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Re: 追加戦士に憧れて 【しゅごキャラ!×スーパー戦隊】 ( No.5 )
日時: 2016/03/19 14:26
名前: 夜星 ◆Cy8HiY0qWk (ID: byaeXgri)

「——で」

 とりあえず、俺はヒイロと名乗るしゅごキャラとやらに問うことにした。

「一体俺をどこに連れてく気だ?」

「いや、俺が連れてってる訳じゃねーし。お前が『なりたい自分』に沿って動いてるだけだ」

「なりたい……自分」

 先程から言っているそれの意味は、未だ分かりかねる。

 なりたい自分……即ち、俺の夢?

 最初に思い浮かんだものは、この世界に転生する際に望んだものだった。

 スーパー戦隊の追加戦士。

 だが、それはあくまでも幻想。なれないと分かっているものなのだ。

 あれは空想の——実在しない戦士。

 なりたいと思っても叶わないもの。

「ほら、いたぞ」

「へ?」

 ヒイロの指さす先……建設中と思しき建物の上。

 地上から数十メートルはあろうかという、ここから見えるか見えないかの位置。

 鉄柱の骨組みに立つ、二人の人影。

「は……? なんであんなところに——」

 目を細めて見てみれば、片方は明らかに見覚えがあった。

「——日奈森!?」

 そう。今しがた全校生徒及び教師一同の前で蛮勇なる告白をしてのけた日奈森である。

「馬鹿かアイツ、なんであんなところに……」

「さあさ、ミコト。あの女の子は大ピンチと見える。どうするよ」

「どうするも何も……そうだ、警察——」

「間に合うか。もう片方の男に何されるかわかんねーぞ」

 日奈森に近づく、ヒイロ曰く男。

 アッチもアッチで危ない。どうしてああなったかはさておいて、早急な救助が必要であることは明白だ。

「行けよミコト。信じろ。自分の本当になりたいもの。そして自分自身を」

「ッ——」

 この小人の言葉を真に受けるのは、あまりにも馬鹿馬鹿しい。

 都市伝説の方がまだ信ぴょう性がありそうな、滑稽極まりない戯言。

 ああ、だがそれでも——今は信じるしかなさそうだ。

「俺の、なりたい、自分……!」

 そう。かつて、いや今も憧れる、その姿。

 最初に思い浮かんだものは、やはり彼だった。

 ——仲代壬琴。

 地球を守る戦士たちの前に、長く敵として立ちはだかったダークヒーロー!

「——おおおおおおお!」

 手元に現れたそれを握り込む。

 ウイングペンタクト。俺が憧れる戦士が武器として持っていた、羽ペン型の武器。

「おい! ヒイロ!」

「どうした?」

「……飛べるんだろうな?」

「いけるさ。今のお前はヒーローだ」

 こんな奇跡を見せられれば、少なくとも今回ばかりは吹っ切れる。

 大地を蹴る。あの二人の間目掛けて、真っ直ぐに跳ぶ。

 いち早く男が気付くも、対処できるはずもなく——

「きゃあ!?」

 日奈森の驚愕の声を聞きながら、俺は鉄骨に降り立った。