二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第一章:飛翔の暴龍/流星の悪龍 ( No.12 )
日時: 2015/04/12 00:07
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

  --------やっぱ出てきたな、ウォッシュロトム。相手が本当にバカじゃねえなら、俺がファイアローを選出するのは見え見えだが---------生憎、逆に言えばロトムが来るのもお見通しだ。当然、敵の裏の裏をかくってな!ファイアローは今回、選出していない!
 ウォッシュロトム。ポケモン界の中でも優秀な物理受けポケモンの1体だ。水/電気、更に特性浮遊で地面無効という珍しいタイプだ。これで弱点が草タイプしかない上に軽いので草結びでは対策にならないポケモンだ。
 しかも、元がゴーストタイプなので鬼火を思えることができ、物理アタッカーはこれで機能停止である。
 火傷状態になったポケモンは物理技の威力が2分の1になってしまうからだ。

「なら、まずはこうだ!」

 ガルーラが影の玉を作り出し、そのままウォッシュロトムへ投げつけた。

【ガルーラのシャドーボール!】
 

 ウォッシュロトム:残りHP60%


「やり返せ、ロトム!」
 
 しかし、一方のロトムも攻めてくる。
 ウォッシュロトムはドラム洗濯機のような形をしている。正面の丸い蓋からとてつもない激流を噴出し、ガルーラに浴びせた。


【ロトムのハイドロポンプ!】
 

 メガガルーラ:残りHP49%


 ダメージ量からして乱数2発。Cに全振りしていないのだろうが、次のターンに倒される恐れがある。

「まずい、此処は---------引くぜ!」

 ガルーラが翼の元に戻ると同時に、サンダースが飛び出してきた。


【ツバサはガルーラを引っ込めた!】

【ツバサはサンダースを繰り出した!】


「……今更壁張りか? まあ良い、ちょっと付き合ってやるかっ!!」

 再び、激流がサンダースに襲い掛かる。


【ロトムのハイドロポンプ!】


 ハイドロポンプは威力120の水タイプの技、ウォッシュロトムのメインウェポンの1つだ。ウォッシュロトムは素の特攻も高いので、特攻に努力値を振っていなくてもそこそこの火力は出る。
 特防は高いサンダースだが-----------


 サンダース残りHP:69%


「後2発--------ってところかよ」
「HSサンダースだな。やっぱり特殊受けだったか」
「ちっ、バレたか」

 翼は思わず漏らした。余り削ってオボンの実が発動しても美味しくはない。
 此処まで削られてしまった。HPに努力値を全振りはしているが、特防に多く割いている訳ではない。

「……しゃーねぇ、どーするよ、これ」

 上手くいけば、相手を一気に崩せる。
 しかし、しくじればこちらが負ける。
 綱の上での戦い。
 落ちた方の、負けだ。
 翼としては、此処でウォッシュロトムを倒しておきたい。
 
「なら、1発入れるか---------!」

 サンダースが10万ボルトの電圧で攻撃しようとする。
 しかし、そのときだ。


【ポケモントレーナーのキョウヤは、ロトムを引っ込めた!】


 ウォッシュロトムが引っ込んだ。
 同時に現れたのは----------

「俺は、自分とこいつの拳でいつも勝ってきた」

 御剣は余裕ぶって、口角を上げる。
 ぐっ、と3DSを握っていないほうの拳を握り、そして叫んだ。
 現れたポケモンは赤い装甲に身を包んだ二足歩行の虫ポケモン。大きな鋏と羽を持ち、その姿はさながらヒーローの様だ。

「ハハハ、お終いだぜ、お前。てめーじゃ、俺と、俺のハッサムには勝てねぇよ!!」


【ポケモントレーナーのキョウヤは、ハッサムを繰り出した!】


 鋼の守りと虫の機敏さを併せ持つポケモン、それがハッサムだった。
 此処でハッサムが剣の舞を使えば、ハッサムの攻撃力は2倍に。サンダースを文字通り、起点にして翼のパーティを崩壊させることができる。
 ハッサム自身、そこまで素早さは速くはない。
 しかし、先制技”バレットパンチ”と特性:テクニシャン(威力60以下の技の威力を1.5倍にする)のコンボで積めば最後、相手は死ぬ。
 サンダースでさえ、バレットパンチ2発で高確率で倒される。
 電撃を受け止めたハッサムの残りHPは70%程だった。

 ----------まずい、交代(ボルトチェンジ)のタイミングは今しかない!
 相手が剣舞型か、否か、というのは分からないが、此処で引っ込めなければ危ない。
 しかし、サンダースがボルトチェンジを繰り出す直前だった。

「メガシンカだ、ハッサム!!」


【キョウヤのキーストーンと、ハッサムのハッサムナイトが反応した!】


 そして、球状の光に包まれて----------新たなる姿となって現れる。
 それは、ハッサムであってハッサムではない。
 メガシンカを果たした姿、メガハッサムだった。

「く、くそっ! やっぱりメガシンカしたか!」
「ははは、攻撃、耐久、共に最強クラス! ぶっ潰してやる!」
「仕方ねぇ、一時退却だサンダース!」


【サンダースのボルトチェンジ! サンダースはツバサの元に戻って行く!】


 翼はサンダースをボルトチェンジで引っ込める。
 電撃がメガハッサムに炸裂した。
 そして現れたのは---------------ボーマンダだった。

「行け、俺の相棒!!」


【ポケモントレーナーのツバサは、ボーマンダを繰り出した!】


 青い身体、赤い翼、全てを焼き尽くし破壊する暴君龍がそこに現れる。
 速山翼のエースにして相棒、ボーマンダだ。


【ハッサムの攻撃が下がった!】


「これで、火力は削げるか---------!?」

 特性・威嚇が発動してハッサムの攻撃力が1段階下がった。剣の舞を舞われたら、相殺愚か抜かされてしまうが。
 
「なっ、此処でボーマンダ交代だと!? ガン刺さりだったファイアローはいなかったって言うのかよ!!」

 案の定、御剣はメガハッサムに剣の舞を舞わせて攻撃力を上げてきた。
 しかし、サンダースのボルトチェンジは少し堪えたようだった。


 メガハッサム残りHP:40%
 攻撃1段階アップ


 しかし、足し引きで1段階上がった程度。
 仮にもボーマンダは600族。耐久はそれなりに高いため、バレットパンチでは倒せない。
 それどころか、ドラゴンタイプの大人気のサブウェポン、大文字で死ぬ可能性がある。

「ま、まずい、引くぞハッサム!!」

 此処でハッサムを死なせる訳にはいかない。
 御剣もハッサムを引っ込める。


【ポケモントレーナーのミツルギは、ハッサムを引っ込めた!】


 しかし、その行動を見て翼はまさに作戦通り、といった笑みを浮かべた。全て、思い通りだ。
 ---------引っ込めた、やっぱり大文字を警戒”してくれた”か!!

「お前、知らないな?」

 御剣の首筋に冷や汗が伝う。
 翼はそれこそ勝利宣言のように言った。


「ボーマンダは、初手”竜の舞”だ、てことをなっ!!」


 次の瞬間、暴龍・ボーマンダは黒い稲妻と共に舞踊り、咆哮する。
 同時に、攻撃と素早さが1段階上昇した。


【ボーマンダの龍の舞! 攻激と素早さがあがった!】


 ボーマンダ残りHP:100%
 攻撃1段階アップ、素早さ1段階アップ


 あんぐりと口を開けて御剣は叫んだ。
 
「ば、馬鹿な!! 起点構築使いの俺様が、逆に今の交代を起点にされた、だとぉ!?」
「お終いだ腐れヤンキー、ウォッシュロトムじゃこいつの技は----------受けられない!!」

 現れたウォッシュロトムにボーマンダのオーラを纏った爪が炸裂した。爪はウォッシュロトムの体内にしっかりと食い込み、えぐる。
 ビキ、ビキビキ、故障したようにウォッシュロトムはふらふらと宙を舞っていたが、ベギンッと音を立ててそのまま倒れる。


【ボーマンダのドラゴンクロー!】


 ウォッシュロトム残りHP:0%


【ロトムは倒れた!】


 しかし、ここまでの火力を出すには当然、火力増強アイテムが必要だ。
 技の威力を1.3倍にするが、代わりに相手を攻撃する度に体力が10分の1削られる命の珠によって。

 
 ボーマンダ残りHP:90%
 命の珠によって、命が削られた!


「と、とんでもねぇ、物理型だったのかよ----------!!」

 しかし、ウォッシュロトムを一瞬で破壊したその火力に戦慄する御剣。
 にやり、と笑う御剣。
 まだ勝機は残されている。
 大文字外しを1度起点にしてしまえば、もうこちらの勝ちだ。
 ただし、15%以下というとてつもなく細いラインではあるが。
 
「ちくしょぉぉぉ、ド三下ァーッ!! これでお終いだァーッ!!」

 叫ぶ御剣。
 確かに此処で起点にされれば、負ける確立が高くなる。
 高くはなるが---------

「教えてやるよ、大正義600族の力をな!! そして、第四世代トップメタの力をな!!」

 次の瞬間、御剣は驚愕した。
 飛んだ。
 ボーマンダが飛んだのだ。

「大文字? 持ってたらもっと楽だったが、生憎技スペースがきつきつなんでな、今回は搭載していないのさ。その代わり、これを使わせてもらうぜ!!」

 御剣はボーマンダが使った技を見て、あんぐりと口を開けていた。


【ボーマンダの空を飛ぶ! ボーマンダは空高く飛び上がった!】


 1ターンの間、上空に高く飛びそして急降下して相手を倒す技。
 しかし、1ターンのラグが発生するので対戦では殆ど使われない。
 だがボーマンダにはタイプ一致のウェポンが不足している。
 対フェアリーへの安定した最大の打点はこれしかない。
 一方の御剣はまさか、この技を使われるとは思っていなかったので、堂々とボーマンダの前でハッサムを舞わせてしまった。
 メガハッサムの耐久力はこの状態のボーマンダの空を飛ぶですら耐え切れる。
 ”HPが100%の場合、30%ほどのHPを残して”、という大前提がつくわけだが。
 しかし、どうだろうか。
 今のメガハッサムは、先のサンダースの10万ボルトとボルトチェンジでHPは40%程。
 つまり----------

「あ、が、ぎりぎり耐え-----------」
「られるわけ、ねぇだろうがぁーっ!!」
 
 暴龍は飛翔する。
 そして、上空から急降下し弾丸のようなタックルがメガハッサムの装甲を打ち破った。
 ぐしゃり、と音を立ててハッサムの装甲は砕け散る。


【ボーマンダの空を飛ぶ!】



 メガハッサム残りHP:0%


【ハッサムは倒れた!】


 メガハッサムはその場に崩れ落ちた。
 同時に、翼の勝利が確定したのだ。


「勝負っつーのは、強い奴が勝つんじゃねぇ。勝った奴が強いんだよ」


【ポケモントレーナーのキョウヤとの勝負に勝った!】