教えてくださいませんか?
- 実食 りせ ( No.74 )
- 日時: 2014/09/29 23:30
- 名前: 奏月 昴 (ID: yjRE1tvt)
「…なぁ。」
理乃が帰り、次なる審査員が来る前。昴がその場にいた一同に話しかけた。
「お前等の大当たりだと思う人数、何人だ?」
「え? うーん…ペルソナ組のあの二人じゃないの?」
「…いや、一人、我の身内にも大当たりと呼べる料理を作る存在がいる。故に今回の大当たりは…三人だ。」
「…で? 今回大当たりである評価五を出したのは?」
昴が訊ねると、全員、顔を見合わせた。
…評価五を出したのは…二人だけ。つまり、最後である次の料理は…!
「やばっ、ちょっと遅れちゃった…!」
りせは審査部屋に向かうも、待っている間が少し暇だったので、音楽を聴いていたのだが、理乃に呼ばれて急いで向かう。
そして、部屋までやって来て扉を開けようとしたが…。
「よっしゃあぁぁぁぁっ!!」
「何!?」
昴のただならない声に、りせは驚いて扉を一気に開けた。
中では今、昴と擬人化したジョーカーとにゃぐわとパステルくんとアイギスと紅と黒が仲良く手を繋いで輪になって、スキップをしながらぐるぐると回っていた。と言っても、動物達は昴とジョーカーとアイギスに持ち上げられている形だが。
「嘘だよね!? こんな事ってある!?」
「いや、いまだかつて無いだろ!? 三度目の正直で俺達は助かるんだ!! 助かるんだあぁぁぁっ!」
「にゃぐうぅぅぅぅっ!!」
「たかが料理なのに、こんなに嬉しい事はない! あぁ、涙が出てきた…!」
「え? 何この状況。」
目の前の光景がよく分からなくて、りせは困惑する。
「あ、りせ。来たか。」
「取り合えず昴さん、状況説明をお願いしていい?」
「ん、ああ。ラストで大当たり確定。」
それを聞いたりせは、ほっと安堵の息をついた。
「よかったぁー…ゲテモノきたらどうしようかと思ったよ…。」
「ゲテモノ組の中ボスがそれ言うか。取ってくる。」
昴はそう言ってさっさと料理を取りにいった。
ちなみに最近昴は評価一を食らった人々を、ゲテモノ組とメシマズ組で区別をつけたそうで、メシマズ組には葉月と雪子が該当し、ゲテモノ組にはりせ、牡丹、七海が該当する。
ゲテモノ組は更に分類分けをされ、中ボスをりせが担い、ラスボスが牡丹。そして、裏ボス・隠しボスとして七海が君臨するとか。ほら、大抵のRPGって隠しボスとか裏ボスとかって呼ばれる存在が強いから…。
「なっ、何よゲテモノ組の中ボスって!」
「そう呼ばれるのは当然の報いだ。貴様の料理で一回目に審査員全員と悠が、二回目に我を含む審査員全員とセシルが死にかけたではないか。」
ジョーカーが淡々と語る。パステルくんとにゃぐわも冷たい視線を浮かべている。
「ジョーカー酷い!」
「酷くない。お前の料理はそれ程の危険が孕んでんだよ。」
戻ってきた昴が、ぴしゃりと言い放った。手にはいつものようにお盆を持っていた。
「牡丹や七海よりはマシだけど、お前のも辛すぎて舌がぶっ壊れるし下手すると高血圧で死ぬ程だ。自覚しろ。」
「むー…。」
昴はそう言いながら、むくれるりせを無視していつもの胃薬等用意が出来ているかの確認もせずに蓋を開けた。
中に入っていたのは、前回理乃が作った物と同じマーボカレーが丼に盛り付けられていた。別の小鉢には、卵があった。恐らく生卵だろう。
『皆さん、ラストの子から連絡です。“一応中辛の味付けで作っているが、それでも辛い場合は備え付けの卵で辛さを和らげてほしい。”そうです。』
「あ、確かに卵でまろやかになるし、関西の方ではカレーが辛い時にそうやってるって前に聞いた事があるな。…そう言えば、前回こいつ理乃からこれのレシピ貰ってたよな?」
「うん! 理乃が作るの難しいって言ってたけど、気合と根性で頑張ったんだね! 卵も昴さんが辛いの苦手だから、ちゃんと配慮してる!」
「にゃぐー!!」
『神、にゃぐわの涎が有り得ない程流れているから早く食べた方がいいだろう。』
見ると、にゃぐわの涎の量が黒が用意したタオルの量よりも多く、絞れる程になっている。確かに早く食べた方がいいだろう。にゃぐわの為に。
「いただきます!」
全員、スプーンを持って食べ始めた。
麻婆とカレーが合わさった程よい辛さが舌に伝わる。辛いものが苦手な昴でも、このままで食べれそうな気がした。
「美味い! 卵無くてももしかしたらペロッて行けそうだ!」
「うむ。では、我は卵を加えてみるか。」
ジョーカーは卵を割り、軽くかき混ぜてからマーボカレー丼にかけ、食べる。
辛さが和らぎ、優しい味が口の中に広がった。
「うむ、美味い。我もこの料理に対する姿勢を見習いたいな。…それで? りせは先程から何をしている?」
ジョーカーはむぐむぐと食べながら、りせの方を見る。
今、彼女はどこから持ってきたのか、タバスコや唐辛子フレーク、スパイスをマーボカレー丼に放り込んでいた。
お陰でりせのマーボカレー丼だけ、赤い。いや、紅い。
「だって辛さが足りないんだもん!」
「だからといって最高評価をゲテモノ化させるな。」
昴とジョーカーはりせを叱りつけてから、評価用紙に向かった。
☆
総評:五
昴:個人評価…五
前回と前々回とで二連続でゲテモノがシメで来たからりせに報い的な物でゲテモノ来ないかなーって思ったけど、そしたら俺達の命も危なかったな、ははは。
シメがコレってマジでありがたい。いい料理の先生がついたみたいで何よりだ。
味の感想なんか要らないだろ。美味かった。これからもメシウマ組で切磋琢磨して高めていってくれ。以上!
パステルくん:個人評価…五
辛いのが苦手な昴さんやあの一件からちょっと嫌になったボク達に素敵な配慮をありがとうございました。
理乃達が来てから、メシウマ組の料理がレベルアップした気がする! もうみんなでお店出しちゃえば?
にゃぐわ:個人評価…五
何だかパステルくんがみんなにお店を出させようとしそうで怖いニャ。いや、出したら出したで凄いお店になりそうで、それもそれで怖いニャ…。
味や細かな配慮は丸を飛び越えて花丸をあげたくなるニャ。麻婆とカレーがいい具合にマッチして美味しかったニャ。これ丼じゃなくてお皿で食べてもいいニャ! あ、カツとか加えてもいいかもしれないニャ!
ジョーカー:個人評価…五
ラストがこれはありがたい。辛さも申し分ないし、配慮もきちんとなされている。これは辛いのが苦手な人や小さな子供達でも満足して食べられるだろう。
前回確かレシピを貰っていたな。この短期間である程度物にするとは…。お前の料理に対する心意気には感服する…。
あぁ、りせの評価は無視していい。辛さが足りないと言ってタバスコや唐辛子を入れて味を思い切り変えていたからな。りせ、この料理を冒涜する気か?
りせ:個人評価…一
辛さが全然足りな…って、ジョーカー、無視していいって酷くない!? 料理も冒涜してないし! でもカレーなのに辛くないんだもん!
あと昴さんも酷くない!? 報い受けろって!
- 実食 理乃&りせ編 後書き ( No.75 )
- 日時: 2014/09/29 21:16
- 名前: 奏月 昴 (ID: yjRE1tvt)
後書き de 雑談
私
—まだ昴達は出張中か…。それよりもりせちゃん。これ書いた私が言う事じゃないけど、まず言わせなさい。三回も元凶と呼べるような行為をしたかつゲテモノ組の貴方に報いを望むのは当然の感情じゃないかしら?
りせ
「だからって酷いよ!」
私
—まったく酷くないと思うけど。
りせ
「」
風花
「あ、りせちゃん黙っちゃった…。」
鏡
「さっきから凄く創世手帳が熱いんだけど…。」
風花
「…これ、多分怒ってるね…。」
鏡
「うん…。それよりも、ようやく終わったね。試食が。」
私
—書いてる方の身としては、ギャグ的なゲテモノが無いからちょっと書きづらいって言うかネタが出てこないから苦戦したな…。だから前回は一日二人できたけど、今回は一日以上かかったんだよね…。
風花
「だいぶ苦戦しましたね…。」
鏡
「でも、死人が出なくてよかった…。」
私
—そこまでのゲテモノは男子とジョーカー一味にいないからね。…考えてみれば、女子はどんだけ酷いんだよ…。ペルソナは公式で出来ない面子が多いし…。
風花
「…うぅ、返す言葉が無い…。」
私
—まぁ、その中でも頑張っている子もいるけどね。千枝ちゃんと直斗君。
鏡
「大切な人がいるから、その人の為に上達したいって願って頑張ったんだと思うよ。」
風花
「恋する乙女って強くなるもんね。さて、次はいよいよ結果発表ですね。」
鏡
「パステルくんさん様が光臨しないといいけど…。」
私
—さて、どうだかね。じゃあ、今回はこの辺りで。次ページのヒントを見つつ、結果発表をお待ちくださいな。
風花&鏡
「ばいばーい!」
- ちょっとしたおまけ ( No.76 )
- 日時: 2014/09/29 21:23
- 名前: 奏月 昴 (ID: yjRE1tvt)
おまけ de ヒント
私
—結果発表前に、ヒントだよ!
・三番と八番は料理は得意な部類だが、家事手伝い組には組み込まれていない。九番と十一番も組み込まれてはいないが、組み込んでも構わない寧ろ歓迎。だが三番と八番だけは許さない。
・クマは鉄板焼が得意。その実力は理乃も舌を巻く程。
・十一番はイカへの愛着が半端ない。
・大当たりはペルソナ組に二人、ジョーカー一味に一人。
・ラストは前回を見れば…。
・特別な人の料理を食べられたのが一人。
・前回自分が食べさせた人の作った料理を食べたのが二人。
とりあえずこんな感じかな? 皆さんの予想もお聞きしたいなぁ…。
風花
「それから、男子達の料理は不味かったりお腹を下すだけで女子ほどの危険もないので試食はご自由にどうぞ。男子は料理が出来る人が多くていいなぁ…。」
私
—勿論前回や前々回の試食も歓迎です。
風花
「食べた人を殺す気ですか!?」
私
—…勿論、自己責任でお願いします。ではこの辺りで!
■
感想どうぞです!