二次創作小説(映像)※倉庫ログ

実食 ローズ&鏡編 前書き ( No.8 )
日時: 2014/08/30 21:17
名前: 奏月 昴 (ID: WpxyeKoh)



採点方法
五段階評価を下す。内訳は以下の通り。


五、 メニューに拘らず、遊び(アレンジ)を加えており、なおかつ美味しい。

四、 メニューに依りすぎな所はあるが、程よく遊びを加えており、美味しい。

三、 メニュー通りの品。遊びなどはないが、メニュー通りなので普通に美味しい。

二、 メニューに沿ったのだろうが、ミスが目立ちすぎて美味しくない。が、まだ改善の余地がある不味さ。

一、 救いのない不味さ。キッチンに立たせたら死ぬ。


お題:『インスタント麺』
煮るだけで出来る袋麺ならば、種類は問わない。
絶対条件として、袋麺の中身を全て使う事。
アレンジは具材のみ。


ローズ
「今回はボクと鏡が食べるぞー!」


「…生きて帰れるといいね、ローズ…。」

ローズ
「大げさだなー…。」


「大袈裟じゃないよー!」

実食 ローズ ( No.9 )
日時: 2014/08/30 21:22
名前: 奏月 昴 (ID: WpxyeKoh)



ポリポリと、美味しそうに人参を食べながら、一番手のローズはその時を待っていた。
部屋には審査員である昴、ジョーカー、パステルくん、にゃぐわと、救援係としてアイギス、救援兼にゃぐわの通訳として黒と紅がいた。

「むぐむぐ…。やっぱ人参は生だよねー♪」
『ローズ君、お腹いっぱいになっちゃうよ?』
「だいじょーぶだよ風花! ボク、リリィ程じゃないけど、食べるの大好きだから!」
『ふふっ、食欲旺盛なんだね。』
「こういう食いっぷりがいい奴が美味そうに食うと、作り甲斐があるってもんだよな。」

昴はローズの頭を撫でると、「取ってくる。」と言い残し、エレベーター前に行った。

「あぁ…ローズがあの毒に当たらないといいが…。」
「だいじょーぶだってジョーカー様! ボク、どんなものが来たって食べられるよ!」
『いや、あの毒は無理だろう…。』
「あの…気になっている事があるのですが、ジョーカーさんが仰る毒とは一体…。」

アイギスが訊ねると、黒、紅、ジョーカーの表情が暗くなる。

「…前回のラスボス的存在で出てきた、牡丹の料理の事を指してるんだと思うよ…。」
「にゃぐー…。」
『アレはもう二度と食べたくない。と言っている。』
「…何となく、わかった気がします。」

死んだ目をさせるパステルくんとにゃぐわに、アイギスは話を打ち切った。

「取ってきたぞー。」

そんな折、昴が戻ってきたようだ。手には蓋がかぶせられたお盆と、大きな箱。
…蓋付きのお盆は分かるが、箱?

『神、その箱は…?』
「ああ、さっき宅配便が来たんだ。」
『誰からだったのだ?』
「Pixivと小説カキコで逃走中の小説を書いているYUMAさんって人。その人から回復薬を差し入れしてもらった。」
「わーい! どんなゲテモノが来てもこれなら大丈夫だね! ありがと、YUMAさん!」

YUMAさん、本当にありがとうございます。…回復薬だけで足りるかな…?

「(頼むから不吉な事言わないでくれ俺!)とりあえず、回復薬とあと、胃薬と氷海の親父さんから貰った“おく○りの○たね”と…。」
「この用意だけで済む料理ならばいいがな…。」
「ジョーカー、頼む。不吉な事を言わないでくれ…。開けるぞ。それっ!」

カパッ、と蓋を開けると、そこには五つの小鉢に入ったラーメンと理乃お手製のアワーグラスβが。

「…。」
『…。』

が、次の瞬間訪れたのは、静寂。なぜなら…。

「なぁ、何で瓦礫入ってんの?」

そう、そこには瓦礫があったのだ。取り除く努力はしたのか大きいものは入っていないが、細かいものが浮いている。
しかも備えられている具材が…焦げていた。もう、黒く焦げていた。

「…い、一応スープを使う約束は守っていてくれているな。えっとこれは…醤油ラーメンか?」
「ゴメン、美味しそうには見えない…。」
「確か、誰か壁破壊したよな?」
「」

昴の発言に全員黙り込む。嫌な予感がするが、ルールはルール。食べなければならない。

「…動かすぞ。」

そう言って昴はアワーグラスβのスイッチを押した。
直後、ふわりと暖かい醤油の香りが放たれた。が、焦げ臭いのも混じっている。

「香りだけ…は、まぁ、合格レベルか。」
「もともとお湯に溶かせば誰でも美味しそうな匂いは出す事が出来る代物だからなー。」
「ローズ、それ言っちゃ元も子もないよー…。」
「にゃぐー…。」
「ともかく、伸びる前に食べよう。」

全員、箸を手に持ち、器を持った。

「いっただっきまーす!」
「にゃぐー!」

そして、一斉に口をつける。

「んぐっ! …瓦礫に当たったー…。ゴリッてしたー…。」
「野菜もこれ完全に焦げてるな…。」
「炭にならなかっただけましだけど…瓦礫が痛いよー…。」
「にゃぐー…。」

全員、瓦礫に確実に当たり、不快な表情をした。

「…流石にこれは二あげられないな…。」

食べ終わった後、全員は用紙に記入をし始めた。











総評:一


昴:個人評価…一
ごめん、瓦礫を取り除こうとした努力は認めるけどこれはちょっと二あげられない。救いの無いレベルの不味さではないけど、流石に瓦礫は勘弁。

パステルくん:個人評価…一
瓦礫交じりのは流石にゴメン被りたいよー…。野菜もコゲコゲだったけど、瓦礫よりはましかな…。とりあえず君はキッチンに違う意味で入らないほうがいいかも…。

にゃぐわ:個人評価…一
流石にオイラも石ころ食べさせられるのはゴメンしたいニャ…。焦げはよくあるレベルだから目を瞑ってもいいけど…瓦礫は駄目だニャ…。

ジョーカー:個人評価…一
他の皆と同意見だ。瓦礫は勘弁してくれ。あと、帰りにキッチンの壁を修復するように。我と昴殿が色々困る。

ローズ:個人評価…一
硬かったしゴリゴリしたよー…。野菜の焦げも気になったし、ちょっと料理と呼びたくない…。

実食 鏡 ( No.10 )
日時: 2014/08/30 21:27
名前: 奏月 昴 (ID: WpxyeKoh)



ローズと別れ、次に入ってきたのは鏡だった。

「あ、そうか。二番手はお前か。」
「うん! …ねぇ、ローズが凄く不機嫌そうに出て行ったけど…。」
「ガチでハズレに当たった。いや、割と救いはある方のハズレかも知れないけど。ほら、壁ぶち抜いた奴、いたろ? あいつの料理だったみたいで…。」
「そんな料理に当たりたくない…。」

鏡はげんなりとした様子でそう答えた。

「…当たらないといいよな。取ってくる。」

昴は重い腰を上げ、エレベーターへと向かっていった。

「…はぁ…。またあの料理対決するとは思わなかったよー…。」
「ここにいるみんなそう思ってるよ…。少なくとも、風雅と悠はもう二度とごめんだって思っていそう…。」
「ちょっと、前回の事を興味本位でお聞きしたいのですが…。」

アイギスが何かを発言すると、鏡、パステルくん、にゃぐわがじっと彼女を見た。
無言なのに、何故か分かる。「何も聞くな。」と言っているのが分かる。

「…すみませんでしたっ!」

それを察知できたアイギスは、お辞儀をして謝罪をした。

『アイギス、聞いてほしくない事は聞かない方がいいよ…? わ、私もちょっと興味あるけど、聞かないでおいたんだから…。』
(風花の場合は彼女に聞く事はできそうだが…。)

創世手帳の所持者である風花ならば、創造者に当時の事を手帳に同期させる事が可能だが、どうやら彼女はそれをしていないらしい。…聞かない方がいいと諭されたか、あるいは自分で聞かない方がいいと察知したか…。

「ただいまー。」

そんな中で、昴が帰ってくる。手に、お盆に蓋が被せられた物を持って。

「さて、二連続ハズレじゃない事を願いたい。鏡、胃薬と差し入れの回復薬と心の準備は?」
「バッチリだよ!」
「胃薬も回復薬も十分あるよー!」
「にゃぐー!」
「…心の準備は出来た。昴殿、いつでも開けてくれ。」

全員、顔を見合わせ、頷いた。そして昴は蓋を開けた。

「…草?」
「根っこみたいなのもある…。」

中を開けて一番に飛び込んできたのは、草や根っこのようなもの。

「…と、とにかく動かすぞ。」

昴は先程同様、アワーグラスβのボタンを押した。と、同時に、

「ううぅ…。」

苦そうな、薬のような香りが漂った。スープの色合いを見る限り味噌ラーメンなのだろうが、味噌の香りがまったくしない。

「こ、この匂い、漢方か…?」
「珍珠、杏仁、山薬、甘草…様々な生薬を確認。全て害が無いようです。」
「…漢方って煎じるものではなかったか?」
「ボクもそう思ってたよ? でもこれ、明らか現物で入っている気がするんだけど。」

アイギスのサーチ結果を聞くと、一同はもう一回五つに分けられた器を見た。

「…く、食おうぜ。」

全員、恐る恐る箸をつけ、食べ始める。
一口食べる毎に、漢方特有の苦い香りが口の中に広がる。

「うぅ、苦いよぅ…。」
「…現物入れる馬鹿がどこにいる…。うぷっ…。」
「苦いのが口の中に広がって気持ち悪くなってきた…。」
「にゃぐ…。」
『香りもダイレクトで来るから余計に辛いそうだ…。』

全員、苦い漢方ラーメンを苦悶の表情で食べ続ける。

「…?」

その姿に、アイギスはわずかな疑問を抱いた。

「皆さんの血圧が上昇中…。」
『えっ? 血圧? …あっ、ま、まさか…!』

風花が何かに気が付いたのか、焦り出す。

『み、皆さん! 食べるのを止め』

が、その時既に遅し。全員、机に倒れこんでしまった。

『きゃあぁぁっ! お、遅かったあぁぁっ!』
『ふ、風花! どういう事だ!?』
『えっと、この間授業で習った事なんですけど、甘草に含まれる成分が原因で起こる病気があるんです!』
『ちょ、風花、ごめん、割り込む! それって“偽アルドステロン症”か!?』

突然、風花の通信に由梨が割り込んできて、病名を告げる。

『う、うん…! 本当は手足の痺れとかある筈なんだけど、それが無いって何でか分からないけど、えっと、説明してる時間が無いみたい…。』
『風花! 氷海に通信繋げ! 氷海! 親父さん呼べ! 急病人がでたあぁぁっ!!』
『あの、神達の意識が無いのだが…。』
「データ検索完了。…確かに、その病気は筋肉痛や手足の痺れから入るようです。酷い場合には意識を喪失するようです。」
『恐らくあの馬鹿が甘草を品種改良させて効果を高めたのだろう…。』

紅が頭を押さえたところで氷海の父親と食あたり専門チームが入ってきて、懸命な治療が開始された…。










総評:一


昴:個人評価…零
しょうらい、おまえがひとをあやめそうでこわい。
※手足の震えが今になって来たのか、ミミズがのったくったような文字に。

パステルくん:個人評価…零
どうやったらどくぶつをつくれるのかおしえてほしい。
※同上

にゃぐわ:個人評価…一
なんでりんかちゃんのぶんしんなのかきになるにゃ。
※同上

ジョーカー:個人評価…一
きさまのりょうりはりょうりじゃない。どくだ。いっしょうきっちんにはいるな。
※同上

鏡:個人評価…零
にどとたべたくなんかない。
※同上

実食 ローズ&鏡編 後書き ( No.11 )
日時: 2014/08/30 21:48
名前: 奏月 昴 (ID: WpxyeKoh)



後書き de 雑談


昴&鏡
「」
※集中治療室(空き室)にて治療中…。


—のっけからダウンか…。

風花
「あぁ、私がもっと早く思い出していれば…。」


—食べた時点でもう終わってたと思う。

風花
「ですよね…。それにしても、最初から二連続で評価一って…。」


—振ったの私じゃないけど、これはちょっと同情しちゃったな…。いや、一番目はまだ救いはあるけどさ。二に近い一だけどさ。うん、二番目はもう終わってるから…鏡君、ゴメン。

風花
「あの、それと何だか前回の導入編で、色々と感想貰いましたが…。」


—ふふっ、今回は私の望む結果にもなったし、ちょっと番狂わせも起こった。

風花
「番狂わせ?」


—なーいしょ。だって答え言っちゃったらつまらないじゃない。

風花
「そ、それもそうですね。…鏡君と昴さん、早く戻ってくるといいけど…。」


—うん、多分、まず無理ね。

風花
「ですよねー…。後で宝玉でも持って行こうかな…。」


—それがいいよ…。じゃあ、今日はこの辺で!

風花
「昴さん達が回復したら、またお会いいたしましょうね。」