二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: オリ+αによるボカロ替え歌小説【リク募集中】 ( No.34 )
- 日時: 2015/04/14 20:42
- 名前: 小雪 ◆VUQvTq9Vpk (ID: WdWwmA38)
えいみちゃん
分かったー、できたらやってみる!
最近は未来編→病院組にはまっているので。
【m/es】
「ツギハギだらけの肉体で誰かと踊る夢を見る」
主人公:美憂
この手、足。まだ動くかな?
「ねえ、何か言ってよ…ドクター」
その腕から伸びていく線は、自分が助かるため。
「…大丈夫?」
横にいるのはかつては無邪気に笑えた彼女。
「うん」
生き残りは僕とルイちゃんだけかぁ、と考えると楽しく過ごした日々が 虚構混じりに明滅していた。
そう会話のリズムを整えても、鼓動は途切れ途切れで。
「じゃ、私、自分の病室、戻る」
彼女の声も途切れ途切れ。
また、一人だ。
ほのかにする薬の香りは、理科の実験のように。
「退屈」
そうつぶやくと、窓に引っ掛けたビニール傘はかすかに揺れた。
明るい手術台の上、麻酔で痛みを消して。
ツギハギだらけの体で、誰かと踊る夢を見た。
身体をメスで切り裂いて、彼女の涙腺も閉じて。満面の笑みでこういわれたんだ。
「バカヤロウ」
そんな中、心電図は相変わらずぴっぴっぴっ…と規則性のあるリズムを奏でてた——。
続きは明日。
- m/es 続き ( No.35 )
- 日時: 2015/04/15 17:22
- 名前: 小雪 ◆VUQvTq9Vpk (ID: vaXSOZHN)
「はぁ…」
ベッドに横になって天井を見る。
どうやっても視界には真っ白なシアターしか見えない。
「どう?美憂君」
気が付くと横にはアブさん。
「はい、だいぶ」
「そっか」
なんだかんだで僕とルイちゃんの担当医だ。
「よかった、これで」
「アブさん?」
「思う存分君の体を弄れる」
違う、違う。この人はあの人じゃない。
違う。そうわかってるのに。
なんでいまだに信じてるの?
そう思いつつ、ゆっくり目を閉じた。
最後に見えた、冷たい心電図のメモリー。
暗い家を抜け出したゾンビは月明かりを浴びるって。
僕はどこかの繊維ちぎられながら、誰かと踊る夢を見る。
酷い鮮血ふりまいて、感動のエンドぶち壊して。
「…っ」
痛みを抑えられない僕に、彼は崩れた笑みでこういう。
「シアワセ」
もし、僕が。
他の、別の。
誰かと…
傘の風が耳に触れた。
闇と、光の。
光と、闇の。
輪廻の連鎖の間に——
現実から隔離されて、希望の未来を探して。
そこで初めて見たのは。
「…僕?」
頭と体がバラバラになった、僕。
まだ、演じたい。
駄作の、この芝居を。
望まれなかった、十六年目の芝居を。
「あなたたちと演じ続けたいんです!」
「…そんな願い、かなえると思う?」
明るい手術台の上、麻酔で痛みを溶かして。
最後にツギハギだらけの肉体で僕と踊る夢を見る。
キボウをメスで切り裂いて、期待外れに死んでいくのか。
「…君の物語、楽しかったよ。よかった。これでカミサマも安心して世界をやり直せる」
「ふふ、ミヤコ。まさか彼のスキル奪っちゃうなんて…でもいいよ。あの子は大丈夫だし。僕も楽しみだよ、次の世界が」
『変装』を解いた彼と、カミサマ演じる彼女に満面の笑みで言われた。
「「ザマミロ」」
最後の心電図はピッピッピッ…と音を奏でると。
——静かに途切れた。