二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第二章:携帯獣対戦のすゝめ ( No.20 )
日時: 2015/04/12 13:27
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

 ----------どうしよう……! ロトムに交代したいけど、サイコキネシスが来たらガブリアスが受けられなくなるかもしれない! 
 可愛い顔をして、えげつない戦法を使うポケモンは多い。ヌメルゴンの特殊耐久も当てはまるといえば当てはまるが、ニャオニクスの場合は、欠伸ループによってサイクルをガンガン回していくので、よりタチが悪いのだ。
 択ゲーを押し付け、エースの無償降臨を狙う、それが起点構築だ。
 ----------とにかく、ヌメルゴンが眠っちゃうのだけは絶対ダメ! 最悪な状況を避けるように、立ち回れって教えられたもん!

「ヌメルゴン、引っ込んで!」


【ポケモントレーナーのカナはヌメルゴンを引っ込めた!】


 ウルガモスはヌメルゴンの繰り出しで受けられる。ハッサムも耐えてから大文字で焼ける。ガブリアスはロトムで倒せる。
 何とか、最悪の局面だけは避けたいところである。
 そして、繰り出したのは---------


【カナはロトムを繰り出した!】


 ウォッシュロトムだ。ただし、欠伸が入ってしまったが。


【ニャオニクスの欠伸!】


 5ターン目終了
 
 ロトム残りHP:60%
 
 ニャオニクス残りHP:10%未満
 リフレクター残りターン:4ターン
 光の壁残りターン:3ターン

 ----------やっぱり交代してきたか。このままサイキネでダメージを与えたいところではあるが、ヌメルゴン無償降臨がツライ。欠伸連打安定だな。
 ヌメルゴンにとっては、ニャオニクスのサイキネなど余裕で受けられる範疇。ボルチェンをしてくるところではあるが、相手もこちらの物理アタッカーを受ける為に、ロトムの役割をここで放棄したくはないと踏んで、再び欠伸を選んだ。
 その結果。


【ニャオニクスの欠伸!】


 交換は無かった。居座るつもりか、あるいはもう1つのパターンがある。
 それは、後攻ボルトチェンジで後続のエースを無償降臨することである---------


【ロトムのボルトチェンジ! ロトムはカナの元に戻って行く!】


ニャオニクス残りHP:0%!!


【ニャオニクスは倒れた!】


 電撃によって、たまらずニャオニクスはダウン。
 そして、そのまま欠伸を無効化しつつ、現れたのは---------

「行くよ! これがあたしのエース!」


【ポケモントレーナーのカナは、バシャーモを繰り出した!】


 現れたのは、紅蓮の炎に包まれた軍鶏。闘気に満ちた蒼き瞳、強靭でスマートな肉体。
 炎/格闘複合ポケモンにして、猛火ポケモンのバシャーモだった。

「くっ、此処で出てくるかよ----------!!」

 ---------いや、落ち着け俺! まずは此処でガブリアスを繰り出せば---------
 ガブリアスにカーソルを合わせ、選ぼうとする御剣だが、ここで踏みとどまった。
 どうせ、ガブリアスを出しても、ロトム返り討ちにされる未来しか見えない。
 つまり、この場合。ロトムでも後受けできないポケモンを繰り出せば良いのだ。
 ----------ウルガモス。
 御剣の今回の選出は、ロトム、ガブリアス、そしてウルガモスだった。
 そして、このウルガモスはサイコキネシス持ち。バシャーモの上を取れば、倒せる。
 さらに、壁もまだ残っている。
 バシャーモは恐らく、メガシンカ型。そして、メガシンカ型ならば意地っ張りが多いはず。
 そして、今回のウルガモスは最速。相手が初心者であること。そして、守って加速してきた隙を突き、蝶の舞(特攻、特防、素早さを1段階上昇させる変化技)を使えば確実に次のターンには上を取ることができる。
 万が一、ヌメルゴンが出てきたとしても、起点にして舞い続けて攻撃すれば、勝機はある。

「エース降臨の準備は十分に整った!! やっちまえ、ウルガモス!!」


【ポケモントレーナーのキョウヤはウルガモスを繰り出した!】


 6ターン目終了
 
 バシャーモ残りHP:100%

 ウルガモス残りHP:100%
 リフレクター残り3ターン
 光の壁残り:2ターン

 神々しい太陽のような羽を持つ蛾のポケモン、ウルガモス。その種族値は無駄が無く、実質600族に匹敵する程であり、第五世代で猛威を振るったポケモンの一角だ。
 ただし、赤い害鳥の所為で大きく数を減らしてしまった。
 とはいえ、ウルガモスのスペックが落ちた訳ではない。天敵が増えただけなのだ。
 御剣の選択はもう決まっていた。
 蝶の舞、1択だ。


【御剣ポケモンDETA
ウルガモス:太陽ポケモン
タイプ:虫/炎
種族値:H85 A60 B65 C135 D105 S100
型:最速CSアタッカー
持ち物:命の珠
特性:炎の身体(接触攻撃をしてきた相手を火傷にすることがある)
技:大文字、虫のさざめき、サイコキネシス、蝶の舞
天敵:赤い害鳥と岩】


 C135、D105、Sも見かけによらず100とかなり高水準。BとAは低いが、それを抜いても恐ろしいスペックである。
 アローがいないパーティには本当ガン刺さりになりがちなのだ。
 ---------どうしよう。バシャーモで一応守って加速しようかな。
 そう思い、守るを選択しようとする夏奈。
 そのときだった。前に教えられた翼の言葉を思い出す。


(俺のボーマンダのように、素早さを一緒に上げる積み技を持ってる奴の前で、安易にバシャーモを守らせるな)
(どうしてですか?)
(次のターン、相手も素早さを上げてくるってことは、同速勝負やそれ以上に不利な状況になりかねんからだ)
(守るは安全に加速を発動できる---------でも、そこに隙が生まれる)
(バシャーモの初手守るは、それだけ有名で読まれやすいってことだ。相手に積む隙を与えることになるぞ)


 ---------何だか分からないけど--------ここは守っちゃいけない気がする!
 夏奈はウルガモスが蝶の舞を持っていることを知っているわけではなかった。
 しかし。
 直感だ。直感で、ここは守ってはいけない、と悟ったのだ。
 ---------で、でも、深読みは負けの元だっていうし……いまいち確信がもてないよ……でも! 
 翼が対戦の前に言っていた。
 ---------お前が思ったとおりに動けば良い。
 迷いを振り払った。メガシンカを選択し、技を決定する。

「行くよ! バシャーモ! メガシンカ!」


【カナのメガリングと、バシャーモのバシャーモナイトが反応した!】

【バシャーモはメガバシャーモにメガシンカした!】


 ---------メガシンカまでは想定内だ! さあ、守れ! その隙に積んでやる----------!
 ここで守ってくる隙を狙い、積もうとする御剣。
 しかし。バシャーモは動かなかった。

 

【ウルガモスの蝶の舞!】

【ウルガモスの特攻、特防、素早さがあがった!】


 この時点で、御剣の焦りはピークに達していた。
 先制し、のうのうと蝶の舞を舞ったのは、ウルガモスの方だったのだ。
 つまり、バシャーモは守らず、攻撃技を選んだと言う事になる。

「バシャーモ、頼んだよ! 落として!」
「な、バカな! 守って来なかった、だと!?」


【バシャーモのストーンエッジ!!】


 たとえ、リフレクターが貼られていたとしても。
 防御が低い上に、元から岩が4倍弱点のウルガモスは、貫かれるしかない。
 成す術なく、ウルガモスはバシャーモが放った岩の刃に切り裂かれ、その場に羽を散らし、崩れ落ちたのだった。

「なんつー、大胆なプレイングだ。初心者とは思えないぜ!」
「……翼が教えたんじゃなかったっけ」
「実践するか否かは別だ。どの道、直感だろうが読みだろうが、この場面では間違いなく、あいつは御剣に読み勝っている!」


【効果は抜群だ!】


 ウルガモス残りHP:0%!


【ウルガモスは倒れた!】


 相手のエース撃破。
 夏奈の顔が、歓喜で輝く。


【夏奈ポケモンDETA
バシャーモ:猛火ポケモン
タイプ:炎/格闘
種族値:H80 A120 B70 C110 D70 S80
メガ後:H80 A160 B80 C130 D80 S100
型:AS準速メガシンカアタッカー
持ち物:バシャーモナイト
技:フレアドライブ、飛び膝蹴り、ストーンエッジ、守る
称号:ホウエン御三家】


 御剣は、初心者に今の行動を読まれたのに動揺してしまった。
 まさか、ニャオニクスに対面でドロポンを打つような女が、こんな読みをするわけがないと思ったのだ。
 目の前の少女が、翼に重なって見えてくる。

「ば、ばかな、ありえねぇ……! くそっ!!」


【ポケモントレーナーのキョウヤは、ガブリアスを繰り出した!】


【御剣ポケモンDETA
ガブリアス:マッハポケモン
タイプ:ドラゴン/地面
種族値:H108 A130 B95 C80 D85 C102
型:AS起点作成
持ち物:気合の襷
技:逆鱗、地震、岩石封じ、ステルスロック
称号:最強600族】


 現環境トップメタのガブリアスを繰り出した御剣は、何とかバシャーモと後ろのロトム、ヌメルゴンは突破せねば、と焦り出した。
 まず、リフレクターはまだ残っている。
 押し切れるはずだ、と思い直す。さもなければ、対戦を続けられる気がしなかった。


 7ターン目終了
 
 バシャーモ残りHP:100%

 ガブリアス残りHP:100%
 リフレクター残り:2ターン
 光の壁残り:1ターン


 そして、御剣のやるべきことは、ただ1つ。
 地震で目の前のバシャーモを何が何でも撃破することだった。
 一方の夏奈は、ロトムに引くのが安定ではあった。
 しかし。先ほどバシャーモでウルガモスを倒した喜びが忘れられず、それを完全に失念。
 すぐさま、ガブリアスへ殴りかかる。


【バシャーモの飛び膝蹴り!】


 ガブリアス残りHP:55%

 しかし。流石のダメージといったところであろうか。リフレクターが貼られているにも関わらず、ガブリアスの残りHPは半分に。
 一応、ローブシン並みの物理耐久とランクルス並みの特殊耐久はしているのである。
 
「落ちろぉぉぉぉ!!」


【ガブリアスの地震! 効果は抜群だ!】


 バシャーモ残りHP:0%!


 地面を踏み鳴らし、振動でバシャーモの身体を内側から破壊するガブリアス。
 流石のメガバシャーモもその場に、あっけなく崩れ落ちる。
 
「残るは---------ロトムだけ、か」

 ヌメルゴンは逆鱗で倒されてしまう。
 彼女が頼れるのは、もうロトムしかいなかった。


 8ターン目終了
 ロトム残りHP:60%
 ガブリアス残りHP:55%
 リフレクター:残り1ターン
 光の壁:解除


 ここでの彼女の負け筋は、急所突破。これはもう、プレイングではどうにもならない。
 そして、勝ち筋は逆鱗耐えてオボン発動→鬼火→逆鱗耐え、ドロポンと鬼火ダメで突破、というものだった。
 
「いっけええええ!! 叩き潰せ、ガブリアース!!」
「お願い、耐えて!!」


【ガブリアスの逆鱗!】

 
 怒り狂い、突貫するガブリアス。
 しかし。


 ロトム残りHP:10%


 耐えた。僅かではあるが、HPを残し、ロトムは耐え切る。
 そして、大きな木の実を洗濯機の蓋をあけ、自らの体内に吸収した。
 体力が回復する。


【ロトムはオボンの実で体力を回復した!】


 ロトム残りHP:35%


 そして、お返しと言わんばかりに青い炎を放つ。
 ガブリアスの身体に炎が灯り、鮫肌を焼いていった。
 物理攻撃力はこれで2分の1。次の逆鱗も耐えられる。


【ロトムの鬼火! ガブリアスは火傷になった!】


 9ターン目終了

 ロトム残りHP:35%

 ガブリアス残りHP:火傷で40%
 リフレクター:解除
 
 そして、暴走を続けるガブリアス。逆鱗状態になり、しばらくの間、制御が不能になるのだ。
 なおも、目の前の敵を排除しようと暴れまわるが---------

「頼むよ! ロトム!」


【ガブリアスの逆鱗!】


 ロトム残りHP:14%


 削り切れず。
 火傷状態になったガブリアスは、既に本来の力を失っていたのだ。


「いっけえええええ!!」


【ロトムのハイドロポンプ!!】


 ガブリアス残りHP:0%!!


【ガブリアスは倒れた!】


 彼女の思いに呼応するかのように、最後の力を振り絞ってロトムはガブリアスにハイドロポンプをブチ当てた。
 無振りとはいえ、相当の火力。
 ガブリアスは遂に力尽き、音も立てずに崩れ落ちたのだった。最強といえど、無敗ではないのだ。
 
「や、やった---------!」


【ポケモントレーナーのキョウヤとの勝負に勝った!】


 初めての初陣。
 初めてのガチ同士でのバトル。
 そして----------初めての勝利だった。

「勝ったんだ----------!!」