二次創作小説(映像)※倉庫ログ

悪夢相談室:ケース「赤羽 烈」 ( No.805 )
日時: 2015/04/12 21:16
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: nQ72gOzB)

いつも爽やかな緑と風が吹き抜ける聖域…。
その真ん中辺りに建つ白い神殿には、神様が住んでいる。


この物語は、そんな神様の元に、一人の青年が来た事から始まる…。











いつも通り平和な聖域。その奥地にある神殿で、一人休暇中の昴は…。

「…やっぱ意外に着てみると楽かも…。」

清楚なエプロンドレスのメイド服にリボンが長めのキャルティエカチューシャ(頭を覆うフリルと後ろにリボンが付いたカチューシャ)を身に纏って耳に銀のクラブ型のノーホールピアスをつけて鏡に合わせていた。
っておい、それユマさんの笑ってはいけないお屋敷24時でお前が着てた奴じゃねぇか。

(これは美鶴のお付きのメイドさんに貰った奴だけどな。)

どうやら、メイド服は美鶴のお付きである人物から貰ったらしい。何で貰った。

「しっかし、お屋敷で働くメイドっていうのも何か悪くないよなー。」

昴は居住まいを正し、手を重ね、深々とお辞儀をした。

「お帰りなさいませ、ご主人様。」

彼女がそう言った瞬間、ガッシャーン!! と盛大な音を立てて窓ガラスが割れた。

「何事!? って、烈!?」

ガラス戸の方にいたのは、烈。どうやら額を押さえている事から、彼がヘッドロックをして盛大に割ったようだ。
幸い、ガラスで切ったりはしていないようだが…。

「何やってんだよ、お前。盛大にガラスと喧嘩するんじゃねぇよ。」
「そんな格好していきなりメイドさんの真似事何かするからだろ! あー、びっくりした…。」

どうやら、完全にらしからぬ昴を見て、盛大に驚いたようだ。

「そんなに驚く事か?」
「驚くってば。メイドさんやってるだけでなく、アンタが女性言葉で更に丁寧語だっていうので驚くっつーの。」
「酷くないかそれ。」

そんな他愛ない話をしつつ、烈を招き入れ、ガラスを片付けさせつつ、お茶を用意しに台所に向かった昴だが、すぐに微妙な顔をして戻って来た。

「ん? どうしたんだ昴さん。」
「いや…。今朝に買ってきたはずのイカフライがないんだよ。」
(あ、絶対犯人アイツだ。)

烈、何か分かったようだが、そこは何も言わなかった。

「まぁ、いいや。ところで、今日はどうした?」
「ん、ああ。ちょっと相談事。」
「珍しいな、お前が俺に相談なんて。で、何の?」
「…今朝見た夢について。」

どこか苦々しそうな顔をしながら、昴の用意したお茶を飲む。
割れた窓からそよぐ風が、春を思わせ、心地よい。だが、烈の心は、春の暖かな日差しのように穏やかではないようだ。

「…お前が船で見てたあの悪夢か?」
「いや、それじゃない。今日見てたのは、違う夢。」

そう言いながら、烈は話し始めた…。

悪夢相談室:ケース「赤羽 烈」 ( No.806 )
日時: 2015/04/12 21:28
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: nQ72gOzB)

俺が目を開けると、知らない王国にいたんだ。
で、いきなり僧侶っぽい服来た奴と変な仮面をつけた奴等が二人程入ってきて、俺の隣にいた男の人…多分、この国の王様みたいな人だったんだろうな。その人をいきなり連れ去ったんだ。
俺はどうしたらいいか分からなくて、逃げようとしたんだけど、急に変な魔法みたいなのを食らって、動けなくなって、急に苦しくなって、多分、気を失った。

次に目を覚ましたら、体が動かなくて、怖くて怖くて仕方なかった。
よく耳を済ませると、戦いの音が聞こえるんだ。誰かが俺と戦ってるって思い至るまで、時間がかからなかった。
その後、急に体の自由は利くようになったんだけど、何かに操られているみたいに、完全に自由じゃなくて…。
その辺りはよく覚えていないけど、何か、大きな剣を振るってた。顔には何かが覆い被さってて、多分、それが俺に何かしてるんだろうなって思った。

「烈! 目を覚まして!!」

そんな時だった。誰かの声が聞こえたと同時に、仮面が外れたんだ。
そこにいたのは…風雅だったんだ。何だか虹色の剣と盾を持って、頭には…小さな妖精みたいな氷海がいたんだ。二人は必死に、俺を助けようとしているみたいでさ、ボロボロな体で、俺に…いや、俺の顔を覆った仮面に攻撃してたんだ。

「…。」

だけど、仮面のせいで…いや、違うな。仮面は外れてたけど、何か変な意思が俺をのっとってたって言うかなんていうか…とにかく、操られてて何か…俺の意思とは裏腹に、攻撃を続けていた感じ。
けど、それもすぐに終わって、風雅の一撃が決まって、仮面と一緒にその意思も吹っ飛んだのか、俺は正気に戻った…みたいで、駆け寄ってきた風雅に手を差し伸べてもらったのを、掴んだんだ。
そしたら、さ…。何か、胸が重いのな。嫌な予感がして下見たらさ…。











「何故か、ピンク系のすげー薄着でさ、乳が揺れてたんだよ。それで驚いて目を覚ましてさ…。で、さっき、気分転換にゲーセン行ったら…丁度、その俺が見た夢とそっくりな状況のムービーが弐寺の筐体で流れていた時には俺、目を疑ったよ…。」
「…。」

目を死なせた烈に、昴は笑いを堪える事しかできなかった。

「…絶対さ、これ、ラピストリアで俺がどう考えてもヒロインフラグもしくは闇堕ちフラグ立ててるからだろって思った…。って、聞いてんのか? 昴さん。」
「あ、ああ、すまん。…でも、俺は最後でようやく公式のお前と今俺の目の前にいるお前が一致できるようになったよ。ああ、そのフラグのお陰で。」
「なぁ、昴さん、ちょっと燃やしていいか?」

烈が焔を左手に宿し、昴にじりじりと近づく。

「う、わ、悪かったって。…でも、こっちのお前も負けず劣らずのヒロイン」

この後、昴は盛大に烈に運命浄化されたのは言うまでも無い。

悪夢相談室:ケース「赤羽 烈」 ( No.807 )
日時: 2015/04/12 21:29
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: nQ72gOzB)

別日…。

「昴さーん。」
「おー、烈。どした?」

烈は再び昴の元を訪れていた。手に、リリィの首根っこを掴んで。リリィは黙ってぷらーんと吊られている。

「この間、俺が相談に来た時にイカフライがなくなった原因、つれてきた。」
「…。」

しょぼん、と項垂れるリリィを見て、昴は全てを察知した。ああ、コイツが犯人だったか、と。

「リリィ、まずは何でイカフライ狙った。」
「聖域にお酒届けに来たら、昴さん、メイドさんしてた。窓から侵入して、お酒置いてった。料金は、前もって受け取ってたから、声かけなかった。お腹空いてたから、何か無いかなって物色した。イカフライ見つけた。」
「だからって食うな。」

ぴしゃりとリリィを叱りつける昴。それにリリィは更にしょぼんと項垂れた。反省はしているようだ。

「まぁ、別に俺が食べたいから買ってきただけだし、こうして正直に謝りに来たならいい。次からはしないようにな。」
「うん、ごめんなさい…。お詫びに、イカ焼き、持って来た。クマ君のお手製。」
「おっ、それは期待できそうだ。今夜の晩酌に食うかな。ありがとな、リリィ。これでお前のイカフライはチャラな。」
「うん!」

イカフライがイカ焼きになった事で昴は満足し、リリィもお咎めが無くなったようなのでよかったとは思う烈だが、すぐに、

(…窓は閉めとけよ。)

と思ってしまったそうな…。

悪夢相談室:ケース「赤羽 烈」 後書き ( No.808 )
日時: 2015/04/12 21:34
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: nQ72gOzB)

後書き de 雑談



—最近の烈君、どう考えてもヒロインにしか見えなくて衝動的に書いた悪夢相談室。ちなみに、烈君の見た夢の元となった曲、分かった方挙手。多分寺やってる音ゲーマーなら分かりそう。ヒントはスパーダの楽曲。


「問題にすんじゃねぇし。つか、弐寺プレイヤーなら大体分かりそうな気がする。」


—それと、風雅君が持っていた剣とか小さい氷海ちゃんとか、ネタ分かるかな。わかってほしいな、誰かは。


「誰もわかんなかったらどうすんだよ。」


—答えあわせするしかないでしょ。てか、伝わってるのかどうかも怪しいけど…。


「言 う な 。」


—さて、話題も無くなったし、この辺にしようか。じゃ、ばいばーい!







ここまで。感想あればどうぞ。