二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ポケモンバトルM・EVO【ポケモン対戦小説】 ( No.5 )
- 日時: 2015/02/16 21:26
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
- 参照: https://www.youtube.com/watch?v=U6Iy3MYdUkI
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【謎の影が勝負を仕掛けてきた!】
【行け! ラグラージ!】
ぶるっ、と巨大な体を振るい、アクアは呟く。
「さて、一応ですが僕らのデータを随時表示出来るようにしておいたので、ボマーさんとチャモさん、アドバイスお願いします!」
「オーケー! 分かったぜ!」
「いつものことだけどね」
ぴっ、とデータが表示された。
『ポケモンDETA
アクア:ラグラージ♂
HP207/207
性格:冷静沈着ではあるが、少々キレやすい。常識人の突っ込み役。
性能:頭脳戦が得意ではあるが、本来は近接格闘が得意。ただし、メガシンカ時に限る。また、ラグラージ族にも例外はあるのか、擬人化体の顔は整っている方ではある。総じて、ラグラージには見えない。
火力:C(A) 速度:C(S) 耐久:A 自覚:C スタミナ:A 頭脳:SS』
「おおー、成る程。これは分かりやすい」
「さて、相手は何を出すのでしょう」
【謎の影はドーブルを繰り出してきた!】
絵描きポケモン、ドーブル。種族値はお世辞には優秀とは言えず、特性もそこまで強いものではない。
本来は。
「奴は確か、スケッチで何でも技を習得していたはず。何を使ってきても文句は言えませんね」
「下手したら、時の咆哮とか飛んでくるかもな」
「奴の火力じゃ、大したことはありません。それより----------」
【ドーブルのキノコの胞子! アクアは眠ってしまった!】
キノコの胞子。命中率100%で相手を必ず眠らせる恐怖の技である。かのボクサーキノコはこれで第五世代のレーティングを荒らし回った、とんでもないポケモンだ。
そして、これは本来ならばキノコ系のポケモン以外は習得が出来ない技。
それを平気な顔でドーブルが覚えているのには訳がある。
スケッチ、だ。先ほどボマーが言っていた通り、このスケッチは直前に相手が使った技をコピーすることが出来るという代物。
それを駆使し、何をしてくるのかが読めないのが、ドーブルの特徴である。ダークホールだろうが、なんだろうが、使われても本当に文句は言えないのである。
「……お休みなさい」
「うぉぉおおおい!! てめぇぇぇ!! 何やってんだ!! 寝てる間にギロチン連打して一撃必殺狙う型かもしれんぞ!!」
「ぐーすかぴー」
「あはっ、寝てるあっくん可愛い」
「可愛いとか言ってるバヤイかぁぁぁ!!」
ん、待てよ……。奴の特性って確か……。
「や、やべぇ。もう1つやばいルートを思いついてしまった」
【ドーブルのムラっけ発動! ドーブルの命中率がぐーんと上がった! ドーブルの回避率が下がった!】
「連打っつーか、命中率上げて一発で当てるつもりだ、あの犬野郎ォーッ!」
これはやばい。一撃必殺を使うと決まった訳ではないが。
ドーブルの特性:ムラっけはターンの終わりに自分の能力のいずれかが2段階、つまりぐーんと上がり、それ以外の能力が一段階下がるというもの。
この特性は使い方次第では凶器になりえる。
例えば、上がった命中率で一撃必殺技を当てたり、上がった回避率でひたすら避けまくったり、などである。
【ドーブルの殻を破る! ドーブルの防御と特防が下がった! ドーブルの攻撃と特攻と素早さがぐーんと上がった!】
【アクアはぐうぐうと寝ている】
【ドーブルのムラっけ発動! ドーブルの命中率がぐーんと上がった! ドーブルの回避率が下がった!】
おかしい。一撃必殺技など飛んでこない。
「えっと待てよ? 何故に殻を破る、だ?」
「もしかして、相手って積みバトン構築じゃ……」
「あっはっはー、そんな訳……起きろぉぉぉーっ!! アクアァァァーッ!! 相手は積みバトンだ、死ぬぞぉーっ!!」
必死の形相で叫ぶボマー。しかし、アクアは気持ちよさそうに寝ているだけだ。
積みバトン。つまり、積み技を使った後にバトンタッチを使い、そのまま能力変化を後続に引き継がせて全抜きするという戦法だ。
【ドーブルのキングシールド!】
【アクアはぐうぐうと眠っている】
【ドーブルのムラっけ発動! 攻撃がぐーんと上がった! 命中率が下がった!】
何故、此処でキングシールドをしてきたかはすぐに分かった。
まもみがオニゴーリと同じように、確実にムラっ気の試行回数を増やすため。
殻を破るを下手に使えば、防御面が下がり、アクアがアタッカーだったときにやられる可能性がある。
「悠長な……! くそっ!」
【ドーブルのキングシールド! しかし、うまく決まらなかった!】
この際、キングシールドの発動か否かは関係ない。
此処で奴を”ほえる”で吹き飛ばせば、上がった能力を全て無かったことに出来る。
次の瞬間、むくり、とアクアは起き上がった。
「お、おおおーっ!! 起きたか、アクア! 吼えて奴を吹き飛ばすんだ!」
「うう、起点作り……しないと」
【アクアのステルスロック! 辺りに尖った岩が漂い始めた!】
岩が浮遊する。交代して出てきた相手に突き刺さる潜伏する岩だ。
しかし、場違いすぎた。
ボマーの顔が真っ白になる。
「何で吼えなかった、てめぇぇぇぇーっ!!」
「あり? やっちゃった感じですか、これ」
【ドーブルのムラっけ発動! 素早さがぐーんと上がった! 攻撃が下がった!】
「ええ!? 積みバトンかもしれない!?」
「寝てたから、仕方ねぇか。くそっ」
「でも、だとしたら、相手の後続ってローブシンかマンダですよね、これって詰みゲー-----------」
【ドーブルのキノコの胞子!】
「お休みなさいです」
「この役立たずーっ!!」
【アクアはぐうぐう眠っている!】
これはまずい。好い加減、相手も積みバトンならばバトンタッチを使ってくる頃合だ。
そして、本日何度目か知らないが、相手のドーブルのムラっけが発動する。
【相手のドーブルの攻撃がぐーんと上がった! 回避率が下がった!】
そして、間もなく----------
【ドーブルのバトンタッチ!】
相手の恐怖のバトンが繋がれた。そして、現れたのは-------------
【黒い影はローブシンを繰り出した!!】
2柱のコンクリートを掲げたポケモン、ローブシンだった。